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映画⑶
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ボクも定時に会社を出て、待ち合わせ場所に向かう。先生が提示したのは、複合施設内にある映画館で、地下鉄駅直結であり、映画を見るときは大抵ここが多い。まだ、待ち合わせ時間には少し早かったけど、映画館のロビーで本でも読んでいようと、どこにも寄らず、真っ直ぐに向かう。
映画館は、そこそこの人がいたけど、平日の夜ということもあり、チケットはすぐに買えた。空いている椅子に座り、いつも持ち歩いている文庫本を読み始める。
「真野さん?」
呼ばれて、顔を上げると佐藤実が立っていた。
「あれ、佐藤さん。精霊シリーズ見にきたんですか?」
「はい。今日午前授業だったし、やっと彼が一緒に行ってもいいってくれたんです」
「じゃあ、これからデートなんですね。ボクも精霊シリーズ見にきたんですよ」
「真野さんも彼女さんとデートだったりして」
「え、いや……彼女では……。あ、そういえばこの間の最新巻読みましたか」
「はい。もう一気読みでした。今回もすごく良かったです~」
一瞬ドキリとしたけど、何とか話はそらせたようだ。時間まで、佐藤さんと精霊シリーズの話で楽しく時間を潰す。もうそろそろ時間かなと、腕時計を見ると声をかけられた。
『真野』
あれ……声が両方向から聞こえたような……
「あ、先生」「秋ちゃん?」
「え?都築さん?」「えっ……奥田先生?」
映画館は、そこそこの人がいたけど、平日の夜ということもあり、チケットはすぐに買えた。空いている椅子に座り、いつも持ち歩いている文庫本を読み始める。
「真野さん?」
呼ばれて、顔を上げると佐藤実が立っていた。
「あれ、佐藤さん。精霊シリーズ見にきたんですか?」
「はい。今日午前授業だったし、やっと彼が一緒に行ってもいいってくれたんです」
「じゃあ、これからデートなんですね。ボクも精霊シリーズ見にきたんですよ」
「真野さんも彼女さんとデートだったりして」
「え、いや……彼女では……。あ、そういえばこの間の最新巻読みましたか」
「はい。もう一気読みでした。今回もすごく良かったです~」
一瞬ドキリとしたけど、何とか話はそらせたようだ。時間まで、佐藤さんと精霊シリーズの話で楽しく時間を潰す。もうそろそろ時間かなと、腕時計を見ると声をかけられた。
『真野』
あれ……声が両方向から聞こえたような……
「あ、先生」「秋ちゃん?」
「え?都築さん?」「えっ……奥田先生?」
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