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第3章・冒険者デビュー
キヨラ草を探しに
しおりを挟む工務店のおじさんたちが木を伐り始めたので、私とユリウスとサーチートは、これからの事を相談した。
今回は護衛と手伝いの任務だから、私とユリウスはおじさんたちのそばに居なきゃいけない。
おじさんたちが木を伐り始めたのは森の入り口あたりなんだけど、ここにだってゴブリンや他の魔物たちが現れるかもしれないからだ。
「オリエちゃんにリカバーをかけてもらったから、大丈夫だよ! ぼく、行ってくる!」
そう言ったサーチートを、私はどうしたものかと見つめた。
サーチートはネーデの森を探索に行くと言っているのだ。
「でもね、サーチート。一人は危ないと思うんだ。今のサーチートはリカバーの効果でホイホイ状態じゃないけど、ゴブリンに見つかったら襲われちゃうかもしれないよ」
「うん、俺もそう思う。ネーデの森の探索なら、護衛任務が終わってから、俺とオリエが付き合うよ。だから、今は止めた方がいいんじゃないかな」
ユリウスと二人でなんとか諦めさせようとしたんだけど、サーチートは首を横に振った。
「ううん、ぼくは行くよ! だって、オリエちゃんの役に……ううん、みんなの役に立ちたいんだ! だからぼく、キヨラ草を探しに行くよ! それに、キヨラ草を探すのは、小さなぼくが適任だよ!」
「それは、そうなのかもしれなんだけどねぇ……」
サーチートが言っているキヨラ草というのは、聖水の材料となる植物で、高さが五センチくらいの、五ミリから七ミリくらいの真っ白な小さな花をつける植物だ。
キヨラ草はとても小さいせいか、なかなか見つからないらしいんだけど、サーチートは先日このネーデの森で、キヨラ草を見つけたんだよね。
だからサーチートは森の中で大騒ぎして、ゴブリンを苛立たせ、ゴブリンホイホイという迷惑なスキルを身につけてしまったのだ。
「キヨラ草があったら、聖水が作れるでしょ! オリエちゃんなら、ちょっぴりのキヨラ草でもたくさん聖水を作れると思うけど、たくさんあれば、ものすごーくたくさん作れると思うんだ! 聖水は、黒魔結晶を消滅させる事にも使えるし、アルバトス先生が柵に使う木やロープに染み込ませれば、魔物避けにもなるって言ってた! キヨラ草があれば、みんなの役に立つんだよ! だからぼく、この森でキヨラ草を探したいんだ!」
確かにサーチートの言う通りではあるんだけど、やはり危険だと思うと、なかなか頷く事ができない。
だけど、キヨラ草を探しに行くサーチートの意志は固く、ピンチの時には必ずテレパシーで連絡するように何度も言って、私はサーチートをネーデの森の奥へと送り出した。
それから多分、一時間半くらい経った頃――。
「オリエちゃーん、助けてー!」
リカバーの効果が切れてしまったらしいサーチートは、また三十体くらいのゴブリンに追いかけられながら戻って来て、私とユリウスは工務店のおじさんたちを守りながらゴブリンを倒すのに忙しかった。
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