11 / 132
第11話 アリアと樹の戦闘術
しおりを挟む
ギルドマスター室から出るとさっそく依頼をこなそうということで話はまとまった。
「ところで、アリアは武器とか持ってないみたいだけど、大丈夫なの?」
「いえ、私にはこれがありますから」
そう言うとくるぶしまであるスカートを太ももまでたくし上げた。
「え、ちょ、何してんの!?」
「あの、ここに私の武器があります」
そう言われて、アリアの方を向くと両太ももにリボルバータイプの銃が仕込まれていた。
弾丸は魔力が込められており、通常の弾丸より遥かに威力が高く、自動装填になっているそうだ。
「へぇ、銃か。確かに、スキルに射撃術があったもんな」
「はい、私はこれが一番気に入っております。ところで、樹さんの武器は……?」
「あ、俺の? 俺のはこれだよ」
そう言って樹はストレージから日本刀を取り出した。
この日本刀は武器職人の中でも限られた者しか作ることが出来ない。
色々な店を探し回って、ようやく手に入れた代物だ。
「え!?」
「ん? どうかしたの?」
「い、いえ、職業が賢者なので、てっきり魔法の杖の類かと思っていたので」
「ああ、魔法なんて杖なんか無くたって無詠唱で打てるからな。物理攻撃の武器の方がよっぽど使えるよ」
樹はそう言って笑った。
「それと、アリアはその服装のまま戦うの?」
「ええ、もちろん。メイドですから。それに、これはただのメイド服じゃないんですよ」
アリアのメイド服は特注品で防刃防弾加工に魔法耐性まで付いている一級品なのだ。
「なんじゃそれ、俺のコートより強いかも……」
樹のコートは自分の魔力の増加と敵の全属性魔法の威力軽減してくれる、というものだった。
これはこれで、かなりの高性能なものなのだが。
「それでしたら、私のと似たようなものですよ」
そう言ってアリアは優しく微笑んだ。
そうこう話しながら二人はギルドを出た。
「おい、お前ら、ちょっと待てよ」
樹たちのことを呼び止めているのだろうと分かったいたが、二人は無視して進もうとしていた。
「おい、待てって言っているのが聞こえないのか?」
すると、樹とアリアの前にスキンヘッドで大剣を背負っているヤツと髭面で筋肉がムキムキの男が阻んできた。
「何の用だ?」
「お前、メイドを連れてるっていう事はどっかの貴族だろ? 貴族に冒険者なんて務まるかね。俺たちが教育してやるよ。その代わり金とその女をちょいと貸してもらおうか」
男たちはニヤニヤとした気色の悪い笑みを浮かべた。
周りには他の冒険者たちも多く居る。
その冒険者たちからは男二人に憐れみの目を向けていた。
「お前ら、俺たちの事を知らないのか?」
「はぁ、なんだその目は」
アリアのことはともかく、樹のことも知らないとなると地方の街から最近王都にやって来たのだろう。
「お前ら、絡む相手、間違えたよ」
「なんだと貴様! おい、こんなガキやっちまうぞ」
スキンヘッドの男は大剣を向け、髭面な男はガントレットを装着した。
「おい、アリアどっちやる?」
「じゃあ、近い方で」
アリアはガントレットの男の方を指した。
「了解」
「ところで、アリアは武器とか持ってないみたいだけど、大丈夫なの?」
「いえ、私にはこれがありますから」
そう言うとくるぶしまであるスカートを太ももまでたくし上げた。
「え、ちょ、何してんの!?」
「あの、ここに私の武器があります」
そう言われて、アリアの方を向くと両太ももにリボルバータイプの銃が仕込まれていた。
弾丸は魔力が込められており、通常の弾丸より遥かに威力が高く、自動装填になっているそうだ。
「へぇ、銃か。確かに、スキルに射撃術があったもんな」
「はい、私はこれが一番気に入っております。ところで、樹さんの武器は……?」
「あ、俺の? 俺のはこれだよ」
そう言って樹はストレージから日本刀を取り出した。
この日本刀は武器職人の中でも限られた者しか作ることが出来ない。
色々な店を探し回って、ようやく手に入れた代物だ。
「え!?」
「ん? どうかしたの?」
「い、いえ、職業が賢者なので、てっきり魔法の杖の類かと思っていたので」
「ああ、魔法なんて杖なんか無くたって無詠唱で打てるからな。物理攻撃の武器の方がよっぽど使えるよ」
樹はそう言って笑った。
「それと、アリアはその服装のまま戦うの?」
「ええ、もちろん。メイドですから。それに、これはただのメイド服じゃないんですよ」
アリアのメイド服は特注品で防刃防弾加工に魔法耐性まで付いている一級品なのだ。
「なんじゃそれ、俺のコートより強いかも……」
樹のコートは自分の魔力の増加と敵の全属性魔法の威力軽減してくれる、というものだった。
これはこれで、かなりの高性能なものなのだが。
「それでしたら、私のと似たようなものですよ」
そう言ってアリアは優しく微笑んだ。
そうこう話しながら二人はギルドを出た。
「おい、お前ら、ちょっと待てよ」
樹たちのことを呼び止めているのだろうと分かったいたが、二人は無視して進もうとしていた。
「おい、待てって言っているのが聞こえないのか?」
すると、樹とアリアの前にスキンヘッドで大剣を背負っているヤツと髭面で筋肉がムキムキの男が阻んできた。
「何の用だ?」
「お前、メイドを連れてるっていう事はどっかの貴族だろ? 貴族に冒険者なんて務まるかね。俺たちが教育してやるよ。その代わり金とその女をちょいと貸してもらおうか」
男たちはニヤニヤとした気色の悪い笑みを浮かべた。
周りには他の冒険者たちも多く居る。
その冒険者たちからは男二人に憐れみの目を向けていた。
「お前ら、俺たちの事を知らないのか?」
「はぁ、なんだその目は」
アリアのことはともかく、樹のことも知らないとなると地方の街から最近王都にやって来たのだろう。
「お前ら、絡む相手、間違えたよ」
「なんだと貴様! おい、こんなガキやっちまうぞ」
スキンヘッドの男は大剣を向け、髭面な男はガントレットを装着した。
「おい、アリアどっちやる?」
「じゃあ、近い方で」
アリアはガントレットの男の方を指した。
「了解」
38
あなたにおすすめの小説
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
伯爵家の三男に転生しました。風属性と回復属性で成り上がります
竹桜
ファンタジー
武田健人は、消防士として、風力発電所の事故に駆けつけ、救助活動をしている途中に、上から瓦礫が降ってきて、それに踏み潰されてしまった。次に、目が覚めると真っ白な空間にいた。そして、神と名乗る男が出てきて、ほとんど説明がないまま異世界転生をしてしまう。
転生してから、ステータスを見てみると、風属性と回復属性だけ適性が10もあった。この世界では、5が最大と言われていた。俺の異世界転生は、どうなってしまうんだ。
捨て子の僕が公爵家の跡取り⁉~喋る聖剣とモフモフに助けられて波乱の人生を生きてます~
伽羅
ファンタジー
物心がついた頃から孤児院で育った僕は高熱を出して寝込んだ後で自分が転生者だと思い出した。そして10歳の時に孤児院で火事に遭遇する。もう駄目だ! と思った時に助けてくれたのは、不思議な聖剣だった。その聖剣が言うにはどうやら僕は公爵家の跡取りらしい。孤児院を逃げ出した僕は聖剣とモフモフに助けられながら生家を目指す。
【一時完結】スキル調味料は最強⁉︎ 外れスキルと笑われた少年は、スキル調味料で無双します‼︎
アノマロカリス
ファンタジー
調味料…それは、料理の味付けに使う為のスパイスである。
この世界では、10歳の子供達には神殿に行き…神託の儀を受ける義務がある。
ただし、特別な理由があれば、断る事も出来る。
少年テッドが神託の儀を受けると、神から与えられたスキルは【調味料】だった。
更にどんなに料理の練習をしても上達しないという追加の神託も授かったのだ。
そんな話を聞いた周りの子供達からは大爆笑され…一緒に付き添っていた大人達も一緒に笑っていた。
少年テッドには、両親を亡くしていて妹達の面倒を見なければならない。
どんな仕事に着きたくて、頭を下げて頼んでいるのに「調味料には必要ない!」と言って断られる始末。
少年テッドの最後に取った行動は、冒険者になる事だった。
冒険者になってから、薬草採取の仕事をこなしていってったある時、魔物に襲われて咄嗟に調味料を魔物に放った。
すると、意外な効果があり…その後テッドはスキル調味料の可能性に気付く…
果たして、その可能性とは⁉
HOTランキングは、最高は2位でした。
皆様、ありがとうございます.°(ಗдಗ。)°.
でも、欲を言えば、1位になりたかった(⌒-⌒; )
最強無敗の少年は影を従え全てを制す
ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。
産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。
カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。
しかし彼の力は生まれながらにして最強。
そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。
異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編
劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?
はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、
強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。
母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、
その少年に、突然の困難が立ちはだかる。
理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。
一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。
それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。
そんな少年の物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる