61 / 197
バースの世界
やる気満々は誰?
しおりを挟む
高井が先にバスから降りて行くのを叶斗と見送りながら、俺はもう何だか疲れてしまっていた。
「高井が来るまで、俺たち二人でイチャイチャ出来るな。」
そう言って機嫌良く俺の耳元にキスしてくる。確かにバスの中はすっかりひと気が無くなったけれど、まだ数人乗っている。流石に俺も居た堪れなくて、両手で叶斗の顔を押し退けた。
「ステイ!」
叶斗の家でドーベルマンのジョンと遊んだ時に覚えた躾用の言葉だ。途端に叶斗は嫌な顔をして俺を胡乱な眼差しで見つめた。
「岳、酷い…。ジョンと同じ扱いだなんて!」
丁度その時、バス停に到達して、これ幸いと俺は逃げる様に降りた。
「まったく。良くそれでエッチしようなんて誘ったよ。」
そうボヤキが止まらない叶斗に、俺は肩をすくめて手を繋いだ。途端に分かりやすくご機嫌になる叶斗は、やっぱりジョンレベルなんじゃないのかなと思ったのは内緒だ。
家の前に、高井も先に自転車で到着していた。まったくどうしてこんなにやる気満々なんだ。俺はもしかして早まったのかもしれない。大体アルファ二人同時にってエロゲーじゃ無いのに…。
そうは言っても、いつもこの二人が俺に付き纏っているから、どちらか一方に頼むと言うのも角が立ちまくる。今後の生活に支障が出そうな気がする。俺は何が正解だったか分からずに、玄関の鍵を開けると二人を家に入れた。
背後で玄関の鍵がガチャリと閉まる音がして、逃げ道を塞がれた気がして俺の顔が引き攣っていたんだろう。そんな俺に叶斗がぎゅっと抱き寄せて甘い声で言った。
「大丈夫。優しくするから。あー、岳可愛い過ぎる!」
居た堪れない。本当に何で俺こいつらにエッチしようなんて言ったんだろう。
「…あのさ、どうするの?誘っておいてアレだけど、二人と同時になんて無理でしょ。」
すると叶斗と高井が顔を見合わせて、同時にニタリと笑って、高井が真面目な顔に戻して言った。
「全然無理じゃない。どっちみち多分岳は、訳わからなくなっちゃうと思うから大丈夫。」
いや、そんな事聞いて全然大丈夫な気がしない。でも俺は覚悟を決めたんだ。ズボンを濡らすより、こいつらと一発やった方が多分マシだ。多分…。
「じゃあ、早速エッチするか。俺の部屋こっち。」
何だか後ろの二人が静かなので振り返ると、なぜか二人して顔を顰めていた。そして叶斗がため息をついてしみじみと言った。
「岳って本当そう言うところだよ。男らしいって言うか、色気がないって言うか。でもちょっとキスしただけで、グズグズになっちゃうんだから、ギャップ萌えって言うのかなぁ。」
~いつも読んでいただきありがとうございます♡
【BL小説大賞】にエントリーしています!面白いと思いましたら、この作品に投票の方をして頂けると嬉しいです♡~
「高井が来るまで、俺たち二人でイチャイチャ出来るな。」
そう言って機嫌良く俺の耳元にキスしてくる。確かにバスの中はすっかりひと気が無くなったけれど、まだ数人乗っている。流石に俺も居た堪れなくて、両手で叶斗の顔を押し退けた。
「ステイ!」
叶斗の家でドーベルマンのジョンと遊んだ時に覚えた躾用の言葉だ。途端に叶斗は嫌な顔をして俺を胡乱な眼差しで見つめた。
「岳、酷い…。ジョンと同じ扱いだなんて!」
丁度その時、バス停に到達して、これ幸いと俺は逃げる様に降りた。
「まったく。良くそれでエッチしようなんて誘ったよ。」
そうボヤキが止まらない叶斗に、俺は肩をすくめて手を繋いだ。途端に分かりやすくご機嫌になる叶斗は、やっぱりジョンレベルなんじゃないのかなと思ったのは内緒だ。
家の前に、高井も先に自転車で到着していた。まったくどうしてこんなにやる気満々なんだ。俺はもしかして早まったのかもしれない。大体アルファ二人同時にってエロゲーじゃ無いのに…。
そうは言っても、いつもこの二人が俺に付き纏っているから、どちらか一方に頼むと言うのも角が立ちまくる。今後の生活に支障が出そうな気がする。俺は何が正解だったか分からずに、玄関の鍵を開けると二人を家に入れた。
背後で玄関の鍵がガチャリと閉まる音がして、逃げ道を塞がれた気がして俺の顔が引き攣っていたんだろう。そんな俺に叶斗がぎゅっと抱き寄せて甘い声で言った。
「大丈夫。優しくするから。あー、岳可愛い過ぎる!」
居た堪れない。本当に何で俺こいつらにエッチしようなんて言ったんだろう。
「…あのさ、どうするの?誘っておいてアレだけど、二人と同時になんて無理でしょ。」
すると叶斗と高井が顔を見合わせて、同時にニタリと笑って、高井が真面目な顔に戻して言った。
「全然無理じゃない。どっちみち多分岳は、訳わからなくなっちゃうと思うから大丈夫。」
いや、そんな事聞いて全然大丈夫な気がしない。でも俺は覚悟を決めたんだ。ズボンを濡らすより、こいつらと一発やった方が多分マシだ。多分…。
「じゃあ、早速エッチするか。俺の部屋こっち。」
何だか後ろの二人が静かなので振り返ると、なぜか二人して顔を顰めていた。そして叶斗がため息をついてしみじみと言った。
「岳って本当そう言うところだよ。男らしいって言うか、色気がないって言うか。でもちょっとキスしただけで、グズグズになっちゃうんだから、ギャップ萌えって言うのかなぁ。」
~いつも読んでいただきありがとうございます♡
【BL小説大賞】にエントリーしています!面白いと思いましたら、この作品に投票の方をして頂けると嬉しいです♡~
50
あなたにおすすめの小説
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
真空ベータの最強執事は辞職したい~フェロモン無効体質でアルファの王子様たちの精神安定剤になってしまった結果、執着溺愛されています~
水凪しおん
BL
フェロモンの影響を受けない「ベータ」の執事ルシアンは、前世の記憶を持つ転生者。
アルファ至上主義の荒れた王城で、彼はその特異な「無臭」体質ゆえに、フェロモン過多で情緒不安定な三人の王子たちにとって唯一の「精神安定剤」となってしまう。
氷の第一王子、野獣の第二王子、知略の第三王子――最強のアルファ兄弟から、匂いを嗅がれ、抱きつかれ、執着される日々。
「私はただの執事です。平穏に仕事をさせてください」
辞表を出せば即却下、他国へ逃げれば奪還作戦。
これは、無自覚に王子たちを癒やしてしまった最強執事が、国ぐるみで溺愛され、外堀を埋められていくお仕事&逆ハーレムBLファンタジー!
悪役令息(Ω)に転生した俺、破滅回避のためΩ隠してαを装ってたら、冷徹α第一王子に婚約者にされて溺愛されてます!?
水凪しおん
BL
前世の記憶を持つ俺、リオネルは、BL小説の悪役令息に転生していた。
断罪される運命を回避するため、本来希少なΩである性を隠し、出来損ないのαとして目立たず生きてきた。
しかし、突然、原作のヒーローである冷徹な第一王子アシュレイの婚約者にされてしまう。
これは破滅フラグに違いないと絶望する俺だが、アシュレイの態度は原作とどこか違っていて……?
捨てられΩ、癒しの異能で獣人将軍に囲われてます!?
めがねあざらし
BL
役立たずと追放されたΩのリオン。
治癒師の家に生まれながら癒しの力もないと見放された彼を拾ったのは、獣人国ザイファルの将軍であり、冷徹と名高い王太子・ガルハルトだった。
だが、彼の傷を“舐めた”瞬間、リオンの秘められた異能が覚醒する。
その力は、獣人たちにとって“聖なる奇跡”。
囲い込まれ、離されず、戸惑いながらも、ガルハルトの腕の中で心は揺れて──偽りの関係が、いつしか嘘では済まなくなっていく。
異能×政治×恋愛。
運命が交錯する王宮オメガバースファンタジー。
【WEB版】監視が厳しすぎた嫁入り生活から解放されました~冷徹無慈悲と呼ばれた隻眼の伯爵様と呪いの首輪~【BL・オメガバース】
古森きり
BL
【書籍化決定しました!】
詳細が決まりましたら改めてお知らせにあがります!
たくさんの閲覧、お気に入り、しおり、感想ありがとうございました!
アルファポリス様の規約に従い発売日にURL登録に変更、こちらは引き下げ削除させていただきます。
政略結婚で嫁いだ先は、女狂いの伯爵家。
男のΩである僕には一切興味を示さず、しかし不貞をさせまいと常に監視される生活。
自分ではどうすることもできない生活に疲れ果てて諦めた時、夫の不正が暴かれて失脚した。
行く当てがなくなった僕を保護してくれたのは、元夫が口を開けば罵っていた政敵ヘルムート・カウフマン。
冷徹無慈悲と呼び声高い彼だが、共に食事を摂ってくれたりやりたいことを応援してくれたり、決して冷たいだけの人ではなさそうで――。
カクヨムに書き溜め。
小説家になろう、アルファポリス、BLoveにそのうち掲載します。
起きたらオメガバースの世界になっていました
さくら優
BL
眞野新はテレビのニュースを見て驚愕する。当たり前のように報道される同性同士の芸能人の結婚。飛び交うα、Ωといった言葉。どうして、なんで急にオメガバースの世界になってしまったのか。
しかもその夜、誘われていた合コンに行くと、そこにいたのは女の子ではなくイケメンαのグループで――。
ウサギ獣人を毛嫌いしているオオカミ獣人後輩に、嘘をついたウサギ獣人オレ。大学時代後輩から逃げたのに、大人になって再会するなんて!?
灯璃
BL
ごく普通に大学に通う、宇佐木 寧(ねい)には、ひょんな事から懐いてくれる後輩がいた。
オオカミ獣人でアルファの、狼谷 凛旺(りおう)だ。
ーここは、普通に獣人が現代社会で暮らす世界ー
獣人の中でも、肉食と草食で格差があり、さらに男女以外の第二の性別、アルファ、ベータ、オメガがあった。オメガは男でもアルファの子が産めるのだが、そこそこ差別されていたのでベータだと言った方が楽だった。
そんな中で、肉食のオオカミ獣人の狼谷が、草食オメガのオレに懐いているのは、単にオレたちのオタク趣味が合ったからだった。
だが、こいつは、ウサギ獣人を毛嫌いしていて、よりにもよって、オレはウサギ獣人のオメガだった。
話が合うこいつと話をするのは楽しい。だから、学生生活の間だけ、なんとか隠しとおせば大丈夫だろう。
そんな風に簡単に思っていたからか、突然に発情期を迎えたオレは、自業自得の後悔をする羽目になるーー。
みたいな、大学篇と、その後の社会人編。
BL大賞ポイントいれて頂いた方々!ありがとうございました!!
※本編完結しました!お読みいただきありがとうございました!
※短編1本追加しました。これにて完結です!ありがとうございました!
旧題「ウサギ獣人が嫌いな、オオカミ獣人後輩を騙してしまった。ついでにオメガなのにベータと言ってしまったオレの、後悔」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる