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④ お姉さまが私を嫌っていた理由を知った日。(エミリア=クルード)終
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お姉さまは、もう家に戻ってこない・・・。
お姉さまが去った後、私は茫然としていた。
お姉さまが最後に残した言葉がぐるぐると頭をめぐる。
お姉さまは、私の浅ましい気持ちを見抜いていたのだった。
私は、いままで・・・お父様とお母さまが叱るたびに、お姉さまは下の人間だと思っていた。
お姉さまが傷つけられるたびに、叱られないように上手く立ち回る私のほうが上の人間だと思っていた。
(私も二人と同じだわ・・・)
お父様とお母さま・・・彼らはお姉さまを、怒鳴りつけ貶めることで、自分たちの中にある劣等感をごまかし、ストレスを発散していた。
お姉さまに謝らせ、許しを請わせることで、いつも優越感に浸っていた。
私もそうだ。
二人は・・・私自身を愛し、大切にしてくれているわけではなかった。
私はもうずっと前に、そのことに気がついていた。
おばあさまによく似ているから。
お父様が大切にしているから。
理由がなければ、愛されも大切にもされなかった。
そんな私でも・・・傷ついたお姉さまに優しくしている時だけは、素晴らしい人になれたように思えた。
他の二人とは違う。
お姉さまをイジメたりしない。
だから、お姉さまが私に感謝をするのが当然と思っていた。
だから、感謝をしないお姉さまに、ずっと不満を持っていた。
お姉さまを「可哀そう」と見下すことで、優越感に浸り、自分に価値があるのだと思い込んでいた。
お姉さまは、それを見抜いていた。
だから、私を嫌っていたのだ。
「恥ずかしい・・・」
私は傲慢だった。
お姉さまが私を嫌っていた理由・・・それが分かった気がする。
私が何もしなかったから・・・。
お姉さまがつらい時に、それはお姉さまのせいだと思っていた。
二人のせいで辛い目にあっても、後から私が優しくすればいいと思って、助けることをしなかった。
お姉さまに優しく、思いやりがある自分に酔っていた。
・・・お姉さまが家族の中で、ずっと哀しい存在であることを、心の深いところで望んでいた。
(ごめんなさい・・・)
目の前にいないお姉さまに、心の中で謝った。
この歪んだ関係の家を出よう。
そのための力をつけよう。
私は、この日、そう誓った。
お姉さまが去った後、私は茫然としていた。
お姉さまが最後に残した言葉がぐるぐると頭をめぐる。
お姉さまは、私の浅ましい気持ちを見抜いていたのだった。
私は、いままで・・・お父様とお母さまが叱るたびに、お姉さまは下の人間だと思っていた。
お姉さまが傷つけられるたびに、叱られないように上手く立ち回る私のほうが上の人間だと思っていた。
(私も二人と同じだわ・・・)
お父様とお母さま・・・彼らはお姉さまを、怒鳴りつけ貶めることで、自分たちの中にある劣等感をごまかし、ストレスを発散していた。
お姉さまに謝らせ、許しを請わせることで、いつも優越感に浸っていた。
私もそうだ。
二人は・・・私自身を愛し、大切にしてくれているわけではなかった。
私はもうずっと前に、そのことに気がついていた。
おばあさまによく似ているから。
お父様が大切にしているから。
理由がなければ、愛されも大切にもされなかった。
そんな私でも・・・傷ついたお姉さまに優しくしている時だけは、素晴らしい人になれたように思えた。
他の二人とは違う。
お姉さまをイジメたりしない。
だから、お姉さまが私に感謝をするのが当然と思っていた。
だから、感謝をしないお姉さまに、ずっと不満を持っていた。
お姉さまを「可哀そう」と見下すことで、優越感に浸り、自分に価値があるのだと思い込んでいた。
お姉さまは、それを見抜いていた。
だから、私を嫌っていたのだ。
「恥ずかしい・・・」
私は傲慢だった。
お姉さまが私を嫌っていた理由・・・それが分かった気がする。
私が何もしなかったから・・・。
お姉さまがつらい時に、それはお姉さまのせいだと思っていた。
二人のせいで辛い目にあっても、後から私が優しくすればいいと思って、助けることをしなかった。
お姉さまに優しく、思いやりがある自分に酔っていた。
・・・お姉さまが家族の中で、ずっと哀しい存在であることを、心の深いところで望んでいた。
(ごめんなさい・・・)
目の前にいないお姉さまに、心の中で謝った。
この歪んだ関係の家を出よう。
そのための力をつけよう。
私は、この日、そう誓った。
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( ; ; )。
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私はこの物語のような体験をしている人が、幸せに楽に生きられるといいなと思ってます。
ゆらぽってさんの幸せも願わせてください。
読んでくださって、ありがとうございました。
ヽ(´▽`)/