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月刊雑誌 2020年10月掲載『夢』に関する怪奇現象 インタビュー
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今月の特集は、ホラー企画……テーマは「『夢』にまつわる怪奇現象」です。
あなたは昨夜、どんな夢を見ましたか?胸が高鳴るほど楽しい夢、理由もなく不安に包まれる夢、目覚めた後もしばらく現実に戻れなくなるような、怖い夢……。
夢の中では、時間も理屈も曖昧になり、現実ではありえない出来事が、さも当然のように起こります。だからこそ、そこには人の深層心理や、説明のつかない『何か』が紛れ込む余地があるのかもしれません。
本特集では、そんな夢の世界で遭遇した不可解な出来事、目覚めても消えない違和感、そして「それは本当に夢だったのか?」と問いかけたくなる怪奇体験を集めました。
どうか今夜は、眠る前にこの特集を開いてみてください。夢と現実の境界が、静かに揺らぎ始めるかもしれません。
・Aさん
これは夢です。もう一度言います。夢です。
そのとき私は学生で、自転車通学でした。帰り道は上り坂と下り坂の差が激しくて、さらに車と自転車がギリギリ入るような狭い道です。上級生とかはずっと立ち漕ぎでなんとか上りきれるのですが、私は文化部でしたし、体力もそんなにあるわけではないので自転車を押して登っていました。だからなのか、帰り道に私が自転車を押して家まで向かう、というおかしな夢を見ました。
隣には真っ黒……灰色ともいえますね。そんなガードレールがあって、何も考えることがないのでぼんやりとそこを見ていました。でも、ふと気付いたんです。ガードレールの上に、真っ黒な顔があることに。
真っ黒と言っても、ただ影というか、何かのせいで黒く見えるだけなんです。本当に生首だけで。でも視線は私に向いているようで、少しずれていました。一体何を見ているんだろう、ってぼんやりとした頭で思っていましたね、夢なので。私が自転車を押して進んでいくたびに、黒い生首はガードレールに沿って私から遠ざかっていきました。私とそれの間には、一定の距離があったんだと思います。もし私が後ろに下がっていたらそれは近付いてきたでしょうし。そのまま進んでいって、そこでガードレールの端が見えました。ガードレールはずっと続いているわけじゃないんです。
黒い生首がガードレールの端に到達したところで、それは消えました。私はびっくりしちゃって。何が何だかよく分かりませんでした。夢なので、だんだん目も見えなくなっていって。ほら、涙で目が滲むときみたいな、視界はそんな感じでした。やがて私もガードレールの端に来たころ、あれ、と思いました。
ぼんやりとしているのに、なぜあの黒い生首だけははっきりと認識できたのだろう、って。
背筋がゾクッとした気がしました。夢なので、それが現実だと思い込んでいるんです。はやく家に帰ろう、と思って一歩踏み出したその時、……現れたんです。黒い生首が、自転車の籠の中に。
私は悲鳴を上げました。全然動かしてないのに、生首はごろごろと激しく籠の網目に自分を打ち付けていて。……目が合ったんです。赤、かった。それだけははっきりと見えていました。口を「あ」と開けていて、…そのほかの特徴はあまり覚えていませんが。生首が口を動かそうとしていましたが、私は反射的に目をぎゅっとつむって、手に躍動感が伝わらなくなったころ、ゆっくりと目を開けました。
……笑ってたんです。もう手遅れだ、というように。
そこで目が覚めました。ああ、あれは夢だったんだ、良かったぁ、って。でも本当に良かったのか分からなくて。現実に黒い生首が現れたことはありません。でも、いつも何かに見られていて、たまに目が合う、そんな気がしてならないんです。
・Bさん
あのときは、秋と冬の境目…だったような気がします。日が暮れるのがはやくて、18時には外が真っ暗でした。夢で私は、買い物に行った帰りにエレベーターを出て、部屋に向かっていました。
そのとき、音が鳴ったんです。ビー⤴、とピー⤴、の中間くらいの音で、暗くて一人だったのもあって怖かったです。でも部屋に近付くとどんどん音は小さくなっていって、しまいには聞こえなくなりました。あー何だったんだろうなぁって思いながら鍵をポケットから取り出したとき、後ろで音がしたんです。思わず振り返ってしまいました。
……女の子が、こちらを見て笑っていました。なんていうんですか、無邪気な笑顔、とかじゃなくて、この世の全てを分かっているような、迎えに来た、というような黒い笑顔だったんです。目は死んでいたような……あれ?赤かったような気も……。すみません、覚えてませんね。思い出したくもありませんが。
震える手で必死に鍵をこじ開けて、部屋に入りました。鍵を閉めて、で、そっとドアスコープを覗いたんです。……女の子の笑顔が迫っていました!まるで、私がそうすることを分かっているみたいに。
……あぁ、そうだ。あの目は、赤かった。
・Cさん
いや、僕の夢の話はすごく短いんですよ。一言で済ませますね。
スマホを再起動させようとしたら、その黒い画面には僕じゃなくて、笑ってる知らない女の顔が映っていました(笑)いや、笑い事じゃないんですけど。怖いですよ、ものすごく怖い。ほら、よく分かんない…機種名とか表示されるあの間をぶつっと切ったように現れたんです。僕がスマホを放り投げたら消えましたが(笑)いやー、怖い怖い。
ところで僕、上手く笑えてますか?
あなたは昨夜、どんな夢を見ましたか?胸が高鳴るほど楽しい夢、理由もなく不安に包まれる夢、目覚めた後もしばらく現実に戻れなくなるような、怖い夢……。
夢の中では、時間も理屈も曖昧になり、現実ではありえない出来事が、さも当然のように起こります。だからこそ、そこには人の深層心理や、説明のつかない『何か』が紛れ込む余地があるのかもしれません。
本特集では、そんな夢の世界で遭遇した不可解な出来事、目覚めても消えない違和感、そして「それは本当に夢だったのか?」と問いかけたくなる怪奇体験を集めました。
どうか今夜は、眠る前にこの特集を開いてみてください。夢と現実の境界が、静かに揺らぎ始めるかもしれません。
・Aさん
これは夢です。もう一度言います。夢です。
そのとき私は学生で、自転車通学でした。帰り道は上り坂と下り坂の差が激しくて、さらに車と自転車がギリギリ入るような狭い道です。上級生とかはずっと立ち漕ぎでなんとか上りきれるのですが、私は文化部でしたし、体力もそんなにあるわけではないので自転車を押して登っていました。だからなのか、帰り道に私が自転車を押して家まで向かう、というおかしな夢を見ました。
隣には真っ黒……灰色ともいえますね。そんなガードレールがあって、何も考えることがないのでぼんやりとそこを見ていました。でも、ふと気付いたんです。ガードレールの上に、真っ黒な顔があることに。
真っ黒と言っても、ただ影というか、何かのせいで黒く見えるだけなんです。本当に生首だけで。でも視線は私に向いているようで、少しずれていました。一体何を見ているんだろう、ってぼんやりとした頭で思っていましたね、夢なので。私が自転車を押して進んでいくたびに、黒い生首はガードレールに沿って私から遠ざかっていきました。私とそれの間には、一定の距離があったんだと思います。もし私が後ろに下がっていたらそれは近付いてきたでしょうし。そのまま進んでいって、そこでガードレールの端が見えました。ガードレールはずっと続いているわけじゃないんです。
黒い生首がガードレールの端に到達したところで、それは消えました。私はびっくりしちゃって。何が何だかよく分かりませんでした。夢なので、だんだん目も見えなくなっていって。ほら、涙で目が滲むときみたいな、視界はそんな感じでした。やがて私もガードレールの端に来たころ、あれ、と思いました。
ぼんやりとしているのに、なぜあの黒い生首だけははっきりと認識できたのだろう、って。
背筋がゾクッとした気がしました。夢なので、それが現実だと思い込んでいるんです。はやく家に帰ろう、と思って一歩踏み出したその時、……現れたんです。黒い生首が、自転車の籠の中に。
私は悲鳴を上げました。全然動かしてないのに、生首はごろごろと激しく籠の網目に自分を打ち付けていて。……目が合ったんです。赤、かった。それだけははっきりと見えていました。口を「あ」と開けていて、…そのほかの特徴はあまり覚えていませんが。生首が口を動かそうとしていましたが、私は反射的に目をぎゅっとつむって、手に躍動感が伝わらなくなったころ、ゆっくりと目を開けました。
……笑ってたんです。もう手遅れだ、というように。
そこで目が覚めました。ああ、あれは夢だったんだ、良かったぁ、って。でも本当に良かったのか分からなくて。現実に黒い生首が現れたことはありません。でも、いつも何かに見られていて、たまに目が合う、そんな気がしてならないんです。
・Bさん
あのときは、秋と冬の境目…だったような気がします。日が暮れるのがはやくて、18時には外が真っ暗でした。夢で私は、買い物に行った帰りにエレベーターを出て、部屋に向かっていました。
そのとき、音が鳴ったんです。ビー⤴、とピー⤴、の中間くらいの音で、暗くて一人だったのもあって怖かったです。でも部屋に近付くとどんどん音は小さくなっていって、しまいには聞こえなくなりました。あー何だったんだろうなぁって思いながら鍵をポケットから取り出したとき、後ろで音がしたんです。思わず振り返ってしまいました。
……女の子が、こちらを見て笑っていました。なんていうんですか、無邪気な笑顔、とかじゃなくて、この世の全てを分かっているような、迎えに来た、というような黒い笑顔だったんです。目は死んでいたような……あれ?赤かったような気も……。すみません、覚えてませんね。思い出したくもありませんが。
震える手で必死に鍵をこじ開けて、部屋に入りました。鍵を閉めて、で、そっとドアスコープを覗いたんです。……女の子の笑顔が迫っていました!まるで、私がそうすることを分かっているみたいに。
……あぁ、そうだ。あの目は、赤かった。
・Cさん
いや、僕の夢の話はすごく短いんですよ。一言で済ませますね。
スマホを再起動させようとしたら、その黒い画面には僕じゃなくて、笑ってる知らない女の顔が映っていました(笑)いや、笑い事じゃないんですけど。怖いですよ、ものすごく怖い。ほら、よく分かんない…機種名とか表示されるあの間をぶつっと切ったように現れたんです。僕がスマホを放り投げたら消えましたが(笑)いやー、怖い怖い。
ところで僕、上手く笑えてますか?
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