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【番外編】俺の推しが甘々すぎる ②
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「ももももももちろんです! 小さい方がいいです!」
こんなでっかい邸、申し訳なさ過ぎるし落ち着かないんですけど!?
「あっ、でもアルロード様は公爵家のご子息ですもんね。ちゃんとした邸で使用人もいた方がいいのかな」
「いや、邸が大きすぎるのも不自由だと思う。小さい邸の方が管理もラクだしコストもかからないし、ルキノが言うように通いの家政婦をお願いするくらいのほうが二人の時間を邪魔されなくていいと思うんだ」
ふ、二人の時間って……そう言われるとなんか照れる。
「それに、それくらいなら収入が安定しなくても維持できるだろうし」
「?」
「実は卒業後は、僕も正式に冒険者になろうかと思っているんだ」
「は!!???」
「そうしたらルキノと一日中一緒に居られるしね」
朗らかに笑うアルロード様に、オレは初めて頭に血が上るような気持ちになった。
「何言ってんですか!!!! そんなバカな理由で冒険者にならないでください!」
「ル、ルキノ」
かつてなく怒りをあらわにしたオレに、アルロード様がびっくりしてる。
けど、感情を抑えられなかった。
「アルロード様のこと、みんな尊敬してるんですよ? アルロード様より強い人なんていない、アルロード様こそ、騎士団になくてはならない人でしょう……!」
「ごめん……ごめんルキノ。そんなにルキノが怒るとは思わなくて」
アルロード様がオロオロとオレの様子を窺う。
その姿を見ていたら、少しだけ頭が冷えてきた。
「すみません……オレ」
きっと、騎士という言葉はオレにとって、一番心の奥底をえぐられるようなものなのかもしれない。こんなに心が乱れるのは、どこかに、オレがどんなになりたくてもなれない騎士になれるっていうのに、っていう気持ちもあったのかもしれない。
「いや、僕の言い方が悪かった」
アルロード様が明らかにシュンとしている。ちょっと申し訳なくなってきた。
だって、騎士になれるのに騎士にならない選択をすることに腹が立つのはオレのエゴだ。
アルロード様に憧れてる人がたくさんいて、騎士になるだろうことを待ち望んでいる人が多いのは本当だけれど、アルロード様の人生なんだから、アルロード様のお考えで自由に将来の職業なんて選んでいい。
「ごめんなさい、つい感情的になっちゃって。オレってダメだなぁ。自分の気持ちばっかり押しつけて。オレ、アルロード様は絶対に騎士になるって思い込んでたから」
「そうか、ルキノは騎士になる僕を楽しみにしてくれていたんだね」
「確かに騎士になったアルロード様はとんでもなくカッコイイだろうなって思ってましたし、騎士服のアルロード様のお姿を楽しみにしてたののは事実です。……でも、アルロード様の人生なんだから、アルロード様自身が納得できて、幸せなのが一番ですよね」
ついアルロード様を責めるような言い方をしてしまったことを反省する。
けれど、それでもオレの中にはモヤモヤが残っていた。
アルロード様の気持ちは尊重したいけど、冷静に考えても冒険者は身体を欠損する可能性だってある危険な仕事だ。そんな危険な真似はして欲しくないっていう気持ちもある。
でもそれだって、オレの勝手な押しつけだって分かってる。
「騎士にならなくてもいいの?」
そう問い返されると困ってしまう。
だって、騎士じゃないアルロード様の未来なんて考えた事も無かった。
「えと、確かにオレの中でのアルロード様はキラキラしてて優しくて、きっと町の人達を颯爽と助けて、その存在だけで憧れや希望になるようなお方で、『騎士』って言葉が誰よりも似合うお方だと思ってはいるんですけど」
考えが纏まらないまま、オレの口はもごもごと言葉を綴っていく。
「……えっと、でもその、オレが騎士になって欲しいって言ったから騎士になるってのも違うと思うんです。でもオレと一緒に居たいからってアルロード様が冒険者なんて危険な仕事に就くのはもっと違うっていうか……アルロード様には大きなケガなく笑ってて欲しいっていうか」
ああもう、なんて言ったらいいんだろう。
「うん、それは分かる。僕も、ルキノが僕の見ていないところでケガしたりしたらと思うと、怖くて離れていられない」
「あっ……」
そうか、確かに。
アルロード様もそんなこと言って、放課後のオレの冒険者としての活動に一緒についてきてくれてたんだっけ。
さすがにオレは苦笑した。
「やっぱりお互いにそんな風に思っちゃうほど危ない職業なんですね。やめておいた方がいいのかな」
「そんな風に決めてしまわなくてもいいんじゃないかな。僕は、二人で冒険者をやるのもいいと本気で思っているんだよ」
「アルロード様……」
「ルキノと一緒にいられるからというのもあるけれど、ルキノと何度も魔物の討伐をしているうちに、僕は冒険者という仕事自体にも魅力を感じるようになっていてね」
「えっ……」
「騎士は町の中で起こる問題を解決することが主だけれど、実際に起こる人的被害は魔物に起因したものの方が意外にも多いだろう? そのせいで物流が滞ることもあれば町と町の間の移動や森での採取活動に支障をきたしていたりもする」
こんなでっかい邸、申し訳なさ過ぎるし落ち着かないんですけど!?
「あっ、でもアルロード様は公爵家のご子息ですもんね。ちゃんとした邸で使用人もいた方がいいのかな」
「いや、邸が大きすぎるのも不自由だと思う。小さい邸の方が管理もラクだしコストもかからないし、ルキノが言うように通いの家政婦をお願いするくらいのほうが二人の時間を邪魔されなくていいと思うんだ」
ふ、二人の時間って……そう言われるとなんか照れる。
「それに、それくらいなら収入が安定しなくても維持できるだろうし」
「?」
「実は卒業後は、僕も正式に冒険者になろうかと思っているんだ」
「は!!???」
「そうしたらルキノと一日中一緒に居られるしね」
朗らかに笑うアルロード様に、オレは初めて頭に血が上るような気持ちになった。
「何言ってんですか!!!! そんなバカな理由で冒険者にならないでください!」
「ル、ルキノ」
かつてなく怒りをあらわにしたオレに、アルロード様がびっくりしてる。
けど、感情を抑えられなかった。
「アルロード様のこと、みんな尊敬してるんですよ? アルロード様より強い人なんていない、アルロード様こそ、騎士団になくてはならない人でしょう……!」
「ごめん……ごめんルキノ。そんなにルキノが怒るとは思わなくて」
アルロード様がオロオロとオレの様子を窺う。
その姿を見ていたら、少しだけ頭が冷えてきた。
「すみません……オレ」
きっと、騎士という言葉はオレにとって、一番心の奥底をえぐられるようなものなのかもしれない。こんなに心が乱れるのは、どこかに、オレがどんなになりたくてもなれない騎士になれるっていうのに、っていう気持ちもあったのかもしれない。
「いや、僕の言い方が悪かった」
アルロード様が明らかにシュンとしている。ちょっと申し訳なくなってきた。
だって、騎士になれるのに騎士にならない選択をすることに腹が立つのはオレのエゴだ。
アルロード様に憧れてる人がたくさんいて、騎士になるだろうことを待ち望んでいる人が多いのは本当だけれど、アルロード様の人生なんだから、アルロード様のお考えで自由に将来の職業なんて選んでいい。
「ごめんなさい、つい感情的になっちゃって。オレってダメだなぁ。自分の気持ちばっかり押しつけて。オレ、アルロード様は絶対に騎士になるって思い込んでたから」
「そうか、ルキノは騎士になる僕を楽しみにしてくれていたんだね」
「確かに騎士になったアルロード様はとんでもなくカッコイイだろうなって思ってましたし、騎士服のアルロード様のお姿を楽しみにしてたののは事実です。……でも、アルロード様の人生なんだから、アルロード様自身が納得できて、幸せなのが一番ですよね」
ついアルロード様を責めるような言い方をしてしまったことを反省する。
けれど、それでもオレの中にはモヤモヤが残っていた。
アルロード様の気持ちは尊重したいけど、冷静に考えても冒険者は身体を欠損する可能性だってある危険な仕事だ。そんな危険な真似はして欲しくないっていう気持ちもある。
でもそれだって、オレの勝手な押しつけだって分かってる。
「騎士にならなくてもいいの?」
そう問い返されると困ってしまう。
だって、騎士じゃないアルロード様の未来なんて考えた事も無かった。
「えと、確かにオレの中でのアルロード様はキラキラしてて優しくて、きっと町の人達を颯爽と助けて、その存在だけで憧れや希望になるようなお方で、『騎士』って言葉が誰よりも似合うお方だと思ってはいるんですけど」
考えが纏まらないまま、オレの口はもごもごと言葉を綴っていく。
「……えっと、でもその、オレが騎士になって欲しいって言ったから騎士になるってのも違うと思うんです。でもオレと一緒に居たいからってアルロード様が冒険者なんて危険な仕事に就くのはもっと違うっていうか……アルロード様には大きなケガなく笑ってて欲しいっていうか」
ああもう、なんて言ったらいいんだろう。
「うん、それは分かる。僕も、ルキノが僕の見ていないところでケガしたりしたらと思うと、怖くて離れていられない」
「あっ……」
そうか、確かに。
アルロード様もそんなこと言って、放課後のオレの冒険者としての活動に一緒についてきてくれてたんだっけ。
さすがにオレは苦笑した。
「やっぱりお互いにそんな風に思っちゃうほど危ない職業なんですね。やめておいた方がいいのかな」
「そんな風に決めてしまわなくてもいいんじゃないかな。僕は、二人で冒険者をやるのもいいと本気で思っているんだよ」
「アルロード様……」
「ルキノと一緒にいられるからというのもあるけれど、ルキノと何度も魔物の討伐をしているうちに、僕は冒険者という仕事自体にも魅力を感じるようになっていてね」
「えっ……」
「騎士は町の中で起こる問題を解決することが主だけれど、実際に起こる人的被害は魔物に起因したものの方が意外にも多いだろう? そのせいで物流が滞ることもあれば町と町の間の移動や森での採取活動に支障をきたしていたりもする」
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