異世界に召喚されたけど、聖女じゃないから用はない? それじゃあ、好き勝手させてもらいます!

明衣令央

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第3章・冒険者デビュー

ユリウスの友達①

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「初めまして。アタシ、商都ビジードでスタイリッシュ・アーマーって店をやってるリュシオンです。親しい人には、リュシーって呼ばれています。ユリウスくんとは、仲良くさせてもらっています。あ、これ、お土産です」

 クラウドさんの店を出た一時間後、私たちはリュシーさんを連れて、シルヴィーク村の家に戻っていた。
 リュシーさんは今、いつもよりもきっちりした言葉遣いで、用意したお土産をアルバトスさんに差し出す。
 アルバトスさんは穏やかに笑い、差し出されたお土産を受け取った。

「初めまして、リュシオンくん。ようこそいらっしゃいました。そして、ご丁寧にありがとうございます。あの、私もリュシーくんと呼ばせていただいても良いですか?」

「もちろんです! どうぞお呼びください! アルバトスさんにお会いできて光栄です!」

「ありがとうございます。私も、リュシーくんに会えて嬉しいです。少し緊張されているように見受けられますが……どうぞいつも通りリラックスしてくださいね。敬語とかも、必要ないですよ」

「ありがとうございます! んじゃ……そうさせてもらおうかな。ごめんなさいねぇ、アタシ、敬語使うの、あんまり上手くなくて」

「いやいや、いいのですよ。私は逆にこの口調が通常なのですが、リュシーくんは気にせずいつも通りにしてくださいね」

「ありがとうございます!」

「いえいえ。ところで……ユリウスがあなたをここに連れて来たという事は、リュシーくんはユリウスの秘密を知っているという事でいいでしょうか?」

 アルバトスさんはユリウスとリュシーさんを交互に見つめ、ユリウスが頷くのを見ると、ものすごく嬉しそうにリュシーさんの顔を見つめた。

「ユリウスに、ジャンくん以外に心を許せる友人ができるなんて……生きてきた甲斐がありました」

「は? 伯父上、何言ってるんですか?」

「だってねぇ、ユリウスが自分で作った友人を家に連れて来て、私に紹介してくれたんですよ? 嬉しいじゃないですかー」

 そう言ったアルバトスさんは、ハンカチを取り出すと目元を拭った。
 演技かと思ったけど、どうやら本当に泣いているらしい。
 親馬鹿炸裂……とも思ったけれど、考えてみればユリウスは特殊な環境で育ったから、心を許せる友人っていうのが出来にくかったのかもしれないよね。
 そして、アルバトスさんはその事をずっと気にしていたのかもしれない。

「リュシーくん、なんのお構いもできませんが、ゆっくりしていってくださいね。ところで、ユリウス……」

「何ですか?」

「あなた最近、モネちゃんとジャンくんの買い出しに付き合ってないですよね? マルコルさんから手伝ってやってほしいと、依頼がありましたよ」

「それ、今からですか?」

「えぇ、是非とも手伝ってきてあげてください」

 今戻って来たばかりのに? しかも、お客さんも居るのに?
 だけど当たり前のようにアルバトスさんは笑顔で頷き、もう一度繰り返した。

「ユリウス、オリエさん、手伝ってきてあげてください」

「わ、わかりました」

「は、はいっ、行ってきます……でも……」

 ちらりとリュシーさんを見ると、ひらひらと手を振っていた。
 まぁ、リュシーさんなら私たちが居なくても大丈夫だとは思うけど、せっかくお招きしたのに申し訳ない気持ちになる。

「大丈夫ですよ、オリエさん。リュシーくんの事は、私がちゃんとおもてなしをしておきますからね! あ、そうだ、リュシーくん、今夜は泊って行ってください。夕食は……村の方に移動して食べましょう!」

「え? いいの? じゃあ、ユリウス! 買い物ついでに冒険者ギルドとうちの店とに寄って、ジルとガレアスさんに、今日は戻らないって伝えてきてよ!」

「え?」

 そして私とユリウスは、否とは言えない謎の圧を放つ笑顔のアルバトスさんに追い出されるように、モネちゃんのお父さんが経営しているハロン商店へと向かった。
 ちなみにサーチートは、ちゃっかり家に残っていた。

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