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忙しい鍛冶場
しおりを挟む神須鍛冶工房では、神棚に向かって「いい仕事ができますように・・・」と祈りをささげる。
そして拍手を打って、鍛冶場に緊張が走る。
「ハル師匠、今日も見学よろしくお願いします」
「今日は、日の出もまだなのにご免ね。ハーちゃんとフーちゃん・・・雑用を頑張ってね」
「はい!」
なんか、向こうは元気がいいな・・・それに3人で話だしたぞ。
「ハル、ノルマのルーン文字は必ず作れ!」
急ぎの仕事なのに・・・おしゃべり厳禁だぞ。
「はい!師匠」
そうなのだ。
研究所から送られた予定表をペラペラめくっていると、これも、これも、ルーン文字。
「いいかげんにしろ」って言いたくなったよ。
1ヶ月は、鍛冶場に缶詰状態にされる予感しか思い浮かばないぞ。
なので魔法陣は外注に任せた。
外注っていっても学園の研究施設だ。
それも半導体製造と同じくらいにCR(クリーンルーム)で、ほとんどが自動化されている。
こっちとは大違いだよ。
2000億円以上の設備投資をしたらしいぞ。
俺は、アルが言う製造工程をこれがこうで、こうなってこうだと説明に四苦八苦したよ。
俺らが作ったルーン文字を1つ1つ検査。
決められた寸法に外周研削加工。
ベベル加工(外周面取り)。
ラップ加工(両面機械研磨)。
エッチング(両面科学研磨)。
ポリッシング(表面鏡面研磨)
洗浄。
検査。
魔法陣組み立て。
検査。
そんな工程を経て特別生態治療機の完成だ。
この光は風邪も同時に治せる優れもので、吸血鬼が根絶されても活躍するだろう。
そうだ。
ここの鍛冶場の設備投資はいくらだったかな・・・
「師匠!何か鳴ってませんか・・・」
俺が叩くのを止めて鍛冶場がシーンとなった。
「あ!あれは部外者の侵入警報だぞ!えらい事になったぞ。君らは学園の安全区域に逃げろ!」
「分かりました」と同時に2人の弟子は逃げ出した。
「ハルは、他の新人を連れて逃げろ」
「師匠は、どちらへ」
「サヤの鍛冶場はちょっと遠いから見てくる」
「お願いします」
「サヤ!警報が鳴ってるのが分からないのか!」
サヤは夢中で、なにって顔して見てた。
「警報だ!テロの恐れがあるから学園に逃げるぞ」
手を掴んで走りだした。
外へ出て驚愕した。
吸血鬼が100人以上があっちこっちで暴れまくっている。
その中には知っている村人も・・・
テロ対策の隊員が撃ち続ける銃弾を素早くかわしているぞ。
1人の隊員がアッパーを喰らって3メートル後方へ飛ばされている。
首が変な方向に折れ曲がっているぞ。
あ!あの隊員は・・・なんて奴らだ・・・
太陽はまだ昇らないのか・・・
十字剣を取り出した。
『吸血鬼どもか』
「殺すな!被害が出ないように牽制するだけでいいから頼む」
『仕方ないが努力はしてみる』
姿をくらました十字剣は、そのままにし「アル出てきてくれ」
『又も困った場面か・・・言わなくていいぞ』
青白く光を放つ魔法陣が空に広がり、光を降り注いでいる。
吸血鬼が悶え苦しみだしたぞ。
そしてバタバタと倒れだした。
俺は駆け出していた。
あの隊員の首に手を添えて「癒しの光をどうか助けてやってくれ」
今までにない光を発して隊員は目覚めた。
「ここは・・・あ!吸血鬼は!」
「全ての吸血鬼は人間に戻ったようだ」
「それは本当ですか・・・」
「師匠の師匠!今の何ですか」
あ!サヤの事を忘れてた・・・困ったぞ。
「はははは・・・慈悲深い俺は、治療できる魔法を習得したみたいだな」
「凄いですね・・・ハル師匠に知らせます」
え!なんで。
スマホで連絡してるぞ。
「師匠!大変なものを見ました・・・それより凄い出来事です・・・はい、はい・・・・・・」
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