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第八十六話 とりあえず異議を申し立てる
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───結婚───
この世界の結婚は地球とあまり変わらず、男女が夫婦になることを言う(同性でも可)。しかし、名前に関しては夫と妻で別で良く、妻の名字に夫が合わせることもある。また、人族と魔族の結婚も認められている。────Maoupediaより抜粋
☆ ☆ ☆ ☆
「あります」
ホウリさんの言葉に傍聴席や弁護席がざわつき始める。そういう私も訳が分からずに困惑している。落ち着いているのはホウリさんと国王くらいだ。
現状、相手は当てにしていた証人に裏切られて反撃の手段がない。これ以上の主張は倒れている相手を起こしてジャーマンスープレックスをするような物だ。似たような事を皆が思っているだろう。
だが、ホウリさんは終わらせる様子はなくまだ戦うつもりみたいだ。
「静粛に!検察側、説明しなさい」
「分かりました」
国王が木槌で傍聴席を黙れせて、ホウリさんが話を続ける。
「不思議に思いませんか?仮に装置を建設したとしても、王都を破壊する程のエネルギーは簡単に入手できません。では、装置を使うためのエネルギーはどこから持ってくるのか?」
「いいいいい異議あり!その質問は本件と関係がありません!」
「異議を却下します」
とりあえず出された異議を切り捨てる国王。
エネルギーの問題はこの裁判の肝と言える存在。流石に関係ないという意見は通らないだろう。
「検察側にはその方法を証明できるというのか?」
「はい。その事についての証人を呼んでいます」
「誰だ?」
「サンドの街の神殿長である『ラマンジェ・アソート』です」
「な!?なんで奴が!?」
「検察側で証人要請をしただけです。丁度、各領地の神殿長が王都に集まっていたので助かりましたよ」
「分かった。証言を許可しよう。10分間の休廷の後に証人への尋問を再開する。それでは、一時休廷!」
───10分後───
休廷後、証言台に青い衣装を身に纏い、上から純白の衣を羽織っている男の人が立つ。その顔はかなり整っており、さわやかな笑顔で人当たりはよさそうに見える。
「これより審議を再開する。証人、名前と職業を言いなさい」
「僕の名前はラマンジェ・アソート、サンドの街で神殿長をしています」
ラマンジェさんは胸に手を当ててニコリとほほ笑む。いままで見てきた証人の中で一番まともそうな人だ。
「弁護人は証人に尋問を行うように」
「分かりました」
そう言うと、ホウリさんはいつも通り検察席を飛び出しラマンジェさんの隣へ移動する。
「ラマンジェさん、あなたがサンドの街で目撃したことを教えてください」
「分かりました。あれは今から2年前の事です。とある少女がサンドの街に連れてこられました」
「その少女の名前は?」
「名前はノエル・カタラーナ、金色の髪が美しい女の子でした。しかし、その女の子にはとある能力がありました」
「とある能力とは?」
ホウリさんの質問にラマンジェさんは少し溜めて答えた。
「彼女は神の使いだったのです」
「神の使い!?嘘でしょ!?」
予想外の回答に私は思わず叫んでしまう。神の使いなんて100年くらい現れていないし、何ならおとぎ話じゃないかっていう人もいる。そのくらい非常識な存在をサンドの街は隠していたというのだろうか。だとしたら、大問題も良いところだ。
この裁判何度目かの爆弾発言により、またも傍聴席がざわつき始める。
「静粛に!静粛に!」
国王の言葉でも傍聴席のざわめきは収まらない。
「静粛に!!これ以上審議の妨害をするのであれば、傍聴席を封鎖する!」
国王の言葉に傍聴席がやっと落ち着きを取り戻していく。
傍聴席に静けさが取り戻されたのを確認し、国王は木槌を鳴らす。
「検察側は尋問を再開するように」
「分かりました。ラマンジェさん、神の使いは今もサンドの街に?」
「いえ、半年ほど前に私がサンドの街から逃がしたので行方は分かりません。私も付いていきたかったんですが、神殿長という立場上それも難しく……」
「ありがとうございます。検察からは以上です」
ホウリさんは尋問が終わらせて検察席へと戻ってくる。すると、私の顔を見るなり不思議そうに口を開いた。
「どうした?顔の穴という穴が限界まで開いてるぞ?」
「どうしたじゃないですよ!なんで神の使いとかいう重要情報を教えてくれなかったんですか!」
「敵を騙すなら味方からっていうだろ?」
「それとこれとは別の話でしょ!」
こんな重要な事を黙っているなんて信じられない!
「……他に何か隠してないでしょうね?」
「浮気がバレた彼氏か俺は」
「冗談言っている場合じゃないですよ!パートナーに隠し事なんてしたらダメなんですからね!」
「もうねぇよ」
「ほんとですか?」
「本当だ。飛び道具はもうないからここからは相手との殴り合いになる。」
「相手瀕死ですけどまだ殴るんですか?」
「相手の息の根を止めてから土に埋めるまでが裁判だからな」
「殺し屋へのアドバイスと間違えてません?」
私はホウリさんをにらみつける。そんな私の視線を笑顔で受け流しながらホウリさんは腕を組んで弁護席へと視線を移す。
この人、調査とか尋問のやり方は凄く参考になるんだけど、秘密主義な所が気に食わない。少しぐらい私に教えてくれてもいいのに。
結局、弁護側は碌な尋問が出来ず、その日の裁判は終了したのだった。
☆ ☆ ☆ ☆
裁判開始から3週間前、俺とフランは裁判の証人に会うためにサンドの街に来ていた。街の食堂でフランを食事しながら証人を待つ。食堂は見ただけでさびれている事が分かり、客も数人しかいない。この街では仕方ないかもしれないが、人がいない食堂を見ると悲しくなってくる。
そんな事を思っていると、隣のフランが焼き魚を突きながら顔をしかめる。
「……不味い、こんな物が3000Gもするのか」
「これでもマシな方だぜ?サンド街の人たちが普段食べている奴はその魚よりもひどいからな」
「わしなら2日で死ぬ自信があるわい」
「……フランと戦うときはサンドの街に1週間くらい閉じ込めるか」
「本当にやめてくれぬか?」
本気の懇願だ。そんなに飯が不味いのは嫌なのか。
「お主は何を食ってるんじゃ?」
「野菜炒め定食だな」
「美味いか?」
「不味いぜ。食ってみるか?」
「別によい」
再び不機嫌な顔で味噌汁を飲むフラン。
この食事の不味さは料理人の腕が悪いわけじゃなく、調味料があまり使われていない事が原因だ。それ程に物資が手に入りにくいんだろう。
改めてこの街の現状を噛みしめつつ、目の前の定食を平らげる。
「して、待ち人はまだか?」
「そろそろの筈だが……」
俺が答えようとした瞬間、食堂の扉が開いて男が入ってきた。男は手を上げた俺に気が付き向かいの席に座る。
「よく来てくれた。俺はキムラ・ホウリ。こっちは相棒のピ〇チュウ」
「ピッピカ……何やらすんじゃ。わしはフラン・アロスじゃ」
「俺はマカロ・フォン。要件を聞こうか」
雑談は全くなくいきなり要件か。真面目なのか余裕が無いのか、どっちなんだろうな。
「単刀直入に言おう。サンドの街相手に裁判を起こすから、証人になってほしいんだ」
「断る」
話は終わりだとばかりに席を立とうとするマカロ。だが、いくら立ち上がろうとしても腰が上がる気配はない。
マカロは俺たちをにらみつけると苛立たし気に吐き捨てる。
「何をした?」
「ちょっとスキルで動けなくした。悪いが3分だけ話を聞いてもらうぞ」
まるで俺がやってるみたいだが、例の如くフランの仕業だ。まあ、そんなことは置いといて。
「マカロにも悪い話じゃない。話を聞いてそれでも嫌だったら断ってくれてもいい」
「……聞くだけ聞こう」
立ち上がろうとするのを止めるマカロ。これで話を聞いてもらえるな。
「俺たちはサンドの領主を国家転覆の罪で告発する。あんたにはその証人として裁判所で証言してほしい」
「仮にも防衛長の俺が承諾すると思うか?」
「承諾すると思う。むしろ、本当は協力したいと思っているんじゃないか?」
俺の言葉にマカロの眉がかすかに動く。図星みたいだな。
「2人だけで進めるでない。わしにも何のことか説明するんじゃ」
「普通の人間なら国家に反逆するのは気が引けるだろ?マカロにもそういう心があるって事だ」
「ならばなぜ承諾しない?」
「サンドが負けると不味いんだよ」
「逮捕されるからか?」
「違う、マカロは自分の事なんてどうでもいいんだよ。何せ自分の飯を街の人に分け与えて自分の飯は残飯同然の物食ってるからな。そうだろ?」
マカロが不自然に痩せているのは自分の飯を飢えている街の人に分けているからだ。そんなの並みの奴が出来ることじゃない。
俺の言葉にマカロが目を伏せる。
「分かりやすい奴じゃ。それならばなぜ協力を拒む?」
「簡単に言えば弱みだな。マカロの奥さんと子供に迷惑がかかるんだよ」
「人質という訳か?ならばわしが救い出すぞ?」
「違う。奥さんと子供は王都にいる」
「ならばなぜじゃ?」
「マカロが捕まった場合、その親子の周りの人間はなんて思う?」
「国家転覆の片棒を担いだ者の身内と思うのう。なるほど、確かにマカロが捕まると妻と子供に迷惑がかかる訳か」
「マカロの収入がなくなるから経済的にも厳しくなる。世間の風当たりも強い中で働くのも難しい。路頭に迷うと可能性が高いな」
俺の説明をマカロは何も言わずに聞いていたが、終わった途端に口を開いた。
「そこまで分かっているのならば、何があっても俺が協力しないことも分かっている筈だ。この問題はお前のような個人に解決できる話じゃない」
「確かに俺だけじゃ解決できない。だが……」
横にいる客を指さして俺はニヤリと笑う。
「解決できる奴がいるとしたらどうする?」
「何?」
俺が指し示した先を見るマカロ。すると、信じられない物を見た時のように目を見開いて驚く。
「……義兄さん?」
「よおマカロ、久しぶりだな」
そこにはラーメンをすすっていた憲兵長のビスケ・キンツがいた。驚いているマカロの横にビスケが座り、豪快に笑う。
「はっはっは、ここの食堂はラーメンも不味いな。お前いつもこんな物食ってるのか?だから顔色が悪いんだよ」
「ほっといてください。それで、何しに来たんですか?」
「は?ホウリが今言ってただろ?なんとか出来る奴がいるって」
「意味が分からないんですけど?」
「今から説明する。ホウリがな」
「俺に丸投げかよ」
最初からそのつもりだったがこいつに言われると話す気が失せてくる。まあいいけど。
「シナリオはこうだ。まず、マカロはサンドの街に行く前にビスケから街の内情を調査するように言われた。だからマカロは定期的にビスケに報告をしていた」
「それは本当か?」
「嘘だ。だが、本当みたいだろ?」
「お主な、バレたらどうするんじゃ」
「憲兵長がグルなんだ。バレる訳ないだろ」
「その通りだ」
俺の言葉に偉そうにふんぞり返る。ぶん殴りたくなる衝動を抑えて俺は話を続ける。
「マカロが内部調査をしている中、国家転覆の情報が入ってきた。その事をマカロから聞いたビスケは回しをして起訴の準備をした」
「つまり、マカロを犯罪者ではなくヒーローに仕立て上げる訳じゃな」
「そういう事だ」
今回の問題はマカロが犯罪者だと世間に思われることだ。だったら、架空のヒーロー話をでっち上げれば解決する。
「流石に無罪の保証は出来ないが最悪でも2年では出てこられるし、上手く行けば不起訴で済む」
「どうだ?やってくれないか?」
「…………」
俺とビスケの言葉にマカロが口を紡ぐ。
「どうした?何か不安なのか?」
「その……」
ビスケの質問にマカロが歯切れが悪そうに答える。
「……なんで俺のためにそこまでしてくれるんだ?」
「は?自分の義弟のためならこれくらい普通だろ?なあホウリ?」
「俺に聞くな」
なぜそこで話を俺に振る?
「ともかく!お前が捕まったら俺もお前の姉さんも悲しい。だから助ける。ダメか?」
そう言うと、ビスケはマカロに手を差し出す。その手を見たマカロが目に涙を溜める。
「……本当にいいの?」
「いいって言ってるだろ?後はお前次第だ」
ジッと手をビスケの手を見つめているマカロ。
「ありがとうございます」
溜まっていた涙を流しながらビスケの手を取るマカロ。その様子を見たビスケは満足そうに頷く。
「話は決まったな。積もる話もあるだろうし、細かいことはビスケから聞いてくれ」
「はい、ありがとうございます!」
「俺の方からも礼を言わせてくれ」
「はいはい、礼なら裁判が終わってからゆっくりしてもらうからな」
「分かった。じゃあ、また後で」
「おう」
ビスケとマカロが礼を言いつつ、店を出ていく。
フランがコップの水を一気に飲み干して息を吐く。
「ふぅ、なんとか承諾して貰えた事じゃし、わしらも行くか」
「待て、まだ重要な人物に会ってない」
「まだ会う奴がおるんか?」
「まあな、マカロよりも重要かもしれない」
「誰じゃそれ?」
「あいつだ」
俺は店内の男性客の一人を指さす。指をさされた男性客は箸をおくと、席を立ち俺たちの方へと向かってきた。
男は長髪を後ろで束ねた普通の男にミエル。身なりもボロボロでこの街の標準といった所だ。男は笑顔で俺たちの対面に座る
「誰じゃこいつ?こんな奴が重要人物なのか?」
「まあな。自己紹介頼む」
「はい、僕はラマンジェ・アソートです」
「いや名前だけ言われても……待てよ、ラマンジェ?どこかで聞いたような?」
「ヒント、ノエル、初対面」
「あー!ノエルを逃がしたという奴か!」
そう、ノエルと初めて会ったときに逃がしてくれた奴の名前を言っていた。そいつの名前がラマンジェだ。
「なるほど、こやつは神殿関係者か」
「関係者というよりも神殿長だ」
「その通り、僕はサンドの街の神殿長だよ」
「は?こんな奴が神殿長?」
疑わし気な目のフラン。そんなフランをマランジェは笑顔で見ている。
「気持ちは分かりますけど、僕は神殿長ですよ」
「こんなみすぼらしい恰好をしているのにか?」
「あんな厚着はプライベートではしませんよ。目立ちますし」
「うーむ、それもそうか。して、こやつに何を話すんじゃ?」
「ノエルを逃がしたという証言を頼みたい。その証言があればノエルを相手が持っていたという事が証明できる」
「ノエルを証言台に出さずにノエルの存在を証明できる訳じゃな」
ノエルの存在はこちらも公にしたくない。だとしたら、ラマンジェの力は絶対に必要になる。
ラマンジェはノエルを逃がしているし協力してくれる可能性は高い。だから、こうして協力を頼んでいるわけだ。
「という訳で、証人として裁判に出てくれないか?」
「確かに僕はノエルさんをこの街から逃がすことが目的でした。ノエルさんの為ならば喜んで協力しましょう……と言いたいところですが、条件があります」
すんなりと行くと思ったが、予想外の返事が来る。少しうさん臭く思うがとりあえずは聞くだけ聞こう。
「その条件ってなんだ?」
「たった一つ、ですが重要な条件があります」
そう言うとラマンジェは表情を笑顔から真剣な物へと変える。そして、椅子から立ち上がると床に正座して地面に手を付ける。いわゆる土下座の姿勢だ
ラマンジェは土下座の体制をとりながら頭を高速で下げ、店内に響くほどの大声で叫ぶ。
「お義父さんお義母さん、ノエルさんを僕に下さい!!!」
「コロス」
フランが取り出した杖を奪ってアイテムボックスにしまう。たった3文字で殺意がビシビシ伝わってくる。
「ホウリ!なぜ止める!」
「落ち着け、こいつをどうにかするのは話を聞いてからでも遅くないだろ。後、俺とフランはノエルの親じゃない」
「ノエルさんを見た時からひとめぼれしました!どんな条件でも飲みますので、ノエルさんとの交際を認めてください!」
「ええい!お前みたいな馬の骨にノエルをやれるか!この変態ロリコン男!」
「お願いします!なんでもしますから!」
「遺言はそれで決まりのようじゃな!」
男が女の子に土下座して、女の子が殺意を放ちまくっている。なんだこの地獄絵図。
「とりあえず、フランは落ち着け。ラマンジェも土下座を止めて椅子に座れ。話はそれからだ」
「はい!お義父さん!」
「誰がお義父さんだ」
ラマンジェがノエルを逃がした理由がようやく分かった。ノエルに惚れたからか。
フランも一応の落ち着きを取り戻し、ラマンジェも席に戻る。ようやく話が出来そうだな。
「まず、俺たちはノエルの親じゃないから交際については何も言わない」
「許可してくれるという事ですか!?」
「何考えとるんじゃお主は!?」
「まずは全部話を聞け。交際うんぬんに関しては俺たちは何も言わないが、一番重要なのはノエルの気持ちだろ?そこはどうだ?」
「はい!次あった時にプロポーズしようと思ってます!」
「左手の薬指を切り落とせば結婚出来なくなるのではないか?」
「発想がバイオレンス過ぎる」
ダメだ、こいつら相手だと話がまるで進まない。ここまでの準備の中で一番大変かもしれない。
「ともかく、ノエルが承諾しない限りは俺たちも許可できない。そして、ノエルはまだ幼く結婚といった価値観が確立していない。以上の事から、こちらからは『ノエルが15歳になるまで接近しない』『結婚はノエルの同意を取ってから』『ノエルに好きなやつが出来たら諦める』という条件を出す。飲めるなら俺からは何も言わない。どうだ?」
「15歳以上だと?今のノエルの年は……」
「8歳と9か月ですね。後、6年と3か月待てばいいわけです。少し厳しいですが、お義父さんがそう仰るのであれば飲みましょう」
俺の条件に笑顔で頷き、俺に手を出してくる。俺はその手を握ってラマンジェと握手をする。契約成立だ。
「大会の時期に王都で神殿長の集まりがあるので、細かいことはその時に話していいか?」
「了解です。それでは僕はこれで」
スキップしながら店を後にする。その後ろ姿をフランは不機嫌な顔で眺める。
「……あの条件は本気か?」
「勿論だ」
「15歳などアッという間じゃぞ?あの手の輩はタガが外れると何しでかすか分からぬぞ?」
「確かに解禁と同時にノエルにアタックし始めるだろうな。まあ……」
俺は懐から取り出したクッキーをかじってニヤリと笑う。
「出来るものならな」
「その顔、何か企んでおるな?」
「まあな、会って間もない奴に簡単に許可するわけないだろ」
「流石じゃな。こういう時のお主は本当に頼りになるのう。わしもクッキー良いか?」
「いいぜ」
フランとクッキーを楽しみながら水で乾杯する。
こうして、俺たちは最強の証人を2人手に入れたのであった。
この世界の結婚は地球とあまり変わらず、男女が夫婦になることを言う(同性でも可)。しかし、名前に関しては夫と妻で別で良く、妻の名字に夫が合わせることもある。また、人族と魔族の結婚も認められている。────Maoupediaより抜粋
☆ ☆ ☆ ☆
「あります」
ホウリさんの言葉に傍聴席や弁護席がざわつき始める。そういう私も訳が分からずに困惑している。落ち着いているのはホウリさんと国王くらいだ。
現状、相手は当てにしていた証人に裏切られて反撃の手段がない。これ以上の主張は倒れている相手を起こしてジャーマンスープレックスをするような物だ。似たような事を皆が思っているだろう。
だが、ホウリさんは終わらせる様子はなくまだ戦うつもりみたいだ。
「静粛に!検察側、説明しなさい」
「分かりました」
国王が木槌で傍聴席を黙れせて、ホウリさんが話を続ける。
「不思議に思いませんか?仮に装置を建設したとしても、王都を破壊する程のエネルギーは簡単に入手できません。では、装置を使うためのエネルギーはどこから持ってくるのか?」
「いいいいい異議あり!その質問は本件と関係がありません!」
「異議を却下します」
とりあえず出された異議を切り捨てる国王。
エネルギーの問題はこの裁判の肝と言える存在。流石に関係ないという意見は通らないだろう。
「検察側にはその方法を証明できるというのか?」
「はい。その事についての証人を呼んでいます」
「誰だ?」
「サンドの街の神殿長である『ラマンジェ・アソート』です」
「な!?なんで奴が!?」
「検察側で証人要請をしただけです。丁度、各領地の神殿長が王都に集まっていたので助かりましたよ」
「分かった。証言を許可しよう。10分間の休廷の後に証人への尋問を再開する。それでは、一時休廷!」
───10分後───
休廷後、証言台に青い衣装を身に纏い、上から純白の衣を羽織っている男の人が立つ。その顔はかなり整っており、さわやかな笑顔で人当たりはよさそうに見える。
「これより審議を再開する。証人、名前と職業を言いなさい」
「僕の名前はラマンジェ・アソート、サンドの街で神殿長をしています」
ラマンジェさんは胸に手を当ててニコリとほほ笑む。いままで見てきた証人の中で一番まともそうな人だ。
「弁護人は証人に尋問を行うように」
「分かりました」
そう言うと、ホウリさんはいつも通り検察席を飛び出しラマンジェさんの隣へ移動する。
「ラマンジェさん、あなたがサンドの街で目撃したことを教えてください」
「分かりました。あれは今から2年前の事です。とある少女がサンドの街に連れてこられました」
「その少女の名前は?」
「名前はノエル・カタラーナ、金色の髪が美しい女の子でした。しかし、その女の子にはとある能力がありました」
「とある能力とは?」
ホウリさんの質問にラマンジェさんは少し溜めて答えた。
「彼女は神の使いだったのです」
「神の使い!?嘘でしょ!?」
予想外の回答に私は思わず叫んでしまう。神の使いなんて100年くらい現れていないし、何ならおとぎ話じゃないかっていう人もいる。そのくらい非常識な存在をサンドの街は隠していたというのだろうか。だとしたら、大問題も良いところだ。
この裁判何度目かの爆弾発言により、またも傍聴席がざわつき始める。
「静粛に!静粛に!」
国王の言葉でも傍聴席のざわめきは収まらない。
「静粛に!!これ以上審議の妨害をするのであれば、傍聴席を封鎖する!」
国王の言葉に傍聴席がやっと落ち着きを取り戻していく。
傍聴席に静けさが取り戻されたのを確認し、国王は木槌を鳴らす。
「検察側は尋問を再開するように」
「分かりました。ラマンジェさん、神の使いは今もサンドの街に?」
「いえ、半年ほど前に私がサンドの街から逃がしたので行方は分かりません。私も付いていきたかったんですが、神殿長という立場上それも難しく……」
「ありがとうございます。検察からは以上です」
ホウリさんは尋問が終わらせて検察席へと戻ってくる。すると、私の顔を見るなり不思議そうに口を開いた。
「どうした?顔の穴という穴が限界まで開いてるぞ?」
「どうしたじゃないですよ!なんで神の使いとかいう重要情報を教えてくれなかったんですか!」
「敵を騙すなら味方からっていうだろ?」
「それとこれとは別の話でしょ!」
こんな重要な事を黙っているなんて信じられない!
「……他に何か隠してないでしょうね?」
「浮気がバレた彼氏か俺は」
「冗談言っている場合じゃないですよ!パートナーに隠し事なんてしたらダメなんですからね!」
「もうねぇよ」
「ほんとですか?」
「本当だ。飛び道具はもうないからここからは相手との殴り合いになる。」
「相手瀕死ですけどまだ殴るんですか?」
「相手の息の根を止めてから土に埋めるまでが裁判だからな」
「殺し屋へのアドバイスと間違えてません?」
私はホウリさんをにらみつける。そんな私の視線を笑顔で受け流しながらホウリさんは腕を組んで弁護席へと視線を移す。
この人、調査とか尋問のやり方は凄く参考になるんだけど、秘密主義な所が気に食わない。少しぐらい私に教えてくれてもいいのに。
結局、弁護側は碌な尋問が出来ず、その日の裁判は終了したのだった。
☆ ☆ ☆ ☆
裁判開始から3週間前、俺とフランは裁判の証人に会うためにサンドの街に来ていた。街の食堂でフランを食事しながら証人を待つ。食堂は見ただけでさびれている事が分かり、客も数人しかいない。この街では仕方ないかもしれないが、人がいない食堂を見ると悲しくなってくる。
そんな事を思っていると、隣のフランが焼き魚を突きながら顔をしかめる。
「……不味い、こんな物が3000Gもするのか」
「これでもマシな方だぜ?サンド街の人たちが普段食べている奴はその魚よりもひどいからな」
「わしなら2日で死ぬ自信があるわい」
「……フランと戦うときはサンドの街に1週間くらい閉じ込めるか」
「本当にやめてくれぬか?」
本気の懇願だ。そんなに飯が不味いのは嫌なのか。
「お主は何を食ってるんじゃ?」
「野菜炒め定食だな」
「美味いか?」
「不味いぜ。食ってみるか?」
「別によい」
再び不機嫌な顔で味噌汁を飲むフラン。
この食事の不味さは料理人の腕が悪いわけじゃなく、調味料があまり使われていない事が原因だ。それ程に物資が手に入りにくいんだろう。
改めてこの街の現状を噛みしめつつ、目の前の定食を平らげる。
「して、待ち人はまだか?」
「そろそろの筈だが……」
俺が答えようとした瞬間、食堂の扉が開いて男が入ってきた。男は手を上げた俺に気が付き向かいの席に座る。
「よく来てくれた。俺はキムラ・ホウリ。こっちは相棒のピ〇チュウ」
「ピッピカ……何やらすんじゃ。わしはフラン・アロスじゃ」
「俺はマカロ・フォン。要件を聞こうか」
雑談は全くなくいきなり要件か。真面目なのか余裕が無いのか、どっちなんだろうな。
「単刀直入に言おう。サンドの街相手に裁判を起こすから、証人になってほしいんだ」
「断る」
話は終わりだとばかりに席を立とうとするマカロ。だが、いくら立ち上がろうとしても腰が上がる気配はない。
マカロは俺たちをにらみつけると苛立たし気に吐き捨てる。
「何をした?」
「ちょっとスキルで動けなくした。悪いが3分だけ話を聞いてもらうぞ」
まるで俺がやってるみたいだが、例の如くフランの仕業だ。まあ、そんなことは置いといて。
「マカロにも悪い話じゃない。話を聞いてそれでも嫌だったら断ってくれてもいい」
「……聞くだけ聞こう」
立ち上がろうとするのを止めるマカロ。これで話を聞いてもらえるな。
「俺たちはサンドの領主を国家転覆の罪で告発する。あんたにはその証人として裁判所で証言してほしい」
「仮にも防衛長の俺が承諾すると思うか?」
「承諾すると思う。むしろ、本当は協力したいと思っているんじゃないか?」
俺の言葉にマカロの眉がかすかに動く。図星みたいだな。
「2人だけで進めるでない。わしにも何のことか説明するんじゃ」
「普通の人間なら国家に反逆するのは気が引けるだろ?マカロにもそういう心があるって事だ」
「ならばなぜ承諾しない?」
「サンドが負けると不味いんだよ」
「逮捕されるからか?」
「違う、マカロは自分の事なんてどうでもいいんだよ。何せ自分の飯を街の人に分け与えて自分の飯は残飯同然の物食ってるからな。そうだろ?」
マカロが不自然に痩せているのは自分の飯を飢えている街の人に分けているからだ。そんなの並みの奴が出来ることじゃない。
俺の言葉にマカロが目を伏せる。
「分かりやすい奴じゃ。それならばなぜ協力を拒む?」
「簡単に言えば弱みだな。マカロの奥さんと子供に迷惑がかかるんだよ」
「人質という訳か?ならばわしが救い出すぞ?」
「違う。奥さんと子供は王都にいる」
「ならばなぜじゃ?」
「マカロが捕まった場合、その親子の周りの人間はなんて思う?」
「国家転覆の片棒を担いだ者の身内と思うのう。なるほど、確かにマカロが捕まると妻と子供に迷惑がかかる訳か」
「マカロの収入がなくなるから経済的にも厳しくなる。世間の風当たりも強い中で働くのも難しい。路頭に迷うと可能性が高いな」
俺の説明をマカロは何も言わずに聞いていたが、終わった途端に口を開いた。
「そこまで分かっているのならば、何があっても俺が協力しないことも分かっている筈だ。この問題はお前のような個人に解決できる話じゃない」
「確かに俺だけじゃ解決できない。だが……」
横にいる客を指さして俺はニヤリと笑う。
「解決できる奴がいるとしたらどうする?」
「何?」
俺が指し示した先を見るマカロ。すると、信じられない物を見た時のように目を見開いて驚く。
「……義兄さん?」
「よおマカロ、久しぶりだな」
そこにはラーメンをすすっていた憲兵長のビスケ・キンツがいた。驚いているマカロの横にビスケが座り、豪快に笑う。
「はっはっは、ここの食堂はラーメンも不味いな。お前いつもこんな物食ってるのか?だから顔色が悪いんだよ」
「ほっといてください。それで、何しに来たんですか?」
「は?ホウリが今言ってただろ?なんとか出来る奴がいるって」
「意味が分からないんですけど?」
「今から説明する。ホウリがな」
「俺に丸投げかよ」
最初からそのつもりだったがこいつに言われると話す気が失せてくる。まあいいけど。
「シナリオはこうだ。まず、マカロはサンドの街に行く前にビスケから街の内情を調査するように言われた。だからマカロは定期的にビスケに報告をしていた」
「それは本当か?」
「嘘だ。だが、本当みたいだろ?」
「お主な、バレたらどうするんじゃ」
「憲兵長がグルなんだ。バレる訳ないだろ」
「その通りだ」
俺の言葉に偉そうにふんぞり返る。ぶん殴りたくなる衝動を抑えて俺は話を続ける。
「マカロが内部調査をしている中、国家転覆の情報が入ってきた。その事をマカロから聞いたビスケは回しをして起訴の準備をした」
「つまり、マカロを犯罪者ではなくヒーローに仕立て上げる訳じゃな」
「そういう事だ」
今回の問題はマカロが犯罪者だと世間に思われることだ。だったら、架空のヒーロー話をでっち上げれば解決する。
「流石に無罪の保証は出来ないが最悪でも2年では出てこられるし、上手く行けば不起訴で済む」
「どうだ?やってくれないか?」
「…………」
俺とビスケの言葉にマカロが口を紡ぐ。
「どうした?何か不安なのか?」
「その……」
ビスケの質問にマカロが歯切れが悪そうに答える。
「……なんで俺のためにそこまでしてくれるんだ?」
「は?自分の義弟のためならこれくらい普通だろ?なあホウリ?」
「俺に聞くな」
なぜそこで話を俺に振る?
「ともかく!お前が捕まったら俺もお前の姉さんも悲しい。だから助ける。ダメか?」
そう言うと、ビスケはマカロに手を差し出す。その手を見たマカロが目に涙を溜める。
「……本当にいいの?」
「いいって言ってるだろ?後はお前次第だ」
ジッと手をビスケの手を見つめているマカロ。
「ありがとうございます」
溜まっていた涙を流しながらビスケの手を取るマカロ。その様子を見たビスケは満足そうに頷く。
「話は決まったな。積もる話もあるだろうし、細かいことはビスケから聞いてくれ」
「はい、ありがとうございます!」
「俺の方からも礼を言わせてくれ」
「はいはい、礼なら裁判が終わってからゆっくりしてもらうからな」
「分かった。じゃあ、また後で」
「おう」
ビスケとマカロが礼を言いつつ、店を出ていく。
フランがコップの水を一気に飲み干して息を吐く。
「ふぅ、なんとか承諾して貰えた事じゃし、わしらも行くか」
「待て、まだ重要な人物に会ってない」
「まだ会う奴がおるんか?」
「まあな、マカロよりも重要かもしれない」
「誰じゃそれ?」
「あいつだ」
俺は店内の男性客の一人を指さす。指をさされた男性客は箸をおくと、席を立ち俺たちの方へと向かってきた。
男は長髪を後ろで束ねた普通の男にミエル。身なりもボロボロでこの街の標準といった所だ。男は笑顔で俺たちの対面に座る
「誰じゃこいつ?こんな奴が重要人物なのか?」
「まあな。自己紹介頼む」
「はい、僕はラマンジェ・アソートです」
「いや名前だけ言われても……待てよ、ラマンジェ?どこかで聞いたような?」
「ヒント、ノエル、初対面」
「あー!ノエルを逃がしたという奴か!」
そう、ノエルと初めて会ったときに逃がしてくれた奴の名前を言っていた。そいつの名前がラマンジェだ。
「なるほど、こやつは神殿関係者か」
「関係者というよりも神殿長だ」
「その通り、僕はサンドの街の神殿長だよ」
「は?こんな奴が神殿長?」
疑わし気な目のフラン。そんなフランをマランジェは笑顔で見ている。
「気持ちは分かりますけど、僕は神殿長ですよ」
「こんなみすぼらしい恰好をしているのにか?」
「あんな厚着はプライベートではしませんよ。目立ちますし」
「うーむ、それもそうか。して、こやつに何を話すんじゃ?」
「ノエルを逃がしたという証言を頼みたい。その証言があればノエルを相手が持っていたという事が証明できる」
「ノエルを証言台に出さずにノエルの存在を証明できる訳じゃな」
ノエルの存在はこちらも公にしたくない。だとしたら、ラマンジェの力は絶対に必要になる。
ラマンジェはノエルを逃がしているし協力してくれる可能性は高い。だから、こうして協力を頼んでいるわけだ。
「という訳で、証人として裁判に出てくれないか?」
「確かに僕はノエルさんをこの街から逃がすことが目的でした。ノエルさんの為ならば喜んで協力しましょう……と言いたいところですが、条件があります」
すんなりと行くと思ったが、予想外の返事が来る。少しうさん臭く思うがとりあえずは聞くだけ聞こう。
「その条件ってなんだ?」
「たった一つ、ですが重要な条件があります」
そう言うとラマンジェは表情を笑顔から真剣な物へと変える。そして、椅子から立ち上がると床に正座して地面に手を付ける。いわゆる土下座の姿勢だ
ラマンジェは土下座の体制をとりながら頭を高速で下げ、店内に響くほどの大声で叫ぶ。
「お義父さんお義母さん、ノエルさんを僕に下さい!!!」
「コロス」
フランが取り出した杖を奪ってアイテムボックスにしまう。たった3文字で殺意がビシビシ伝わってくる。
「ホウリ!なぜ止める!」
「落ち着け、こいつをどうにかするのは話を聞いてからでも遅くないだろ。後、俺とフランはノエルの親じゃない」
「ノエルさんを見た時からひとめぼれしました!どんな条件でも飲みますので、ノエルさんとの交際を認めてください!」
「ええい!お前みたいな馬の骨にノエルをやれるか!この変態ロリコン男!」
「お願いします!なんでもしますから!」
「遺言はそれで決まりのようじゃな!」
男が女の子に土下座して、女の子が殺意を放ちまくっている。なんだこの地獄絵図。
「とりあえず、フランは落ち着け。ラマンジェも土下座を止めて椅子に座れ。話はそれからだ」
「はい!お義父さん!」
「誰がお義父さんだ」
ラマンジェがノエルを逃がした理由がようやく分かった。ノエルに惚れたからか。
フランも一応の落ち着きを取り戻し、ラマンジェも席に戻る。ようやく話が出来そうだな。
「まず、俺たちはノエルの親じゃないから交際については何も言わない」
「許可してくれるという事ですか!?」
「何考えとるんじゃお主は!?」
「まずは全部話を聞け。交際うんぬんに関しては俺たちは何も言わないが、一番重要なのはノエルの気持ちだろ?そこはどうだ?」
「はい!次あった時にプロポーズしようと思ってます!」
「左手の薬指を切り落とせば結婚出来なくなるのではないか?」
「発想がバイオレンス過ぎる」
ダメだ、こいつら相手だと話がまるで進まない。ここまでの準備の中で一番大変かもしれない。
「ともかく、ノエルが承諾しない限りは俺たちも許可できない。そして、ノエルはまだ幼く結婚といった価値観が確立していない。以上の事から、こちらからは『ノエルが15歳になるまで接近しない』『結婚はノエルの同意を取ってから』『ノエルに好きなやつが出来たら諦める』という条件を出す。飲めるなら俺からは何も言わない。どうだ?」
「15歳以上だと?今のノエルの年は……」
「8歳と9か月ですね。後、6年と3か月待てばいいわけです。少し厳しいですが、お義父さんがそう仰るのであれば飲みましょう」
俺の条件に笑顔で頷き、俺に手を出してくる。俺はその手を握ってラマンジェと握手をする。契約成立だ。
「大会の時期に王都で神殿長の集まりがあるので、細かいことはその時に話していいか?」
「了解です。それでは僕はこれで」
スキップしながら店を後にする。その後ろ姿をフランは不機嫌な顔で眺める。
「……あの条件は本気か?」
「勿論だ」
「15歳などアッという間じゃぞ?あの手の輩はタガが外れると何しでかすか分からぬぞ?」
「確かに解禁と同時にノエルにアタックし始めるだろうな。まあ……」
俺は懐から取り出したクッキーをかじってニヤリと笑う。
「出来るものならな」
「その顔、何か企んでおるな?」
「まあな、会って間もない奴に簡単に許可するわけないだろ」
「流石じゃな。こういう時のお主は本当に頼りになるのう。わしもクッキー良いか?」
「いいぜ」
フランとクッキーを楽しみながら水で乾杯する。
こうして、俺たちは最強の証人を2人手に入れたのであった。
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