異世界に召喚されたけど、聖女じゃないから用はない? それじゃあ、好き勝手させてもらいます!

明衣令央

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第3章・冒険者デビュー

依頼達成報告②

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「こーんにーちは!」

 冒険者ギルド内に入るなり、ユリウスの肩に乗ったサーチートが元気に挨拶をしたものだから、中に居た人たちがみんな振り返った。
 注目されるのも、だいぶ慣れてきたなぁ。
 ユリウスは居るだけで目立つし、サーチートは小さな体なのに結構声が大きいから、みんな振り返っちゃうしね。

「おう、どうした! お前ら、依頼を受けてたらしいじゃねぇか。どうなった?」

 声をかけてきたのは、商都ビジードの冒険者ギルドのギルドマスターである、ゴムレスさんだった。

「任務を達成したから、報告に来たんだよ!」

 ゴムレスさんに元気に答えたのは、サーチートだ。
 私とユリウスは、苦笑しながら頷いた。

「おお、そうか。どれ、俺が見てやろう」

 ゴムレスさん、ギルドマスターなのに、暇なのかな。
 いや、多分忙しいとは思うんだけど……まぁいいか。

「じゃあ、これが依頼書だ。それからこれが、ゴブリンの耳」

「は?」

 依頼書を出した後、どか、どか、とユリウスは三つの麻袋をカウンターに置き、それを見たゴムレスさんは、ぽかんと口を開けた。

「なんだ、これは」

「ゴブリンの耳だが?」

「これ、全部か?」

「あぁ。途中から数えるのやめたから、いくつあるのかはわからない」

「あと、これもあります」

 私が預かっていた、ゴブリンの魔石が入った麻袋をカウンターに置くと、ゴムレスさんは驚いたように言った。

「お前ら、これだけの数のゴブリンの後始末も、ちゃんとしてきたっていうのか」

「えぇ。放っておいたら大変な事になるって聞いたし、それに、ポイントも報酬もアップなんですよね?」

「あぁ、確かにそうだが……かなり狩って来たな。一体どこで……」

「ここで教えてもらった、ネーデの森だが?」

「そ、そうか……」

 ゴムレスさんは頷くと、どのくらいの時間でこれだけのゴブリンを倒したのだと聞いてきた。
 多分、森の中に入って、一時間とちょっとくらいじゃなかったかな。
 私たちの話を聞いたゴムレスさんは、眉間にしわを寄せて黙り込む。

「何か、あるのか?」

「いや、ちと数が多いのが気になってな……。調査させよう」

 ゴムレスさんは受付の女の子にジルさんを呼ぶように言うと、執務室へと消えていった。

「あら、ユリウスさん、オリエさん、こんにちは。もう依頼を達成されたんですか?」

 受付の女の子に呼ばれたジルさんは、ゴブリンの耳と魔石が詰まった麻袋を見ると、ものすごく驚いていた。

「こんなにたくさん……す、すごいですね」

 少し口元を引きつらせながらジルさんが言った。
 彼女のその表情を見て、私はものすごく申し訳ない気分になった。
 だって、ねぇ……ゴブリンの切り取った左耳を持っているだけでも嫌だったのに、ジルさんは私たちへ報酬を支払うために、中身を確認しなければならないからだ。

「あ、あの、こんなにたくさん、ごめんなさいっ」

「い、いえ、大丈夫です。これが仕事ですし、慣れてますから。それに、ちゃんと後始末までしてくださって、ありがとうございます。この依頼を受けられた方は、後始末をされない方が多いので、本当にありがたいです」

 数が多いからだろう、ジルさんは別室で確認してくると言って、ゴブリンの耳と魔石が入った麻袋を抱えて立ち去った。


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