81 / 81
さいしゅうしょう!
エピローグ
しおりを挟む
頭上で光の天使がラッパを吹き鳴らしている。アリーは眉間にぎゅっと皺を寄せて、深く長い溜息を漏らした。
「マディロール様ってばうるさいです。神様が交代して、天界は組織再編で大忙しなんでしょ? オランドリアも譲位とかなんとかで大忙しなんで、毎日来ていただかなくて結構なんですけど」
『えー。王太子と寄り添って生きていくって腹を固めたんだろ? だったらさっさと結婚式挙げろよ。早くしてくれねえと、俺もこの世界から転属になっちゃうかもだぞ?』
「そうしたいのは山々でも、簡単な話じゃないんですよ。王太子妃として淑女の規範となるって、一介の男爵令嬢にはハードルが高すぎてですね……」
肩で息を吐きだすアリーを見ながら、マディロールはつまらなそうにラッパを鳴らした。アベルが眉尻を下げながら微笑む。
『まあクルネア男爵家はお金がないし、公爵令嬢だったころの美貌もないですしねえ。なのに王弟の養女にもならない、闇の聖女としての活動も継続しないって決めたのはアリーですから。多少の苦労は致し方ないんじゃないですか』
『アベル、羅列するのはやめてさしあげろ。ご主人が事実に打ちのめされてる』
「いいんだよたっくん、とんでもない苦労をするってわかってて決めたことだし」
アリーは乾いた笑いを浮かべた。でも正直なところ、苦労ならこれまでもずっとしてきたから、たいして辛くはないのだ。
「マクシミリアンと話し合って決めたから、いいの。闇の聖女については、最初から突破口として演じるだけのつもりだったし。闇治癒魔法については研究すべきだと思うけど、長い目で考えると、特別な才能に依存しない国を作っていかなきゃいけないから」
『ま、私も面倒くさがりの闇の使徒なので。アリーにずーっと闇の聖女でいたいって言われたら、諸手を挙げて喜べなかったかもですねえ』
『おまえ、天界であれだけ闇の治癒魔法の有用性を喋り倒したくせに……』
マディロールが呆れ顔でアベルを見つめる。アベルはしれっと『まあ抑止力ってやつですよ』と微笑んだ。
天界ではクーデターというか一揆というか、とにかくそういった革命的なものが起こったらしい。やはり神のやり方に反発していた天使が一定数いて、着々と準備を進めていたのだそうな。
アリーごとき下々の者(天界の世界序列的に)が、うっかり闇の治癒魔法なんぞに目覚めたことが駄目押しとなり、聖女ミアをこの世界に送り込んできた神様はトップの座から転落したのだという。
ちなみに聖女ミアは全身ぐるぐる巻きにされて芋虫のような格好で回収され、元居た世界に送り返されることになった。まずはちっちゃな虫レベルからやり直しだそうだ。
ミアがどうなろうと、もはやこの世界には何の変化ももたらさない。だからアリーは、もう思い返さないことにした。彼女から受けた痛みは容易に思い出せるが、そればかりに囚われると大切なことを見失いそうだから。
<しかし、人として大事なところが欠損していたミアなのに、どうして聖女なんかになろうと思ったんだろう……>
救いの手を求めている人はいっぱいいる。真面目にやろうと思えばすごく大変なお仕事に違いないのに。まああの子のことだから、単に救世主として祭り上げられたかっただけなんだろうな、とアリーは遠くを見つめた。
『お、王太子が帰ってきたぞ。これからデートか?』
マディロールがワクワクしたような声を上げる。窓の外に目をやると、中央に行っていたマクシミリアンが戻ってきたところだった。
『うん、山に行くの。おばあちゃんたちも一緒に』
アベルとマディロール、そしてブローチ状になっているたっくんまでもが『山かあ』という顔つきになる。
闇治癒魔法を全身にみなぎらせてマクシミリアンの腕に飛び込んだあの日も、アリー達は山へ行った。
記憶に蓋をして、鉄亜鈴を上から十個重ねるレベルで封印しといた方が平和だったかもしれない過去の記憶。慎重に言葉を選び、事実を伝えるためには、とりあえず山に行くのがベストに思えた。完璧に毒されすぎて、アリーも己の思考回路がよくわからない。
『じゃ、私たちは静かに出歯亀しましょうかねえ』
『光の天使も闇の使徒も、今はまったく暇じゃねえけど、たまにはいいよな』
一応はデートという点を考慮してくれているのだろう、アベルが黒点に、マディロールが白点に吸い込まれていく。山についてこない、という選択肢はないらしい。
「アリー、ただいま。スティラが叔父上の養女になることが、正式に決まったぞ」
「本当ですか! ああ、よかった。スティラ様の大切な門出を、全力でお祝いしなくてはっ!」
アリーはぱああっと頬が紅潮するのを感じた。天界がゴタゴタしているのと時を同じくして、オランドリア王国にも激震が走っていた。
闇の聖女アリーの前で恥も外聞もない豹変っぷりを見せた国王夫妻は、聖女ミアをもてなすためにありえないレベルの散財をしていたこと、それ以前に国のかじ取りがあまりにもアレ過ぎた証拠を山のように突き付けられ、すったもんだの末に譲位を決めた。
かつてスティラが暮らしていた離宮に送られ、表向きは静養中ということになっているが、実際のところは幽閉に近い。
マクシミリアンがまだ19歳で未成年ということもあり、ひとまずラドフェン公爵が王位につくことになった。ご本人が「あくまでも中継ぎ」と主張しているので、恐らく3~4年後にはマクシミリアンが若き王となると思われる。
「やっぱり、殿下も一緒に養子に入られるのですか?」
「ああ。国のためには、その方がいいだろうということになった」
すっかり転移陣を出すことに慣れたマクシミリアンと一緒に、アリーはあっという間に山へと移動した。騒動の後闇の魔法石をアベルに返そうとしたのだが、ちょっと気の早い結婚祝いとして完全譲渡してくれた。
まさかマクシミリアンと兄妹になるわけにもいかないし、男爵令嬢である今の自分を否定したくもないので、現状すんなり結婚できるかというと微妙なところだ。
それでもアリーは、マクシミリアンと幸せになりたい。彼の覇気に耐えられる令嬢は貴重なので、今のところ対抗馬はいない。
しかし貴族社会、表はものすごく華やかだが、裏側はとてつもなく陰険でドロドロしている。マクシミリアンは全力でアリーを愛し、守ってくれるだろうが、相当努力しないと王太子妃としてはやっていけないだろう。
「アリーが側にいてくれて、本当に幸せだ」
マクシミリアンは地面にドスンと腰を下ろし、アリーの手を優しく引っ張る。アリーは素直に身を任せ、分厚い身体の中にすっぽりと収まった。
「わたしも、あなたにそう思って貰えてとても幸せです」
逞しい筋肉はアリーの居場所だ。かけがえのない、居心地のいいそこは、やっぱりちょっと男臭い。周囲を飛んでいるおばあちゃんたちが、生ぬるい笑顔を向けてくる。
アリーが一大決心して打ち明けた過去の記憶を、マクシミリアンは真剣に聞いてくれた。疑うことも笑うこともせず、すまなかったと泣いてくれた。
「夢の中で俺は、大切な人の心も命も救えなかった。もっと頭がよかったら、もっと強かったらと、頑張って頑張って……そうか、夢の娘を俺は救えたのか……そうか……」
そう言って子どもみたいに慟哭されて、アリーは腕の中にマクシミリアンの体を抱いた。筋肉がはち切れそうなせいで腕がつりそうになったが、アリーの中に蓄積されていた膿みたいなものが、すっかり消え去るのを感じた。
泣きながら一生守ると宣言してもらえて、アリーは自分の心の中が薔薇色になっていくのを感じたものだ。
マクシミリアンが腕の中のアリーの頭を、宝物のように撫でてくる。
「がんばろう、色々と。どんな天変地異が襲ってきても、絶対に俺が守るから」
「まあ殿下は絶対に倒れないだろうなって確信していますけど、もう来てほしくはないです、天変地異……」
今となっては、対になったお人形のように美しかっただけの非力な貴公子と体力のないご令嬢ではないから、わりと対応できてしまうのかもしれないが。
しかし生きていれば大なり小なり嫌なことは起こる。そのひとつひとつを、一生を共に歩めるかどうかの試金石として乗り越えていくしかないんだろう。
「もしもまた「何か」が降ってきてもそれに打ち勝ち、新しい未来へと進むために、これからも鍛え続けて行かないとな。ジャンも元気になったら、しっかり鍛えてやろう」
「ほどほどにしてあげてくださいね。まあ、そういうところが好きなんですけどね。殿下も国を導いていく準備をしないといけませんから、山にばかり籠ってはいられませんよ」
むう、と覇王が唸る。そして顔を赤くして「俺も好きだ」と囁いた。アリーはころころと笑い声を上げた。
辛いとき、悲しいとき、そして悩んだときには筋肉トレーニングがモットーの王太子と側近たちによってたかって可愛がられ、ジャンもやる気を見せつつあるので、それはそれでいいのかもしれないが。
アリー自身も困難に立ち向かうために、引き続き鍛えていく所存だ。
人間というのは脆いときは脆いが、しぶといときはとことんしぶといということを、この世界は筋肉で証明してみせたのだから。
目の前には、まだ終わりの見えない階段がある。2人で手を繋いで登っていくために、アリーはマクシミリアンの耳元で「トレーニングしましょう」と囁いた。
出歯亀魔王と天使、紳士なたっくんまでが盛大なため息をつき、おばあちゃんたちが肩をすくめた。それを見て、アリーとマクシミリアンは弾けるように笑ったのだった。
「マディロール様ってばうるさいです。神様が交代して、天界は組織再編で大忙しなんでしょ? オランドリアも譲位とかなんとかで大忙しなんで、毎日来ていただかなくて結構なんですけど」
『えー。王太子と寄り添って生きていくって腹を固めたんだろ? だったらさっさと結婚式挙げろよ。早くしてくれねえと、俺もこの世界から転属になっちゃうかもだぞ?』
「そうしたいのは山々でも、簡単な話じゃないんですよ。王太子妃として淑女の規範となるって、一介の男爵令嬢にはハードルが高すぎてですね……」
肩で息を吐きだすアリーを見ながら、マディロールはつまらなそうにラッパを鳴らした。アベルが眉尻を下げながら微笑む。
『まあクルネア男爵家はお金がないし、公爵令嬢だったころの美貌もないですしねえ。なのに王弟の養女にもならない、闇の聖女としての活動も継続しないって決めたのはアリーですから。多少の苦労は致し方ないんじゃないですか』
『アベル、羅列するのはやめてさしあげろ。ご主人が事実に打ちのめされてる』
「いいんだよたっくん、とんでもない苦労をするってわかってて決めたことだし」
アリーは乾いた笑いを浮かべた。でも正直なところ、苦労ならこれまでもずっとしてきたから、たいして辛くはないのだ。
「マクシミリアンと話し合って決めたから、いいの。闇の聖女については、最初から突破口として演じるだけのつもりだったし。闇治癒魔法については研究すべきだと思うけど、長い目で考えると、特別な才能に依存しない国を作っていかなきゃいけないから」
『ま、私も面倒くさがりの闇の使徒なので。アリーにずーっと闇の聖女でいたいって言われたら、諸手を挙げて喜べなかったかもですねえ』
『おまえ、天界であれだけ闇の治癒魔法の有用性を喋り倒したくせに……』
マディロールが呆れ顔でアベルを見つめる。アベルはしれっと『まあ抑止力ってやつですよ』と微笑んだ。
天界ではクーデターというか一揆というか、とにかくそういった革命的なものが起こったらしい。やはり神のやり方に反発していた天使が一定数いて、着々と準備を進めていたのだそうな。
アリーごとき下々の者(天界の世界序列的に)が、うっかり闇の治癒魔法なんぞに目覚めたことが駄目押しとなり、聖女ミアをこの世界に送り込んできた神様はトップの座から転落したのだという。
ちなみに聖女ミアは全身ぐるぐる巻きにされて芋虫のような格好で回収され、元居た世界に送り返されることになった。まずはちっちゃな虫レベルからやり直しだそうだ。
ミアがどうなろうと、もはやこの世界には何の変化ももたらさない。だからアリーは、もう思い返さないことにした。彼女から受けた痛みは容易に思い出せるが、そればかりに囚われると大切なことを見失いそうだから。
<しかし、人として大事なところが欠損していたミアなのに、どうして聖女なんかになろうと思ったんだろう……>
救いの手を求めている人はいっぱいいる。真面目にやろうと思えばすごく大変なお仕事に違いないのに。まああの子のことだから、単に救世主として祭り上げられたかっただけなんだろうな、とアリーは遠くを見つめた。
『お、王太子が帰ってきたぞ。これからデートか?』
マディロールがワクワクしたような声を上げる。窓の外に目をやると、中央に行っていたマクシミリアンが戻ってきたところだった。
『うん、山に行くの。おばあちゃんたちも一緒に』
アベルとマディロール、そしてブローチ状になっているたっくんまでもが『山かあ』という顔つきになる。
闇治癒魔法を全身にみなぎらせてマクシミリアンの腕に飛び込んだあの日も、アリー達は山へ行った。
記憶に蓋をして、鉄亜鈴を上から十個重ねるレベルで封印しといた方が平和だったかもしれない過去の記憶。慎重に言葉を選び、事実を伝えるためには、とりあえず山に行くのがベストに思えた。完璧に毒されすぎて、アリーも己の思考回路がよくわからない。
『じゃ、私たちは静かに出歯亀しましょうかねえ』
『光の天使も闇の使徒も、今はまったく暇じゃねえけど、たまにはいいよな』
一応はデートという点を考慮してくれているのだろう、アベルが黒点に、マディロールが白点に吸い込まれていく。山についてこない、という選択肢はないらしい。
「アリー、ただいま。スティラが叔父上の養女になることが、正式に決まったぞ」
「本当ですか! ああ、よかった。スティラ様の大切な門出を、全力でお祝いしなくてはっ!」
アリーはぱああっと頬が紅潮するのを感じた。天界がゴタゴタしているのと時を同じくして、オランドリア王国にも激震が走っていた。
闇の聖女アリーの前で恥も外聞もない豹変っぷりを見せた国王夫妻は、聖女ミアをもてなすためにありえないレベルの散財をしていたこと、それ以前に国のかじ取りがあまりにもアレ過ぎた証拠を山のように突き付けられ、すったもんだの末に譲位を決めた。
かつてスティラが暮らしていた離宮に送られ、表向きは静養中ということになっているが、実際のところは幽閉に近い。
マクシミリアンがまだ19歳で未成年ということもあり、ひとまずラドフェン公爵が王位につくことになった。ご本人が「あくまでも中継ぎ」と主張しているので、恐らく3~4年後にはマクシミリアンが若き王となると思われる。
「やっぱり、殿下も一緒に養子に入られるのですか?」
「ああ。国のためには、その方がいいだろうということになった」
すっかり転移陣を出すことに慣れたマクシミリアンと一緒に、アリーはあっという間に山へと移動した。騒動の後闇の魔法石をアベルに返そうとしたのだが、ちょっと気の早い結婚祝いとして完全譲渡してくれた。
まさかマクシミリアンと兄妹になるわけにもいかないし、男爵令嬢である今の自分を否定したくもないので、現状すんなり結婚できるかというと微妙なところだ。
それでもアリーは、マクシミリアンと幸せになりたい。彼の覇気に耐えられる令嬢は貴重なので、今のところ対抗馬はいない。
しかし貴族社会、表はものすごく華やかだが、裏側はとてつもなく陰険でドロドロしている。マクシミリアンは全力でアリーを愛し、守ってくれるだろうが、相当努力しないと王太子妃としてはやっていけないだろう。
「アリーが側にいてくれて、本当に幸せだ」
マクシミリアンは地面にドスンと腰を下ろし、アリーの手を優しく引っ張る。アリーは素直に身を任せ、分厚い身体の中にすっぽりと収まった。
「わたしも、あなたにそう思って貰えてとても幸せです」
逞しい筋肉はアリーの居場所だ。かけがえのない、居心地のいいそこは、やっぱりちょっと男臭い。周囲を飛んでいるおばあちゃんたちが、生ぬるい笑顔を向けてくる。
アリーが一大決心して打ち明けた過去の記憶を、マクシミリアンは真剣に聞いてくれた。疑うことも笑うこともせず、すまなかったと泣いてくれた。
「夢の中で俺は、大切な人の心も命も救えなかった。もっと頭がよかったら、もっと強かったらと、頑張って頑張って……そうか、夢の娘を俺は救えたのか……そうか……」
そう言って子どもみたいに慟哭されて、アリーは腕の中にマクシミリアンの体を抱いた。筋肉がはち切れそうなせいで腕がつりそうになったが、アリーの中に蓄積されていた膿みたいなものが、すっかり消え去るのを感じた。
泣きながら一生守ると宣言してもらえて、アリーは自分の心の中が薔薇色になっていくのを感じたものだ。
マクシミリアンが腕の中のアリーの頭を、宝物のように撫でてくる。
「がんばろう、色々と。どんな天変地異が襲ってきても、絶対に俺が守るから」
「まあ殿下は絶対に倒れないだろうなって確信していますけど、もう来てほしくはないです、天変地異……」
今となっては、対になったお人形のように美しかっただけの非力な貴公子と体力のないご令嬢ではないから、わりと対応できてしまうのかもしれないが。
しかし生きていれば大なり小なり嫌なことは起こる。そのひとつひとつを、一生を共に歩めるかどうかの試金石として乗り越えていくしかないんだろう。
「もしもまた「何か」が降ってきてもそれに打ち勝ち、新しい未来へと進むために、これからも鍛え続けて行かないとな。ジャンも元気になったら、しっかり鍛えてやろう」
「ほどほどにしてあげてくださいね。まあ、そういうところが好きなんですけどね。殿下も国を導いていく準備をしないといけませんから、山にばかり籠ってはいられませんよ」
むう、と覇王が唸る。そして顔を赤くして「俺も好きだ」と囁いた。アリーはころころと笑い声を上げた。
辛いとき、悲しいとき、そして悩んだときには筋肉トレーニングがモットーの王太子と側近たちによってたかって可愛がられ、ジャンもやる気を見せつつあるので、それはそれでいいのかもしれないが。
アリー自身も困難に立ち向かうために、引き続き鍛えていく所存だ。
人間というのは脆いときは脆いが、しぶといときはとことんしぶといということを、この世界は筋肉で証明してみせたのだから。
目の前には、まだ終わりの見えない階段がある。2人で手を繋いで登っていくために、アリーはマクシミリアンの耳元で「トレーニングしましょう」と囁いた。
出歯亀魔王と天使、紳士なたっくんまでが盛大なため息をつき、おばあちゃんたちが肩をすくめた。それを見て、アリーとマクシミリアンは弾けるように笑ったのだった。
493
この作品は感想を受け付けておりません。
あなたにおすすめの小説
【完結】政略婚約された令嬢ですが、記録と魔法で頑張って、現世と違って人生好転させます
なみゆき
ファンタジー
典子、アラフィフ独身女性。 結婚も恋愛も経験せず、気づけば父の介護と職場の理不尽に追われる日々。 兄姉からは、都合よく扱われ、父からは暴言を浴びせられ、職場では責任を押しつけられる。 人生のほとんどを“搾取される側”として生きてきた。
過労で倒れた彼女が目を覚ますと、そこは異世界。 7歳の伯爵令嬢セレナとして転生していた。 前世の記憶を持つ彼女は、今度こそ“誰かの犠牲”ではなく、“誰かの支え”として生きることを決意する。
魔法と貴族社会が息づくこの世界で、セレナは前世の知識を活かし、友人達と交流を深める。
そこに割り込む怪しい聖女ー語彙力もなく、ワンパターンの行動なのに攻略対象ぽい人たちは次々と籠絡されていく。
これはシナリオなのかバグなのか?
その原因を突き止めるため、全ての証拠を記録し始めた。
【☆応援やブクマありがとうございます☆大変励みになりますm(_ _)m】
何も決めなかった王国は、静かに席を失う』
ふわふわ
恋愛
王太子の婚約者として、
表には立たず、裏で国を支えてきた公爵令嬢ネフェリア。
だが――
彼女が追い出されたのは、嫉妬でも陰謀でもなかった。
ただ一つ、「決める役割」を、国が彼女一人に押しつけていたからだ。
婚約破棄の後、ネフェリアを失った王国は変わろうとする。
制度を整え、会議を重ね、慎重に、正しく――
けれどその“正しさ”は、何一つ決断を生まなかった。
一方、帝国は違った。
完璧ではなくとも、期限内に返事をする。
責任を分け、判断を止めない。
その差は、やがて「呼ばれない会議」「残らない席」「知らされない決定」となって現れる。
王国は滅びない。
だが、何も決めない国は、静かに舞台の外へ追いやられていく。
――そして迎える、最後の選択。
これは、
剣も魔法も振るわない“静かなざまぁ”。
何も決めなかった過去に、国そのものが向き合う物語。
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。
【完】聖女じゃないと言われたので、大好きな人と一緒に旅に出ます!
えとう蜜夏
恋愛
ミレニア王国にある名もなき村の貧しい少女のミリアは酒浸りの両親の代わりに家族や妹の世話を懸命にしていたが、その妹や周囲の子ども達からは蔑まれていた。
ミリアが八歳になり聖女の素質があるかどうかの儀式を受けると聖女見習いに選ばれた。娼館へ売り払おうとする母親から逃れマルクト神殿で聖女見習いとして修業することになり、更に聖女見習いから聖女候補者として王都の大神殿へと推薦された。しかし、王都の大神殿の聖女候補者は貴族令嬢ばかりで、平民のミリアは虐げられることに。
その頃、大神殿へ行商人見習いとしてやってきたテオと知り合い、見習いの新人同士励まし合い仲良くなっていく。
十五歳になるとミリアは次期聖女に選ばれヘンリー王太子と婚約することになった。しかし、ヘンリー王太子は平民のミリアを気に入らず婚約破棄をする機会を伺っていた。
そして、十八歳を迎えたミリアは王太子に婚約破棄と国外追放の命を受けて、全ての柵から解放される。
「これで私は自由だ。今度こそゆっくり眠って美味しいもの食べよう」
テオとずっと一緒にいろんな国に行ってみたいね。
21.11.7~8、ホットランキング・小説・恋愛部門で一位となりました! 皆様のおかげです。ありがとうございました。
※「小説家になろう」さまにも掲載しております。
Unauthorized duplication is a violation of applicable laws.
ⓒえとう蜜夏(無断転載等はご遠慮ください)
老聖女の政略結婚
那珂田かな
ファンタジー
エルダリス前国王の長女として生まれ、半世紀ものあいだ「聖女」として太陽神ソレイユに仕えてきたセラ。
六十歳となり、ついに若き姪へと聖女の座を譲り、静かな余生を送るはずだった。
しかし式典後、甥である皇太子から持ち込まれたのは――二十歳の隣国王との政略結婚の話。
相手は内乱終結直後のカルディア王、エドモンド。王家の威信回復と政権安定のため、彼には強力な後ろ盾が必要だという。
子も産めない年齢の自分がなぜ王妃に? 迷いと不安、そして少しの笑いを胸に、セラは決断する。
穏やかな余生か、嵐の老後か――
四十歳差の政略婚から始まる、波乱の日々が幕を開ける。
聖女は記憶と共に姿を消した~婚約破棄を告げられた時、王国の運命が決まった~
キョウキョウ
恋愛
ある日、婚約相手のエリック王子から呼び出された聖女ノエラ。
パーティーが行われている会場の中央、貴族たちが注目する場所に立たされたノエラは、エリック王子から突然、婚約を破棄されてしまう。
最近、冷たい態度が続いていたとはいえ、公の場での宣言にノエラは言葉を失った。
さらにエリック王子は、ノエラが聖女には相応しくないと告げた後、一緒に居た美しい女神官エリーゼを真の聖女にすると宣言してしまう。彼女こそが本当の聖女であると言って、ノエラのことを偽物扱いする。
その瞬間、ノエラの心に浮かんだのは、万が一の時のために準備していた計画だった。
王国から、聖女ノエラに関する記憶を全て消し去るという計画を、今こそ実行に移す時だと決意した。
こうして聖女ノエラは人々の記憶から消え去り、ただのノエラとして新たな一歩を踏み出すのだった。
※過去に使用した設定や展開などを再利用しています。
※カクヨムにも掲載中です。
【完結】奇跡のおくすり~追放された薬師、実は王家の隠し子でした~
いっぺいちゃん
ファンタジー
薬草と静かな生活をこよなく愛する少女、レイナ=リーフィア。
地味で目立たぬ薬師だった彼女は、ある日貴族の陰謀で“冤罪”を着せられ、王都の冒険者ギルドを追放されてしまう。
「――もう、草とだけ暮らせればいい」
絶望の果てにたどり着いた辺境の村で、レイナはひっそりと薬を作り始める。だが、彼女の薬はどんな難病さえ癒す“奇跡の薬”だった。
やがて重病の王子を治したことで、彼女の正体が王家の“隠し子”だと判明し、王都からの使者が訪れる――
「あなたの薬に、国を救ってほしい」
導かれるように再び王都へと向かうレイナ。
医療改革を志し、“薬師局”を創設して仲間たちと共に奔走する日々が始まる。
薬草にしか心を開けなかった少女が、やがて王国の未来を変える――
これは、一人の“草オタク”薬師が紡ぐ、やさしくてまっすぐな奇跡の物語。
※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる