魔王から学ぶ魔王の倒し方

唯野bitter

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第四十五話 痩せたカツオなら刺さるよね!

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───動物と魔物───
一般的に魔物と動物は区別されている。動物はステータスは持たずレベルを持たない。対して魔物はステータスで強さを確認でき、他の魔物を殺すことでレベルが上がりステータスが上昇する。また、死んだときに動物は死体が残るが、魔物は光の粒と共に消滅する。以上の事から人族や魔族は魔物に分類される。─────Maoupediaより抜粋



☆   ☆   ☆   ☆



 船に全員が乗った事を確認しエンジンを入れ大海原へ乗り出す。


「それじゃ、出発!」
「おおー!」


 徐々にスピードに乗った船は波しぶきを上げながら沖へと進む。


「わーい!風がしょっぱーい!へんなの~」
「これ、暴れるでない。船から落っこちるぞ」
「そうだぞ、少し大人しくするんだ」


 はしゃいでいるノエルをフランとミエルがたしなめる。
 甲板のそんな様子を聞きつつ、俺は船尾で船の舵をとる。そんな中、船尾にトリシューラを持ったロワがやってきた。


「どうした?」
「少し試したいことがありまして」
「何か手伝うか?」
「大丈夫です。強いて言うならそっとしておいて下さい」


 ロワはそう言うと船尾の片隅であぐらをかき、片手にトリシューラを握り目を閉じる。
 数分それが続いたと思うと、トリシューラが握られていない手が輝きだし、トリシューラに似た矢が握られていた。
 ロワはトリシューラに似た矢を太陽にかざしたり軽く叩いたりした後に落胆した様子で呟く。


「やっぱりダメですね」
「複製か?」
「ええ、やっぱりトリシューラ程の矢となると複製は難しくなりますね」
「出来はどうだ?」
「あまり良くないですね」


 複製されたトリシューラを受け取り品質を確かめる。


「…MP効率80%ってところか」
「数分かけて80%ですし、かなり難しいです」
「感覚麻痺してるが80%も高い方だからな?」


 複製版とはいえ性能は高い。売れば一本で数十万Gは下らないだろうな。


「同じ物を作るのは物理的に不可能なのか?」
「不可能ではないです。ですが、50年試して一本作ることが出来たら上出来な程度には難しいです」
「普通の矢はどの程度の品質で複製出来る?」
「木の矢でしたら100%で複製出来ます。素材が希少なものであったり複雑な作りの物は精度が下がります」


 となると、複製で金策するのは現実的じゃないな。だが、難しいだけなら練習次第で安定していくだろう。


「後何分で着きます?」
「10分くらいだな」
「わかりました。着くまで複製を頑張ってみます」
「了解。着いたら声を掛ける」


 再び目を閉じて集中し始めたロワから目線を外し舵取りに集中したのだった。


☆   ☆   ☆   ☆


「そろそろ目的地だぞ」


 船を減速させつつ集中しているロワに声をかける。俺が声を掛けると同時にロワの手に複製された矢が表れる。


「出来はどうだ?」
「ダメですね、2本複製しましたが70%と60%でした。複製した矢はどうしましょう?」
「品質自体は高いから普段使いにしたらどうだ?」
「それいいですね」


 ロワと話しながら錨を降ろして船を流されないようにする。


「行くか」
「はい」


 ロワを連れて甲板に行くとノエルが海の中を覗き込んでいた。そんなノエルをフランがたしなめている。


「これこれ、身を乗り出すでない」
「う、うん」


 いつもだとフランの言うことを聞かずに一度はゴネるんだが、今回は素直だな?まあ、素直なのに越したことはないか。
 全員が甲板に集まった事を確認し俺は説明を始める。


「これからクラーケンのドロップ品の回収作業に入る」
「対決ではないのか?」
「遠くに流されない内に回収しないとな」
「方法は?」
「大半はフランに回収してもらう。他の奴は対決前のウォームアップの感覚でいい。だが、目玉だけはちゃんと回収しろよ」
「質問いいですか?」


 控えめに手を上げるロワに頷いて答える。


「この海はどのくらい深いんですか?」
「7~10m位だな」
「結構深いな。息が続くか心配だ」
「それについては心配ない。こいつがある」


 アイテムボックスからアメ玉程の大きさの白い玉を取り出す。


「これは?」
「これは『空気玉』。唾液と反応して空気が発生する玉だ」
「この玉を口に含んでいれば水中でも呼吸が出来るってことですか?」
「その通り。これ1つで約30分使える。念のため1人5つ渡しておこう」


 そう言って全員に空気玉を5つずつ渡す。


「足りなくなったら配布するから言うように。何か質問はあるか?」


 俺の言葉にノエルがおずおずと手を上げる。顔を見ると顔色が優れない事に気がつく。


「どうした?気分でも悪いのか?」
「その、ノエル泳いだ事なくって……」
「それなら心配いらない。素潜りは泳げなくても出来る」
「え!そうなの!?」


 ノエルの言葉に俺は頷き、黒色の腕輪を取り出す。


「なにこれ?」
「これは『ヘビーブレスレット』。MPを流す事で体重を重くする事が出来る。これさえあれば泳げなくても海底に沈む事が出来るって訳だ」


 慣れればヘビーブレスレットが無くても潜れるが、慣れてなくてもこれで潜る事が出来る。MPを流すのを止めると効果が無くなる優れものだ。お値段10万G成り。


「凄いです。これがあれば潜水も楽になりますね」
「でも、まだ怖い……」


 不安そうな表情のしているノエル。確かに言葉だけで安心しろと言っても不安だよな。


「あまり嫌々やらせるのもいけないから、30分の練習の間に無理だと判断したら行ってくれ。潜らなくても釣りとかあるし楽しめるだろう」
「分かった。頑張ってみる」


 手を胸の前に持ってきて気合を入れるノエル。まだ顔には不安が残っているが、何とかなるだろう。


「それじゃ、今からいくつかの注意事項を説明する。まずは─────」


☆☆10分後☆☆


「─────必要以上に生き物を獲ったり地形を破壊しないこと。ほかに何か質問はあるか?」
「特にないので早く行きましょう」


 既にゴーグルを掛けながら待ちきれない様子のロワ。海を見ながらソワソワしていて楽しみなのが丸わかりだ。


「最後に不正行為について説明する。この回収時間に魚を獲ったり捕まえ易いように細工することは禁止だ。不正した場合…………」
「不正した場合?」
「獲ってきた魚を口の中にねじ込む」
「肝に銘じておきます」
「それでいい。それじゃ、回収開始」
「いやっほーい!」


 説明が終わると同時にロワが船の外へ向かって走り出し、そのまま海に飛び込む。


「抜け駆けは許さん!わしも行くぞ!」


 ロワに続きフランも海へと飛び込む。ミエルは二人のように飛び込んだりせず、船の縁からゆっくりと海へと入る。


「俺たちも行くか」
「うん」

 
 不安げなノエルの手を引き梯子がある船尾まで移動する。


「それじゃ、ゴーグルを付けて梯子から海に入ってくれ。梯子には捕まったままでいいぞ」


 言われた通りに梯子にしがみつきながら海に入るノエル。俺は船から海に飛び込み立ち泳ぎでノエルの正面に移動する。


「まず初めに海に慣れる所から始めよう。大きく息を吸い込んで梯子にしがみついたまま潜ってみるんだ」
「う、うん……」


 頷いたものの一向に海に潜る気配はない。


「怖いか?」
「……うん」


 梯子にしがみついたままノエルは頷く。
 泳いだことがない中で初めて海に入ったから不安なんだろう。だが、ノエルにはその恐怖を乗りこえることが出来るはずだ。


「確かに海は陸に比べて危険が多い」


 俺はノエルの目をまっすぐ見据えながら俺は話す。


「だが、断言しよう。海の中の光景を見たらその怖さは絶対に消える」
「どういう事?」
「見たらわかる。俺も一緒に潜るから一度だけ頑張ってみないか?」
「……うん」


 ノエルは首を傾げたが、とりあえずといった様子で頷く。


「『せーの』で一緒に潜るぞ。大きく息を吸って……せーのっ!」


 掛け声と共に同時に俺たちは海に潜る。ノエルは最初は怖かったのか目を閉じていたが恐る恐る目を開け始める。
 海の中は太陽の光で幻想的な光景が広がっていた。水中にはカラフルな魚や亀のような生物が悠々と泳いでおり、別の世界に迷い込んでしまったと錯覚してしまいそうだ。
 そんな光景を見たノエルは目を見開きながら片手をブンブンと振りながら興奮を表現している。そんなノエルに頃合いを見て海面に上がるように指示を出す。


「ぷはー」
「海の中はどうだった?」


 息を整えてるノエルに海の中を見た感想を尋ねると、手を振り回しながら答える。

「とっても奇麗だった!お魚さんも可愛かったし、お姉ちゃんたちも気持ちよさそうに泳いでたし────」


 立て続けに喋るノエルに口を挟まず、終わりまで黙って聞く。


「────とにかく、とっても凄かった!」
「そうか、その奇麗な海を縦横無尽に泳ぎたくないか?」
「泳ぎたい!」
「じゃあ、30分間練習を頑張るぞー!」
「おー!」


────30分後────


「以上で練習は終わりだ。船に戻って休憩しよう」
「ありがとうございました」


 梯子を上るノエルに続き船へ上がる。ノエルは甲板まで駆けていくと、そのまま大の字で寝っ転がる。行儀が悪いが今回はバカンスだ。細かい事は不問にしよう。
 俺は船に積んであったクーラーボックスからジュースの瓶を取り出すと栓を開けてノエルに渡す。


「ありがとー」


 ジュースを受け取ったノエルは余程のどが渇いていたのか一気に半分までジュースを飲み干す。


「ぷはー、おいしー」
「お、いいものがあるのう。わしにもくれんか?」


 ジュースを飲んでいるノエルの後ろから海から上がってきたフランが姿を表す。


「ほらよ」
「うむ、かたじけない」


 フランはジュースの瓶の栓を手で開けてそのまま飲み始める。


「海の中はどうだった?」
「気持ちよかったぞ。流石は世界有数の海じゃな」
「そいつはよかった。肝心の回収はどうだ?」
「ほぼ回収は済んだ。目玉もきちんと回収しておるぞ」
「流石、伝説の戦士だな」
「それはもう忘れてくれ」


 ジト目でこちらを見てくるフランの背後から海からロワとミエルが上がって来た。


「すみません、まったく回収できませんでした」
「すまない、私も同じく回収できなかった」

 
 肩を落としている二人にジュース瓶を差し出す。


「フランがほとんど回収したみたいだし気にするな。それよりも、海の中はどうだった?」
「もうサイコーでした!」
「ああ、何時間も泳いでいたいと思ったのは始めてだ」


 全員に好評みたいでよかった。このビーチを選んで正解だったな。
 瓶ジュースを飲んでいるとフランが横から話しかけてきた。


「そっちはどうなんじゃ?ノエルは泳げるようになったのか?」
「ああ、人魚も顔負けの速度で泳げるようになったぞ」
「お主が教えたとはいえ、30分でそこまで上達したか。末恐ろしいのう」
「ノエルは才能の塊みたいな奴だからな。数十年後にはフラン以上の実力者になってるかもな」
「そいつは楽しみじゃな」


 ジュースを飲んでいるノエルを見ながら二人で話す。
 さてと、休憩してだいぶたったし、そろそろ勝負の説明でもするか。


「全員注目!」


 手を叩きながら全員の視線を俺に集める。


「今から第三勝負『魚獲り』のルールを説明する。制限時間1時間でより多くの魚を獲ってきた奴が勝ちだ。ただし、全員スキルの使用と他人の妨害は禁止だ」
「数で勝負か?」
「数ではなくて重量を競ってもらう」
「貝はダメなんですか?」
「今回は魚だけとする。他に質問はあるか?」


 他に質問がないのを確認し俺はアイテムボックスから銛や水中銃といったアイテムを取り出す。


「魚獲りの道具はここから選んでくれ」
「私は銛にしよう」
「ノエルもー」
「僕は水中銃にします」


 ミエルとノエルは銛、ロワは水中銃を手に取る。


「フランはどうする?」
「わしはいらん。この素手で獲る」


 フランが両手をにぎにぎとさせる。本来なら正気を疑う発言だがフランだし可能だろう。
 アイテムボックスから網を4つ取り出して全員に渡す。


「獲った魚はこの網に入れてくれ。入りきらなくなったら……適当にアイテムボックスにでも入れておいてくれ」
「ここまで計画的だった奴の発言とは思えないな」
「細かい事は気にするな。勝負は10分後に行うから各自準備しておけよ」
「「「「はーい」」」」


☆☆☆1時間と10分後☆☆☆ 


「結果発表ぉぉぉぉぉぉぉ!」
「「「「イエェーイ!」」」」


 魚獲りの時間が終わり砂浜に魚が入った網が並べられる。見たところ、ロワの網に一番多くの魚が入っている。


「それじゃ、今から計量を始める」
「む?秤はどこじゃ?」


 秤がないのを不思議に思ったのかフランが辺りをキョロキョロと見渡す。


「俺が手で計る。0.1gまでなら俺にも分かるからな」
「それならば良い。まずは誰の網から計る?」
「では僕から」


 ロワに差し出された網を受け取り重さを確認する。


「……3467.9g」
「おおー、中々獲ったのう」
「へへーん」
「次は私だな」


 ミエルからロワの網と比べ一回り小さい網を受け取り重さを計る。


「……3087.8g」
「ロワには一歩及ばなかったか」
「次はノエルの番だよ」


 次はノエルから網を受け取って重さを計る。


「……2789.0g」
「うーん、もっと獲れたと思ったんだけどなぁ……」
「最後はわしじゃな」


 最後にフランから網を受け取って重さを計る。


「……3100.3g」
「やったぁ!僕の勝ちですね!」


 フランの重さが発表された瞬間、勝利を確信したロワが拳を突き上げる。


「これで僕が2勝ノエルちゃんが1勝、僕が一歩リードしましたね」
「何言ってんだ?」
「へ?」
「まだ計量は済んでないぞ?」
「でも、もう皆の網の計量は済みましたよね?」
「確かに網の計量は済んだ。だが、網以外の計量はまだだ」
「どういうことです?」


 俺の言葉が理解できないのか首を傾げるロワ。


「こういうことだ。フラン」
「……お主にはやはりバレておったか」


 フランはいたずらっ子のように笑うとアイテムボックスを探り始める。そして、アイテムボックスから茶色の巨大なウツボのような魚が砂浜に置かれた。全長は5m程あり、とても持てそうにない。
 ロワは目が点になりながらウツボを見つめている。


「いつの間にこんなに大きなウツボを……」
「お主らが魚獲りに夢中になっている間にちょっとな」
「これは流石に持てないな。で、どうする?」


 俺の言葉にロワは薄く笑いながら両手を上げる。それを見た俺はフランの手を取って大きく上げる。


「勝者、フラン!」
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