異世界に召喚されたけど、聖女じゃないから用はない? それじゃあ、好き勝手させてもらいます!

明衣令央

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第5章・ゴブリン・デスマーチ

ゴブリン・デスマーチの裏で

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「オリエちゃん、ユリウスくん、お帰りなさい! 二人とも、すごーく素敵で、カッコ良かったよ!」

「えぇ、とっても素敵でカッコ良かったですね! 二人とも、本当にお疲れ様でした。今度こそ後のことは他の人たちに任せて、ゆっくりしてください」

 家に戻って来ると、笑顔のサーチートとアルバトスさんが出迎えてくれた。
 確かに今度こそ後のことは他の人たちに任せちゃっていいよね!
 だって、もうゴブリン・スタンピードもゴブリン・デスマーチも終わったんだもん。

「あ、その衣装、私に返してくださいね! 私がリュシーくんから頂いた宝物なので!」

「はいはい」

「わかりました!」

 私とユリウスが着ている衣装――ルリアルーク王と聖女の衣装は、リュシーさんが作ったものだ。
 しかもルリアルーク王のものは、あの選定会に出されたときの衣装なの!
 あの衣装、ジュンに魔法で燃やされたって聞いていたけど、ジュンの放ったファイヤーボールのせいで黒く汚れてしまっただけだったらしい。
 ものすごく高い防御力だよね。
 それだけリュシーさんの腕が良いのだと、アルバトスさんがベタ褒めしていた。

 アルバトスさんはリュシーさんにお願いして、あの衣装を譲ってもらったのだそうだ。
 ちなみに聖女の衣装の方は、おまけらしい。
 ルリアルーク王の衣装ほどじゃないけど、そこそこ高い防御力があるらしいから、すごく高価なおまけだよね。

「もう今回のようなことがないことを祈るばかりですが、オリエさん、コスプレというものがしたいというのなら、いつでも貸して差し上げますよ」

「あはは、よろしくお願いします」

 ゴブリン・スタンピードの翌日、目が覚めたときに大変なことになっていたから、びっくりしちゃったよ。
 偉そうなことを言っていたみたいだけど、ジュニアスはゴブリン・デスマーチの前に大敗した。
 それもただ大敗しただけじゃなく、オブルリヒトの兵も自分のために集まってくれた冒険者も見捨てて、自分は逃げようとしていたのだ。
 ジュニアス……あいつ、本当に最悪だよね。

 ジュニアスに見捨てられた兵士や冒険者たちは、どんどん倒れていく。
 なんとか冒険者たちが二体のゴブリンジェネラルを倒したみたいだけど、もうゴブリンキングに立ち向かう気力は残っていないようだった。
 だから、今回のゴブリン騒動に決着をつけるために、ユリウスは再び力を貸すことにしたのだ。

 でもね、アントニオに怒ってもう手を貸さないって言っちゃった手前、なんか行きにくくてね。
 そうしたらアルバトスさんが、あの衣装を貸してくれたのだった。

「ルリアルーク王と聖女の姿に変装して行けば、誰が助けに来たのか分かりませんよ」

 って言って。
 いや、わかる人には一発でわかっちゃうだろうって思ったけど、私とユリウスはアルバトスさんから衣装を借りることにしたのだ。
 二人してウィッグをつけて、仮面をつけて、誰だかわからないようにして。

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