48 / 133
王立図書館
しおりを挟む部屋でギルドマスターは、お土産のショートケーキをほうばりながら食べていた。
「なんて甘くて美味しいんだ。こんなの食べたのは初めてだ」
「それは良かった。それでテイマーについて教えてくれませんか・・・」
「教えてやりたいが、わたしもよくは知らない分野だ。王都の国立図書館に行けば、魔人関係の本もあるだろう」
「それは本当ですか・・・本を見せてくれるでしょうか」
「・・・」
「これを王都の門番に見せれば入れるはずだ。この紹介状も持って行くといいぞ。しばらく会えなくなるな」
銀のメダルと紹介状を受取った。
メダルはギルドマークと裏には番号が刻印された物だ。
「ありがとう御座います」
やはり王都へ行くしかない。
だだっ広い草原に、有人ドローンを出した。
4人乗りで価格は、1億4千万円だ。自動操縦装置を備えた電動式マルチドローンだ。
ダンジョンでは魔石暴走する魔石電池も、この異世界では暴走しない事は4輪バギーで証明済みだ。
ダンジョン内は、狭い空間だ。だから暴走すると俺は考えている。
ボタンを押すと浮上して、設定した高度まで上がるとピタッと止まった。
ええっとどれだ・・・タッチパネルで方向の入力は、この地図を信じるなら南西だ。
距離は100キロでいいか、時速も200キロまで出せるが外の景色で確認するから100キロでいいだろう。
後は、モード選択を半自動運転モードでスタートだ。
スピードがドンドン加速して時速100キロをキープした状態で飛び続けているぞ。
このドローンは、周りをセンサーやカメラで監視して安全に飛行するタイプだ。
山があれば高度自動に上げて進むから楽でいいぞ。
あ!あんな所に大きな湖が見えてきたぞ・・・なんてきれいな湖だ。
地図で見るとここら辺か・・・
あ!湖沿いに馬車が何台も連なって移動中だ。
このドローン、静音性が高いから全然気付いてないぞ。
あああ、もう馬車も見え無くなった。
幾つも都市を通過してやっと見えて来た。
どでかい城壁に守られた城だ。ヨーロッパでも見ない城だ。
「あれがアルバーンの城か・・・ならば近くでひと気のないあの場所なら安全そうだ」
半自動運転を手動モードに切り替えた。
親指を使ってゲーム感覚で、たどり着いた場所にゆっくりと着地だ。
そしてドローンを回収。
なんだよ、正門近くに来たら行列で一杯だ。
荷馬車が大半で、俺みたいに歩いて来た人間は少ないぞ。
仕方なく最後尾に並んでみた。
いつまで待たせるんだ。もう並んで2時間だぞ。
1ヶ月は掛かる長旅を、6時間で来たのに・・・ここで2時間も待ちぼうけをくらうとは・・・
やっと俺の番だ。
「お前、何処から来た者だ」
俺は、紹介状とメダルを見せた。
「いいだろう。通ってヨシ」
すんなりと通れた。もう日が暮れかかり淡い照明が付きだしている。
急いで宿屋を探し回った。
1軒目は、満室だ。
2軒目は、貴族御用達で追い返された。
「1人だけど泊めてくれるかな」
「1人か・・・丁度1部屋空いてるよ」
一泊が銀貨1枚だ。やはり王都は物価が高過ぎだ。
まあベッドは快適なふわふわだからいいか。
そのまま寝転がっていたら、夕食もとらずに寝てしまった。
目覚めてたら腹が「グーゥ」と鳴きだしたぞ。
そのまま階段を下りて、食堂に入った。
食堂はまばらだ。やはり王都の食堂で椅子やテーブルは、凝った彫刻が彫られている。
「ご注文は、お決まりでしょうか」
「早くできるやつを頼むよ」
「かしこまりました」
後で知った事だが、夕食と朝食込みのセット料金だった。
まあけち臭い事で悩んでも仕方ない。
味はしっかりしてまあまあだ。食事を済ませて宿屋を出た。
広い王都で王立図書館を探すのも大変だ。
知ってる人が少ないのが原因だ。そして遠回りしてようやく探し当てた。
ここが王立図書館か・・・でかくてしっかりした建物で威厳を感じるぞ。
又も紹介状とメダルを見せた。
「観覧料は、金貨1枚です」
言われるまま支払った。ギルドマスターから高いって聞いてたから助かった。
もうちょっとで「高い」と言いそうになった。
「魔人関係の本を見たいので、何処にありますか?」
「この1番奥の左の棚にあります」
「ありがとう」
結構な広さで天井まで本がぎっしりと並んで置いてあった。
そして図書館独特な匂いがしてた。
ここの左か・・・
手にとった本を鑑定した。
脳内に知識としてドバッと入ってきた。
なんと魔人と人間の恋の話の本だ。
魔人と結婚した女は、しだいに年老いてゆくが魔人の男は若いままだ。
悲観した年老いた女は湖に身を沈めて死んでしまった。
子が授からなかったのも原因だ。
あれ!こっちの本も男女が入替わったが、同じような話だ。
それに子供が出来ないのも同じだ。
魔人と人間のハーフは無いのか・・・ますます疑問だらけだ。
あ!この本だ。
背表紙にしっかりと【テイマー】と書いてある。
テイマーにもビーストテイマー(猛獣使い)、ドラゴンテイマー(ドラゴン使い)、などがあるらしい。
この2種類が、テイマーの代表らしい。
テイムした魔物と絆を築き上げる事で、魔物の攻撃アップが計れるのもテイマーの特色らしいぞ。
するとハルは、一般的なテイマーで今後頑張ればドラゴンも飼い慣らせるまで成長するかも・・・
人間もテイマーに挑んだらしい。
その時の事がこと細かく書かれてた。100人以上が挑戦して魔物に食い殺されるのが結末だ。
どんなに可愛がっても、急に本性を表して襲われる。
油断した人間はひとたまりもない。
やはり魔人しかテイマーは、いない事がはっきりとした。
30
あなたにおすすめの小説
劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?
はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、
強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。
母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、
その少年に、突然の困難が立ちはだかる。
理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。
一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。
それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。
そんな少年の物語。
異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します
桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる
巻き込まれ召喚・途中下車~幼女神の加護でチート?
サクラ近衛将監
ファンタジー
商社勤務の社会人一年生リューマが、偶然、勇者候補のヤンキーな連中の近くに居たことから、一緒に巻き込まれて異世界へ強制的に召喚された。万が一そのまま召喚されれば勇者候補ではないために何の力も与えられず悲惨な結末を迎える恐れが多分にあったのだが、その召喚に気づいた被召喚側世界(地球)の神様と召喚側世界(異世界)の神様である幼女神のお陰で助けられて、一旦狭間の世界に留め置かれ、改めて幼女神の加護等を貰ってから、異世界ではあるものの召喚場所とは異なる場所に無事に転移を果たすことができた。リューマは、幼女神の加護と付与された能力のおかげでチートな成長が促され、紆余曲折はありながらも異世界生活を満喫するために生きて行くことになる。
*この作品は「カクヨム」様にも投稿しています。
**週1(土曜日午後9時)の投稿を予定しています。**
転生貴族のスローライフ
マツユキ
ファンタジー
現代の日本で、病気により若くして死んでしまった主人公。気づいたら異世界で貴族の三男として転生していた
しかし、生まれた家は力主義を掲げる辺境伯家。自分の力を上手く使えない主人公は、追放されてしまう事に。しかも、追放先は誰も足を踏み入れようとはしない場所だった
これは、転生者である主人公が最凶の地で、国よりも最強の街を起こす物語である
*基本は1日空けて更新したいと思っています。連日更新をする場合もありますので、よろしくお願いします
男爵家の厄介者は賢者と呼ばれる
暇野無学
ファンタジー
魔法もスキルも授からなかったが、他人の魔法は俺のもの。な~んちゃって。
授けの儀で授かったのは魔法やスキルじゃなかった。神父様には読めなかったが、俺には馴染みの文字だが魔法とは違う。転移した世界は優しくない世界、殺される前に授かったものを利用して逃げ出す算段をする。魔法でないものを利用して魔法を使い熟し、やがては無敵の魔法使いになる。
Shining Rhapsody 〜神に転生した料理人〜
橘 霞月
ファンタジー
異世界へと転生した有名料理人は、この世界では最強でした。しかし自分の事を理解していない為、自重無しの生活はトラブルだらけ。しかも、いつの間にかハーレムを築いてます。平穏無事に、夢を叶える事は出来るのか!?
はずれスキル『本日一粒万倍日』で金も魔法も作物もなんでも一万倍 ~はぐれサラリーマンのスキル頼みな異世界満喫日記~
緋色優希
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて異世界へやってきたサラリーマン麦野一穂(むぎのかずほ)。得たスキルは屑(ランクレス)スキルの『本日一粒万倍日』。あまりの内容に爆笑され、同じように召喚に巻き込まれてきた連中にも馬鹿にされ、一人だけ何一つ持たされず荒城にそのまま置き去りにされた。ある物と言えば、水の樽といくらかの焼き締めパン。どうする事もできずに途方に暮れたが、スキルを唱えたら水樽が一万個に増えてしまった。また城で見つけた、たった一枚の銀貨も、なんと銀貨一万枚になった。どうやら、あれこれと一万倍にしてくれる不思議なスキルらしい。こんな世界で王様の助けもなく、たった一人どうやって生きたらいいのか。だが開き直った彼は『住めば都』とばかりに、スキル頼みでこの異世界での生活を思いっきり楽しむ事に決めたのだった。
神々に見捨てられし者、自力で最強へ
九頭七尾
ファンタジー
三大貴族の一角、アルベール家の長子として生まれた少年、ライズ。だが「祝福の儀」で何の天職も授かることができなかった彼は、『神々に見捨てられた者』と蔑まれ、一族を追放されてしまう。
「天職なし。最高じゃないか」
しかし彼は逆にこの状況を喜んだ。というのも、実はこの世界は、前世で彼がやり込んでいたゲーム【グランドワールド】にそっくりだったのだ。
天職を取得せずにゲームを始める「超ハードモード」こそが最強になれる道だと知るライズは、前世の知識を活かして成り上がっていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる