異世界に召喚されたけど、聖女じゃないから用はない? それじゃあ、好き勝手させてもらいます!

明衣令央

文字の大きさ
154 / 370
第2章・のんびりまったりスローライフ?

ルリアルーク王って何する人?

しおりを挟む


 二日酔いのモネちゃんとジャンくんの体調が回復するまで、何もできないので、私とユリウスは雑貨屋へと足を向けた。
 子供たちと遊んでいたサーチートも付いてくるというから、サーチートと遊んでいた子供たちもみんな付いてきた。

 スモル村の雑貨屋さんの商品のラインナップは、シルヴィーク村の物と同じようなものだった。
 それでも、昨日モネちゃんがいくつか素材を売ったらしく、品揃えは以前に比べて良くなったらしい。
 だけど、私が欲しかった調味料も、ユリウスの装備も、スモル村で買う必要はないだろうという事で、その代わりにお菓子を買って、子供たちと一緒に食べる事にした。

「お兄ちゃんって、髪の毛が銀色だったら、創世の王様みたいだよね!」

 ユリウスは髪をバンダナで隠していたけれど、子供の一人がそう言った事で、話が創世王であるルリアルーク王の事になった。
 発言した子供はユリウスの容姿が創世王そのものだとは思っていないようなのだけれど、テッドくんと コリーちゃんはバレたらどうしようと思ったのだろう、顔を赤くしたり青くしたりしていた。

「ねぇ、みんなはルリアルーク王が本当に現世に蘇ったとしたら、何をしてほしい? ルリアルーク王って、何をする人だと思う?」

 私がそう言うとと、子供たちのほとんどがわからないと言って首をひねったけれど、少し考え込んだ後、テッドくんが、

「おれは、ルリアルーク王が本当に蘇ったのなら、怖い獣や魔物をやっつけてほしい」

 と言い出した。

「あ、そうだね! やっつけてほしい。だって、怖いもん」

「うん、村が襲われたらどうしようって思うもんね」

 頷き合う子供たちを見て、私たちはこの村に何かが起こっているのだと思った。

「何か困っている事があるの?」

 と尋ねると、頷く子供たち。代表してテッドくんが口を開く。

「商都ビジードに向かう街道の近くに、ゴヤの森って呼ばれている森があるんだけど、その森の中にある洞窟の中に、凶暴な熊が居るらしいんだ。そいつ、魔物化してるみたいで、その影響を受けて、ゴヤの森に居る他の動物たちも、少しずつ魔物化してるらしくてさ……」

 商都ビジード側の森という事は、これから向かう方向にあるという事だ。
 今まで抜けてきた、シルヴィーク村側の森の中には、そんなに強い魔物は居なかったから、私は驚いた。

「スモル村には、冒険者が良く来るだろう? 冒険者たちに頼めないのか?」

「頼んだよ! でも、ものすごくお金をいっぱい払わないと、引き受けてくれないんだって。だからおれ、ルリアルーク王には、みんなが安心して暮らしていけるように、怖い魔物たちをやっつけてほしいんだ」

 テッドくんの言葉に、そうだそうだと子供たちは頷いた。
 そして、その内の一人が、こんな事を言い出した。

「オブルリヒト王国の王子様が、ルリアルーク王になるんだよね。きっと、怖い魔物をやっつけてくれるよね!」

 子供たちは無邪気に笑って頷き合っている。
 本当にそうなのだろうか、と思いながら、隣に居るユリウスを見上げると、彼は眉間に皺を寄せていた。
 今、ユリウスが思っている事が、手に取るようにわかる。
 ユリウスは、ジュニアスは子供たちが期待しているような事を、絶対にしないだろうと確信しているのだ。
 今の子供たちのように、この世界の人たちがルリアルーク王に望む事は、あのおとぎ話のように、世界を平和へと導く事だ。
 だけどジュニアスは、それをするような人間ではないのだ。


しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

裏の林にダンジョンが出来ました。~異世界からの転生幼女、もふもふペットと共に~

あかる
ファンタジー
私、異世界から転生してきたみたい? とある田舎町にダンジョンが出来、そこに入った美優は、かつて魔法学校で教師をしていた自分を思い出した。 犬と猫、それと鶏のペットと一緒にダンジョンと、世界の謎に挑みます!

(完結)もふもふと幼女の異世界まったり旅

あかる
ファンタジー
死ぬ予定ではなかったのに、死神さんにうっかり魂を狩られてしまった!しかも証拠隠滅の為に捨てられて…捨てる神あれば拾う神あり? 異世界に飛ばされた魂を拾ってもらい、便利なスキルも貰えました! 完結しました。ところで、何位だったのでしょう?途中覗いた時は150~160位くらいでした。応援、ありがとうございました。そのうち新しい物も出す予定です。その時はよろしくお願いします。

孤児による孤児のための孤児院経営!!! 異世界に転生したけど能力がわかりませんでした

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕の名前はフィル 異世界に転生できたんだけど何も能力がないと思っていて7歳まで路上で暮らしてた なぜか両親の記憶がなくて何とか生きてきたけど、とうとう能力についてわかることになった 孤児として暮らしていたため孤児の苦しみがわかったので孤児院を作ることから始めます さあ、チートの時間だ

積みかけアラフォーOL、公爵令嬢に転生したのでやりたいことをやって好きに生きる!

ぽらいと
ファンタジー
アラフォー、バツ2派遣OLが公爵令嬢に転生したので、やりたいことを好きなようにやって過ごす、というほのぼの系の話。 悪役等は一切出てこない、優しい世界のお話です。

憧れのスローライフを異世界で?

さくらもち
ファンタジー
アラフォー独身女子 雪菜は最近ではネット小説しか楽しみが無い寂しく会社と自宅を往復するだけの生活をしていたが、仕事中に突然目眩がして気がつくと転生したようで幼女だった。 日々成長しつつネット小説テンプレキターと転生先でのんびりスローライフをするための地盤堅めに邁進する。

【完結】捨てられた双子のセカンドライフ

mazecco
ファンタジー
【第14回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞作】 王家の血を引きながらも、不吉の象徴とされる双子に生まれてしまったアーサーとモニカ。 父王から疎まれ、幼くして森に捨てられた二人だったが、身体能力が高いアーサーと魔法に適性のあるモニカは、力を合わせて厳しい環境を生き延びる。 やがて成長した二人は森を出て街で生活することを決意。 これはしあわせな第二の人生を送りたいと夢見た双子の物語。 冒険あり商売あり。 さまざまなことに挑戦しながら双子が日常生活?を楽しみます。 (話の流れは基本まったりしてますが、内容がハードな時もあります)

異世界に転生したので幸せに暮らします、多分

かのこkanoko
ファンタジー
物心ついたら、異世界に転生していた事を思い出した。 前世の分も幸せに暮らします! 平成30年3月26日完結しました。 番外編、書くかもです。 5月9日、番外編追加しました。 小説家になろう様でも公開してます。 エブリスタ様でも公開してます。

[完結]前世引きこもりの私が異世界転生して異世界で新しく人生やり直します

mikadozero
ファンタジー
私は、鈴木凛21歳。自分で言うのはなんだが可愛い名前をしている。だがこんなに可愛い名前をしていても現実は甘くなかった。 中高と私はクラスの隅で一人ぼっちで生きてきた。だから、コミュニケーション家族以外とは話せない。 私は社会では生きていけないほどダメ人間になっていた。 そんな私はもう人生が嫌だと思い…私は命を絶った。 自分はこんな世界で良かったのだろうかと少し後悔したが遅かった。次に目が覚めた時は暗闇の世界だった。私は死後の世界かと思ったが違かった。 目の前に女神が現れて言う。 「あなたは命を絶ってしまった。まだ若いもう一度チャンスを与えましょう」 そう言われて私は首を傾げる。 「神様…私もう一回人生やり直してもまた同じですよ?」 そう言うが神は聞く耳を持たない。私は神に対して呆れた。 神は書類を提示させてきて言う。 「これに書いてくれ」と言われて私は書く。 「鈴木凛」と署名する。そして、神は書いた紙を見て言う。 「鈴木凛…次の名前はソフィとかどう?」 私は頷くと神は笑顔で言う。 「次の人生頑張ってください」とそう言われて私の視界は白い世界に包まれた。 ーーーーーーーーー 毎話1500文字程度目安に書きます。 たまに2000文字が出るかもです。

処理中です...