194 / 370
第2章・のんびりまったりスローライフ?
スタイリッシュ・アーマー①
しおりを挟むジルさんに教えてもらった店は、『スタイリッシュ・アーマー』という店で、商都ビジードの中心にある冒険者ギルドから歩いて二十分くらいのところに建っていた。
街の中心からはちょっと離れているから、人通りは少なめだけど、その分店舗の家賃が安めなのか、結構大きなお店だった。
「こんにちは。冒険者ギルドのジルさんに紹介してもらって、来ました」
お店の中に入ると、外から見た印象とは違い想像していた広さの三分の一くらいで、こぢんまりとしていた。
お店の人が居るカウンターの後ろにドアがあるから、その奥に別の部屋があるんだろう。
ガン、ガン、という音が聞こえているから、奥の部屋は作業場で、そちらが広めの造りになっているのかもしれない。
お店の方には武器や防具がいくつか置かれていたけれど、ここまで来るまでにあったお店に比べれば、品数がかなり少ないと思う。
「えぇと、いらっしゃい。ジルちゃんの紹介で来てくれたのかい? ありがとうね」
カウンターのところに居た女の人――五十代後半か六十代初めくらいの、少し白髪が混じった茶色の髪に、黒い瞳をした女の人が、声をかけてきた。
私たちがお店に入ってから、結構間があったけれど、それはどうやらユリウスを見て驚いていたからだったようだ。
女の人は、「すまないね、あんまりいい男だったから、見惚れちゃったよ」と、少し頬を赤らめて笑った。
「冒険者ギルドのジルちゃんは、よくお客さんを紹介してくれるんだよ。うちはね、お客さんたちが元から持っている武器や防具を直したり、加工したりする事が多いんだ。もちろん、普通に武器や防具も売っているから、どんな物を探しているか教えてくれたら、倉庫の方から出してくるよ」
そう言った女の人は、この店で店番と針仕事をしているらしく、ソフィーさんと名乗った。
「あの、このジャケットが直るかどうか、見ていただきたいんです」
私はマジックバックの中からユリウスのジャケットを取り出すと、ソフィーさんに見せた。
「おやまぁ、肩のところが、すごい事になっているねぇ」
ソフィーさんはボロボロのユリウスのジャケットを見ると、言った。
ユリウスの肩に乗っていたサーチートがカウンターへと飛び降り、
「ものすごーく大きな熊と戦った時に、ボロボロになっちゃったんだ。ねぇ、おばさん、ユリウスくんの服、直せる?」
と聞くと、突然ぬいぐるみに話しかけられたソフィーさんはまた驚いたようだったけれど、もう一度手にしたジャケットを確認し、頷いた。
55
あなたにおすすめの小説
裏の林にダンジョンが出来ました。~異世界からの転生幼女、もふもふペットと共に~
あかる
ファンタジー
私、異世界から転生してきたみたい?
とある田舎町にダンジョンが出来、そこに入った美優は、かつて魔法学校で教師をしていた自分を思い出した。
犬と猫、それと鶏のペットと一緒にダンジョンと、世界の謎に挑みます!
(完結)もふもふと幼女の異世界まったり旅
あかる
ファンタジー
死ぬ予定ではなかったのに、死神さんにうっかり魂を狩られてしまった!しかも証拠隠滅の為に捨てられて…捨てる神あれば拾う神あり?
異世界に飛ばされた魂を拾ってもらい、便利なスキルも貰えました!
完結しました。ところで、何位だったのでしょう?途中覗いた時は150~160位くらいでした。応援、ありがとうございました。そのうち新しい物も出す予定です。その時はよろしくお願いします。
孤児による孤児のための孤児院経営!!! 異世界に転生したけど能力がわかりませんでした
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕の名前はフィル
異世界に転生できたんだけど何も能力がないと思っていて7歳まで路上で暮らしてた
なぜか両親の記憶がなくて何とか生きてきたけど、とうとう能力についてわかることになった
孤児として暮らしていたため孤児の苦しみがわかったので孤児院を作ることから始めます
さあ、チートの時間だ
積みかけアラフォーOL、公爵令嬢に転生したのでやりたいことをやって好きに生きる!
ぽらいと
ファンタジー
アラフォー、バツ2派遣OLが公爵令嬢に転生したので、やりたいことを好きなようにやって過ごす、というほのぼの系の話。
悪役等は一切出てこない、優しい世界のお話です。
憧れのスローライフを異世界で?
さくらもち
ファンタジー
アラフォー独身女子 雪菜は最近ではネット小説しか楽しみが無い寂しく会社と自宅を往復するだけの生活をしていたが、仕事中に突然目眩がして気がつくと転生したようで幼女だった。
日々成長しつつネット小説テンプレキターと転生先でのんびりスローライフをするための地盤堅めに邁進する。
【完結】捨てられた双子のセカンドライフ
mazecco
ファンタジー
【第14回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞作】
王家の血を引きながらも、不吉の象徴とされる双子に生まれてしまったアーサーとモニカ。
父王から疎まれ、幼くして森に捨てられた二人だったが、身体能力が高いアーサーと魔法に適性のあるモニカは、力を合わせて厳しい環境を生き延びる。
やがて成長した二人は森を出て街で生活することを決意。
これはしあわせな第二の人生を送りたいと夢見た双子の物語。
冒険あり商売あり。
さまざまなことに挑戦しながら双子が日常生活?を楽しみます。
(話の流れは基本まったりしてますが、内容がハードな時もあります)
異世界に転生したので幸せに暮らします、多分
かのこkanoko
ファンタジー
物心ついたら、異世界に転生していた事を思い出した。
前世の分も幸せに暮らします!
平成30年3月26日完結しました。
番外編、書くかもです。
5月9日、番外編追加しました。
小説家になろう様でも公開してます。
エブリスタ様でも公開してます。
[完結]前世引きこもりの私が異世界転生して異世界で新しく人生やり直します
mikadozero
ファンタジー
私は、鈴木凛21歳。自分で言うのはなんだが可愛い名前をしている。だがこんなに可愛い名前をしていても現実は甘くなかった。
中高と私はクラスの隅で一人ぼっちで生きてきた。だから、コミュニケーション家族以外とは話せない。
私は社会では生きていけないほどダメ人間になっていた。
そんな私はもう人生が嫌だと思い…私は命を絶った。
自分はこんな世界で良かったのだろうかと少し後悔したが遅かった。次に目が覚めた時は暗闇の世界だった。私は死後の世界かと思ったが違かった。
目の前に女神が現れて言う。
「あなたは命を絶ってしまった。まだ若いもう一度チャンスを与えましょう」
そう言われて私は首を傾げる。
「神様…私もう一回人生やり直してもまた同じですよ?」
そう言うが神は聞く耳を持たない。私は神に対して呆れた。
神は書類を提示させてきて言う。
「これに書いてくれ」と言われて私は書く。
「鈴木凛」と署名する。そして、神は書いた紙を見て言う。
「鈴木凛…次の名前はソフィとかどう?」
私は頷くと神は笑顔で言う。
「次の人生頑張ってください」とそう言われて私の視界は白い世界に包まれた。
ーーーーーーーーー
毎話1500文字程度目安に書きます。
たまに2000文字が出るかもです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる