無表情な黒豹騎士に懐かれたら、元の世界に戻れなくなった私の話を切実に聞いて欲しい!

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第1章 ようこそ!獣人の国クモード王国へ

第6話 アメジスト色の瞳を持った褐色美女と友達になった件について③

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第6話 アメジスト色の瞳を持った褐色美女と友達になった件について③
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デートとは…

デート。それは交際中の2人または互いに恋愛的な展開を期待している2人が、日時や場所を決めて会う事。

「………」

デート…そんな色めいたイベントがまさか私に……いやいやいやっ無い無い。だって私だよ。おデブだし、残念なお顔だし、絶対にありえない。ルビーちゃんやミカヅキさんの様な美女だったら分かるよ。

もしかするとダークさんは…

和食のレパートリーを増やして欲しくて…私を食事に誘ったかもしれない。アイデア提供として。それか…10%の希望を込めて、お友達としてのお誘いだったり…

そう!そうに違いない!それだったらあの甘酸っぱい感情も辻褄が合う。良かった…もしデートのお誘いだったら確実に令嬢達に殺されかけたかもしれないし。

てっきり、ダークさんの美的感覚がとち狂っているかと思ったよ。はぁーよかった。よかった。

「…多分、ダークさん。和食のレパートリーを増して欲しくて食事に誘ったんでしょうね。」

ミカヅキ「…そっそうかしら?でも甘酸っぱい感情が…」

ルビー「そうよね!…どんな女性にも靡かない、あのダークさんだもの。毎日ヨーグルちゃんが作っている和食を食べているし。」

ミカヅキ「ルビーちゃん?!」

ルビー「…………」ちらっ
(…ミカヅキちゃん、ここは納得した振りを。私に良い案があるの。)

ミカヅキ「……………」じー
(良い案?それはヨーグルちゃんの為なの?)

ルビー「…………」コクコク
(もちろんっヨーグルちゃんを守る為よ!)

ミカヅキ「……あの感情は私の気のせいね。彼…無表情黒豹騎士だもの。完全に「和食」目当てよね。」

ミカヅキさんがフウとため息をつき、私をじっと見た。なっ何だろう?そんな見つめられるとドキドキする。

ミカヅキ「でも念には念を…ダーク・スカイさんは肉食獣だから…人間のヨーグルちゃんは気をつけね。どちらの意味でも食べられない様に。」

「ひゅぇ…たっ食べ…気をつけます(汗)」

恐ろしい事を言われて、頭を優しく撫でられた。…あぁ…改めて実感した。人間も食べられる側なんて…ここやっぱり異世界なんだと。


ーーーーー
ーーーーー


あの後、私達はお茶会を続け、会話に花を咲かせた。

クモード王国でオススメの喫茶店の話。

ルビーちゃん達について…魔法と薬草の話。

私が作る料理の話やレシピ提供。

色んな話をしていたら、あっという間に空がオレンジ色になっていた。名残惜しいけど、そろそろ部屋に戻る時間だ。

帰りの身支度をして、2人に頭を下げた。

「今日はありがとうございました。また3人でお茶会しましょう!」

ルビー「こちらこそありがとう!ヨーグルちゃんが作るオカズ、とても美味しかったわ。次も楽しみ!」

ミカヅキ「私も楽しかったわ。お茶会以外にも喫茶店巡りとかもしましょうね。」

「はいっ是非っ!ルビーちゃん、ミカヅキさん、また明日。お邪魔しました。」

2人に手を振り、私はルビーちゃんの部屋を出た。


キィィ…バタン!!(ドアが閉まる音)


だけど…知らなかったんだ。


ルビー「さあ…行ったわね。ミカヅキちゃん。」

ミカヅキ「えぇ…分かっている。始めましょうか。作戦会議。どうやってヨーグルちゃんを守るか…」

ルビー「そうね。やっぱり……」

2人がこんな会話をしていたなんて…

後に2人の行動がキッカケで彼の恐ろしい一面を目の当たりするとは…

この時の私は…思いもしなかったの。

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