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猿でもわかる
しおりを挟む俺はおやじの会社までやって来ている。
朝っぱらから電話が鳴りっぱなして、電話を出たらおやじだった。
アルがおやじのノートPCに送ったメールが原因だ。
大まかな説明文がページ数で10000枚にも及んだからで、俺の責任でないのに怒られたぞ。
それに会社の社運が掛かったプロジェクトであり、俺が説明するしかない状況・・・
初めての本社だが受付で「いらっしゃいませ。どのような御用件でしょう」
ギルドカードを見せて「社長に呼ばれて来たんだけど」
「かしこまりました」と言って何処かに連絡してる。
「担当の者が来るまで少々お待ちください」
せわしく走って来たのは親戚に新田のおっさんだ。
母親の1番下の弟で、ここに就職するまでプータローしいて、俺は自由人だと言って聞かない人物だよ。
「久し振りだな・・・元気にしてた」
「はあ、それなりに・・・」
入った会議室には、大勢の人が座っていて俺が入ったら全員が見てくる。
居た堪れない気分だぞ。
それなのに新田のおっさんは「この方が社長の息子でイサムさんです。世間でも騒がせてる人物だから・・・紹介しなくてよかったかな・・・」
新田のおっさん、睨まれているのに全然平気で気にしないぞ。
本当に肝が据わってるぜ。
「いさむ、メールより簡単に説明してくれるか」
1番奥で良い場所に座ってるのがおやじだ。
それでも声がでかいのがおやじの癖だ。
俺はテーブルの上にバッグを置いた。
もぞもぞと取り出したのが立法体。
「なんだ、あれは・・・」
「浮いてるぞ・・・間違いなく浮いている」
「なんだね、それは・・・危険物なのかね・・・説明を」
危険物でもないし・・・なにを焦ってるんだよ。
驚く連中をほっといて立法体の作動ボタンを押した。
鮮明な立体映像が会議室中央に投影。
『わたしはキューブ、皆さんに猿でもわかる簡単な説明をします』
必要な面積が立体で現れて、必要な機器とメーカー名が表示。
その機器が配置されると作業工程の説明にはいった。
「ちょっと質問が・・・」
『質問は説明終了後に受け付けます。それまで猿なら黙って聞いて下さい』
猿呼ばわりされてるぞ。アルよりキツイ奴だな。
『わたしがキツイとな、けしからん』
え!聞いてたのかよ。
『聞いて悪いか、キューブはわたしより下等な存在だが、初めてのここで創造したもので気にはなる』
そんなものなのか・・・
永遠にキューブの説明が続き2時間が経過して終了したようだぞ。
一気に質問が飛んできたぞ。
1つ1つ猿でもわかるように説明してたぞ。
『もう質問はありませんか・・・なければわたしとのアクセス権は新田和成を指定します』
「え!俺が・・・」
新田のおっさんもびっくりしてるぞ。
もうここの連中は、キューブを信頼したように工場建設へ向けて話が進み出したぞ。
スパコン以上の能力に金儲けのにおいを嗅いだのだ。
やっぱる社会人はしたたかだ。
建設された工場に、大木や佐々木が視察に来てた。
「中々良い工場ですな」
工場長「色々と指導して頂きありがとう御座います」
「あの青白く光ってるのは何かな」
「あれは魔力照射です。魔力照射して叩く事で魔力が込められる仕組みになってます」
「ほう!たいしたものだな。そう思わないか佐々木」
「はい・・・」
「何か問題でもあるなか・・・」
「この建設に神須勇が関与してると思うので」
「おかしいでは無いかな。鍛冶場でルーンナイフを叩いていたと君の報告にもあったぞ。確か建設申請から建つまで鍛冶場で働き続けていたと・・・あれは嘘だったのかね」
「嘘ではありませんが・・・」
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