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第57話 ミア姫との模擬戦
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初夏の生暖かい風が対峙する樹とミアの間に流れた。
「そんな木刀一本でやるつもり? あんた賢者でしょ?」
「ああ、気にするな。ちょっとしたハンデだ」
「私を舐めないで! 行くわよ」
そういうとミアは何やら魔法の展開準備を始めた。
それを、黙って見守る樹。
『ファイヤートルネード』
炎の柱が、渦を巻いて樹に近づいて来る。
それでも、樹はそれを避ける素振りすら見せない。
「ふん。私の魔法に驚いて声も出せないのね」
ミアは自分の魔法の実力を得意気に言った。
しかし、樹は別の意味で驚いていた。
「なんだ、この魔法。弱くね?」
樹は木刀に魔力を流した。
「はっ!」
樹は木刀を縦に振った。
すると、炎の渦は真っ二つに切り裂かれ、樹の後ろで爆発した。
「え、えぇぇぇ! そんなのあり?」
「ありだ。行くぞ」
樹は木刀を構え直し、ミアに向かって走り出した。
『ファイヤーアロー』
ミアは炎の槍を樹に樹に向かって高速で放った。
『アクアカッター』
樹はそれを、いとも簡単に下級魔法であるアクアカッターで相殺してしまう。
「う、嘘でしょ!?」
「本当です」
『魔弾』
樹はミアに魔弾を放った。
「きゃぁぁぁぁ!!」
ミアは10メートルほど、後ろまで吹き飛んだ。
「ま、まだよ。まだ私は諦めない......」
ミアはなんとか立ち上がろうとしていた。
しかし、樹の木刀の先はミアの目の前で止まっていた。
「もう、諦めろ。俺には勝てないって分かっただろ」
「そ、そんな......この私が敗北......」
「悔しかったらうちの学院に通って強くなることだな」
そう言うと樹は木刀を下ろした。
『ヒール』
樹はミアに回復魔法をかけてやった。
「回復魔法をかけた。これで、怪我や痛みは無くなっているはずだ」
「よ、余計なお世話なのよ」
ミアの悪態を後ろに、樹は陛下たちが見ている場所に戻った。
「いやぁ、中々いい試合だったじゃないか」
陛下は拍手をしていた。
「樹さま、ありがとうございます。姫様に挫折を味わって頂くのにいい機会となりました」
オリエンス王国の騎士団長が言った。
「ちょっと、やり過ぎましたかね?」
ミアはまだ同じ場所から動いていなかった。
「でも、樹さん相手にしては中々じゃないですか?」
公爵が言った。
「素質はあるんですけどね。後は気持ちの問題でしょうね」
「気持ち、というと?」
「魔法ってのは術者の気持ちが大きく左右します。負けたくないという思いが彼女は強すぎます。まあ、そこが強みになるのかも知れませんがね」
「なるほど。さすがは樹さんです」
その頃、ミアは騎士団長に促され、ポツポツと戻って来た。
「決めた! 私、あんたの学院に入学してあげるわ。そしてあんたの家に住む!」
「はい!?」
前半部分はいいのだが、後半部分が訳分からなかった。
「なんで、家に?」
「あんたを近くで見て、いつか勝つためよ!」
「あのなぁ、一応一国の姫さんなんだぞ」
「お父様の許可は取るわ」
「そういう問題じゃ......」
「まあまあ、いいじゃないか」
陛下が割って入った。
「陛下まで、国際問題になっても知りませんよ」
「その辺はワシに任せておけ」
「まあ、陛下がそういうなら構いませんが」
渋々樹は生意気姫様を自分の屋敷に住まわすことを承諾するのであった。
「そんな木刀一本でやるつもり? あんた賢者でしょ?」
「ああ、気にするな。ちょっとしたハンデだ」
「私を舐めないで! 行くわよ」
そういうとミアは何やら魔法の展開準備を始めた。
それを、黙って見守る樹。
『ファイヤートルネード』
炎の柱が、渦を巻いて樹に近づいて来る。
それでも、樹はそれを避ける素振りすら見せない。
「ふん。私の魔法に驚いて声も出せないのね」
ミアは自分の魔法の実力を得意気に言った。
しかし、樹は別の意味で驚いていた。
「なんだ、この魔法。弱くね?」
樹は木刀に魔力を流した。
「はっ!」
樹は木刀を縦に振った。
すると、炎の渦は真っ二つに切り裂かれ、樹の後ろで爆発した。
「え、えぇぇぇ! そんなのあり?」
「ありだ。行くぞ」
樹は木刀を構え直し、ミアに向かって走り出した。
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『アクアカッター』
樹はそれを、いとも簡単に下級魔法であるアクアカッターで相殺してしまう。
「う、嘘でしょ!?」
「本当です」
『魔弾』
樹はミアに魔弾を放った。
「きゃぁぁぁぁ!!」
ミアは10メートルほど、後ろまで吹き飛んだ。
「ま、まだよ。まだ私は諦めない......」
ミアはなんとか立ち上がろうとしていた。
しかし、樹の木刀の先はミアの目の前で止まっていた。
「もう、諦めろ。俺には勝てないって分かっただろ」
「そ、そんな......この私が敗北......」
「悔しかったらうちの学院に通って強くなることだな」
そう言うと樹は木刀を下ろした。
『ヒール』
樹はミアに回復魔法をかけてやった。
「回復魔法をかけた。これで、怪我や痛みは無くなっているはずだ」
「よ、余計なお世話なのよ」
ミアの悪態を後ろに、樹は陛下たちが見ている場所に戻った。
「いやぁ、中々いい試合だったじゃないか」
陛下は拍手をしていた。
「樹さま、ありがとうございます。姫様に挫折を味わって頂くのにいい機会となりました」
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「ちょっと、やり過ぎましたかね?」
ミアはまだ同じ場所から動いていなかった。
「でも、樹さん相手にしては中々じゃないですか?」
公爵が言った。
「素質はあるんですけどね。後は気持ちの問題でしょうね」
「気持ち、というと?」
「魔法ってのは術者の気持ちが大きく左右します。負けたくないという思いが彼女は強すぎます。まあ、そこが強みになるのかも知れませんがね」
「なるほど。さすがは樹さんです」
その頃、ミアは騎士団長に促され、ポツポツと戻って来た。
「決めた! 私、あんたの学院に入学してあげるわ。そしてあんたの家に住む!」
「はい!?」
前半部分はいいのだが、後半部分が訳分からなかった。
「なんで、家に?」
「あんたを近くで見て、いつか勝つためよ!」
「あのなぁ、一応一国の姫さんなんだぞ」
「お父様の許可は取るわ」
「そういう問題じゃ......」
「まあまあ、いいじゃないか」
陛下が割って入った。
「陛下まで、国際問題になっても知りませんよ」
「その辺はワシに任せておけ」
「まあ、陛下がそういうなら構いませんが」
渋々樹は生意気姫様を自分の屋敷に住まわすことを承諾するのであった。
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