-RINNE-ボーイズラブ恋愛シミュレーション人狼『輪廻』

TERRA

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恋愛シミュレーション人狼RINNE

CHAPTER13赤塚/RINNE

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輪廻が目を覚ますと、そこは現実とも夢ともつかぬ異様な世界だった。

街並みの輪郭は滲み、建物はまるで紙細工のように脆く歪んでいる。
空は紫と青が渦を巻き、星のない夜空と血のような夕焼けが同居する、ありえない色彩に覆われていた。
足元の床はひび割れ、ところどころ崩れ落ちており、落ちた先には底知れぬ暗闇が広がっている。

音がない。
風もなく、人の気配もなく、ただ自分の鼓動だけが耳に響く。

「ん?なんだ……ここは……。」

不安げに声を漏らし、薄暗い廊下を進む。
次の瞬間、頭に鋭い痛みが走り、思わず壁に手をつき膝を折った。

「あっ……くそっ。葵の時と同じだ……。」

視界が揺れ、現実の境界が遠ざかる。
それでも、必死に立ち上がり、崩れかけた寮の廊下を歩き続けた。
しかし、どこまで行っても生徒の姿はなく、校舎は幽霊の棲み処のように静まり返っていた。

「……この世界線には誰もいない……。止めるどころか、俺一人で……。」

焦燥と孤独が輪廻を押し潰しそうになる。


やがて、足が勝手に導かれるようにして屋上へ辿り着く。
そこには、一人の影がフェンスに寄りかかり、遠くの渦巻く空を見上げていた。

赤塚。

「……あっ、いたっ!」
輪廻は驚きと安堵を入り混ぜた声を上げた。

その声に、赤塚はゆっくりと振り返る。
冷え切った瞳が輪廻を捕らえ、その重さに一瞬、息を奪われる。

「話があるっ!」
声を張り上げ、彼に近づこうとした。

「……言われなくても分かってる。」
赤塚は低く呟き、再び視線を遠くへ戻す。

「えっ……?」
戸惑う中、赤塚は深いため息を吐き、ぽつりと語り始めた。

「俺は……男なんて好きになっちゃいけなかったんだ。」


「は……?」
輪廻は呆然と声を漏らす。

赤塚は自嘲の笑みを浮かべると、言葉を続けた。
「決められた服を着て、決められたレールを進んで、決められた相手と結婚して……。親父や祖父のように立派な人間になれって、小さい頃から叩き込まれてきた。」

語る声は淡々としているのに、その奥には深い絶望が潜んでいる。
輪廻は胸を締め付けられるように感じ、ただ彼の言葉に耳を傾けるしかなかった。

「だけど、俺の気持ちは……?このまま一生、本当の自分を隠して生きなきゃいけないのか……。」

赤塚の声が震える。
拳を固く握りしめ、その爪が掌に食い込むほどだった。

「だけどどうせ、みんなにもバレバレだったよな……。」

「赤塚……。」
輪廻はそっと彼の名前を呼び、近づこうと手を伸ばす。

「でも、俺、馬鹿だから……ああやって隠すしかなかったんだ。」
赤塚は目を閉じ、肩を落とすように吐息を漏らした。

言葉を探すが、見つからない。
ただ、彼の沈黙の隙間に耳を澄ませる。

「ちゃんと伝えられてれば、こんなことにはならなかったのに……。」

赤塚の目に涙が浮かび、その雫が頬を伝う。
彼が抱えてきた後悔と悲しみが、その涙に凝縮されていた。

「ごめんな……好きだったのに……そんなこと、言えるわけなかった。言ってたら、こんなことにはならなかったのに……。」

告白は懺悔に似ていた。
その声は震え、途切れがちで、輪廻の胸を抉った。

「赤塚……?」

呼びかけると、赤塚は振り返り、硬い声音で告げた。

「お前を殺したのは、俺だ。」


その瞬間、世界が大きく揺らいだ。
紫と青の空は裂け、屋上の床が崩れ落ちる。
赤塚の姿は揺らぎ、像が乱れ、まるで存在そのものが消えていくように滲んでいった。

再び激しい頭痛に襲われ、膝をつく。
脳が焼けるような痛みの中、視界は暗転し――

無機質なメニュー画面が浮かび上がる。

「はー……はー……はー……。」
荒い息を吐きながら、画面を睨みつける。

「CHAPTER13CLEAR」
その文字が無情に点滅し、下には「推理パート」の選択肢が浮かんでいた。

「なに……俺を、殺した……?どういう……。」
混乱に頭を抱える。

こめかみを押さえながら、なおも前へ進むため、震える手で選択肢に触れた。

その刹那、新たな真実への扉が、静かに開かれていった。

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