異世界へ行って帰って来た

バルサック

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魔法を覚えた

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騒がしさで目覚めた。その騒ぎは1階から聞こえていた。

あ、そうだ。ギルドで魔法を教えてくれるかも知れないんだ。
サッサッと仕度をして1階へと下りた。

1階の食堂では、冒険者がせわしく喰ってる最中だ。
ガツガツと食べて大声で話して、又も食べての繰り返しだ。

ちょうど席が空いたので座ると、おばさんがテーブルにやって来て片付けだした。

「朝は、AとBの2種類しかないよ。Aが銅貨2枚でBが銅貨3枚だけど」

「Aでお願いします」そう言って銅貨2枚を出した。

出てきたのは、パンとスープだけだ。隣を見ると肉が皿にのっている。
どんな肉か分からないから良かった・・・それにしても美味そうに喰ってる。

あ!なんて固いパンだ。スープに漬け込んで喰うしかない。
スープも微妙な味だな。しかも何の野菜だ見た事ないぞ。


気が付いたら誰も居ないぞ。

「あんた、ゆっくりしてるね。もうギルドが開いたはずだよ」

腕時計を見た。あれ!時計が止まってる。
まあいいか・・・まだ薄明かりなのに、そんなに早いのか・・・薄味のスープを一気に飲んだ。
そしてギルドに向かった。



ギルド内は、列を成して騒々しく熱気があふれている。
あんな中には到底入れそうにない。

それに、こんなに早くからギルドマスターは居ないだろう。

その間にボードをゆっくりと見てた。

あ!オークの討伐があった。確か地下ダンジョン22階で現れたのもオークだ。
報酬は、オーク10体で銀貨3枚だ。

一番上には、ドラゴンの討伐依頼もあった。
ドラゴンがここには居るらしい。なんて物騒な世界だ。
その内容は、冒険者を募っての討伐だ。日にちが書いてるが、今の時点で、ここの日にちすら知らない。
周りを見てもカレンダーは無かった。

ようやくすいたので3番目に並んだ。
なんだこのおっさんは、頭がフケだらけだ。いつ頭を洗ったんだ。


「あ!あんたか・・・ここの裏側に行って待っててくれるか・・・外から回ってくれ」

言われるまま外に出て、それらしい路地を通って裏側に出た。
数人が剣の稽古けいこをしている。

「カン、カン」と打ち合っていた。

中々の力で打ち合っていた。
次の打ち合いで木剣がクルクルと飛ばされた。

「あ!しまった」

「しっかり持て!魔物は待っててくれないぞ。後は自主練で飛ばされないようにしっかりやれ」

生徒らしい数人は、互い対戦を申し込んで打ち合いが始まった。

あの教えていた人が俺の所へ向かって歩いてきた。

「お前だな、雷魔法の素質はあるみたいだな」

「はい」緊張してしまった。

なんか、それだけのオーラをかもし出していた。

「俺はギルドマスターのシレンだ」

「は、わたしはイサムです」

「そんなに緊張しなくていいぞ。カミナリを見た事があるか? あるならイメージしてみろ。そして魔力を体内に集めてみろ」

イメージしながら、体内に力を込めた。
5分が経過しても何も起こらない。ダメなのか・・・

「魔法を見た事があるのか?」

「ゴブリンが使ってるのを見ました」

「ゴブリンか・・・奴の魔法では参考にもならないな」

俺の後ろに回って、背中に手の平で軽く触ってきた。

「これが魔力だ」

なんだ。この温かい物は・・・うっすらと汗が出てきた。

「あ!感じます」

「それを更に集めろ。そしてカミナリのイメージをあの目標の木人に放て」

見ると練習用の木人が何本も立っていた。


いわれるまま集中すると、更に温かい物が集まるのを実感した。
もう自分自身でもパンパン状態だと分かった。
あの木人に当てればいいのか、やってやる。

急に体から抜ける感じがした。
急に空が曇りだした。ピカッと光って「ドカン」と音がした。
木人に亀裂が入って燃え出した。

え!これが魔法なのか・・・俺が放ったカミナリなのか・・・

「なんだ、一発でカミナリが放てたな。お前には、天賦てんぷの才能があるみたいだな」

このギルドマスターから色々な話を聞いた。
もっと上達すれば雨を降らせて、嵐まで呼び寄せる事も可能らしい。

あの神須神社の話が現実になってきた。



右上の時間が、2:25:33になっていた。
そろそろ人が居ない所へ移動する必要に迫られた。
俺自身になにが起きるか分からないからだ。

「ありがとう御座いました。ちょっと用事を思い出したので失礼してもいいですか?」

「用事なら仕方ないな。魔法の練習はおこたってはいけないぞ。魔法が使えるのは1万人に1人だ。心して練習に励め」

礼を言って足早に去った。

正門を出て、人が居ない所まで走った。
時間は、0:03:03だ。

すぐに立ち止まった。刻々と時間が経過した。
4、3、2、1、0・・・急にあの鏡が目の前に現れた。

手で触れると、又も吸い込まれた。



俺は、納屋の中に居た。帰ってこれたんだ。
体をあっちこっちまさぐったが異常はない。

俺は急いで家に入った。居間のスマホで日付けと時間を見た。
9月20日の11時12分。

「え!嘘だ!」

俺が異世界に行ったのに、数分しか経過してないぞ。
向こうに行ったら、時間経過が極端きょくたんに遅くなるのか・・・謎だらけだ。

あれ!画面に新たに表示されてるぞ。
【亜空間魔法】だ。

異世界へ行って帰ったせいか・・・


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