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俺の素晴らしきΩ人生
帰省の大騒ぎ
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「ただいま。」
駅に迎えに来てくれた俺の父が、見た事もない優しい表情で俺の体調を気遣ってくれている。何だか照れる。大体そんなキャラじゃなかったろ?一緒に居た新の父親とで、俺たちを手分けして車に乗せてくれるらしい。
「岳君、体調はどうだ?正直私はバース性に詳しくないからアレなんだが、新も全然情報をくれないから心配なんだ。顔色は良さそうで安心したよ。まったく、あいつももう少し色々教えてくれたって良いのに…。」
高井のお義父さんが随分心配してくれてるみたいで、妙にほっこりした。結局父さんの車に俺と誠が乗って、高井のお義父さんの車には息子の新と叶斗が乗った。
これから叶斗の家に集合する事になっている。帰省の醍醐味は親族の集合なのか?俺は今まで東の本家である従兄弟の桃李の家にはお盆などに顔を出していたけれど、近所だったので特に集まりなど敢えてしてなかった。
二年前から爺さんが施設に入った事もあり、伯父さんも面倒なことはイイよと言ってくれるので、帰省したからと言って少し挨拶するくらいだ。今回は山駆け、いや山歩きを少々する時にチラッと顔を出す予定で居る。
桃李に無事に到着した事だけメッセージを送ると、俺は懐かしい風景を車の中からじっと見つめた。
「岳、地元はやっぱり安心するかい?元々岳は、大学もこっちにしようと思っていたんだってね。確かにホッとする空気感があるね。私は東京育ちだが、こんな故郷があったら子供時代も楽しかっただろうね。」
俺は誠に寄り掛かりながら、チラッとミラー越しに父さんの顔を見た。運転に集中してるみたいだけど、気を遣ってるだけかもしれない。
「そうだね。俺は山伏だから、この地元は故郷以上の思い入れがあるんだ。なんて言うか心の拠り所というか。俺がこうなった全てがここに濃縮されてる。東京に居ると、時々その事に気付かされるよ。」
誠は俺のこめかみに唇を押し当てると、呟いた。
「私も一度白路山を修行した方が良いかもしれないね。大事な岳の事をもっと良く知る事が出来そうだから。」
俺たちがクスクス笑っていると、運転席の父さんが咳払いして話し掛けてきた。
「そう言えば岳のサプリ、評判が良いって聞いたが。良かったな、直ぐに成果が出せて。なかなか難しいものだろう?」
父さんに誠と無意識にイチャイチャしてるのを見られていた俺は、恥ずかしくなってぎこちなく頷いた。
「ああ、俺が変異Ωになった時は、将来の事は随分悲観的になっていたけど、今となっては俺にとっての得意分野で結果を出せて正直満足なんだ。父さんにも心配かけたよね。」
そう言うと、何となく照れ臭くてお互いに黙りこくってしまった。そんな沈黙を破ったのはスーパー社会人の誠だった。そつのない対応ですっかり父さんと話しを盛り上げて、俺の気まずさを払ってくれた。
「高井さんとは家も近所だから、時々会ってるんだ。最近は高井さんも山駆けを始めてね。新君も運動神経は良さそうだが、中々どうして高井さんもあっという間に初心者は返上したし、もう直ぐ滝行にも参加するって張り切っているぞ。」
俺は弁護士らしい知的な見かけの高井さんも、やはり根本的には新に遺伝子を分けた、βながら恵まれた体格なのを思い出した。
「父さんたちが親睦を深めているのは嬉しいけど、あまり無理はさせないでよ?滝行なんて、素人がやるもんじゃないんだから。」
それから誠に滝行の痛い、冷たい、それから無になる話を面白おかしく話している間に、大沢邸へと到着した。
「皆さん、よくいらっしゃったわね。岳くん!体調はいかが?会いたかったわぁ。顔色も悪くないから良かったわ。さぁ、入って。皆さんもどうぞ。」
相変わらず綺麗な大沢のお義母さんは、忙しそうに立ち動いていた。俺は叶斗に引っ張られるままに広いリビングの奥まったソファへと座らされた。
「岳はここで大人しくしておけよ。接待は俺たちに任せて、な?」
普段もフットワークの軽い俺の夫達は、サッと大沢のお義母さんの手伝いをしている。あっという間に大きなテーブルにはご馳走が並べられて、俺は急に腹が減ってきた。
「岳くん、何か食べられるものがあればいいのだけど。叶斗は悪阻が軽いって言ってたけど、所詮当事者じゃないじゃない?どうかしら。」
そう大沢のお義母さんが心配そうに俺に尋ねるので、俺はにっこり笑って言った。
「俺って、いわゆる食べ悪阻に近いみたいで。気持ち悪かったのは一瞬で、最近は食べないではいられないっていうか。どっちかというと揚げ物とか、めちゃくちゃ食べたいです。」
そう言うと、お義母さんが目を丸くして笑った。実際妊夫あるまじき食欲をお披露目して、皆大いに盛り上がった。一人青ざめてうずくまる様な辛い事にならなくて、本当にホッとしたよ。
「そう言えばジョンが居ないね。どうしたの?」
人心地ついた俺が周囲を見回して呟くと、大沢のお義父さんがニヤリと笑って、楽しそうに言った。
「丁度、ジョンはブリーダーのところへ朝から出張中なんだ。」
叶斗がどう言う事か眉を顰めると、お義父さんがますます楽しそうに言った。
「ジョンは綺麗で賢いからね、モテモテって事だよ。大好きなブリーダーさんにも会えて、まぁ里帰りみたいなものさ。明日の朝には帰ってくるから、会えるよ。ここ数年、ジョンの子犬達がどんどん産まれてるよ。ビックダディだ。ハハハ。」
…明日ジョンに会ったら、揶揄ってやろう!
駅に迎えに来てくれた俺の父が、見た事もない優しい表情で俺の体調を気遣ってくれている。何だか照れる。大体そんなキャラじゃなかったろ?一緒に居た新の父親とで、俺たちを手分けして車に乗せてくれるらしい。
「岳君、体調はどうだ?正直私はバース性に詳しくないからアレなんだが、新も全然情報をくれないから心配なんだ。顔色は良さそうで安心したよ。まったく、あいつももう少し色々教えてくれたって良いのに…。」
高井のお義父さんが随分心配してくれてるみたいで、妙にほっこりした。結局父さんの車に俺と誠が乗って、高井のお義父さんの車には息子の新と叶斗が乗った。
これから叶斗の家に集合する事になっている。帰省の醍醐味は親族の集合なのか?俺は今まで東の本家である従兄弟の桃李の家にはお盆などに顔を出していたけれど、近所だったので特に集まりなど敢えてしてなかった。
二年前から爺さんが施設に入った事もあり、伯父さんも面倒なことはイイよと言ってくれるので、帰省したからと言って少し挨拶するくらいだ。今回は山駆け、いや山歩きを少々する時にチラッと顔を出す予定で居る。
桃李に無事に到着した事だけメッセージを送ると、俺は懐かしい風景を車の中からじっと見つめた。
「岳、地元はやっぱり安心するかい?元々岳は、大学もこっちにしようと思っていたんだってね。確かにホッとする空気感があるね。私は東京育ちだが、こんな故郷があったら子供時代も楽しかっただろうね。」
俺は誠に寄り掛かりながら、チラッとミラー越しに父さんの顔を見た。運転に集中してるみたいだけど、気を遣ってるだけかもしれない。
「そうだね。俺は山伏だから、この地元は故郷以上の思い入れがあるんだ。なんて言うか心の拠り所というか。俺がこうなった全てがここに濃縮されてる。東京に居ると、時々その事に気付かされるよ。」
誠は俺のこめかみに唇を押し当てると、呟いた。
「私も一度白路山を修行した方が良いかもしれないね。大事な岳の事をもっと良く知る事が出来そうだから。」
俺たちがクスクス笑っていると、運転席の父さんが咳払いして話し掛けてきた。
「そう言えば岳のサプリ、評判が良いって聞いたが。良かったな、直ぐに成果が出せて。なかなか難しいものだろう?」
父さんに誠と無意識にイチャイチャしてるのを見られていた俺は、恥ずかしくなってぎこちなく頷いた。
「ああ、俺が変異Ωになった時は、将来の事は随分悲観的になっていたけど、今となっては俺にとっての得意分野で結果を出せて正直満足なんだ。父さんにも心配かけたよね。」
そう言うと、何となく照れ臭くてお互いに黙りこくってしまった。そんな沈黙を破ったのはスーパー社会人の誠だった。そつのない対応ですっかり父さんと話しを盛り上げて、俺の気まずさを払ってくれた。
「高井さんとは家も近所だから、時々会ってるんだ。最近は高井さんも山駆けを始めてね。新君も運動神経は良さそうだが、中々どうして高井さんもあっという間に初心者は返上したし、もう直ぐ滝行にも参加するって張り切っているぞ。」
俺は弁護士らしい知的な見かけの高井さんも、やはり根本的には新に遺伝子を分けた、βながら恵まれた体格なのを思い出した。
「父さんたちが親睦を深めているのは嬉しいけど、あまり無理はさせないでよ?滝行なんて、素人がやるもんじゃないんだから。」
それから誠に滝行の痛い、冷たい、それから無になる話を面白おかしく話している間に、大沢邸へと到着した。
「皆さん、よくいらっしゃったわね。岳くん!体調はいかが?会いたかったわぁ。顔色も悪くないから良かったわ。さぁ、入って。皆さんもどうぞ。」
相変わらず綺麗な大沢のお義母さんは、忙しそうに立ち動いていた。俺は叶斗に引っ張られるままに広いリビングの奥まったソファへと座らされた。
「岳はここで大人しくしておけよ。接待は俺たちに任せて、な?」
普段もフットワークの軽い俺の夫達は、サッと大沢のお義母さんの手伝いをしている。あっという間に大きなテーブルにはご馳走が並べられて、俺は急に腹が減ってきた。
「岳くん、何か食べられるものがあればいいのだけど。叶斗は悪阻が軽いって言ってたけど、所詮当事者じゃないじゃない?どうかしら。」
そう大沢のお義母さんが心配そうに俺に尋ねるので、俺はにっこり笑って言った。
「俺って、いわゆる食べ悪阻に近いみたいで。気持ち悪かったのは一瞬で、最近は食べないではいられないっていうか。どっちかというと揚げ物とか、めちゃくちゃ食べたいです。」
そう言うと、お義母さんが目を丸くして笑った。実際妊夫あるまじき食欲をお披露目して、皆大いに盛り上がった。一人青ざめてうずくまる様な辛い事にならなくて、本当にホッとしたよ。
「そう言えばジョンが居ないね。どうしたの?」
人心地ついた俺が周囲を見回して呟くと、大沢のお義父さんがニヤリと笑って、楽しそうに言った。
「丁度、ジョンはブリーダーのところへ朝から出張中なんだ。」
叶斗がどう言う事か眉を顰めると、お義父さんがますます楽しそうに言った。
「ジョンは綺麗で賢いからね、モテモテって事だよ。大好きなブリーダーさんにも会えて、まぁ里帰りみたいなものさ。明日の朝には帰ってくるから、会えるよ。ここ数年、ジョンの子犬達がどんどん産まれてるよ。ビックダディだ。ハハハ。」
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