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第2章・のんびりまったりスローライフ?
注目の的
しおりを挟むいろんな人に心配をかけただろうから、お詫びに行こうと、体調が戻ったユリウスと部屋を出ると、部屋の外に居た人たちはみんな口をあんぐりと開けて、がユリウスを見た。
サーチートだけが呑気に、
「ユリウスくん、元気になって良かったねぇ~」
と言って、小さな手をパチパチと叩いて喜んだ。
「えと、どうしたの?」
「どうしたのって、それ……」
そう言ったジャンくんが指差すのは、ユリウスの頭――つまり、髪だ。
目立つという理由からユリウスが髪を隠したがっていたのは、ジャンくんもモネちゃんも知っている。
「あぁ。もう、隠すの止めようと思って」
「そう、ですか」
「あぁ」
ジャンくんもモネちゃんも、驚いているようだった。
そしてこの二人以外の人は、みんなユリウスに見惚れていた。
そりゃそうだよね。だって、この世界の人なら誰だって憧れる、創世王の色を全て持ったカッコイイ男の人が目の前にいたら、見惚れちゃうよね。
「女将さん、カッコ悪いところをお見せして、すみません。いろいろと用意してもらっていたみたいなのに」
ユリウスが声をかけると、宿の女将さんはハッとして、首を横に振った。
「そんなの、構わないんだよ。もう、体は大丈夫なのかい? 毒って聞いたけれど」
「えぇ、大丈夫です。もう大丈夫です。心配をかけてすみませんでした。俺、カッコ悪いですよね」
そう言ったユリウスに、女将さんは首を横に振った。
「あんなのと戦ったんだから、仕方ないさ。でも、大丈夫で良かったよ。ところで、アンタ……」
「何ですか?」
「その……本当にもうバンダナはしなくてもいいのかい?」
女将さんから問われたユリウスは、えぇ、と頷いた。
「今までは、この色のせいで、いろんなところで絡まれていましたが、今、この世界には色は違うらしいですが、創世王の再来ではないかと言われている、ジュニアス様が居られます。だから、もう絡まれる事はないかと思ったので、隠すのはやめたんです」
まるで用意していたかのように、すらすらとユリウスは言った。
いや、実際、用意していたんだろうけど、開き直ったユリウスは、ある事ない事まくしたてていた。
「ジュニアス様は、きっとルリアルーク王ですよ。だって、創世の王の色を全て持つ、現オブルリヒト王の子供なんですから! ジュニアス様が居れば、これからの未来は明るいですね!」
私は女将さんに熱弁するユリウスの隣で、笑いそうになるのを必死にこらえていた。
開き直り方が激しすぎるよ、ユリウス!
「そうかい? でも、その姿のせいか、私にはあんたの方が、ルリアルーク王っぽいと思っちゃうんだけどねぇ」
「いやぁ、俺なんて、ジュニアス様の足元にも及びませんよ」
ユリウス本人は、全くそんな事を思っていないはずだ。
開き直りって本当にすごいと、思わずには居られなかった。
この日の夜は、昨日行うはずだった宴会が開かれた。
スモル村の村長さんによって、私たちは村の人たちに紹介されたんだけど、当然、村の人たちの視線はユリウスに集まるわけで、村の人たちは熱い視線をユリウスへと向けていた。
中でもとびきり熱い視線を向けていたのは、独身と思われる美女たちで、私は髪を隠すのをやめたらと言ってしまった事を、早速後悔してしまう。
「なんて顔をしているんだい?」
と聞かれたけど、別に、としか答えられなかった私を、ユリウスは嬉しそうに見つめる。
どうしてそんなに嬉しそうなのかと尋ねると、彼は甘ったるい笑みを浮かべたまま、私がヤキモチを妬いてくれるのが嬉しい、と囁き、大勢のギャラリーの前で私の首筋に唇を寄せたのだった。
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