異世界に召喚されたけど、聖女じゃないから用はない? それじゃあ、好き勝手させてもらいます!

明衣令央

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第1章・異世界転移と異世界転生

売られた喧嘩を買ってみた①

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 やった! 先に手を出させてやった! ざまぁみろ!
 とか思ったけれど、ジュンの放ったファイヤーボールは、私目がけて飛んできているわけで、私のピンチは続いている。
 まずはこれを、なんとかしなくてはいけない。
 当たったら火傷しそうだし、死んじゃうかもしれない。
 だから、防ぐ。魔法の盾で防ごう――雷の盾だってあるのだから、当然他も盾もあるだろう。
 なので、飛んでくるファイヤーボールに向かって手を突き出し、

「ウォーターシールド!」

 と叫ぶ。すると、突き出した手の先に水の盾のようなものが現れ、私に向かって飛んできていたファイヤーボールを、かき消してくれた。
 ウォーターシールド、成功だ!

「ほう、見事だな」

 というジュニアスの声が、耳に届く。褒められたようだが、全く嬉しくない。
 ジュンは、まさか私がファイヤーボールを防げるとは思っていなかったのだろう、

「生意気なっ!」

 と叫ぶと、再びファイヤーボールを連発してきた。
 私はまたウォーターシールドで自分の周りを防御しつつ、私からそれて違う方向に飛んでいくファイヤーボールに向かって、

「ウォーターボール!」

 と呪文を唱え、そちらの方向を指差した。
 私の指先から現れたウォーターボールは、ジュンのファイヤーボールに命中し、消滅させる。
 良かった、成功して。それたファイヤーボールの先には、ナディア様とアニーさんが居たんだよね。危ないところだったわ。

「どうして? どうしてあんたが、ウォーターボールを使えるの? あんたは、盾の聖女なんでしょ? 盾の聖女は、攻撃系の魔法が使えないはずじゃないの? あり得ないでしょっ!」

 あり得ないと言われても、そんなの知らない。
 だって、使えないはずって言われても、最初からステータスにはすべての呪文が使えるって書いてあるし、もしも盾の聖女っていうのが、攻撃魔法が使えないのだとしたら、私はやはりその盾の聖女とは違うという事なのだ。

「私は、盾の聖女じゃない。私のステータスには、盾の聖女って書いてない」

 と言っても、何て書いてあるかなんて、言うつもりはないけど。

「あなたのステータスには、矛の聖女って書いてあるの? ステータスって唱えれば、見られるんだよ。知らない?」

 私がそう言うと、ジュンは顔を真っ赤にし、叫ぶように言う。

「わ、私のステータスには、矛の聖女って書いてあるわよっ!」

「そう?」

 本当かどうか疑わしかったけれど、特に追及するつもりはなかった。
 だって、どうだっていい事だから。

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