無表情な黒豹騎士に懐かれたら、元の世界に戻れなくなった私の話を切実に聞いて欲しい!

カントリー

文字の大きさ
44 / 62
第1章 ようこそ!獣人の国クモード王国へ

第13話 元の世界へ戻る方法が見つかった件について②

しおりを挟む
……………………………………………………
第13話 元の世界へ戻る方法が見つかった件について②
……………………………………………………


「…まずは、この4冊から探そう。見つかると良いな。」

あれから30分後…異世界転移に関連した本を3冊選び終わり、本を両手で抱え込み、座席へ向かった。

カツ カツ(足音)

カツ

「……(あっルビーちゃん)」

座席にはルビーちゃんが先に座っていて、本を読んでいた。ただ…彼女の両隣に置いている山積みの本…グラグラしているような。衝撃を与えないように移動を…。

そろー…と振動を出さないよう席つき、ルビーちゃんの様子を伺った。

すると…ルビーちゃんは『!!』という感じの驚いた表情となり、椅子から勢いよく立ち上がる。

ガタンッ!!!

立ち上がった振動で山積みの本が揺れ出してしまった。…あ…このままだと…まずい!ルビーちゃん!!!

「危ないっ…」

バサバサバサバサーー!!

私が駆け寄る前に山積みの本は雪崩のように崩れて、彼女を覆い被さった。そっそんな…ルビーちゃん軽いから本の重さでペシャンコに…早く掘り起こさないと!!


「ルビーちゃん!!」

ルビー「見つけたわ!!」ガバ!!

予想に反して、ルビーちゃんは本の山から勢いよく起き上がり、私と目が合うと興奮した様子で衝撃的な内容を言葉にした。

ルビー「ちょうど良かった都子ちゃん!見つけわよ。【元の世界へ戻る方法】!!」

……今なんと…「元の世界へ戻る方法」って言ったよね…

「えっ…本当?!まだ探し始めて1時間も立ってないのに…早い!!ありがとうございます。ルビーちゃん!!」

ルビー「うふふ、もっと褒めて良いわよ。…ただぁ…」しゅん…

「ただ?」

…何だろう。良くない事を見つけたのかな?少しドキマギしながら、彼女の言葉を待つと…


ドタ ドタ ドタ ドタ

ドタ ドタ ドタ

ドタ ドタ

突然、こちらに向かってくる足音が聞こえて。勢いよく扉が開いた。

バンッ!!(扉が開く音)

リール「大きな音がしたが、大丈夫か!!2人とも!!」

ルビー「リール国王!本日はメチル街の視察のはずじゃ?!」

足音の正体はリール国王だった。彼は急いで走ったのか、少し息を切らしていた。


……………………………………………………


………………………………


…………………………………………
【散らばった本を片付け中】

リール「さあて、俺の出番だな。」

ルビー「リール国王っ!散らばった本はこの私が原因なので、手を煩わせるには……って!ぇぇぇぇ!!」

リール「こんな重たいの。ルビーと都子ちゃんに持たせるわけにいかないだろ。」

ひょっいと数十冊の本をリール国王は軽々と持ち上げた。

リール「俺に任せとけって。あっ惚れても良いぞ。ルビー!」

ルビー「ほっ…惚れっ?!////~~私も片付けますっ」

ウィンクするリール国王、彼を見て頬をピンク色に染めるルビーちゃん。2人の様子を見て、何だか小●ちゃんキャンディーが食べたくなった。

…………………………………………

……………………………………………………

………………………………



3人でいや…殆どリール国王が本を机に整頓した後、話を再開した。



リール「つまり、ルビーは都子ちゃんの世界へ行く方法を見つけたと…」

「はいっこの本に【元の世界へ戻る方法】を見つけました。」

パラ パラパラ(ページを開く音)

ルビーちゃんは該当のページを開き、私たちに見せた。ページにはこの様に記載されていた。
  
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


【元の世界へ戻る方法】

迷い込んでしまった異世界人へ

この本を手にした事は異世界人若しくは彼らの友人だね。

ここでは私が見つけた。元の世界に戻る方法をいくつか紹介をするね。

ひとつ。牡丹王国の「暁の社」。
この場所は⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎に繋がっているが、どこに繋がっているのか不明。

ふたつ。パンド王国の「⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎」。
この場所は色んな世界に繋がっている。しかしながら、生きた者が辿り着ける確率は低い。

みっつ。クモード王国の「ラピスラズリの森ー月夜の泉」満月の夜に、あるアイテムを身につけ、泉の前に立つと元の世界へ戻る事ができるよ。

私のおすすめは、クモード王国の「ラピスラズリの森ー月夜の泉」だよ。あるアイテムの作り方は別冊にまとめて、この書物室の何処かに隠しているよ。

見つける方法は⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎。


最後に本を見たら元の場所に戻し、協力者以外は内緒にする事。特に貴方に対して重い感情を持つ人に伝えてはいけない。

伝えたら最後…私の様に2度と元の世界へ帰れなくなるから。

まもなく、私はあの人に見つかる。…あぁ…故郷の遠江国に帰りたかった…長屋の皆んなに、ただいまって言いたかったな。

どうか貴方だけは私の様にならないで。

この情報が貴方の手助けになります様に。


最初の異世界転移者 雨森 澄香

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー







 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【完結】異世界転移した私、なぜか全員に溺愛されています!?

きゅちゃん
恋愛
残業続きのOL・佐藤美月(22歳)が突然異世界アルカディア王国に転移。彼女が持つ稀少な「癒しの魔力」により「聖女」として迎えられる。優しく知的な宮廷魔術師アルト、粗野だが誠実な護衛騎士カイル、クールな王子レオン、最初は敵視する女騎士エリアらが、美月の純粋さと癒しの力に次々と心を奪われていく。王国の危機を救いながら、美月は想像を絶する溺愛を受けることに。果たして美月は元の世界に帰るのか、それとも新たな愛を見つけるのか――。

【完結】身分を隠して恋文相談屋をしていたら、子犬系騎士様が毎日通ってくるんですが?

エス
恋愛
前世で日本の文房具好き書店員だった記憶を持つ伯爵令嬢ミリアンヌは、父との約束で、絶対に身分を明かさないことを条件に、変装してオリジナル文具を扱うお店《ことのは堂》を開店することに。  文具の販売はもちろん、手紙の代筆や添削を通して、ささやかながら誰かの想いを届ける手助けをしていた。  そんなある日、イケメン騎士レイが突然来店し、ミリアンヌにいきなり愛の告白!? 聞けば、以前ミリアンヌが代筆したラブレターに感動し、本当の筆者である彼女を探して、告白しに来たのだとか。  もちろんキッパリ断りましたが、それ以来、彼は毎日ミリアンヌ宛ての恋文を抱えてやって来るようになりまして。 「あなた宛の恋文の、添削お願いします!」  ......って言われましても、ねぇ?  レイの一途なアプローチに振り回されつつも、大好きな文房具に囲まれ、店主としての仕事を楽しむ日々。  お客様の相談にのったり、前世の知識を活かして、この世界にはない文房具を開発したり。  気づけば店は、騎士達から、果ては王城の使者までが買いに来る人気店に。お願いだから、身バレだけは勘弁してほしい!!  しかしついに、ミリアンヌの正体を知る者が、店にやって来て......!?  恋文から始まる、秘密だらけの恋とお仕事。果たしてその結末は!? ※ほかサイトで投稿していたものを、少し修正して投稿しています。

面倒くさがりやの異世界人〜微妙な美醜逆転世界で〜

波間柏
恋愛
 仕事帰り電車で寝ていた雅は、目が覚めたら満天の夜空が広がる場所にいた。目の前には、やたら美形な青年が騒いでいる。どうしたもんか。面倒くさいが口癖の主人公の異世界生活。 短編ではありませんが短めです。 別視点あり

主人公の義兄がヤンデレになるとか聞いてないんですけど!?

玉響なつめ
恋愛
暗殺者として生きるセレンはふとしたタイミングで前世を思い出す。 ここは自身が読んでいた小説と酷似した世界――そして自分はその小説の中で死亡する、ちょい役であることを思い出す。 これはいかんと一念発起、いっそのこと主人公側について保護してもらおう!と思い立つ。 そして物語がいい感じで進んだところで退職金をもらって夢の田舎暮らしを実現させるのだ! そう意気込んでみたはいいものの、何故だかヒロインの義兄が上司になって以降、やたらとセレンを気にして――? おかしいな、貴方はヒロインに一途なキャラでしょ!? ※小説家になろう・カクヨムにも掲載

甘い匂いの人間は、極上獰猛な獣たちに奪われる 〜居場所を求めた少女の転移譚〜

具なっしー
恋愛
「誰かを、全力で愛してみたい」 居場所のない、17歳の少女・鳴宮 桃(なるみや もも)。 幼い頃に両親を亡くし、叔父の家で家政婦のような日々を送る彼女は、誰にも言えない孤独を抱えていた。そんな桃が、願いをかけた神社の光に包まれ目覚めたのは、獣人たちが支配する異世界。 そこは、男女比50:1という極端な世界。女性は複数の夫に囲われて贅沢を享受するのが常識だった。 しかし、桃は異世界の女性が持つ傲慢さとは無縁で、控えめなまま。 そして彼女の身体から放たれる**"甘いフェロモン"は、野生の獣人たちにとって極上の獲物**でしかない。 盗賊に囚われかけたところを、美形で無口なホワイトタイガー獣人・ベンに救われた桃。孤独だった少女は、その純粋さゆえに、強く、一途で、そして獰猛な獣人たちに囲われていく――。 ※表紙はAIです

【完結】神から貰ったスキルが強すぎなので、異世界で楽しく生活します!

桜もふ
恋愛
神の『ある行動』のせいで死んだらしい。私の人生を奪った神様に便利なスキルを貰い、転生した異世界で使えるチートの魔法が強すぎて楽しくて便利なの。でもね、ここは異世界。地球のように安全で自由な世界ではない、魔物やモンスターが襲って来る危険な世界……。 「生きたければ魔物やモンスターを倒せ!!」倒さなければ自分が死ぬ世界だからだ。 異世界で過ごす中で仲間ができ、時には可愛がられながら魔物を倒し、食料確保をし、この世界での生活を楽しく生き抜いて行こうと思います。 初めはファンタジー要素が多いが、中盤あたりから恋愛に入ります!!

幼い頃に、大きくなったら結婚しようと約束した人は、英雄になりました。きっと彼はもう、わたしとの約束なんて覚えていない

ラム猫
恋愛
 幼い頃に、セリフィアはシルヴァードと出会った。お互いがまだ世間を知らない中、二人は王城のパーティーで時折顔を合わせ、交流を深める。そしてある日、シルヴァードから「大きくなったら結婚しよう」と言われ、セリフィアはそれを喜んで受け入れた。  その後、十年以上彼と再会することはなかった。  三年間続いていた戦争が終わり、シルヴァードが王国を勝利に導いた英雄として帰ってきた。彼の隣には、聖女の姿が。彼は自分との約束をとっくに忘れているだろうと、セリフィアはその場を離れた。  しかし治療師として働いているセリフィアは、彼の後遺症治療のために彼と対面することになる。余計なことは言わず、ただ彼の治療をすることだけを考えていた。が、やけに彼との距離が近い。  それどころか、シルヴァードはセリフィアに甘く迫ってくる。これは治療者に対する依存に違いないのだが……。 「シルフィード様。全てをおひとりで抱え込もうとなさらないでください。わたしが、傍にいます」 「お願い、セリフィア。……君が傍にいてくれたら、僕はまともでいられる」 ※糖度高め、勘違いが激しめ、主人公は鈍感です。ヒーローがとにかく拗れています。苦手な方はご注意ください。 ※『小説家になろう』様『カクヨム』様にも投稿しています。

獣人の世界に落ちたら最底辺の弱者で、生きるの大変だけど保護者がイケオジで最強っぽい。

真麻一花
恋愛
私は十歳の時、獣が支配する世界へと落ちてきた。 狼の群れに襲われたところに現れたのは、一頭の巨大な狼。そのとき私は、殺されるのを覚悟した。 私を拾ったのは、獣人らしくないのに町を支配する最強の獣人だった。 なんとか生きてる。 でも、この世界で、私は最低辺の弱者。

処理中です...