神様!スローライフには準備が多すぎる!

わか

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キャンピング馬車を創造したら、世界観が静かに壊れました

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森の中は、夕方になると空気が変わる。
光が柔らかくなって、影が長く伸びる。

「今日は、ここまでかな」

戦闘練習もひと段落。
拠点がないまま夜を迎えるのは、さすがに避けたい。

「エリオ」

「はい、リアナ様」

「今日は、ちゃんと寝たい」

「賢明な判断です」

ロイも同意するように小さく鳴いた。

「じゃあ……作ろうか」

私は深呼吸して、創造魔法を起動する。

「キャンピング馬車」

イメージは明確だった。

外見はどこにでもある木製の馬車。
派手さゼロ。目立たない。
けれど中身は、絶対に妥協しない。



創造条件(リアナ脳内仕様)

・外見は一般的な馬車
・振動完全遮断
・広々室内
・ベッド、簡易キッチン、収納
・魔力式照明
・清潔維持の自動魔法
・結界常時展開
・侵入・盗難・覗き見防止
・悪意検知時は自動ロック
・悪用不可
・所有者:リアナ限定

「……よし」

魔力が、森の空気を震わせる。



光が収まると、
そこには普通すぎる馬車があった。

「……うん」

エリオが首を傾げる。

「見た目は、ごく一般的ですね」

「それがいいの」

扉を開けた瞬間、
空気が変わった。



中は、別世界だった。

木の温もりを感じる床。
ふわっと沈むベッド。
小さくても機能的なキッチン。

「……勝った」

完全勝利。

「ロイ、どう?」

ロイは一目散にベッドへダイブした。

「気に入ったみたい」

エリオは壁や床を軽く叩き、感心したように頷く。

「これほどの魔道具、王都でも見たことがありません」

「魔道具じゃなくて、家だから」

私はそう言って、深く息を吸った。

清潔な空気。
どこか懐かしい匂い。

「拠点、完成」



結界設定

私は壁に手を当てる。

「結界、確認」

《防御結界:最大》
《悪意遮断:有効》
《魔物侵入:不可》
《覗き見・探知:遮断》

「よし」

「完璧です」

「スローライフに妥協はしない主義なの」



夜。

私はキッチンで簡単なスープを作る。
ネットスーパーから取り寄せた材料を、
この世界の食材と組み合わせる。

「……美味しい」

ロイは足元で丸くなり、
エリオは壁際で静かに待機している。

「今日、どうだった?」

誰にともなく話しかける。

異世界に来て、
戦って、
拠点を作って。

でも不思議と、疲れていない。

「やっぱり」

私はベッドに倒れ込んだ。

「準備してきてよかった」

柔らかい布に包まれながら、
リアナは目を閉じる。

外は森。
中は安全。

スローライフは、
こうして形になった。
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