【完結】親の理想は都合の良い令嬢~愛されることを諦めて毒親から逃げたら幸せになれました。後悔はしません。

涼石

文字の大きさ
26 / 26

④ お姉さまが私を嫌っていた理由を知った日。(エミリア=クルード)終

しおりを挟む
お姉さまは、もう家に戻ってこない・・・。

お姉さまが去った後、私は茫然としていた。
お姉さまが最後に残した言葉がぐるぐると頭をめぐる。

お姉さまは、私の浅ましい気持ちを見抜いていたのだった。

私は、いままで・・・お父様とお母さまが叱るたびに、お姉さまは下の人間だと思っていた。
お姉さまが傷つけられるたびに、叱られないように上手く立ち回る私のほうが上の人間だと思っていた。

(私も二人と同じだわ・・・)

お父様とお母さま・・・彼らはお姉さまを、怒鳴りつけ貶めることで、自分たちの中にある劣等感をごまかし、ストレスを発散していた。

お姉さまに謝らせ、許しを請わせることで、いつも優越感に浸っていた。

私もそうだ。

二人は・・・私自身を愛し、大切にしてくれているわけではなかった。
私はもうずっと前に、そのことに気がついていた。

おばあさまによく似ているから。
お父様が大切にしているから。

理由がなければ、愛されも大切にもされなかった。


そんな私でも・・・傷ついたお姉さまに優しくしている時だけは、素晴らしい人になれたように思えた。

他の二人とは違う。
お姉さまをイジメたりしない。

だから、お姉さまが私に感謝をするのが当然と思っていた。

だから、感謝をしないお姉さまに、ずっと不満を持っていた。

お姉さまを「可哀そう」と見下すことで、優越感に浸り、自分に価値があるのだと思い込んでいた。

お姉さまは、それを見抜いていた。

だから、私を嫌っていたのだ。

「恥ずかしい・・・」

私は傲慢だった。

お姉さまが私を嫌っていた理由・・・それが分かった気がする。



私が何もしなかったから・・・。




お姉さまがつらい時に、それはお姉さまのせいだと思っていた。
二人のせいで辛い目にあっても、後から私が優しくすればいいと思って、助けることをしなかった。

お姉さまに優しく、思いやりがある自分に酔っていた。



・・・お姉さまが家族の中で、ずっと哀しい存在であることを、心の深いところで望んでいた。



(ごめんなさい・・・)



目の前にいないお姉さまに、心の中で謝った。







この歪んだ関係の家を出よう。
そのための力をつけよう。





私は、この日、そう誓った。





しおりを挟む
感想 16

この作品の感想を投稿する

みんなの感想(16件)

せち
2022.08.05 せち

もう一度読み投票させて頂きました!🤩
これからも頑張って下さい✨✨

2022.08.05 涼石

ありがとうございます!
ヾ(o´∀`o)ノ ヤッター
めっさ、嬉しいです!

清き一票に大感謝です!!

挫折しまくりですが、がんばります!!

解除
梅吉
2022.05.26 梅吉

うわぁ〜毒親持ちには心にダイレクトヒットして心臓がバクバクしました…面白いけどあまりにも詳細な毒親育ちの描写が上手いので、毒親持ちはトラウマ級なので読まないほうがいい気もしました…(笑)

2022.05.26 涼石

よ、読んでもらえないと…寂しい気も…😭

描写が褒められて、嬉しいです!
最後、主人公はザマァするので勘弁してください。💦
毒親とは縁切りしていいのです!
罪悪感なんてもたなくていいのです!

という思いで書きましたので、つらいようなら飛ばし読みで……( ̄◇ ̄;)
 
感想ありがとうございます!ヽ(´▽`)

解除
ゆらぽって
2022.05.25 ゆらぽって

とても共感できるお話でした。

自分も父から理想を押し付けられ、産まれてからずっと怒られてばかり。
叱咤激励しているのだと父は言いましたが、三姉妹の真ん中で色々と捌け口に便利だったのでしょうね。
何も悪いことしていないのに叩かれたり…
そんな父も昨年亡くなりましたが、未だに呪縛から解き放たれず、精神的に参ってしまって今では引きこもりです。

このお話の主人公のように家を出たこともありましたが、ウツを再発するまでの間は一人暮らし(+猫)が最高に幸せでした。
今、主人公のような強さがあったらなと思いました。

ちなみに、自分の妹も、主人公の妹のように要領がいいです。

読んでいて、ああ、この父娘は愛情の表し方がわからないというかすれ違っていて、
交わることはないんだろうなぁと思いました。

何だか自分の家のことを書かれているようでちょっぴり恥ずかしくなりましたが、
良いお話をありがとうございました😊

2022.05.26 涼石

すみません、前回のお返事を削除してしまって。
( ; ; )。
ゆらぽってさんのこと、何も知らないのに偉そーだなと自分に思いました。
私はこの物語のような体験をしている人が、幸せに楽に生きられるといいなと思ってます。
ゆらぽってさんの幸せも願わせてください。

読んでくださって、ありがとうございました。
ヽ(´▽`)/

解除

あなたにおすすめの小説

旦那様に「君を愛する気はない」と言い放たれたので、「逃げるのですね?」と言い返したら甘い溺愛が始まりました。

海咲雪
恋愛
結婚式当日、私レシール・リディーアとその夫となるセルト・クルーシアは初めて顔を合わせた。 「君を愛する気はない」 そう旦那様に言い放たれても涙もこぼれなければ、悲しくもなかった。 だからハッキリと私は述べた。たった一文を。 「逃げるのですね?」 誰がどう見ても不敬だが、今は夫と二人きり。 「レシールと向き合って私に何の得がある?」 「可愛い妻がなびくかもしれませんわよ?」 「レシール・リディーア、覚悟していろ」 それは甘い溺愛生活の始まりの言葉。 [登場人物] レシール・リディーア・・・リディーア公爵家長女。  × セルト・クルーシア・・・クルーシア公爵家長男。

【完結】ひとつだけ、ご褒美いただけますか?――没落令嬢、氷の王子にお願いしたら溺愛されました。

猫屋敷むぎ
恋愛
没落伯爵家の娘の私、ノエル・カスティーユにとっては少し眩しすぎる学院の舞踏会で―― 私の願いは一瞬にして踏みにじられました。 母が苦労して買ってくれた唯一の白いドレスは赤ワインに染められ、 婚約者ジルベールは私を見下ろしてこう言ったのです。 「君は、僕に恥をかかせたいのかい?」 まさか――あの優しい彼が? そんなはずはない。そう信じていた私に、現実は冷たく突きつけられました。 子爵令嬢カトリーヌの冷笑と取り巻きの嘲笑。 でも、私には、味方など誰もいませんでした。 ただ一人、“氷の王子”カスパル殿下だけが。 白いハンカチを差し出し――その瞬間、止まっていた時間が静かに動き出したのです。 「……ひとつだけ、ご褒美いただけますか?」 やがて、勇気を振り絞って願った、小さな言葉。 それは、水底に沈んでいた私の人生をすくい上げ、 冷たい王子の心をそっと溶かしていく――最初の奇跡でした。 没落令嬢ノエルと、孤独な氷の王子カスパル。 これは、そんなじれじれなふたりが“本当の幸せを掴むまで”のお話です。 ※全10話+番外編・約2.5万字の短編。一気読みもどうぞ ※わんこが繋ぐ恋物語です ※因果応報ざまぁ。最後は甘く、後味スッキリ

【完結】その令嬢は、鬼神と呼ばれて微笑んだ

やまぐちこはる
恋愛
マリエンザ・ムリエルガ辺境伯令嬢は王命により結ばれた婚約者ツィータードに恋い焦がれるあまり、言いたいこともろくに言えず、おどおどと顔色を伺ってしまうほど。ある時、愛してやまない婚約者が別の令嬢といる姿を見、ふたりに親密な噂があると耳にしたことで深く傷ついて領地へと逃げ戻る。しかし家族と、幼少から彼女を見守る使用人たちに迎えられ、心が落ち着いてくると本来の自分らしさを取り戻していった。それは自信に溢れ、辺境伯家ならではの強さを持つ、令嬢としては規格外の姿。 素顔のマリエンザを見たツィータードとは関係が変わっていくが、ツィータードに想いを寄せ、侯爵夫人を夢みる男爵令嬢が稚拙な策を企てる。 ※2022/3/20マリエンザの父の名を混同しており、訂正致しました。 ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞ 本編は37話で完結、毎日8時更新です。 お楽しみいただけたらうれしいです。 よろしくお願いいたします。

誰にも言えないあなたへ

天海月
恋愛
子爵令嬢のクリスティーナは心に決めた思い人がいたが、彼が平民だという理由で結ばれることを諦め、彼女の事を見初めたという騎士で伯爵のマリオンと婚姻を結ぶ。 マリオンは家格も高いうえに、優しく美しい男であったが、常に他人と一線を引き、妻であるクリスティーナにさえ、どこか壁があるようだった。 年齢が離れている彼にとって自分は子供にしか見えないのかもしれない、と落ち込む彼女だったが・・・マリオンには誰にも言えない秘密があって・・・。

隣国の王族公爵と政略結婚したのですが、子持ちとは聞いてません!?

朱音ゆうひ@『桜の嫁入り』発売中です
恋愛
「わたくしの旦那様には、もしかして隠し子がいるのかしら?」 新婚の公爵夫人レイラは、夫イーステンの隠し子疑惑に気付いてしまった。 「我が家の敷地内で子供を見かけたのですが?」と問えば周囲も夫も「子供なんていない」と否定するが、目の前には夫そっくりの子供がいるのだ。 他サイトにも掲載しています( https://ncode.syosetu.com/n3645ib/ )

三十年後に届いた白い手紙

RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。 彼は最後まで、何も語らなかった。 その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。 戴冠舞踏会の夜。 公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。 それは復讐でも、告発でもない。 三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、 「渡されなかった約束」のための手紙だった。 沈黙のまま命を捨てた男と、 三十年、ただ待ち続けた女。 そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。 これは、 遅れて届いた手紙が、 人生と運命を静かに書き換えていく物語。

婚約者は冷酷宰相様。地味令嬢の私が政略結婚で嫁いだら、なぜか激甘溺愛が待っていました

春夜夢
恋愛
私はずっと「誰にも注目されない地味令嬢」だった。 名門とはいえ没落しかけの伯爵家の次女。 姉は美貌と才覚に恵まれ、私はただの飾り物のような存在。 ――そんな私に突然、王宮から「婚約命令」が下った。 相手は、王の右腕にして恐れられる冷酷宰相・ルシアス=ディエンツ公爵。 40を目前にしながら独身を貫き、感情を一切表に出さない男。 (……なぜ私が?) けれど、その婚約は国を揺るがす「ある計画」の始まりだった。

「お前を愛することはない」と言われたお飾りの妻ですが、何か?

あんど もあ
ファンタジー
「お前を愛することはない!」「そんな事を言うために女性の寝室に押し入ったのですか? もう寝るつもりで化粧を落として髪をほどいて寝着に着替えてるのに! 最っ低!」 仕事大好き女が「お飾りの妻最高!」と恋愛感情無しで結婚したらこうなるよね、というお話。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。