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キャンプ⑵
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キャンプ場の駐車場はすでに何台も車が止まっていて、受付にも小さな人だかりが出来ていた。ここはコテージもあるが、テントを張るスペースもある大きな森になっているようだ。泰輔の知り合いは、コテージ部分を所有し管轄しているようだ。
駐車場から5分程歩くと、コテージに着いた。周りには、同じようなコテージが5つほど並んでいて、中は結構広く、家具や家電などが揃っていて、普通にお家だ。
荷物を部屋に置くと、泰輔と真野は料理の下準備をして、夕花里は雑用的にコテージと外を行ったり来たりしていて、オレはというと外で、テーブルやバーベキューコンロなどの準備をしていた。
あらかた外の設営は整い、火を起こそうと火ばさみを探すが、見つからない。コテージの中か……と思い、中に入りリビングに無造作に置かれている荷物の中を見ると、すぐに見つかった。
戻ろうとした時、キッチンからは笑い声が聞こえ、泰輔と真野が楽しそうにしている姿が見える。先程のスーパーでも、2人が仲良く話をしているのを見て、モヤモヤした。
自分はこんなにも独占欲が強くて、余裕がなかっただろうか……。
今までも付き合っていた奴はいたけど、もう少しうまくやれていた。
その時、急に体勢が崩れる。
「のわっっ……」
後ろには夕花里がいて、膝カックンをしてきたのだ。
「なっ……なんだよ!」
そんなオレの声に、キッチンにいた2人も振り返る。
「あー。ごめんごめん。何でもないから2人は準備続けてー。さ、春人くんは、火起こしねー」
夕花里はそう言うと、オレの背中を押して外へと連れ出す。
「なーんか、春人くん。切なそうな顔してるんだもん。泰輔に妬くほど、余裕ないのかなーって。もう告っちゃえばいいのに……」
「そんな……かんたんに……」
「だって、明らかに真野くんだって春人くんのこと好きでしょ。2人見てるとホントもどかしいよ」
確かに、少し触れると顔を赤くしているのを見ると、好意を持ってくれているのかなとは感じて、抱きしめてしまいそうになる。
「でも、真野はこっち側の人間じゃないから……」
「あっちとかこっちとか、よくわからないけどさ、お互いに好きなら気にすることないんじゃない?」
「そんな簡単じゃないよ。歳だって8こも離れているんだし……。それに言ったら、今の関係が壊れるかもしれない……」
「そんなこと言ってると、すぐに他の人に取られちゃうよ。そうなったら、先生と生徒との関係は続けられるかもしれないけど、真野くんの1番にはなれないんだよ。それでもいいの?」
夕花里の言っていることは、もっともだ。
結局のところ、受け入れてもらえなかった時の言い訳に過ぎないのかもしれない。
「じゃあ、ヘタレくんの為に少し、お手伝いしてあげようかな」
そう言い残して、夕花里は中に入っていく。
「なんだよ……それ……」
気を取り直して、炭の用意をしていると真野が外に出てきた。
「何かありましたか?」
「え?」
「夕花里さんが、先生が呼んでるって……」
あんにゃろ……真野に見えないように顔をしかめる。
「えっと……じゃあ……火起し手伝ってもらってもいいか?」
「いいですよ」
バーベキューコンロに炭を入れていく。
「あー、ダメダメ。それじゃ火がつかないよ」
真野の様子を見て、つい火ばさみを受け取り、真野が入れた炭を少し取り除きながら直していく。
「先生、すごいですね。実はボクはあんまり火起こしはやったことなくて……」
「泰輔がキャンプ好きで、けっこう付き合って行ってたからな……。料理はあいつで、テントとか火を起こすのがオレの役目だったから、けっこうやってるんだよ」
着火剤に着いた火が、炭全体に火を移していく。
「おぉ~。ボクの手伝いなんて必要なかったんじゃないですか~」
とっさに頼んでしまったことだったので、口ごもってしまう。
「あははっ。先生、高校の頃は何でもサラッとやってるイメージだったけど、そうじゃなかったんですね~。でも、今の先生の方がもっと好きだな~」
「え……」
真野に視線を向けると目が合う。
「え……あーいやー。えっと……親しみがあるっていうか……」
真っ赤になって目を逸らし、必死に言い訳している真野を見ていると、夕花里も言っていたように、やっぱりオレの事好きなんだろうかと期待してしまい、抱きしめたい衝動にかられる。
「ははっ。必死すぎ。わかってるよ。オレも今の真野の方が付き合いやすくて、好きだしな」
「あ!泰輔さん、大丈夫かな。火もついたし、ちょっと様子みてきますね」
そう言うと、真野は急いで中に入って行ってしまう。
逃げたな……と思いながらも、今のオレもこのまま一緒にいれば、妙なことを口走ってしまいそうだったので、少しホッとする。でも、どんどん真野への気持ちは膨れ上がっていて、我慢できる自信がなくなってきているのも事実だった。
駐車場から5分程歩くと、コテージに着いた。周りには、同じようなコテージが5つほど並んでいて、中は結構広く、家具や家電などが揃っていて、普通にお家だ。
荷物を部屋に置くと、泰輔と真野は料理の下準備をして、夕花里は雑用的にコテージと外を行ったり来たりしていて、オレはというと外で、テーブルやバーベキューコンロなどの準備をしていた。
あらかた外の設営は整い、火を起こそうと火ばさみを探すが、見つからない。コテージの中か……と思い、中に入りリビングに無造作に置かれている荷物の中を見ると、すぐに見つかった。
戻ろうとした時、キッチンからは笑い声が聞こえ、泰輔と真野が楽しそうにしている姿が見える。先程のスーパーでも、2人が仲良く話をしているのを見て、モヤモヤした。
自分はこんなにも独占欲が強くて、余裕がなかっただろうか……。
今までも付き合っていた奴はいたけど、もう少しうまくやれていた。
その時、急に体勢が崩れる。
「のわっっ……」
後ろには夕花里がいて、膝カックンをしてきたのだ。
「なっ……なんだよ!」
そんなオレの声に、キッチンにいた2人も振り返る。
「あー。ごめんごめん。何でもないから2人は準備続けてー。さ、春人くんは、火起こしねー」
夕花里はそう言うと、オレの背中を押して外へと連れ出す。
「なーんか、春人くん。切なそうな顔してるんだもん。泰輔に妬くほど、余裕ないのかなーって。もう告っちゃえばいいのに……」
「そんな……かんたんに……」
「だって、明らかに真野くんだって春人くんのこと好きでしょ。2人見てるとホントもどかしいよ」
確かに、少し触れると顔を赤くしているのを見ると、好意を持ってくれているのかなとは感じて、抱きしめてしまいそうになる。
「でも、真野はこっち側の人間じゃないから……」
「あっちとかこっちとか、よくわからないけどさ、お互いに好きなら気にすることないんじゃない?」
「そんな簡単じゃないよ。歳だって8こも離れているんだし……。それに言ったら、今の関係が壊れるかもしれない……」
「そんなこと言ってると、すぐに他の人に取られちゃうよ。そうなったら、先生と生徒との関係は続けられるかもしれないけど、真野くんの1番にはなれないんだよ。それでもいいの?」
夕花里の言っていることは、もっともだ。
結局のところ、受け入れてもらえなかった時の言い訳に過ぎないのかもしれない。
「じゃあ、ヘタレくんの為に少し、お手伝いしてあげようかな」
そう言い残して、夕花里は中に入っていく。
「なんだよ……それ……」
気を取り直して、炭の用意をしていると真野が外に出てきた。
「何かありましたか?」
「え?」
「夕花里さんが、先生が呼んでるって……」
あんにゃろ……真野に見えないように顔をしかめる。
「えっと……じゃあ……火起し手伝ってもらってもいいか?」
「いいですよ」
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「あー、ダメダメ。それじゃ火がつかないよ」
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「先生、すごいですね。実はボクはあんまり火起こしはやったことなくて……」
「泰輔がキャンプ好きで、けっこう付き合って行ってたからな……。料理はあいつで、テントとか火を起こすのがオレの役目だったから、けっこうやってるんだよ」
着火剤に着いた火が、炭全体に火を移していく。
「おぉ~。ボクの手伝いなんて必要なかったんじゃないですか~」
とっさに頼んでしまったことだったので、口ごもってしまう。
「あははっ。先生、高校の頃は何でもサラッとやってるイメージだったけど、そうじゃなかったんですね~。でも、今の先生の方がもっと好きだな~」
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「ははっ。必死すぎ。わかってるよ。オレも今の真野の方が付き合いやすくて、好きだしな」
「あ!泰輔さん、大丈夫かな。火もついたし、ちょっと様子みてきますね」
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