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第54話 隣国の第二王女様
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翌日、樹の風邪はすっかり良くなっていた。
「おはよう。昨日は心配かけて悪かったな」
樹はアリアを含め、使用人の皆に言った。
「あ、もうよくなったのですね」
「それは良かったです」
「一応、無理はしないでくださいよ」
「おう。分かってるって。アリアは大丈夫か? ずっと看病してくれたみたいだけど」
樹はアリアに移ってしまうのではないかと不安だったのだ。
「ええ、私は大丈夫です。この通り、ピンピンしてますから」
「なら、良かった。移したんじゃないかと思ってな」
「お気遣いありがとうございます」
そう言ってアリアは微笑んだ。
「早速で申し訳ないのですが、王宮からお呼び出しがかかっています。本来でしたら、昨日の予定でしたが、旦那様が倒れられたので延期となっておりました」
そう言って遠慮がちにセザールが書簡を手渡してくれた。
「ありがとう。今日、行ってくるか」
「病み上がりで大丈夫ですか?」
「まあ、体調は戻ったし、何日も待たせたら悪いからな」
もしかしたら、緊急事態かもしれない。
「かしこまりました」
「うん。じゃあ、午後から行こうか」
「かしこまりました」
そして、昼食を食べ終わると、樹とアリアは王宮へと出向いていた。
王宮に着くといつものメイドに応接間へと通された。
ソファーに腰を降ろして、数分待つと、陛下と公爵が入ってきた。
「おお、待たせてすまんかったな」
「いえ、お気になさらず」
「お前さん、風邪で倒れてたんだって。いやぁ、お前さんも人間で安心したわい」
「人を化け物みたいに言わないでくださいよ」
陛下は豪快に笑った。
「さて、本題に入ろうかの」
「はい」
「来月の頭に隣国のオリエンス王国の第二王女が、我が国の魔術学院に留学される」
「はあ、王女様が留学ですか。そんな凄いんです? うちの学院は」
「何を言っているんだ。今や、我が国の魔術学院は世界トップクラスだぞ」
「へ?」
樹が知らないところで何やら凄いことになっているらしい。
「何せ、綾瀬樹が学長でアリアがというのが効いたな。入学希望者が後を絶たんわい」
「私らは、客寄せパンダか何かですか?」
果たして、この世界にパンダが居るのかは分からないが。
「まあまあ、そんなに不貞腐れるなよ。最強の名高い君たちのおかげなのだから」
「それは嬉しい限りですがね」
「それで、第二王女がうちの国に入ってからの護衛を君たちに任せたい」
「はあ、また私たちがですか。重鎮なのはわかりますが、一応、学長なんですが」
樹は陛下に言った。
「まあ、そうなのだが、その王女さんがちょいと曲者らしくてな」
「曲者、といいますと?」
「相当、ワガママらしい」
「なるほど。曲者には曲者をってことですかね」
樹はニヤッと笑った。
「まあ、そんな所だ」
陛下もいたずらっぽく笑った。
「分かりました。やりますよ。アリアも構わないか?」
「はい、問題ありません」
「ありがとう。くれぐれもよろしく頼むよ」
陛下たちの話が終わると、樹たちは王宮を後にし、屋敷に戻るのであった。
「おはよう。昨日は心配かけて悪かったな」
樹はアリアを含め、使用人の皆に言った。
「あ、もうよくなったのですね」
「それは良かったです」
「一応、無理はしないでくださいよ」
「おう。分かってるって。アリアは大丈夫か? ずっと看病してくれたみたいだけど」
樹はアリアに移ってしまうのではないかと不安だったのだ。
「ええ、私は大丈夫です。この通り、ピンピンしてますから」
「なら、良かった。移したんじゃないかと思ってな」
「お気遣いありがとうございます」
そう言ってアリアは微笑んだ。
「早速で申し訳ないのですが、王宮からお呼び出しがかかっています。本来でしたら、昨日の予定でしたが、旦那様が倒れられたので延期となっておりました」
そう言って遠慮がちにセザールが書簡を手渡してくれた。
「ありがとう。今日、行ってくるか」
「病み上がりで大丈夫ですか?」
「まあ、体調は戻ったし、何日も待たせたら悪いからな」
もしかしたら、緊急事態かもしれない。
「かしこまりました」
「うん。じゃあ、午後から行こうか」
「かしこまりました」
そして、昼食を食べ終わると、樹とアリアは王宮へと出向いていた。
王宮に着くといつものメイドに応接間へと通された。
ソファーに腰を降ろして、数分待つと、陛下と公爵が入ってきた。
「おお、待たせてすまんかったな」
「いえ、お気になさらず」
「お前さん、風邪で倒れてたんだって。いやぁ、お前さんも人間で安心したわい」
「人を化け物みたいに言わないでくださいよ」
陛下は豪快に笑った。
「さて、本題に入ろうかの」
「はい」
「来月の頭に隣国のオリエンス王国の第二王女が、我が国の魔術学院に留学される」
「はあ、王女様が留学ですか。そんな凄いんです? うちの学院は」
「何を言っているんだ。今や、我が国の魔術学院は世界トップクラスだぞ」
「へ?」
樹が知らないところで何やら凄いことになっているらしい。
「何せ、綾瀬樹が学長でアリアがというのが効いたな。入学希望者が後を絶たんわい」
「私らは、客寄せパンダか何かですか?」
果たして、この世界にパンダが居るのかは分からないが。
「まあまあ、そんなに不貞腐れるなよ。最強の名高い君たちのおかげなのだから」
「それは嬉しい限りですがね」
「それで、第二王女がうちの国に入ってからの護衛を君たちに任せたい」
「はあ、また私たちがですか。重鎮なのはわかりますが、一応、学長なんですが」
樹は陛下に言った。
「まあ、そうなのだが、その王女さんがちょいと曲者らしくてな」
「曲者、といいますと?」
「相当、ワガママらしい」
「なるほど。曲者には曲者をってことですかね」
樹はニヤッと笑った。
「まあ、そんな所だ」
陛下もいたずらっぽく笑った。
「分かりました。やりますよ。アリアも構わないか?」
「はい、問題ありません」
「ありがとう。くれぐれもよろしく頼むよ」
陛下たちの話が終わると、樹たちは王宮を後にし、屋敷に戻るのであった。
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