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東京遠征
好奇心は身を滅ぼす
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桂木先生の研究室には助手が二人と、俺たち三人と灰原さんがいっぺんに集まった。
「君たち、彼は以前話してあった東 岳君だよ。今回は採血とちょっとした実験をするから手伝ってくれ。」
そう言うと、20代半ばの助手の一人が僕に近づいて来て、椅子に座らせると採血をした。もう一人は、桂木先生と何か打ち合わせしていたが、メモを取るとスマホを三脚にセットした。
「実験の様子を録画させてね。ちょっとした変化も記録できる様に。」
俺は物珍しげに様子を見ていたけれど、こうやっていかにも準備が出来上がると、好奇心がムクムク湧き上がって来た。これで何の変化も無かったら、申し訳ないかもしれない。新と叶斗も雰囲気に呑まれたのか、奥の長テーブルの周囲に並べられた椅子に大人しく座っていた。
準備ができた様で桂木先生が僕を呼んだ。
「じゃあ、ここに座って。そう。誠くんは、岳君に三度に分けて、だんだん強く誘惑のフェロモンを与えてみて。距離も段々近寄って。そう。では時間もないから始めよう。…では、第一段階お願いします。」
そう言われて、俺は灰原さんを見つめた。少し雰囲気の変わった灰原さんが1mほど先から、俺をじっと見つめた。やっぱり特に何と言うことも無かったけれど、肌はピリピリと静電気を感じる様な感覚があった。それを先生に伝えた後、先生の二段階の声と共に、灰原さんが二歩近寄って、俺の両手を取ってじっと見つめて来た。
なんだ?触れたところからゾワゾワする様な肌が逆立つ様な感覚が広がっていった。目の前の整った灰原さんの顔を見上げながら、ほかの部分も見てるはずなのに、どうしても大きめの唇に目がいってしまう。一瞬、灰原さんがピクリと顔を歪めた。
俺は感じたままを桂木先生に言いながら、なぜか手が無意識に灰原さんの唇に伸びてしまった。ゆっくりと指先で唇を撫でると呟いた。
「…美味そうだな、あんた。」
自分の声にハッとして、慌てて手を元に戻すと、桂木先生が俺に尋ねた。
「…岳君、続けて大丈夫かな?具合悪くはない?」
俺は自分の行動に気まずい思いがして、頷くとさっさとこの実験を終わらせたくて大丈夫だと言った。そして第三段階は、俺はすっぽりと灰原さんに抱きしめられて、どんどん強くなる灰原さんの甘い匂いに包まれた。
『ドクン』俺の感じた最初の異変はそれだった。心臓が大きな音を立てて震えた。直ぐに身体がじわじわと熱くなって、俺は無意識に灰原さんに抱きついていた。ドキドキと興奮して、一方で怖い感じもするこの治らない拍動は身体を震わせた。
灰原さんに首筋を舐められた気がして、ビクンと目を閉じて仰け反った。俺はすっかり灰原さんに落ちていた。ああ、こんな筈じゃないのに。力無く目を開けると、灰原さんも顔を赤くして、俺を怖いくらい真剣に見つめていた。
「…まいったな。こんなの想像してなかったよ。」
灰原さんがそう言うのと同時に、俺の唇に灰原さんの唇が重なって、俺は馬鹿みたいに、それこそあいつらに引き剥がされるまでキスしてしまったんだ。
引き剥がされた俺と灰原さんは、助手さんからそれぞれ抑制剤ドリンクを飲ませられた。様子を見ていた桂木先生は、俺たちを満足げに見つめながら言った。
「岳君の友達には申し訳なかったけど、研究に協力してくれてどうもありがとう。お詫びにこの病院で評判のケータリングを取り寄せておいたよ。今夜は外食は無理だろう?
それを持ってタクシーで帰ってね。勿論タクシー代はこっち持ちで。ふふ。岳君にはまた改めて電話で聞き取り調査させてもらうよ。ちょっと今は無理そうだからね。」
俺はぼんやりしながら桂木先生を見つめた。ああ、確かに、喋るのが億劫だ。何でかな…。
「君たち、彼は以前話してあった東 岳君だよ。今回は採血とちょっとした実験をするから手伝ってくれ。」
そう言うと、20代半ばの助手の一人が僕に近づいて来て、椅子に座らせると採血をした。もう一人は、桂木先生と何か打ち合わせしていたが、メモを取るとスマホを三脚にセットした。
「実験の様子を録画させてね。ちょっとした変化も記録できる様に。」
俺は物珍しげに様子を見ていたけれど、こうやっていかにも準備が出来上がると、好奇心がムクムク湧き上がって来た。これで何の変化も無かったら、申し訳ないかもしれない。新と叶斗も雰囲気に呑まれたのか、奥の長テーブルの周囲に並べられた椅子に大人しく座っていた。
準備ができた様で桂木先生が僕を呼んだ。
「じゃあ、ここに座って。そう。誠くんは、岳君に三度に分けて、だんだん強く誘惑のフェロモンを与えてみて。距離も段々近寄って。そう。では時間もないから始めよう。…では、第一段階お願いします。」
そう言われて、俺は灰原さんを見つめた。少し雰囲気の変わった灰原さんが1mほど先から、俺をじっと見つめた。やっぱり特に何と言うことも無かったけれど、肌はピリピリと静電気を感じる様な感覚があった。それを先生に伝えた後、先生の二段階の声と共に、灰原さんが二歩近寄って、俺の両手を取ってじっと見つめて来た。
なんだ?触れたところからゾワゾワする様な肌が逆立つ様な感覚が広がっていった。目の前の整った灰原さんの顔を見上げながら、ほかの部分も見てるはずなのに、どうしても大きめの唇に目がいってしまう。一瞬、灰原さんがピクリと顔を歪めた。
俺は感じたままを桂木先生に言いながら、なぜか手が無意識に灰原さんの唇に伸びてしまった。ゆっくりと指先で唇を撫でると呟いた。
「…美味そうだな、あんた。」
自分の声にハッとして、慌てて手を元に戻すと、桂木先生が俺に尋ねた。
「…岳君、続けて大丈夫かな?具合悪くはない?」
俺は自分の行動に気まずい思いがして、頷くとさっさとこの実験を終わらせたくて大丈夫だと言った。そして第三段階は、俺はすっぽりと灰原さんに抱きしめられて、どんどん強くなる灰原さんの甘い匂いに包まれた。
『ドクン』俺の感じた最初の異変はそれだった。心臓が大きな音を立てて震えた。直ぐに身体がじわじわと熱くなって、俺は無意識に灰原さんに抱きついていた。ドキドキと興奮して、一方で怖い感じもするこの治らない拍動は身体を震わせた。
灰原さんに首筋を舐められた気がして、ビクンと目を閉じて仰け反った。俺はすっかり灰原さんに落ちていた。ああ、こんな筈じゃないのに。力無く目を開けると、灰原さんも顔を赤くして、俺を怖いくらい真剣に見つめていた。
「…まいったな。こんなの想像してなかったよ。」
灰原さんがそう言うのと同時に、俺の唇に灰原さんの唇が重なって、俺は馬鹿みたいに、それこそあいつらに引き剥がされるまでキスしてしまったんだ。
引き剥がされた俺と灰原さんは、助手さんからそれぞれ抑制剤ドリンクを飲ませられた。様子を見ていた桂木先生は、俺たちを満足げに見つめながら言った。
「岳君の友達には申し訳なかったけど、研究に協力してくれてどうもありがとう。お詫びにこの病院で評判のケータリングを取り寄せておいたよ。今夜は外食は無理だろう?
それを持ってタクシーで帰ってね。勿論タクシー代はこっち持ちで。ふふ。岳君にはまた改めて電話で聞き取り調査させてもらうよ。ちょっと今は無理そうだからね。」
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