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俺の素晴らしきΩ人生
妊夫
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妊娠が分かったのは丁度4ヶ月前だった。サプリの開発も終えて、浮かれてた俺は避妊薬を飲み忘れた。だから実際誰の子供なのかは分からない。三人としてるんだから分かるわけないだろう。
それとも避妊薬を飲ませなかった、あいつらの暗黙の了解でも有ったのだろうか。子供は俺の籍を継ぐので、東姓を名乗る事になるだろう。
結婚するにあたって揉めたのが俺の名前だった。結局特例という形で、俺は三人の番いの夫を持つΩになってそのまま自分の姓を名乗る事になった。元々研究者として生きていくつもりだったので、名前を変えない方が都合も良かった。
それぞれ背負うものが大きい夫達は、色々しがらみは有りそうだったけれど、家の方はどうにでもなるから大丈夫だと言ってくれた。
そうやって俺を尊重してくれる辺り、番いというのは本当に一心同体なのかもしれないな。もっとも感謝の気持ちを見せると、途端に態度で示してほしいと甘えてくるのが、何とも体力の限界を感じる。
やっぱり白路山で妊用トレッキング始めたらどうかな。あの空気は妊娠した人間にも良い効果ありそうだし。今度従兄弟の桃李に話してみよう。
そんな事を考えていたせいで、久しぶりに全員揃った夕食時に俺は口走っていた。
「なぁ、白路山でトレッキングしたい。一応安定期だし、初心者コースちょっと歩くだけだからさ。だめかな。」
顔を見合わせた新が、顔を顰めて言った。
「だめだろ?白路山ってどう考えても足元が悪いし。他のもうちょっと整備された場所なら有りかもしれないけど…。心配だ。」
新に予想通りのことを言われてやっぱりそうだよなと落ち込んだ俺に、叶斗が慰める様に声を掛けてきた。
「岳は実家に帰りたいんじゃないの。お義父さんがこっちに来た時は会いに来てくれるけど、忙しくて岳は地元に帰れて無いからね。そういう意味じゃ俺も全然帰って無いな。母さんが顔見せろって、岳に合わせろって煩いんだけどさ。」
俺はサプリを口コミしてくれた恩義を感じているお義母さんを思い浮かべてクスッと笑った。妊娠を喜んで色々送ってくれたのに、まだ顔を合わせてお礼を言ってない。
一見儚気なのに、元気いっぱいな叶斗のお義母さんは、母親の居ない俺の実の母親の存在になりつつある。
俺たちの話を聞いていた誠が、スケジュールをチェックして言った。
「来週の週末、岳の実家に帰ろうか。白路山は岳の心の安定には必要だろうし、沢山歩かなくても、あの空気感はやっぱり神聖だから安産につながるんじゃ無いか?
それに新と叶斗の親御さんに岳も顔を見て妊娠の報告したいだろうから。東京に居ると、灰原の方には顔を合わせる機会も何かとあるけどね。良い機会だから地元にも帰省したらどうだ、岳。」
ある意味頭ひとつも二つも大人な誠の鶴の一声で、皆で地元へ帰省する事になった。新幹線も長く乗る訳でも無いけれど、車よりは負担がないだろうと皆で揃って行く事になった。
もっとも誠は週末しか無理そうだと顔を顰めていたけれど、俺たちは3泊4日で帰省出来る事になった。流石に俺もラボのトップとしては休み辛かったけれど、相川が妙にウキウキした様子で全然大丈夫って言っていたのが、何だか解せない。
『悪阻が軽かったとは言え、東が身体休めてくれないとこっちも心配だったからさぁ。しっかり養生してきてくれよ。社長が倒れたら、それこそ忙しい所じゃなくなるからさ。自覚持てよ?まぁ俺に任せておけって!』
そんなこんなで有り難く、過保護な番い達と新幹線に乗る事になったんだけど…。俺はこいつらの凄まじい存在感にすっかり慣らされてしまっていたと言う他無い。上位αが三人も揃ったら、注目を浴びるなんてもんじゃ無い。
俺は前後二列シートの席に着くと、ようやく人々の視線から免れてホッと息をついた。
「お前達のオーラの事、俺すっかり忘れてた。参ったよ。駅でガン見されてたよね。ふふ、ちょっと笑える。」
すると隣に座った叶斗が呆れた様に俺を見つめてから、絡めたら指を唇に押し付けて言った。
「確かにそれもあるかもしれないけどさ、岳の事見てた人の方が多く無かった?妊娠した岳って、本当何か色めかしいって言うか。俺マジでヤキモキしちゃったよ。」
俺はこいつらの欲目に肩をすくめると、俺も夫達への視線の多さに焦れついたことを思い出した。あまりカッコいいのも良し悪しだな。
隣に座った叶斗は、大沢カンパニーの後継者として修行中だ。大学生の頃からグループ企業でバイトしていたけれど、4年の頃は後継者としてあちこちに顔を出していた。大沢カンパニーは本部こそ地元の企業だけど、最近は大都市での事業部がメインになっている会社だ。
叶斗は自社CMにも出ていて、一時期はあのモデルは誰なのかと随分話題になった。だから駅で叶斗への視線が一番多かったのはそのせいかもしれない。俺がそんな事を考えながらじっと叶斗を見つめていると、綺麗な人好きする顔で微笑むと、俺を引き寄せて言った。
「ほら、着くまで寝てたら?せっかく新幹線にしたんだから。実際到着したら、皆集まるって言ってたよ。エネルギー蓄えないとね?」
前の席から誠や新もそうしろって目で見たから、俺は諦めてひとつ欠伸をすると目を閉じて心地よい香りと振動に身を預けた。ああ、妊娠するとどうしてこうも眠いんだろ…。
それとも避妊薬を飲ませなかった、あいつらの暗黙の了解でも有ったのだろうか。子供は俺の籍を継ぐので、東姓を名乗る事になるだろう。
結婚するにあたって揉めたのが俺の名前だった。結局特例という形で、俺は三人の番いの夫を持つΩになってそのまま自分の姓を名乗る事になった。元々研究者として生きていくつもりだったので、名前を変えない方が都合も良かった。
それぞれ背負うものが大きい夫達は、色々しがらみは有りそうだったけれど、家の方はどうにでもなるから大丈夫だと言ってくれた。
そうやって俺を尊重してくれる辺り、番いというのは本当に一心同体なのかもしれないな。もっとも感謝の気持ちを見せると、途端に態度で示してほしいと甘えてくるのが、何とも体力の限界を感じる。
やっぱり白路山で妊用トレッキング始めたらどうかな。あの空気は妊娠した人間にも良い効果ありそうだし。今度従兄弟の桃李に話してみよう。
そんな事を考えていたせいで、久しぶりに全員揃った夕食時に俺は口走っていた。
「なぁ、白路山でトレッキングしたい。一応安定期だし、初心者コースちょっと歩くだけだからさ。だめかな。」
顔を見合わせた新が、顔を顰めて言った。
「だめだろ?白路山ってどう考えても足元が悪いし。他のもうちょっと整備された場所なら有りかもしれないけど…。心配だ。」
新に予想通りのことを言われてやっぱりそうだよなと落ち込んだ俺に、叶斗が慰める様に声を掛けてきた。
「岳は実家に帰りたいんじゃないの。お義父さんがこっちに来た時は会いに来てくれるけど、忙しくて岳は地元に帰れて無いからね。そういう意味じゃ俺も全然帰って無いな。母さんが顔見せろって、岳に合わせろって煩いんだけどさ。」
俺はサプリを口コミしてくれた恩義を感じているお義母さんを思い浮かべてクスッと笑った。妊娠を喜んで色々送ってくれたのに、まだ顔を合わせてお礼を言ってない。
一見儚気なのに、元気いっぱいな叶斗のお義母さんは、母親の居ない俺の実の母親の存在になりつつある。
俺たちの話を聞いていた誠が、スケジュールをチェックして言った。
「来週の週末、岳の実家に帰ろうか。白路山は岳の心の安定には必要だろうし、沢山歩かなくても、あの空気感はやっぱり神聖だから安産につながるんじゃ無いか?
それに新と叶斗の親御さんに岳も顔を見て妊娠の報告したいだろうから。東京に居ると、灰原の方には顔を合わせる機会も何かとあるけどね。良い機会だから地元にも帰省したらどうだ、岳。」
ある意味頭ひとつも二つも大人な誠の鶴の一声で、皆で地元へ帰省する事になった。新幹線も長く乗る訳でも無いけれど、車よりは負担がないだろうと皆で揃って行く事になった。
もっとも誠は週末しか無理そうだと顔を顰めていたけれど、俺たちは3泊4日で帰省出来る事になった。流石に俺もラボのトップとしては休み辛かったけれど、相川が妙にウキウキした様子で全然大丈夫って言っていたのが、何だか解せない。
『悪阻が軽かったとは言え、東が身体休めてくれないとこっちも心配だったからさぁ。しっかり養生してきてくれよ。社長が倒れたら、それこそ忙しい所じゃなくなるからさ。自覚持てよ?まぁ俺に任せておけって!』
そんなこんなで有り難く、過保護な番い達と新幹線に乗る事になったんだけど…。俺はこいつらの凄まじい存在感にすっかり慣らされてしまっていたと言う他無い。上位αが三人も揃ったら、注目を浴びるなんてもんじゃ無い。
俺は前後二列シートの席に着くと、ようやく人々の視線から免れてホッと息をついた。
「お前達のオーラの事、俺すっかり忘れてた。参ったよ。駅でガン見されてたよね。ふふ、ちょっと笑える。」
すると隣に座った叶斗が呆れた様に俺を見つめてから、絡めたら指を唇に押し付けて言った。
「確かにそれもあるかもしれないけどさ、岳の事見てた人の方が多く無かった?妊娠した岳って、本当何か色めかしいって言うか。俺マジでヤキモキしちゃったよ。」
俺はこいつらの欲目に肩をすくめると、俺も夫達への視線の多さに焦れついたことを思い出した。あまりカッコいいのも良し悪しだな。
隣に座った叶斗は、大沢カンパニーの後継者として修行中だ。大学生の頃からグループ企業でバイトしていたけれど、4年の頃は後継者としてあちこちに顔を出していた。大沢カンパニーは本部こそ地元の企業だけど、最近は大都市での事業部がメインになっている会社だ。
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「ほら、着くまで寝てたら?せっかく新幹線にしたんだから。実際到着したら、皆集まるって言ってたよ。エネルギー蓄えないとね?」
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