異世界へ行って帰って来た

バルサック

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王立図書館

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部屋でギルドマスターは、お土産のショートケーキをほうばりながら食べていた。

「なんて甘くて美味しいんだ。こんなの食べたのは初めてだ」

「それは良かった。それでテイマーについて教えてくれませんか・・・」

「教えてやりたいが、わたしもよくは知らない分野だ。王都の国立図書館に行けば、魔人関係の本もあるだろう」

「それは本当ですか・・・本を見せてくれるでしょうか」

「・・・」

「これを王都の門番に見せれば入れるはずだ。この紹介状も持って行くといいぞ。しばらく会えなくなるな」

銀のメダルと紹介状を受取った。
メダルはギルドマークと裏には番号が刻印された物だ。

「ありがとう御座います」

やはり王都へ行くしかない。




だだっ広い草原に、有人ドローンを出した。
4人乗りで価格は、1億4千万円だ。自動操縦装置を備えた電動式マルチドローンだ。

ダンジョンでは魔石暴走する魔石電池も、この異世界では暴走しない事は4輪バギーで証明済みだ。
ダンジョン内は、狭い空間だ。だから暴走すると俺は考えている。


ボタンを押すと浮上して、設定した高度まで上がるとピタッと止まった。

ええっとどれだ・・・タッチパネルで方向の入力は、この地図を信じるなら南西だ。
距離は100キロでいいか、時速も200キロまで出せるが外の景色で確認するから100キロでいいだろう。
後は、モード選択を半自動運転モードでスタートだ。

スピードがドンドン加速して時速100キロをキープした状態で飛び続けているぞ。

このドローンは、周りをセンサーやカメラで監視して安全に飛行するタイプだ。
山があれば高度自動に上げて進むから楽でいいぞ。

あ!あんな所に大きな湖が見えてきたぞ・・・なんてきれいな湖だ。
地図で見るとここら辺か・・・

あ!湖沿いに馬車が何台も連なって移動中だ。

このドローン、静音性が高いから全然気付いてないぞ。

あああ、もう馬車も見え無くなった。


幾つも都市を通過してやっと見えて来た。
どでかい城壁に守られた城だ。ヨーロッパでも見ない城だ。

「あれがアルバーンの城か・・・ならば近くでひと気のないあの場所なら安全そうだ」

半自動運転を手動モードに切り替えた。
親指を使ってゲーム感覚で、たどり着いた場所にゆっくりと着地だ。

そしてドローンを回収。



なんだよ、正門近くに来たら行列で一杯だ。
荷馬車が大半で、俺みたいに歩いて来た人間は少ないぞ。
仕方なく最後尾に並んでみた。

いつまで待たせるんだ。もう並んで2時間だぞ。

1ヶ月は掛かる長旅を、6時間で来たのに・・・ここで2時間も待ちぼうけをくらうとは・・・


やっと俺の番だ。

「お前、何処どこから来た者だ」

俺は、紹介状とメダルを見せた。

「いいだろう。通ってヨシ」

すんなりと通れた。もう日が暮れかかり淡い照明が付きだしている。
急いで宿屋を探し回った。

1軒目は、満室だ。
2軒目は、貴族御用達で追い返された。

「1人だけど泊めてくれるかな」

「1人か・・・丁度1部屋空いてるよ」

一泊が銀貨1枚だ。やはり王都は物価が高過ぎだ。
まあベッドは快適なふわふわだからいいか。
そのまま寝転がっていたら、夕食もとらずに寝てしまった。



目覚めてたら腹が「グーゥ」と鳴きだしたぞ。
そのまま階段を下りて、食堂に入った。
食堂はまばらだ。やはり王都の食堂で椅子やテーブルは、凝った彫刻が彫られている。

「ご注文は、お決まりでしょうか」

「早くできるやつを頼むよ」

「かしこまりました」

後で知った事だが、夕食と朝食込みのセット料金だった。

まあけち臭い事で悩んでも仕方ない。
味はしっかりしてまあまあだ。食事を済ませて宿屋を出た。



広い王都で王立図書館を探すのも大変だ。
知ってる人が少ないのが原因だ。そして遠回りしてようやく探し当てた。

ここが王立図書館か・・・でかくてしっかりした建物で威厳いげんを感じるぞ。

又も紹介状とメダルを見せた。

「観覧料は、金貨1枚です」

言われるまま支払った。ギルドマスターから高いって聞いてたから助かった。
もうちょっとで「高い」と言いそうになった。

「魔人関係の本を見たいので、何処にありますか?」

「この1番奥の左の棚にあります」

「ありがとう」

結構な広さで天井まで本がぎっしりと並んで置いてあった。
そして図書館独特な匂いがしてた。
ここの左か・・・

手にとった本を鑑定した。
脳内に知識としてドバッと入ってきた。
なんと魔人と人間の恋の話の本だ。

魔人と結婚した女は、しだいに年老いてゆくが魔人の男は若いままだ。
悲観した年老いた女は湖に身を沈めて死んでしまった。

子が授からなかったのも原因だ。

あれ!こっちの本も男女が入替わったが、同じような話だ。
それに子供が出来ないのも同じだ。

魔人と人間のハーフは無いのか・・・ますます疑問だらけだ。


あ!この本だ。
背表紙にしっかりと【テイマー】と書いてある。
テイマーにもビーストテイマー(猛獣使い)、ドラゴンテイマー(ドラゴン使い)、などがあるらしい。
この2種類が、テイマーの代表らしい。

テイムした魔物と絆を築き上げる事で、魔物の攻撃アップが計れるのもテイマーの特色らしいぞ。

するとハルは、一般的なテイマーで今後頑張ればドラゴンも飼い慣らせるまで成長するかも・・・

人間もテイマーに挑んだらしい。
その時の事がこと細かく書かれてた。100人以上が挑戦して魔物に食い殺されるのが結末だ。
どんなに可愛がっても、急に本性を表して襲われる。
油断した人間はひとたまりもない。

やはり魔人しかテイマーは、いない事がはっきりとした。


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