-RINNE-ボーイズラブ恋愛シミュレーション人狼『輪廻』

TERRA

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男子寮のミステリー

キャンプファイヤーミステリー/男子寮のミステリー

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夏の夜、男子寮の生徒たちは湖畔でキャンプファイヤーを囲んでいた。
湿った土の匂いと薪の香ばしい煙。湖面には炎が揺らめき、星空と混じり合って影を長く落としている。

「やっぱ夏はこれだな! 湖畔でキャンプファイヤー、最高!」
葵が薪を放り込み、炎がぱちぱちと弾けるたびに笑みを見せる。

「でも……湖って、夜は暗すぎて怖くない?」
緑は膝を抱え、火に照らされる横顔を曇らせる。
水面の闇を見つめる瞳が不安に揺れた。

「何ビビってんの。こういうとこ、面白いこと起きそうでワクワクするじゃん?」
桃瀬が緑の肩をぽんと叩き、にやりと笑う。
緑は小さく肩をすくめ、ますます縮こまった。

その時だった。
湖の中央で揺れていた浮き灯が、ふっと掻き消えるように消えた。
一同は息を呑み、焚き火の熱が一瞬遠のいたような錯覚に包まれる。

「……今の、見た?」
輪廻の低い声が、張り詰めた空気を裂いた。

「灯りが消えた瞬間、変な風、吹いたよね?」
桃瀬が湖を指差す。
声は強がっているが、指先は小さく震えている。

「う、うわぁあっ……湖の幽霊とかじゃ……!」
緑が葵の背に隠れ、裾をぎゅっと握る。

「幽霊かどうかは……調べてみないとね。」
輪廻が静かに言い、湖畔の闇を見つめる。
その目はどこか決意を帯びていた。

湖沿いを歩くと、足元の草が露で濡れる。
月明かりの湖面は鏡のようで、自分たちの影が別世界の人影のように揺れた。
やがて彼らは、岸辺に放置された小舟を見つける。

「怪しいのはこれじゃない?」
桃瀬が指差す。
舟の縁には、灯りを消すために使われたらしい濡れた布が掛けられていた。

「誰かが、わざと灯火を消した……ってことか?」
葵が唸る。

「うわぁ、鉤爪男とか?……絶対やばいヤツじゃん……」
緑は湖から視線を逸らしながら震える声を出す。

その直後、背後から「おい」と低い声が響いた。
一同が振り返ると、そこには釣竿を持った老漁師が立っていた。
月明かりに浮かぶ姿はまるで幽霊のように見える。

「ひぃっ……!」
緑が悲鳴をあげ、桃瀬が思わず背中を押して前に出る。

輪廻が一歩進み出て、落ち着いた声で問いかけた。
「あなたが……灯火を消したんですか?」

老漁師は一瞬驚いた顔をしたが、すぐに苦笑を浮かべた。
「悪かったな。魚が灯りに驚いて寄って来なくてな……つい、布で覆っちまったんだ。」

「……なんだよ、それ!」
葵が肩を落とし、桃瀬は思わず吹き出した。

「ほらー! やっぱり幽霊じゃなかったじゃん!」
桃瀬は声を張り上げて笑い、緑は安堵のあまりへたり込む。

老漁師は軽く頭を下げて去っていった。
残された一同は顔を見合わせ、思わず笑いがこぼれる。

「なんだかんだで、ちょっとした冒険だったな!」
葵が明るく言うと、輪廻も口元を緩めた。

湖畔の夜は再び静けさを取り戻し、焚き火の炎が仲間たちの影を寄り添わせるように揺らしていた。
胸の奥にわずかなドキドキを残しながら、夏の夜は更けていった。
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