147 / 370
第2章・のんびりまったりスローライフ?
スモル村①
しおりを挟む「やったぁ、村だ! スモル村だ!」
森を抜け、少し歩くと、整備された街道に出て、そこから少し弱歩くと、シルヴィーク村よりも少し小さな村が見えてきた。
村が見えた途端、大きなリュックを背負ってぐったりしていたジャンくんが大声を上げた。
彼は途中何度もモネちゃんのリュックも持ってあげていたから、私たちの中で一番疲れていた。
「今夜は、ベッドで眠れる! 地面で寝てたから、体がバキバキだ!」
「お風呂も入れるわね!」
大荷物を持っていた二人は大喜びで、自然と歩くスピードも速くなる。
「旅の人?」
村の近くまで行くと、入り口近くで遊んでいた子供たちに、声をかけられた。
そうだよ、と答えると、黒髪に茶色の瞳をした一人の男の子が、「スモル村にようこそ」と言って笑った。
ここは小さな村だけれど、街道沿いにあり、頻繁に商人や冒険者が訪れるからか、子供たちはみんな人見知りしない性格のようだった。
人懐っこい笑顔で、私たちに近寄って来る。
「ねぇ、おねえちゃん、この子なぁに?」
先程元気に挨拶をしてくれた男の子の妹なのかな、彼と同じ黒髪に茶色の瞳をしたおかっぱの女の子が、私が抱っこしていたサーチートを見て、言った。
「可愛いねぇ~、お人形?」
女の子は嬉しそうな表情で近寄ってきて、小石に躓いて転びそうになった。
だけど、黒髪の男の子が女の子の手を掴んで引き寄せて、転ばずに済んだ。
やっぱりこの子たち、兄妹なんだろうなぁ。
「危なかったね、大丈夫?」
サーチートはそう言って、子供たちに笑いかけた。そして、いつもの自己紹介ソングを歌う。
「ぼくの名前は、サーチート。オリエちゃんの、スマホだよっ」
「うわ! 喋った!」
「お歌を歌った! でも、すまほってなぁに?」
一瞬で二人の子供の心を掴んだサーチートは、「スマホはスマホだよ」と答え、子供たちは首を傾げた。
その説明でわかるはずないだろうと、私は心の中で突っ込んだ。
「この子の名前はサーチート。元はぬいぐるみなんだよ」
そう言ってサーチートを渡してあげると、女の子は茶色の瞳をキラキラさせて、サーチートを見つめた。
「私たち、旅をしているの。森の中を歩いてきて、とても疲れているんだけれど、この村には宿屋さんはあるかな?」
「うん、あるよ! おれの家が宿屋だよ!」
「そうなの? じゃあ、案内してもらえる?」
「うん!」
男の子はサーチートを抱っこした女の子と一緒に、元気に頷いた。
子供たちに案内してもらって、宿へと向かった。
「母ちゃん、お客さんだぜ!」
「はーい、いらっしゃい。テッド、コリー、お客さんの案内してくれてありがとうね」
宿屋の女将さんは、子供たちの子供のお母さんだ。
彼女も黒髪に茶色の瞳をしていて、どことなく日本人ぽい顔立ちで、親近感がわいて落ち着く。
子供たちの名前は、男の子がテッドくん、女の子がコリーちゃんというらしい。
年齢は、テッドくんが十歳で、コリーちゃんが五歳なのだそうだ。
「私は、この宿屋の女将のマーヤ。旦那の名前は、コズモだよ」
「やあ、いらっしゃい」
カウンターの奥に居た旦那さんが、手を上げて笑った。
旦那さんは明るい茶色の髪に、緑の瞳をしていた。
纏っている色は違うけれど、テッドくんの顔立ちはお父さんに似ているように思う。
「あんたたち、すごい荷物だねぇ。商人かい?」
女将さんはモネちゃんとジャンくんを見ると、そう言った。
やっぱり大荷物のお客さんは、商人さんというのが定番なのかな。
「はい、そうです。商人です」
「そうか。じゃあ、もしも良ければ、この村の店に商品を卸してっておくれよ。この村の雑貨屋、最近ちょっと品不足らしいんだ」
女将さんはそう言うと、この村の雑貨屋の場所を教えてくれた。
モネちゃんは頷くと、任せてくださいと胸を叩いた。
47
あなたにおすすめの小説
裏の林にダンジョンが出来ました。~異世界からの転生幼女、もふもふペットと共に~
あかる
ファンタジー
私、異世界から転生してきたみたい?
とある田舎町にダンジョンが出来、そこに入った美優は、かつて魔法学校で教師をしていた自分を思い出した。
犬と猫、それと鶏のペットと一緒にダンジョンと、世界の謎に挑みます!
(完結)もふもふと幼女の異世界まったり旅
あかる
ファンタジー
死ぬ予定ではなかったのに、死神さんにうっかり魂を狩られてしまった!しかも証拠隠滅の為に捨てられて…捨てる神あれば拾う神あり?
異世界に飛ばされた魂を拾ってもらい、便利なスキルも貰えました!
完結しました。ところで、何位だったのでしょう?途中覗いた時は150~160位くらいでした。応援、ありがとうございました。そのうち新しい物も出す予定です。その時はよろしくお願いします。
孤児による孤児のための孤児院経営!!! 異世界に転生したけど能力がわかりませんでした
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕の名前はフィル
異世界に転生できたんだけど何も能力がないと思っていて7歳まで路上で暮らしてた
なぜか両親の記憶がなくて何とか生きてきたけど、とうとう能力についてわかることになった
孤児として暮らしていたため孤児の苦しみがわかったので孤児院を作ることから始めます
さあ、チートの時間だ
積みかけアラフォーOL、公爵令嬢に転生したのでやりたいことをやって好きに生きる!
ぽらいと
ファンタジー
アラフォー、バツ2派遣OLが公爵令嬢に転生したので、やりたいことを好きなようにやって過ごす、というほのぼの系の話。
悪役等は一切出てこない、優しい世界のお話です。
憧れのスローライフを異世界で?
さくらもち
ファンタジー
アラフォー独身女子 雪菜は最近ではネット小説しか楽しみが無い寂しく会社と自宅を往復するだけの生活をしていたが、仕事中に突然目眩がして気がつくと転生したようで幼女だった。
日々成長しつつネット小説テンプレキターと転生先でのんびりスローライフをするための地盤堅めに邁進する。
【完結】捨てられた双子のセカンドライフ
mazecco
ファンタジー
【第14回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞作】
王家の血を引きながらも、不吉の象徴とされる双子に生まれてしまったアーサーとモニカ。
父王から疎まれ、幼くして森に捨てられた二人だったが、身体能力が高いアーサーと魔法に適性のあるモニカは、力を合わせて厳しい環境を生き延びる。
やがて成長した二人は森を出て街で生活することを決意。
これはしあわせな第二の人生を送りたいと夢見た双子の物語。
冒険あり商売あり。
さまざまなことに挑戦しながら双子が日常生活?を楽しみます。
(話の流れは基本まったりしてますが、内容がハードな時もあります)
異世界に転生したので幸せに暮らします、多分
かのこkanoko
ファンタジー
物心ついたら、異世界に転生していた事を思い出した。
前世の分も幸せに暮らします!
平成30年3月26日完結しました。
番外編、書くかもです。
5月9日、番外編追加しました。
小説家になろう様でも公開してます。
エブリスタ様でも公開してます。
[完結]前世引きこもりの私が異世界転生して異世界で新しく人生やり直します
mikadozero
ファンタジー
私は、鈴木凛21歳。自分で言うのはなんだが可愛い名前をしている。だがこんなに可愛い名前をしていても現実は甘くなかった。
中高と私はクラスの隅で一人ぼっちで生きてきた。だから、コミュニケーション家族以外とは話せない。
私は社会では生きていけないほどダメ人間になっていた。
そんな私はもう人生が嫌だと思い…私は命を絶った。
自分はこんな世界で良かったのだろうかと少し後悔したが遅かった。次に目が覚めた時は暗闇の世界だった。私は死後の世界かと思ったが違かった。
目の前に女神が現れて言う。
「あなたは命を絶ってしまった。まだ若いもう一度チャンスを与えましょう」
そう言われて私は首を傾げる。
「神様…私もう一回人生やり直してもまた同じですよ?」
そう言うが神は聞く耳を持たない。私は神に対して呆れた。
神は書類を提示させてきて言う。
「これに書いてくれ」と言われて私は書く。
「鈴木凛」と署名する。そして、神は書いた紙を見て言う。
「鈴木凛…次の名前はソフィとかどう?」
私は頷くと神は笑顔で言う。
「次の人生頑張ってください」とそう言われて私の視界は白い世界に包まれた。
ーーーーーーーーー
毎話1500文字程度目安に書きます。
たまに2000文字が出るかもです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる