無表情な黒豹騎士に懐かれたら、元の世界に戻れなくなった私の話を切実に聞いて欲しい！

第1章 ようこそ！獣人の国クモード王国へ

間話 都子の昔話〜動物園編①〜

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間話 都子の昔話～動物園編①～

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ダークさんと対面した日の夜、夢を見た。夢の内容は小さい頃…両親と動物園に行った懐かしい思い出。

動物園は両親の職場だった事もあり、毎週お休みの日には連れて行ってくれた。

忘れもしない。今は亡き両親の思い出なんだから。目を閉じれば、色鮮やかによみがえる楽しい日。


「わぁ…コアラさんだぁ。ほわわ近づいてきた」

母「あらあら、動物に好かれやすい所はパパにそっくりね。」

父「そうか？ママ似じゃないのか？都子は小動物によく懐かれているし」

2人と一緒に手を繋ぎながらコアラを見たり…


母「じゃーん！都子が好きなウサギ型のポーチよ！使ってね」

「やったぁ！お母さんありがとう！嬉しい！」

父「良いポーチだな。大切にするだぞ都子。」

お母さんにウサギ型のポーチを買ってもらい喜んだり…


「お父さん！キリンさんごはん食べてくれた！」

父「おおっ普段は人からの餌は食べないのに。」

母「大型動物に懐かれるなんて…やっぱりパパ似よ」

お父さんに抱っこされながら、キリンの餌やりだってした。


そんな中…

父「さあっ都子。クロ君の所にも行こうか」

「うんっ！クロ君に会いたい！楽しみ～」

母「………」
(…何事も起きませんように…)

キリンもコアラも好きだけど、私には当時1番好きな動物がいた。その動物は【黒猫】。

お父さんが言うにはクロ君は特別な猫で、大人になるまで動物園の人が見守りながら育てないといけないんだと教えられていた。

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「クロ君！お待たせ～！会いたかったぁ」

クロ「ピャー…」

私を見つけるとクロ君はヨチヨチと歩み寄り、ガラス越しの私の手を頬擦りした。
かわいい！頭をヨシヨシしたい。

父「…ちょっと待ってな。都子。顔と手と足にガードを付けて」

「うんっ分かった！んしょっと…これで良い？」

父「OKバッチリ！さあ行っておいで。オイラとママは側で見ているから」


当時の私はクロ君の事を猫だと思っていた。
人懐っこくて、猫と変わらない大きさ…ライオン・チーターの肉食獣は外にいたから。

「クロ君！わゎっくすぐったい」

クロ「グルルル グルル」スリスリ

私の頬に頬擦りしたり、ペロペロ舐めるクロ君が……まさか1年後、私を襲うなんて…


母「パパ…そろそろ、都子とクロ君の直接の接触はやめた方が…いくら園の決まりでも…」

父「そうだな…いくら懐いていても…本能には抗えない。今後は窓越しにするよう園長に話をつけるよ」

動物園関連で両親が死ぬなんて…思いもしなかったの。