110 / 132
第107話 樹たちの慰安旅行計画
しおりを挟む
慰安旅行には皆、賛成してくれた。
あとは、どこに行くかだけである。
あまり、遠くに行くのも逆に疲れるということで、旅行先はウェールズ国内に決まった。
「迷うなぁ。夏だから海とかでもいいんだろうけど」
「そうですよね」
「セザールはどこか行きたい所はないの?」
「行きたい所ですか……」
セザールは考え込んだ。
「温泉街というのはどうでしょうか?」
セザールが提案した。
「いいですね!!」
「私も賛成です」
「温泉街なら、王都からもそれほど離れていませんし、いいと思います」
「私も異論はありません」
アリアをはじめとする皆、温泉街ということで話はまとまった。
「一応、陛下にも話を通しておいた方がいいよな」
「そうでございますね。また、王都を離れることになりそうですから」
「じゃあ、ちょっと行ってくるわ」
樹は屋敷を出ると王宮へと向かった。
いつものように応接間に通され、待つこと数分、陛下が入ってきた。
「お疲れ様。オリエンス王国はどうだったかな?」
「はい、色々と楽しませてもらいましたよ」
「そうかね。そいつはよかった。それで、また、何の用かね」
「はい、また急な話になるのですが、慰安旅行に行こうと思いまして、そのご報告に」
「おお、慰安旅行か。いいな。楽しんで来いよ。お前さんたちにも休みは必要だろうしな」
そう言って陛下は笑った。
「陛下も一緒に行きます?」
「行きたいのは山々だが、何せ立場上、国を離れる訳にはいかないからな」
「そうですよね。では、僕らは来週から2泊の予定で旅行に行ってきます」
「分かった。楽しいでな。セザールにもちゃんと休むよう言ってくれ。あいつは言わないと永遠に働くからな」
「分かってます」
そう言うと樹は王宮を後にしようと席を立った。
「では、この辺で失礼します」
「おう、またな」
歩き慣れた道を歩き、屋敷へと戻った。
「陛下には話を通してきたから旅行に行けるよ」
「左様ですか。それは良かったです」
「セザールも休むように言ってたよ」
「それは恐縮です」
セザールは綺麗に一礼すると夕食の配膳へと向かった。
「言ってるそばからこれだよ。何でも自分でやらなきゃ気が済まないんだろうな」
樹は半ば呆れながらも、セザールには感謝していた。
このバカ広い屋敷の管理にはセザールは欠かせない存在だ。
それから、夕食時、陛下のお許しを貰えて旅行に行ける事をみんなに話した。
「これで温泉に行けますわね」
「マスターと温泉かぁ」
「言っとくが、一緒には入らないからな」
「チェぇ」
シルフィルが拗ねた。
「当たり前だ。来週の頭から行くから準備しておいてくれ」
「「はい」」
「「かしこまりました」」
それから、皆んなで他愛もない話をしながら夕食を楽しむのであった。
あとは、どこに行くかだけである。
あまり、遠くに行くのも逆に疲れるということで、旅行先はウェールズ国内に決まった。
「迷うなぁ。夏だから海とかでもいいんだろうけど」
「そうですよね」
「セザールはどこか行きたい所はないの?」
「行きたい所ですか……」
セザールは考え込んだ。
「温泉街というのはどうでしょうか?」
セザールが提案した。
「いいですね!!」
「私も賛成です」
「温泉街なら、王都からもそれほど離れていませんし、いいと思います」
「私も異論はありません」
アリアをはじめとする皆、温泉街ということで話はまとまった。
「一応、陛下にも話を通しておいた方がいいよな」
「そうでございますね。また、王都を離れることになりそうですから」
「じゃあ、ちょっと行ってくるわ」
樹は屋敷を出ると王宮へと向かった。
いつものように応接間に通され、待つこと数分、陛下が入ってきた。
「お疲れ様。オリエンス王国はどうだったかな?」
「はい、色々と楽しませてもらいましたよ」
「そうかね。そいつはよかった。それで、また、何の用かね」
「はい、また急な話になるのですが、慰安旅行に行こうと思いまして、そのご報告に」
「おお、慰安旅行か。いいな。楽しんで来いよ。お前さんたちにも休みは必要だろうしな」
そう言って陛下は笑った。
「陛下も一緒に行きます?」
「行きたいのは山々だが、何せ立場上、国を離れる訳にはいかないからな」
「そうですよね。では、僕らは来週から2泊の予定で旅行に行ってきます」
「分かった。楽しいでな。セザールにもちゃんと休むよう言ってくれ。あいつは言わないと永遠に働くからな」
「分かってます」
そう言うと樹は王宮を後にしようと席を立った。
「では、この辺で失礼します」
「おう、またな」
歩き慣れた道を歩き、屋敷へと戻った。
「陛下には話を通してきたから旅行に行けるよ」
「左様ですか。それは良かったです」
「セザールも休むように言ってたよ」
「それは恐縮です」
セザールは綺麗に一礼すると夕食の配膳へと向かった。
「言ってるそばからこれだよ。何でも自分でやらなきゃ気が済まないんだろうな」
樹は半ば呆れながらも、セザールには感謝していた。
このバカ広い屋敷の管理にはセザールは欠かせない存在だ。
それから、夕食時、陛下のお許しを貰えて旅行に行ける事をみんなに話した。
「これで温泉に行けますわね」
「マスターと温泉かぁ」
「言っとくが、一緒には入らないからな」
「チェぇ」
シルフィルが拗ねた。
「当たり前だ。来週の頭から行くから準備しておいてくれ」
「「はい」」
「「かしこまりました」」
それから、皆んなで他愛もない話をしながら夕食を楽しむのであった。
13
あなたにおすすめの小説
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
攻撃魔法を使えないヒーラーの俺が、回復魔法で最強でした。 -俺は何度でも救うとそう決めた-【[完]】
水無月いい人(minazuki)
ファンタジー
【HOTランキング一位獲得作品】
【一次選考通過作品】
---
とある剣と魔法の世界で、
ある男女の間に赤ん坊が生まれた。
名をアスフィ・シーネット。
才能が無ければ魔法が使えない、そんな世界で彼は運良く魔法の才能を持って産まれた。
だが、使用できるのは攻撃魔法ではなく回復魔法のみだった。
攻撃魔法を一切使えない彼は、冒険者達からも距離を置かれていた。
彼は誓う、俺は回復魔法で最強になると。
---------
もし気に入っていただけたら、ブクマや評価、感想をいただけると大変励みになります!
#ヒラ俺
この度ついに完結しました。
1年以上書き続けた作品です。
途中迷走してました……。
今までありがとうございました!
---
追記:2025/09/20
再編、あるいは続編を書くか迷ってます。
もし気になる方は、
コメント頂けるとするかもしれないです。
異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜
KeyBow
ファンタジー
間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。
何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。
召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!
しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・
いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。
その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。
上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。
またぺったんこですか?・・・
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
【一時完結】スキル調味料は最強⁉︎ 外れスキルと笑われた少年は、スキル調味料で無双します‼︎
アノマロカリス
ファンタジー
調味料…それは、料理の味付けに使う為のスパイスである。
この世界では、10歳の子供達には神殿に行き…神託の儀を受ける義務がある。
ただし、特別な理由があれば、断る事も出来る。
少年テッドが神託の儀を受けると、神から与えられたスキルは【調味料】だった。
更にどんなに料理の練習をしても上達しないという追加の神託も授かったのだ。
そんな話を聞いた周りの子供達からは大爆笑され…一緒に付き添っていた大人達も一緒に笑っていた。
少年テッドには、両親を亡くしていて妹達の面倒を見なければならない。
どんな仕事に着きたくて、頭を下げて頼んでいるのに「調味料には必要ない!」と言って断られる始末。
少年テッドの最後に取った行動は、冒険者になる事だった。
冒険者になってから、薬草採取の仕事をこなしていってったある時、魔物に襲われて咄嗟に調味料を魔物に放った。
すると、意外な効果があり…その後テッドはスキル調味料の可能性に気付く…
果たして、その可能性とは⁉
HOTランキングは、最高は2位でした。
皆様、ありがとうございます.°(ಗдಗ。)°.
でも、欲を言えば、1位になりたかった(⌒-⌒; )
最強無敗の少年は影を従え全てを制す
ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。
産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。
カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。
しかし彼の力は生まれながらにして最強。
そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。
異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編
劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?
はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、
強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。
母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、
その少年に、突然の困難が立ちはだかる。
理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。
一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。
それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。
そんな少年の物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる