魔王から学ぶ魔王の倒し方

唯野bitter

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私と彼の恋愛事情~愛しの彼は恋愛禁止!?~

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※この話はなろうでエイプリールフールに公開した物です


(ピピピッピピピッ)
「うーん、うるさいなあ」


 朝、鳥のさえずりに混ざって目覚まし時計のアラームが部屋に鳴り響く。私は寝ぼけながらも時計のアラームを止める。


「えーっと、今何時?」


 眠たい目を擦りながら時間を確認する。


(AM7:30)
「……へ?」


 見間違いかと思って時計を叩いたりひっくり返したりするが時計に表示されている時間は変わらない。
 たっぷりと時間をかけて状況を把握した私は勢いよくベッドから飛び起きる。


「遅刻だー!」


 大急ぎでパジャマから制服に着替えると、部屋から飛び出し一階に駆け下りる。


「お母さん、何で起こしてくれなかったの!?」


 洗面所で身だしなみを整えながらお母さんに文句を言う。すると、台所からお母さんの呆れたような声が聞こえる


「毎朝、ぎりぎりまで眠って。高校生なんだから自分で起きなさい」
「ひどいよお母さん!鬼!悪魔!」
「はいはい、お弁当とパンはテーブルの上に置いてあるからね」


 テーブルの上に置いてあるお弁当を鞄に放り込んで、パンをくわえて玄関へと急ぐ。


(ワンワン!)
「おっと忘れていた」


 玄関を出ようとした瞬間、後ろから鳴き声が聞こえる。振り向くと愛犬であるホウリがつぶらな瞳でこちらを見ていた。
 私はホウリに顔を埋め、日課であるモフモフを堪能する。これがないと一日が始まらないよね。


「早く行かないと本当に遅刻するわよー!
「はーい!」


 ホウリのモフモフを惜しみつつ玄関の扉に手を掛ける。


「いってらっしゃい」
(キャンキャン!)


 二人の言葉に返事をして私は玄関から飛び出す。


「行ってきまーす!」



☆   ☆   ☆   ☆



 私にの名前は『倉 美得流』。お母さんとお父さん、愛犬のホウリと4人で暮らしている高校2年生。運動は得意だけど勉強は苦手な普通な私は、普通なピンチにあっていた。


「って、モノローグしている場合じゃなーい!遅刻遅刻!」


 パンを齧りながら全力疾走で学校へと向かう。
 そこの角を曲がれば学校まですぐだ。スマホで時間を確認すると始業チャイムまで残り15分の時間を差していた。このままだったらギリギリかも。
 不安になった私は更に走るスピードを上げて角を曲がる。


「うわぁ!」
「きゃあ!」


 すると、突然角から現れた人影にぶつかってしまった。


「いったーい」


 尻もちを付いてしまった私がお尻を擦っているとぶつかった人から手が差し伸べられる。


「すみません、大丈夫ですか?」
「大丈夫で……す?」


 差し出された手を握りその人の顔を見た瞬間、私の視線はその人に釘づけになる。
 草原を思わせるような鮮やかな緑色の髪、全てを包み込むような優しげな目元、聞いていて安心する声、どれをとってもこの世のものとは思えない程にキレイだ。


「…………」
「あの、顔が赤いですけど大丈夫ですか?どこか打ちましたか?」
「……は!?だだだ大丈夫です!ありがとうございます!」


 握っていた手を振りほどいて急いで立ち上がり頭を下げる。


「ご、ごめんなさい。急いでいて……」
「こちらこそ申し訳ないです。ところで、聞きたいことがあるんですがお時間ありますか?」
「もちろ───」


 勿論と言いかけて頭の中で何かが引っかかる。あれ?何か忘れているような?えっと、確か……


「学校!!」


 慌てて時間を確認すると始業のチャイムまで残り10分を指していた。ここまで来ると間に合うか怪しい。


「やばいやばい!早くいかないと!ごめんなさい、私もう行きます。それじゃ!」


 その人の返事も聞かず一目散に学校へと走る。お願い間に合って!



☆   ☆   ☆   ☆



 息を切らせながら教室に駆け込む。壁に掛けられているを見てみると始業のチャイムまで2分の時間を指していた。


「セーフ!」


 息を整えながら自分の席に座る。


「ハァハァ、間に合ってよかった。明日からは早く起きられるように頑張ろう」


 毎朝のように決意を固めていると、後ろから誰かが抱き着いてきた。


「おはよう、美得流。今日もギリギリじゃったな」


 振り返ってみると、赤紙のツインテールの可愛らしい女の子が抱きついていた。


「お、おはようフラン。とりあえず暑いから離れてくれない?」
「おお、悪かったのう」


 フランは絡めていた手をほどくと私の正面に回ってくる。
 この子の名前はフラン・アロス、外国からの転校生で私の親友だ。スポーツも勉強もできる優等生で人付き合いも良い。日本語はお爺ちゃんから教わったから少し古臭いけど、そこが良いと男子には人気があるらしい。
 そんなフランは机に顔を乗せるとニヤリと笑う。


「そういえば美得流や、良いニュースと悪いニュースがある。どちらから聞きたい?」


 フランの表情から良い予感はしないけど興味はあるかな。


「じゃあ良いニュースで」
「良いニュースはな、先生から10分程遅れるという連絡があったという事じゃ」
「悪いニュースは?」
「美得流の頑張りは無駄だったという事じゃな」
「なーんだ、だったらもう少しゆっくりすれば良かった」
「そういう調子じゃから毎朝ギリギリなんじゃろう」


 もう少し時間があったらあの人ともっとお喋りできたかもな。そういえば、あの人の名前も聞けてないな。どんな名前なんだろう。


「美得流、美得流!」
「……はっ!急にどうしたの!?」
「それはこっちのセリフじゃ。話し掛けても反応せずにニヤつきおって」
「に、ニヤついてなんかない!」


 慌てて口元を隠すとフランはコロコロと笑う。


「それで、何があったんじゃ?」
「な、何にもないよ?」
「見え透いた嘘はよせ」
「うー、分かったよ」


 私は今朝の出来事を事細かに説明する。


「なるほどのう、そいつを思い出してニヤついておったわけじゃな」
「そうなんだよね、今頃あの人は何しているんだろ?……って、ニヤついてない!」


 私が机を勢いよ叩くと同時に教室の扉が開いて、小学生くらいの女の子が入ってきた。


「はーい、皆席についてー」
「先生が来たか、また後でな」
「うん、また後で」


 先生の言葉を聞いたフランは自分の席へと戻っていく。
 先生は教室の隅から踏み台を取ってくると教壇の後ろに置く。そして、踏み台の上に立つと出席簿を取り出す。
 

「今から出席を取ります。呼ばれた人は大きな声で返事をしてください。安部 隆君」
「はい!」


 次々と出席を取っていく女の子。何を隠そう、この女の子こそが私たちの担任であるノエル・アロス先生だ。年は8歳だが海外の大学を去年卒業しこの高校に赴任してきた。名前から分かるようにフランの妹でこの学校に来た理由も『フランお姉ちゃんがいるから』という生粋のお姉ちゃん子だ。分かりやすい授業と可愛らしい仕草からこのクラスだけではなく、他のクラスの生徒からも人気がある。
 そんなノエル先生は出席を取り終えると、出席簿をパタンと閉じる。


「実は今日は皆にお知らせがあります!なんと!」
「「「なんと!」」」
「転校生が来ます!」
「「「おぉー!」」」


 ノエル先生の言葉で教室中が一気に騒めき出す。


「カッコいいかな?」
「俺は美人に一票いれるね」
「もしかしてヤンキーとか?」
「そんなことよりおうどんたべたい」


 色々な憶測が飛び交う中、ノエル先生が手をたたいてみんなを静かにさせる。


「みんなー、転校生を呼ぶから少し静かにしてね」


 みんなが静かになったのを確認して教室の外へと声を掛ける。


「入ってきて良いよー」
「失礼します」


 扉を開けて入ってきた人物を見た瞬間、私は胸が熱くなるのを感じた。草原を思わせるような鮮やかな緑色の髪、全てを包み込むような優しげな目元、聞いていて安心する声、間違いない、いや間違えようがない。さっきぶつかってしまったあの人だ。
 私が何も言えずに固まっている中、その人は黒板に名前を書き始める。


「始めまして、僕は丹 露和と言います。特技は弓道です。これからよろしくお願いします」


 露和さんが自己紹介を終えると、教室中からまばらな拍手が起こる。そんな中、一人の女子生徒が急に立ち上がり声を張り上げる。


「あの!質問いいですか!」
「は、はい」
「彼女はいますか!」


 瞬間、教室内の女子の目が獲物をかる肉食獣の目になる。その光景をみて私は一種の恐怖を覚える。
 嫌な予感する、まさかフランも……。思わずフランの席に目を向けると、フランはいつも通りノエル先生を笑顔で眺めていた。よかった、フランはいつも通りだ。
 

「えーっと……」


 女生徒たちの迫力に露和が答えに窮しているとノエル先生から助け舟が出される。


「えー、露和君のお父さんとお母さんから露和君が告白されたら転校すると伝えるように言われています。お友達になることは禁止されてないから仲良くしてね」


 ノエル先生の言葉により女生徒の緊迫した雰囲気が急激に萎んでいく。そのことを知ってか知らずかノエル先生はいつもと変わらない様子で教室中を見渡す。


「えーっと、露和君の席はどこがいいかなー」


 教室を見渡しているノエル先生と目が合うと、ニコリと微笑まれる。


「美得流ちゃんの隣がいいかな」
「分かりました」

 
 隣の席に露和さんが座るとニコリと微笑んできた。


「さっきの方ですよね?」
「は、はい」
「さっきはすみませんでした。大丈夫ですか?」
「だ、大丈夫です」
「よかった、これからよろしくお願いしますね」
「よ、よろしく……」


 彼の微笑みに胸を熱くさせながら話す。
 こうして私と彼との物語が始まった。

つづく











ホ「待てや!」
b 「何?側溝の化け物みたいになってどうしたの?」
ホ「どうしたもこうしたもねぇ!なんだよこの話!」
b 「ミエルとロワを中心とした少女漫画風ストーリーだけど?」
ミ「何をカッカしている?素晴らしい話だったじゃないか」
ロ「僕は気恥ずかしかったですけどね」
ノ「先生役楽しかったよ?」
フ「わしも文句はないのう」
ホ「俺があるんだよ!配役に悪意がありすぎるだろ!」
b 「えー、そんなことないよ?」
ホ「じゃあ聞くぞ、ミエルの役はなんだ?」
b 「どんな困難にも立ち向かう主人公」
ホ「ロワの役は?」
b 「イケメン過ぎるミエルの恋人」
ホ「フラン」
b 「ミエルの良き理解者である親友」
ホ「ノエル」
b 「天才幼女先生」
ホ「俺」
b 「犬」
ホ「おかしいだろ!なんで俺だけ人間じゃないんだよ!」
b 「なにか問題でも?」
ホ「問題しかねぇだろ!」
ノ「そうだよ、問題大ありだよ!」
ホ「ノエル……、ありがとう、俺の味方はお前だけだ」
ノ「ホウリお兄ちゃんはワンちゃんじゃなくてにゃんこが似合うんだよ!」
ホ「そういう問題でもねぇよ!?」
ロ「僕はホウリさんの印象はオオカミですかね」
ミ「そんなにカッコよくはないな。ホウリの性格上せいぜいハイエナだろう」
フ「いや、ハイエナは狩りをするらしいぞ。コバンザメが妥当じゃろ」
ホ「お前らの俺への印象はどうでもいい!それよりも俺の扱いをなんとかしろ!」
b 「といってもプロット決まってるし、これから変えるのも無理だよ?」
ホ「それでもなんとかなるだろ。例えば恋のライバル役とか」
b 「それはジルとナップの役だね」
ホ「あいつらの出番もあるの!?」
b 「私の小説で名前が出た人物は大抵出番があるね」
ホ「そんな中で俺は犬役なのか!?」
フ「まあ良いではないか。所詮はエイプリルフールの嘘小説じゃ。そうムキになるでない」
ホ「それもそうだが、1つ気になる事がある」
ロ「なんですか?」
ホ「そのプロットって奴だ。見せてみろ」
b 「いいよ。はい、これがプロット」
ホ「…………」
フ「どうじゃ?」
ホ「普通のプロットだ。だが……」
b 「だが?」
ホ「この中盤の山場と書いてある『ホウリの死によって二人の関係が進みだす』、俺死ぬの!?」
b 「ホウリの死があってこそ二人の停滞していた関係が動き出すんだ。結構重要な役だよ」
ホ「けど何も死ぬことは無いじゃないか。大怪我とかでもいいんじゃないか?」
b 「それだと『怪我したけど助かって良かったね』ってなるでしょ。親しい者の犠牲があるからこそ心が動かされるというものだよ」
ホ「……建前は分かった。本音は?」
b 「ホウリならこんな扱いでいいかなって」
ホ「表出ろや!」
フ「まあまあ落ち着け」
ロ「あはははは……」
ミ「そんなことより、プロットを書いているという事はこの話は発表する予定でもあるのか?」
b 「今のところ無いね。書くとしたら名前は直すけどね。美得流って書いてミエルって読むのは流石にアレだし」
フ「そういえばわしとノエルの名前はそのままじゃったな」
b 「なんとなくその方がいいかなって。じじい言葉の女子高生と幼女先生の理由づけとしては外国人の方が良いと思うし」
ホ「外国人設定は矛盾の免罪符じゃねぇぞ?」
b 「細かいことは気にしない。そんなことより、来年のエイプリルフールのネタを考えないとね」
ロ「もうですか?」
b 「私の性格上、エイプリールフールの一週間前に気付いて慌てるパターンだと思うし今のうちに考えておこうと思ってね。何かやりたい事ある人いる?」
ホ「いつもだったら俺を活躍させろって言うところだが、最近は良い思いさせてもらっているし、特に言うことは無いな。いつもと違うことがやりたいんだったらホラーとかいいんじゃないか?」
b 「私怖いの苦手だから却下」
ロ「冒険ものとかどうでしょうか」
b 「本編と変わらないから却下。ノエル編が終わったら冒険する予定だし」
フ「ならばアレはどうだ。変身ヒーロー。最近は仮〇ライダーを見とるんじゃろ?」
b 「確かに良いかも。他にある人いる?」
ノ「はい!家族コメディとかやりたい!」
b 「うーん、ちょっと難しいかも。楽しそうではあるから考えてみるよ。こんなところかな」
ミ「そうだな、他に何かあるか?」
b 「特には無いしそろそろ終わろうか。それじゃ、また来年か他の茶番でお会いしましょう。せーの」
全員『まったねー!』
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