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第13話 人身売買組織の摘発
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樹とアリアはアジトとされている場所の前まで来ていた。
「ここ、だよな」
「はい、そのはずです」
そこは、王都の外れににある廃墟となっている建物だった。
『サーチ』
樹は探査系の魔法を展開した。
「確かに人の反応があるな。地下にはかなり多くの反応がある」
「攫われた人たちでしょうか?」
「ああ、恐らくな。行くか」
「はい。その前に少しよろしいですか?」
「ああ、構わないぞ」
「あの、驚かないで下さいね」
アリアはなぜか少し目を伏せた。
「俺に遠慮することないからな」
「じゃ、じゃあ」
アリアはメイド服のポケットから煙草の箱を出し、一本咥え、火をつけ、銃を抜いた。
「行きましょう」
「え、あ、うん。行こうか」
樹は内心凄く驚いていた。
こんな美少女が咥えたばこに銃を手にしているのだ。
「私、こうしているとなんというか、気合が入ると言いますか」
「なるほどなあ。まあ、いいんじゃないか」
薄暗い通路を二人は警戒しながら進む。
すると案の定、刺客たちが襲ってくる。
バン、バン、パーン
乾いた銃声が鳴り響いた。
「麻痺弾を撃ち込みました。しばらくは起きないと思います」
「おお、凄いな。俺も負けていられないな」
二人は地下へと続く階段を見つけた。
すると、突き当りにひときわ厳重な鉄製の分厚い扉があった。
両脇には組織の一員と思われる人物が立っている。
今度は樹が気配を忍ばせ近づくと、一瞬で雷系の魔法を発動させ、気絶させた。
「さすがです」
「うん、ありがとう。入るか」
樹は扉に手をかけたが、ピクリとも動かない。
「面倒だからやっちまうか」
樹は身体強化をすると思い切り扉を蹴り飛ばした。
ドゴーンという凄い音と共に扉は向こう側に倒れた。
「な、なんだ貴様は!!」
それに驚いた組織の人間たちも樹たちの姿を見ると次々に襲い掛かってきた。
それでも二人は冷静に一人ひとり倒していく。
最後に残ったのはボスらしき人物だった。
「あんたがこの組織のボスか」
「だったらどうした?」
男は眼鏡にグレーのスーツのような服装だった。
「随分と儲かっているみたいじゃないか。でも、これまでだ。大人しく投降してもらう」
「嫌だと言ったら?」
「力ずくで投降させる」
樹は刀、アリアは銃を抜いた。
「ふ、まだまだ甘いよ。お子様たち」
「何を言っている」
ドーン……
白い煙が部屋を包んだ。
「しまった……」
樹はすぐに風魔法で煙を払ったが、そこにボスの姿はなかった。
「クソったれが!」
「申し訳ありません。私の力及ばず」
「いや、アリアのせいじゃない。俺も油断してた。とりあえず攫われた人達を助けよう」
二人はさらに奥の部屋に向かった。
そこには攫わられた男女が40人ほど拘束されていた。
「皆さん、もう大丈夫です。我々はギルドから依頼され、皆さんを助けにしました」
そう言って、懐からプラチナに輝くギルドカードを提示した。
それを見ると、皆、少し安心したような目をした。
「とりあえず、一緒に来てもらいますので皆さんはそのままで」
樹たちは攫われていて人たちの拘束を解き、部屋全体を起動範囲とし、転移魔法を展開した。
「ここ、だよな」
「はい、そのはずです」
そこは、王都の外れににある廃墟となっている建物だった。
『サーチ』
樹は探査系の魔法を展開した。
「確かに人の反応があるな。地下にはかなり多くの反応がある」
「攫われた人たちでしょうか?」
「ああ、恐らくな。行くか」
「はい。その前に少しよろしいですか?」
「ああ、構わないぞ」
「あの、驚かないで下さいね」
アリアはなぜか少し目を伏せた。
「俺に遠慮することないからな」
「じゃ、じゃあ」
アリアはメイド服のポケットから煙草の箱を出し、一本咥え、火をつけ、銃を抜いた。
「行きましょう」
「え、あ、うん。行こうか」
樹は内心凄く驚いていた。
こんな美少女が咥えたばこに銃を手にしているのだ。
「私、こうしているとなんというか、気合が入ると言いますか」
「なるほどなあ。まあ、いいんじゃないか」
薄暗い通路を二人は警戒しながら進む。
すると案の定、刺客たちが襲ってくる。
バン、バン、パーン
乾いた銃声が鳴り響いた。
「麻痺弾を撃ち込みました。しばらくは起きないと思います」
「おお、凄いな。俺も負けていられないな」
二人は地下へと続く階段を見つけた。
すると、突き当りにひときわ厳重な鉄製の分厚い扉があった。
両脇には組織の一員と思われる人物が立っている。
今度は樹が気配を忍ばせ近づくと、一瞬で雷系の魔法を発動させ、気絶させた。
「さすがです」
「うん、ありがとう。入るか」
樹は扉に手をかけたが、ピクリとも動かない。
「面倒だからやっちまうか」
樹は身体強化をすると思い切り扉を蹴り飛ばした。
ドゴーンという凄い音と共に扉は向こう側に倒れた。
「な、なんだ貴様は!!」
それに驚いた組織の人間たちも樹たちの姿を見ると次々に襲い掛かってきた。
それでも二人は冷静に一人ひとり倒していく。
最後に残ったのはボスらしき人物だった。
「あんたがこの組織のボスか」
「だったらどうした?」
男は眼鏡にグレーのスーツのような服装だった。
「随分と儲かっているみたいじゃないか。でも、これまでだ。大人しく投降してもらう」
「嫌だと言ったら?」
「力ずくで投降させる」
樹は刀、アリアは銃を抜いた。
「ふ、まだまだ甘いよ。お子様たち」
「何を言っている」
ドーン……
白い煙が部屋を包んだ。
「しまった……」
樹はすぐに風魔法で煙を払ったが、そこにボスの姿はなかった。
「クソったれが!」
「申し訳ありません。私の力及ばず」
「いや、アリアのせいじゃない。俺も油断してた。とりあえず攫われた人達を助けよう」
二人はさらに奥の部屋に向かった。
そこには攫わられた男女が40人ほど拘束されていた。
「皆さん、もう大丈夫です。我々はギルドから依頼され、皆さんを助けにしました」
そう言って、懐からプラチナに輝くギルドカードを提示した。
それを見ると、皆、少し安心したような目をした。
「とりあえず、一緒に来てもらいますので皆さんはそのままで」
樹たちは攫われていて人たちの拘束を解き、部屋全体を起動範囲とし、転移魔法を展開した。
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