【完結】親の理想は都合の良い令嬢~愛されることを諦めて毒親から逃げたら幸せになれました。後悔はしません。

涼石

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② 普通にしているのに、お姉さまは私を嫌う(エミリア=クルード)

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ある日、お母さまと参加したお茶会で、最近の王都での流行を耳にした。

{いつもの服装に男性物を少しだけ取り入れること}
 
その身に着け方で、センスを問われるのですって。
 
早速、やってみたくなったわ。
 
帽子・・・
カフスボタン・・・

ステッキ・・は論外ね。大道芸人みたいになっちゃうわ。

「あ、そうだ!」

ループタイ!
あれなら、首元で長さを調整できるし、素敵な気がするわ。

早速、お父様の書斎に行った。

「どうしたんだ?」
「ご相談があるの」

今、王都で流行していること。
それでループタイが欲しいことを告げると、すぐに衣装部屋に連れて行ってくださった。

お父様は{王都で流行っている}って言うと、簡単にお願いを聞いてくださるのよね。

そこでいくつか、お父様のループタイを見せていただいた。

「これがいい!」

緑石のループタイ。

「そうか、それは私が気に入って、よく身に着けていたものだ。
今はもう使わないな。エミリアにやろう。
やはり、お前はセンスがいいな」

それから、しばらくお父様とお話した。

そうしたら、びっくり。
お姉さまのお見合いが決まったのですって。

お姉さまから、お話をお聞きしなくちゃ!!。

部屋に戻る途中で、廊下でお母さまと顔を合わせた。

「エミリア、そのループタイは・・・」
「お父様に頂いたのです。似合います?」

私がお母さまの前で首に下げたループタイを、少し持ち上げる。

「そう。お父様が、あなたに・・・。」

複雑な表情で押し黙ってしまった。

私、何かやらかしたのかしら?

その時はループタイを手に入れた喜びと、お姉さまのお見合い相手のことが気になってしまっていたの。

お母さまのことはすぐに頭の隅においやって忘れてしまった。





「お姉さま、聞きましたわ。お見合いなさるのですってね」

お姉さまは、少し驚いたような顔をなさった。

「お父様がお姉さまに、お似合いの殿方だと言っていました。」

お姉さまは綺麗な方だもの。
きっと相手も美しい方ではないかしら?
絵姿とかだけでも見せていただきたいのだけど。

「後でお姉さまの部屋で、お話を聞いてもよいですか?」

お姉さまの腕をとると、お姉さまは私の腕をそっと引き抜いた。

・・・なぜ?

「ごめんなさい、疲れているの。」

お姉さまは、少し泣きそうな・・・なのに、泣かずに笑みを浮かべているみたいだった。

お姉さまが去った後、廊下にとり残された私。

嫌われるようなことを言ってないと思うのだけど?
普通のことしかしてないよね?
誰だって、姉妹のお見合い相手って気にするよね?

「お姉さまは、なんで悲しそうなの?
なんで・・・私は嫌われてるの・・・?」

首元のループタイに触れながら、小さくつぶやいた。


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