44 / 158
第42話 白の聖王国の三本の矢
しおりを挟む
海に囲まれたこの島で、大国と言えば、黒の帝国、白の聖王国、赤の王国、青の王国の4国のことを指していた。だが、紺の王国及び緑の公国は、黒の帝国を破ってその領地を得たことで、それら大国と伍する存在になっていた。
現状、これらの国以外の小国もいくつか存在しているが、実際のところはそのほとんどがいずれかの大国に恭順を示し属国のような立場に置かれている。つまり、事実上、この島の覇権争いは、紺の王国、緑の公国、白の聖王国、赤の王国、青の王国の五カ国に絞られたといえる。
その中で、ルルーの紺の王国が国境を接しているのは三カ国。
帝国領を得たことで北は海に面しており、そちら側に国はない。
西の国境に接するのが緑の公国。紺の王国と緑の公国は現在同盟関係にあり、良好な関係を築いている。
次に、南西の国境に接するのが白の聖王国。聖王国は、勢力を拡大する黒の帝国に備えて軍備を整えているという噂だったが、黒の帝国が消えた今、どういう動きをしてくるかは不透明だった。
そして、東の国境に接するのが赤の王国。女王が治めるこの国は、黒の帝国のように周辺国への侵攻を進めており、黒の帝国との開戦は時間の問題だと言われていた。黒の帝国が緑の公国へと侵攻を急いだのも、赤の王国との戦争が始まってから緑の公国に攻め込まれると背後を取られる形になるため、その前に背後を安定させておこうとの考えによるものだった。黒の帝国の代わりに紺の王国へ狙ってくるのか、あるいは赤の王国の南にある青の王国との戦いに進むのかは現状わからない。
残る青の王国は、紺の王国から見れば、南東に位置する。ただし、島の中央には竜王の山脈が広がっているため、紺の王国と青の王国とが直接行き来するにはこの山脈を通る必要があり、互いに軍事行動を起こすことは事実上不可能だった。
そんな国同士の関係の中、白の聖王国から紺の王国の王都へと入ってきた者が三人いた。
一人は浅黒い肌で2メートル近い巨躯の男。名前をグレイといい、年齢は20代後半で、金の短髪に、野性的な顔立ちをしている。
もう一人は、オレンジ色に近いような明るい茶色の髪を後ろで一つにまとめた女。名前をティセといい、女性にしては背が高く、体もしなやかな筋肉で包まれている。年齢は20代前半だが、顔だちは年齢よりも幼く見え、可愛さと美しさがバランスよくかみ合っていた。
最後の一人は、ほかの二人に比べて明らかに背が低く、年も若い少女。年齢は12歳で、名前をフィーユという。長い黒髪を両サイドでそれぞれまとめて垂らしている。大きな黒い目が印象的で、見た目は愛らしい少女にしか見えない。
三人とも、ただの旅人といった装いをしているが、その見た目通りの素性の者達ではない。三人は、「白の聖王国の三本の矢」と呼ばれる精鋭だった。彼らは新たに即位した聖王が、自由に動けない自分の代わりに、国外で動ける者として選んだ者達だ。彼らは聖王の目となり手となり足となり、聖王のために動く。
この三人が今回受けた指示は、紺の王国と緑の公国との調査。まさか黒の帝国がその二国に負けるとは、聖王にとっても予想外の事態であった。それを成した、両国について探ることは、現状、聖王にとって最優先事項の一つだった。
両国の強みと弱み、今後の戦略方針など知るべきことは多いが、聖王が何より重要視したのは、その国の最重要人物と目される者の確認だった。人を知れば、おのずと国も知れる。それが国の重要人物ともなればなおのこと。
聖王は、それらをしっかり調べたうえで判断するつもりだった。相手国を、味方とすべきか、それとも敵とすべきか。
「俺が思うに、最も警戒すべきはミュウという女剣士だ。戦場で一度見たことがあるが、あの姿はまさに戦乙女。紺の王国、緑の公国、どちらにいたとしても、大きな脅威となりうる」
すでに調査報告書で紺の王国と緑の公国の情報は得ている。三人の目的は、それを知った上で重要人物を自分達の目で確認することだった。
その中でもグレイが目をつけていたのはミュウだ。戦場において、自ら先頭に立って戦える優秀な将の存在は大きい。グレイは自分の判断に自信を持っていた。
だが、隣のティセは少々納得いかない顔を浮かべる。
「確かに優秀な剣士であることは認めるけど、私にはそれよりも気になる相手がいるわ。ルイセという魔法剣士よ。この女がもし私の思っている通りの人物なら、とんでもない脅威になるわ。もしかしたら、これから夜は枕を高くして寝られなくなるかも」
「それはティセが魔法戦士だから贔屓目に見てるんじゃないのか? 純粋な剣の腕なら間違いなくミュウだ。あの剣こそ脅威だ」
「グレイ、あなたこそ、魔法と剣を組み合わせた怖さを過小評価しすぎよ。まぁ、脳まで筋肉でできてるようなあなたにはわからないかもしれないけど」
「なんだと! おい、フィー、お前はどう思うんだよ!?」
突然話を振られ、両サイドの髪を揺らしてフィーユは慌てる。ちなみに、フィーユは二人からはフィーと呼ばれていた。
(まずい……。実は報告書とかあんまり読んでなかったんだよね。今回のことも二人に任せておけばいいかと思ってたし……。でも、ここで何もわかってないのに、どっちかの肩を持つと、私が決定したみたいになっちゃうよね……。ここは二人が挙げた以外の名前を出して、二人で決めてもらわないと、あとで私のせいにされそう。でも、誰がいたっけ? パラパラって見た報告書に何か名前があったような……。そうそう、確かキッドとかいう魔導士がいたはず!)
「そうねぇ、私はキッドっていう魔導士が気になるかな~って思うかな。まぁ、ちょっと気になる程度なんだけどね~」
フィーユは思いついた名前を口に出し、あくまで二人の間で決めてもらうよう持っていこうとした。だが、事態は彼女が想定したのとは違う方向へと向かってしまう。
「……なるほど、それぞれ目をつけた相手が違うってわけだな」
「そうみたいね。なら、ここからはそれぞれ独自に動いて、自分が目をつけた相手に接触して直接確認することにしましょうか?」
(ふえっ!? ちょっと待って!? なんでそうなるの!?)
「それはおもしろい! 何も三人揃って動く必要はないからな!」
(いやいやいや! 単独行動とかダメでしょ! 三人兄妹の設定とか、色々打ち合わせしたのを忘れたの!?)
「じゃあ、ここからは別行動ってことで! 落ち合うのは当初の想定通りの場所で」
「待って待って!」
フィーユは慌てて声を上げるが、すでにグレイとティセは別々の方向へ歩き出し、足を止める様子もない。どちらを追いかけるべきかと首をきょろきょろしている内に二人の姿は雑踏の中に消え、フィーユは一人取り残されてしまった。
「誰かに見つかったらまずいから報告書なんて持ってきてないし……私一人でどうしよう……」
フィーユは紺の王国の王都で一人途方に暮れるのだった。
現状、これらの国以外の小国もいくつか存在しているが、実際のところはそのほとんどがいずれかの大国に恭順を示し属国のような立場に置かれている。つまり、事実上、この島の覇権争いは、紺の王国、緑の公国、白の聖王国、赤の王国、青の王国の五カ国に絞られたといえる。
その中で、ルルーの紺の王国が国境を接しているのは三カ国。
帝国領を得たことで北は海に面しており、そちら側に国はない。
西の国境に接するのが緑の公国。紺の王国と緑の公国は現在同盟関係にあり、良好な関係を築いている。
次に、南西の国境に接するのが白の聖王国。聖王国は、勢力を拡大する黒の帝国に備えて軍備を整えているという噂だったが、黒の帝国が消えた今、どういう動きをしてくるかは不透明だった。
そして、東の国境に接するのが赤の王国。女王が治めるこの国は、黒の帝国のように周辺国への侵攻を進めており、黒の帝国との開戦は時間の問題だと言われていた。黒の帝国が緑の公国へと侵攻を急いだのも、赤の王国との戦争が始まってから緑の公国に攻め込まれると背後を取られる形になるため、その前に背後を安定させておこうとの考えによるものだった。黒の帝国の代わりに紺の王国へ狙ってくるのか、あるいは赤の王国の南にある青の王国との戦いに進むのかは現状わからない。
残る青の王国は、紺の王国から見れば、南東に位置する。ただし、島の中央には竜王の山脈が広がっているため、紺の王国と青の王国とが直接行き来するにはこの山脈を通る必要があり、互いに軍事行動を起こすことは事実上不可能だった。
そんな国同士の関係の中、白の聖王国から紺の王国の王都へと入ってきた者が三人いた。
一人は浅黒い肌で2メートル近い巨躯の男。名前をグレイといい、年齢は20代後半で、金の短髪に、野性的な顔立ちをしている。
もう一人は、オレンジ色に近いような明るい茶色の髪を後ろで一つにまとめた女。名前をティセといい、女性にしては背が高く、体もしなやかな筋肉で包まれている。年齢は20代前半だが、顔だちは年齢よりも幼く見え、可愛さと美しさがバランスよくかみ合っていた。
最後の一人は、ほかの二人に比べて明らかに背が低く、年も若い少女。年齢は12歳で、名前をフィーユという。長い黒髪を両サイドでそれぞれまとめて垂らしている。大きな黒い目が印象的で、見た目は愛らしい少女にしか見えない。
三人とも、ただの旅人といった装いをしているが、その見た目通りの素性の者達ではない。三人は、「白の聖王国の三本の矢」と呼ばれる精鋭だった。彼らは新たに即位した聖王が、自由に動けない自分の代わりに、国外で動ける者として選んだ者達だ。彼らは聖王の目となり手となり足となり、聖王のために動く。
この三人が今回受けた指示は、紺の王国と緑の公国との調査。まさか黒の帝国がその二国に負けるとは、聖王にとっても予想外の事態であった。それを成した、両国について探ることは、現状、聖王にとって最優先事項の一つだった。
両国の強みと弱み、今後の戦略方針など知るべきことは多いが、聖王が何より重要視したのは、その国の最重要人物と目される者の確認だった。人を知れば、おのずと国も知れる。それが国の重要人物ともなればなおのこと。
聖王は、それらをしっかり調べたうえで判断するつもりだった。相手国を、味方とすべきか、それとも敵とすべきか。
「俺が思うに、最も警戒すべきはミュウという女剣士だ。戦場で一度見たことがあるが、あの姿はまさに戦乙女。紺の王国、緑の公国、どちらにいたとしても、大きな脅威となりうる」
すでに調査報告書で紺の王国と緑の公国の情報は得ている。三人の目的は、それを知った上で重要人物を自分達の目で確認することだった。
その中でもグレイが目をつけていたのはミュウだ。戦場において、自ら先頭に立って戦える優秀な将の存在は大きい。グレイは自分の判断に自信を持っていた。
だが、隣のティセは少々納得いかない顔を浮かべる。
「確かに優秀な剣士であることは認めるけど、私にはそれよりも気になる相手がいるわ。ルイセという魔法剣士よ。この女がもし私の思っている通りの人物なら、とんでもない脅威になるわ。もしかしたら、これから夜は枕を高くして寝られなくなるかも」
「それはティセが魔法戦士だから贔屓目に見てるんじゃないのか? 純粋な剣の腕なら間違いなくミュウだ。あの剣こそ脅威だ」
「グレイ、あなたこそ、魔法と剣を組み合わせた怖さを過小評価しすぎよ。まぁ、脳まで筋肉でできてるようなあなたにはわからないかもしれないけど」
「なんだと! おい、フィー、お前はどう思うんだよ!?」
突然話を振られ、両サイドの髪を揺らしてフィーユは慌てる。ちなみに、フィーユは二人からはフィーと呼ばれていた。
(まずい……。実は報告書とかあんまり読んでなかったんだよね。今回のことも二人に任せておけばいいかと思ってたし……。でも、ここで何もわかってないのに、どっちかの肩を持つと、私が決定したみたいになっちゃうよね……。ここは二人が挙げた以外の名前を出して、二人で決めてもらわないと、あとで私のせいにされそう。でも、誰がいたっけ? パラパラって見た報告書に何か名前があったような……。そうそう、確かキッドとかいう魔導士がいたはず!)
「そうねぇ、私はキッドっていう魔導士が気になるかな~って思うかな。まぁ、ちょっと気になる程度なんだけどね~」
フィーユは思いついた名前を口に出し、あくまで二人の間で決めてもらうよう持っていこうとした。だが、事態は彼女が想定したのとは違う方向へと向かってしまう。
「……なるほど、それぞれ目をつけた相手が違うってわけだな」
「そうみたいね。なら、ここからはそれぞれ独自に動いて、自分が目をつけた相手に接触して直接確認することにしましょうか?」
(ふえっ!? ちょっと待って!? なんでそうなるの!?)
「それはおもしろい! 何も三人揃って動く必要はないからな!」
(いやいやいや! 単独行動とかダメでしょ! 三人兄妹の設定とか、色々打ち合わせしたのを忘れたの!?)
「じゃあ、ここからは別行動ってことで! 落ち合うのは当初の想定通りの場所で」
「待って待って!」
フィーユは慌てて声を上げるが、すでにグレイとティセは別々の方向へ歩き出し、足を止める様子もない。どちらを追いかけるべきかと首をきょろきょろしている内に二人の姿は雑踏の中に消え、フィーユは一人取り残されてしまった。
「誰かに見つかったらまずいから報告書なんて持ってきてないし……私一人でどうしよう……」
フィーユは紺の王国の王都で一人途方に暮れるのだった。
5
あなたにおすすめの小説
最強無敗の少年は影を従え全てを制す
ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。
産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。
カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。
しかし彼の力は生まれながらにして最強。
そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。
ギャルい女神と超絶チート同盟〜女神に贔屓されまくった結果、主人公クラスなチート持ち達の同盟リーダーとなってしまったんだが〜
平明神
ファンタジー
ユーゴ・タカトー。
それは、女神の「推し」になった男。
見た目ギャルな女神ユーラウリアの色仕掛けに負け、何度も異世界を救ってきた彼に新たに下った女神のお願いは、転生や転移した者達を探すこと。
彼が出会っていく者たちは、アニメやラノベの主人公を張れるほど強くて魅力的。だけど、みんなチート的な能力や武器を持つ濃いキャラで、なかなか一筋縄ではいかない者ばかり。
彼らと仲間になって同盟を組んだユーゴは、やがて彼らと共に様々な異世界を巻き込む大きな事件に関わっていく。
その過程で、彼はリーダーシップを発揮し、新たな力を開花させていくのだった!
女神から貰ったバラエティー豊かなチート能力とチートアイテムを駆使するユーゴは、どこへ行ってもみんなの度肝を抜きまくる!
さらに、彼にはもともと特殊な能力があるようで……?
英雄、聖女、魔王、人魚、侍、巫女、お嬢様、変身ヒーロー、巨大ロボット、歌姫、メイド、追放、ざまあ───
なんでもありの異世界アベンジャーズ!
女神の使徒と異世界チートな英雄たちとの絆が紡ぐ、運命の物語、ここに開幕!
※不定期更新。最低週1回は投稿出来るように頑張ります。
※感想やお気に入り登録をして頂けますと、作者のモチベーションがあがり、エタることなくもっと面白い話が作れます。
異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編
「お前と居るとつまんねぇ」〜俺を追放したチームが世界最高のチームになった理由(わけ)〜
大好き丸
ファンタジー
異世界「エデンズガーデン」。
広大な大地、広く深い海、突き抜ける空。草木が茂り、様々な生き物が跋扈する剣と魔法の世界。
ダンジョンに巣食う魔物と冒険者たちが日夜戦うこの世界で、ある冒険者チームから1人の男が追放された。
彼の名はレッド=カーマイン。
最強で最弱の男が織り成す冒険活劇が今始まる。
※この作品は「小説になろう、カクヨム」にも掲載しています。
異世界転生した俺は、産まれながらに最強だった。
桜花龍炎舞
ファンタジー
主人公ミツルはある日、不慮の事故にあい死んでしまった。
だが目がさめると見知らぬ美形の男と見知らぬ美女が目の前にいて、ミツル自身の身体も見知らぬ美形の子供に変わっていた。
そして更に、恐らく転生したであろうこの場所は剣や魔法が行き交うゲームの世界とも思える異世界だったのである。
異世界転生 × 最強 × ギャグ × 仲間。
チートすぎる俺が、神様より自由に世界をぶっ壊す!?
“真面目な展開ゼロ”の爽快異世界バカ旅、始動!
チートスキルより女神様に告白したら、僕のステータスは最弱Fランクだけど、女神様の無限の祝福で最強になりました
Gaku
ファンタジー
平凡なフリーター、佐藤悠樹。その人生は、ソシャゲのガチャに夢中になった末の、あまりにも情けない感電死で幕を閉じた。……はずだった! 死後の世界で彼を待っていたのは、絶世の美女、女神ソフィア。「どんなチート能力でも与えましょう」という甘い誘惑に、彼が願ったのは、たった一つ。「貴方と一緒に、旅がしたい!」。これは、最強の能力の代わりに、女神様本人をパートナーに選んだ男の、前代未聞の異世界冒険譚である!
主人公ユウキに、剣や魔法の才能はない。ステータスは、どこをどう見ても一般人以下。だが、彼には、誰にも負けない最強の力があった。それは、女神ソフィアが側にいるだけで、あらゆる奇跡が彼の味方をする『女神の祝福』という名の究極チート! 彼の原動力はただ一つ、ソフィアへの一途すぎる愛。そんな彼の真っ直ぐな想いに、最初は呆れ、戸惑っていたソフィアも、次第に心を動かされていく。完璧で、常に品行方正だった女神が、初めて見せるヤキモチ、戸惑い、そして恋する乙女の顔。二人の甘く、もどかしい関係性の変化から、目が離せない!
旅の仲間になるのは、いずれも大陸屈指の実力者、そして、揃いも揃って絶世の美女たち。しかし、彼女たちは全員、致命的な欠点を抱えていた! 方向音痴すぎて地図が読めない女剣士、肝心なところで必ず魔法が暴発する天才魔導士、女神への信仰が熱心すぎて根本的にズレているクルセイダー、優しすぎてアンデッドをパワーアップさせてしまう神官僧侶……。凄腕なのに、全員がどこかポンコツ! 彼女たちが集まれば、簡単なスライム退治も、国を揺るがす大騒動へと発展する。息つく暇もないドタバタ劇が、あなたを爆笑の渦に巻き込む!
基本は腹を抱えて笑えるコメディだが、物語は時に、世界の運命を賭けた、手に汗握るシリアスな戦いへと突入する。絶体絶命の状況の中、試されるのは仲間たちとの絆。そして、主人公が示すのは、愛する人を、仲間を守りたいという想いこそが、どんなチート能力にも勝る「最強の力」であるという、熱い魂の輝きだ。笑いと涙、その緩急が、物語をさらに深く、感動的に彩っていく。
王道の異世界転生、ハーレム、そして最高のドタバタコメディが、ここにある。最強の力は、一途な愛! 個性豊かすぎる仲間たちと共に、あなたも、最高に賑やかで、心温まる異世界を旅してみませんか? 笑って、泣けて、最後には必ず幸せな気持ちになれることを、お約束します。
備蓄スキルで異世界転移もナンノソノ
ちかず
ファンタジー
久しぶりの早帰りの金曜日の夜(但し、矢作基準)ラッキーの連続に浮かれた矢作の行った先は。
見た事のない空き地に1人。異世界だと気づかない矢作のした事は?
異世界アニメも見た事のない矢作が、自分のスキルに気づく日はいつ来るのだろうか。スキル【備蓄】で異世界に騒動を起こすもちょっぴりズレた矢作はそれに気づかずマイペースに頑張るお話。
鈍感な主人公が降り注ぐ困難もナンノソノとクリアしながら仲間を増やして居場所を作るまで。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる