異世界に召喚されたけど、聖女じゃないから用はない? それじゃあ、好き勝手させてもらいます!

明衣令央

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第3章・冒険者デビュー

ユリウスの友達②

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「ユリウス様、オリエちゃん、すみません、さっきお客さん連れて来てたでしょう? それなのに、買い出しを手伝ってくれるんですか?」

「あ、あぁ……」

「はい、お手伝い、しますけど……」

 ハロン商店に向かうと、マルコルさんは私たちが来た事に驚いているようだった。

「あの、もしかして……急ぎじゃなかったんですか?」

「まぁ、手伝っていただけたらありがたいですが、別にお客様が来られている今でなくとも……明日とか……」

「そう、ですか……」

 でもアルバトスさんから、すぐに行けって感じの圧をかけられたし……どういう事なんだろう?

「ユリウス、どうする? 戻る?」

 今日はリュシーさんというお客様も来ている事だし、と言ったのだけれど、ユリウスは首を横に振った。

「いや、もういい。伯父上は何か考えがあって、敢えて俺とオリエを追い出したんだろう。リュシーから伝言を頼まれている事もあるし、このまま行こう」

「うん、わかった」

 ユリウスがそれでいいなら、私もそれに従おう。
 確かに、無理矢理追い出された感じだったけど、アルバトスさんには何か考えがあるのかもしれないし。

「マルコル、今夜、客人と一緒に食事に来るから、よろしく頼む」

「わかりました。お待ちしております。ではこちら、買い出しのリストです。モネに渡してください」

 マルコルさんに夜の食事を頼み、買い出しリストを受け取った私たちは、モネちゃんを捜しに行った。
 モネちゃんはハロン商会の隣にある食堂に、ジャンくんと居た。

「モネちゃん、ジャンくん、買い出しに行くよ~」

 声をかけると、モネちゃんは明るい笑顔で振り返ってくれたけれど、ジャンくんは少し不機嫌そうだった。

「ジャンくん、どうしたの?」

「あぁ、気にしないでいいよ、オリエさん。ジャンね、ユリウス様がご友人を連れて来たのが、ちょっと面白くないのよ」

 え? どういう事だろう?
 首を傾げた私に、けらけらと笑いながらモネちゃんが続ける。

「ジャンったら、さっき来られたユリウス様のご友人にね、嫉妬しているのよ! 自分はユリウス様の友人にはなれないのにって!」

「え? どうしてだ?」

 今度首を傾げたのは、ユリウスだった。

「ジャンは、俺の友人じゃないのか?」

「え? でも、俺とユリウス様とじゃ身分が違うし……俺は、どちらかと言うと、家臣……」

「確かに、ジャンやモネの家には、伯父上は俺の秘密を話していたし、昔からいろいろと協力してもらっていたけれど……別に家臣じゃないだろ。俺はジャンとモネの事……その……ちゃんと友人だと思っているけど、二人は違うのか?」

 褐色の肌を少し赤く染めて、ユリウスが言った。
 うわぁ、照れているの、すごく可愛い。
 この表情、アルバトスさんにも見せてあげたいなぁ、なんて思っていたら、ジャンくんが滝のような涙を流していた。

「ユリウス様ーっ! 俺、嬉しいですーっ!」

「私も、ジャンくんの事もモネちゃんの事も、友達だって思ってるよ。だから、これからもよろしくお願いします」

「ありがとう、オリエさん。こちらこそ、よろしくお願いします!」

 ジャンくんの頭を撫でながら、モネちゃんがぺこりと頭を下げる。
 ジャンくんは余程嬉しかったのか、なかなか泣き止んでくれなくて、モネちゃんが渡したハンカチはびしょびしょになっていた。

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