異世界へ行って帰って来た

バルサック

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横領

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朝からスマホが鳴りっ放しだ。
それで目がようやく覚めた。え!母さんからの着信音だ。

時間は、午前6時21分・・・「なんだよ母さん。こんなに早くから」

「イサム、大変なんだよ。警察がやって来て会社の横領罪で父さんが連れて行かれたの・・・どうしていいのか分からなくて・・・」

父さんの会社は、魔石で一気に上場企業までなった会社だ。
それに父さんは真面目な性格だ。そんな横領で捕まるなんて・・・ありえない。
何か裏がありそうだ。

「母さん、知り合いの弁護士に相談するから心配しないでくれ。今から連絡するから切るね」

スマホ越しに母さんの泣き声が、ここは我慢して切った。
すぐに神谷弁護士に連絡した。

朝っぱらか何だと言われた。俺も詳しい情報がないまま出来事を話した。

「分かった。警察に行って面会してみるよ。だから心配をするな」

そう言って切られた。
母もこんな思いだったのか・・・


そして思い出した。
佐々木部長が検事だった事を、急いで連絡をした。

もう一方的に話した。

「それで私に如何どうしてもらいたいの」

「きっとはめられたに違いない。だから力を貸して欲しい」

「具体的に如何するの・・・」

「取調べに立ち会いたい。父さんでなく、横領したと証言した人の取り調べに・・・」

「あんた!まだ能力を隠してたの・・・いいは、協力して上げるわ」

佐々木は、すぐに方々へ連絡して承諾しょうだくをもらったようだ。
その手ぎわ良さに感心した。



飯田琢磨いいだたくま58歳

ドートレ会社営業部長

その男がカメラを設置された部屋で取り調べをされていた。
いかつい刑事が対応中だ。後ろの壁にもたれるように俺は居た。
そして調書を書く若い刑事も居た。その刑事のそばには、椅子に座る佐々木部長の姿があった。

若い刑事は、チラチラと佐々木部長を見てた。


いかつい刑事は、おっとりした話し方だ。

「たまたま帳簿を調べたら横領した事実が判明した。そしてたまたま神須が横領したとする証拠が出てきた。それに間違いありませんか?」

「はい、そうです。あんなに信じていた部下に裏切られるとは、思ってもいませんでした」

そう言いながら、飯田はある出来事を思い出していた。
俺の鑑定の指輪は、知りたい事だけを知る事ができた。個人情報がダダもれだ。
それだけ魔力を消費するが、今回は仕方ない。

「それは嘘だな。あんたは社長の命令に従っただけだ。11月29日13時34分に社長室で、神須をはめろって言われたはずだ」

「え!盗聴していたのか・・・盗聴は証拠にならないぞ」

刑事はガバッと立上がった。

「貴様、警察をはめやがったな!ただではおかないからな」今にも殴りそうな勢いだ。

それからは飯田は、ペラペラとしゃべって自白した。
調書にサインして終わりだ。



その話に出てた社長秘書の男が、取調室に居た。

「なんで呼ばれたか分かりませんね」

「あんた、社長の命令で人殺しもしたそうだな。飯田が白状したぞ」

「あれは作り話ですよ。飯田もバカだなーーそんな話を信じて」

成る程、そんな所に隠したのか・・・

「あんたが暮らす家の居間下に埋めたのは分かってるよ。それも3体も埋めてるなんて、あんたは正気か・・・」

「なぜ知ってる!俺しか知らないはずだ!」



もう証拠の書類やメモも発見された。
その証拠のメモを見て、俺はピンッと来た。

「今日の23時に、K国に魔石の密輸があるみたいだな」

周りに居た関係者がどよめいた。

「場所も分かるのか・・・」

「ああ、分かるよ。日本海の福井県三方郡美浜町×××で、無人艇によって運ばれるみたいだな」

もう、ギルドと警察と検察の合同捜査だ。



俺らはヘリに急いで乗り込んだ。


もう現場では、各方面からの応援が潜んでいた。
そして、俺らが到着して、佐々木部長の号令で踏み込んだ。

遠くから鑑定して叫んだ。

「トップランカーの探索者がいるぞーー。14人も居るぞ!」


もう遅かった。急に発砲が起きた。
マシンガンが「ダダダダダダ」とパトカーを穴だらけにした。
防弾服着用で助かったが、足を撃たれた数人は運び出された。

応戦するSWATチームが、密輸側の数人を撃ち殺した。
しかし、狙いを定めて撃つ瞬間に避ける連中が居た。
動きが速い。

「探索者は、中々当たらないぞ。なんて勘がいい奴らだ。本部!どうしますか」

「分かったわ。応援者を向かわせるから銃撃は一旦ストップしておいて」

「了解しました」

佐々木は、俺の顔を見て目で合図した。
え!俺が行くのか・・・親父から始まった事件だ。


風魔法で防御して前の出た。「ダダダダダ」と撃たれたが平気だ。
風が全ての銃弾の軌道をずらした。


空が一気に曇った。弱めの雷魔法を放った。
探索者14人は、気絶だ。


「この無人艇は凄いぞ。電波を吸収する塗料が塗られてるぞ。それにK国へのルートが打ち込まれて自動運転だ。だから天気のおだやかな日が選ばれたのか」

証拠の魔石も押収された。
もう鑑識の連中が、あっちこっちの証拠に夢中だ。

「おい!こっちに死体が有ったぞ」

「なんてむごい殺しだ」

「こら!ここで吐くなーーバカ野郎!」


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