64 / 354
7章
64、強襲
しおりを挟む
魔導国ロードオブ・ザ・ケインの割と近場にあるダンジョンにて、ニール=ロンブルスの声援が響き渡った。
「いいぞ!その調子だ!」
バッと走り出す剣士、槍士、格闘士、そして戦士。大型の肉食魔獣ギガコングを前に一歩も引かない戦いを見せる。3階建ての家屋に匹敵する大きさのギガコングはゴリラの体にチンパンジーの頭を付け、王冠のようにツノを頭頂部にズラッと6本生やした姿をしている。そんな怪物に臆せず戦える冒険者もまた怪物なのだろう。
ホープ・アライアンス。冒険者チームが徒党を組んでダンジョン攻略に力を入れる第2のギルド。初期のチームで既に9組と大所帯だが、まだ足りないとニールは見ている。
(魔族に対してこちらの力が弱すぎる。何とかしないと……)
その原因は単純に実力不足である。使えるチームはビフレスト、シルバーバレットで、大目に見てクラウドサインがギリギリ入るくらいである。
ニールたちリーダーは弱いチームを使えるようにするために能力の高い冒険者を師とし、ローテーションを組んで練度を高めることにした。
しかしこの提案はビフレストのメンバーを筆頭に仲間たちは不満と不安をつのらせた。
12階層の奥。次の階層に降りる手前にある大きな穴と言うべきくぼみ。その崖の上でビフレストの面々はボケーっと観戦していた。
「はぁ……おいおい、こんなこと続けてて何になるんだよ。さっさとダンジョン攻略するのかと思や、トレーニングとはなぁ……ゴールデンビートルや風花の翡翠が羨ましいぜまったくよぉ……」
「うっさいわねぇ。そんなこと言ったってしょうがないでしょ?実力なんててんで無いんだから」
「ジン。いい加減に諦めなさい。何度この話を蒸し返すつもりですか?文句を言う間にニールを手伝ってきてはいかがです?ほら、ニールと共に頑張るワンやリックの姿を御覧なさい。あれこそチームプレイというものです」
「やなこった。俺は支援タイプだぜ?戦士諸君のお仕事とは勝手が違うっつの」
ジンは後頭部に両手を回して自分には関係ないとアピールする。側でこのやり取りを見ていたアルマもダンジョン攻略に関してはジンと同じ意見だったが、共に戦うべき人材が役立たずとあっては命の保証は出来ない。強行した結果、ビフレストだけが生き残っては立つ瀬がなくなってしまう。つまりプリシラとローランドのある程度許容すべきとの考えにも賛成の口だ。アルマはどちらの味方をするでもなくただ黙って成り行きを見守る。
「あらあら?これはこれは、ビフレストの方々ではありませんか?」
背後からの呼び掛けに振り返ると、そこには風花の翡翠が立っていた。
「他の方々を鍛えているのですか?ふふ……今日も精が出ることで」
「噂をすれば影……ってか?チッ、話しかけんじゃねーよエイプリルの嬢ちゃん。こっちゃ忙しいんだ」
「まぁ!そうでしたの?わたくしったらそういうのに疎くて、おヒマそうに見えたからつい……」
「はぁ?そういうあんたらはどうなのよ。ニールの提案を蹴っといて随分な挨拶じゃないの」
「うふふ、わたくしたち今日はこのダンジョンの攻略に着手しようかと思いまして一気にこの階層まで降りてきたのですが、先客がいらっしゃったので先に進めませんの。ふぅ……大猿程度に時間を取られているようでは、あなた方も気が思いやられますわね?」
「違うよ~だ!今あの猿でチーム戦を想定した戦いを練習中だし~!」
「だとするならもっと悪いかと……前回ルーシーお嬢様と共に参加させていただいたヴォーツマス墳墓の特別部隊。全員が同じ水準だったからこそ、息の合ったコンビネーションを繰り出すことが出来ました。2……いや、3段階は下のチームと組んでいては本来のあなた方の強みを発揮することは難しいのではないでしょうか?」
「これはその3段階下のチームが死なないための訓練に近い。外からの口出しは無用」
「そうだそうだ!どっか行けよ!シッシッ!」
「いや、あのさぁ……あんたらが邪魔なんでしょ!各階層で『トレーニングだ邪魔するな』って毎日毎日……!ここはあんたらの私有地か?!あーめんどくさ!もう先に行こうよルーシー!!あんな猿ごとき僕1人で……!」
「おいおーい!横取りは御法度だろうよオカマくぅん!」
ギャーギャーと騒ぎ出すジンたちと風花の翡翠。くぼみの下でギガゴングを倒し、勝利に浸る仲間たちを尻目にニールは上を向いて呆れた。
「……何をやっているんだ?まったく……」
頭を抱えそうになるのを必死で抑えながら、戦った仲間たちに声を掛ける。
「よし、それじゃギガコング討伐の証はツノ、牙、指の3種だ。各自好きな部位を切り取って……」
そこまで口にしたところで次の階層に下りる出入り口に誰か立っているのが目の端に映った。一瞬見間違いかとも思ったが、二度見しても消えないハッキリとした人影は意味深にこちらを見ていた。
(女性?に見えるな……ここで戦っていたし、誰も戦闘の合間を縫うような真似はしていない。風花の翡翠も上にいる。他にあそこに立つ経路は……下の階層から出て来たとしか……)
あり得ないことだ。このダンジョンのクリア階層は14階層。まだまだ下がありそうだが、それより先に行って帰ってきた者はいない。
今はチームの強化のために12階層を使用してはいるが、上澄みのチーム以外はここまでがギリギリのライン。これより先は命の保証は無い。つまり13階層に行ける冒険者なんてほんの一握り。
もし、そんな一握りの1人がそこに立っているのなら、即勧誘からのホープ・アライアンス強化に繋げるのだが、どうも様子がおかしい。何故なら眼の前に居る女性と思しき人物の肌が青色だったから。『人間ではない』と心が警鐘を鳴らす。
「ニール!取らないアルカ?」
「ワン。見ろよあれ」
「ん~?……女じゃないカ?」
リックもワンも気付く。一緒に戦っていた仲間たちもその視線の先を追い、全員が女を視認する。その瞬間にニールの怒号が飛ぶ。
「みんな下がれぇっ!!」
ニールは地面を強く蹴って仲間たちの前に出た。ギガコングの死体を土台がわりに飛び上がり、上段から女を斬りつける。女は少し足を下げて体を横に反らし、最小の動きでニールの剣を避けた。太刀筋を見破られたことに若干驚き、反撃が来る前に飛びのく。ニールは女の姿を間近で見て確信した。
「お前がこのダンジョンの主か?!」
「……いかにも」
女はつやつやの長い黒髪をたなびかせ、青い肌に赤い亀裂の入った腕を伸ばした。
「……あの髪の無い男がこう言ったな?ニールと……貴様がニール=ロンブルスで間違いないか?」
「ああそうだ。僕がニール=ロンブルスだ。そう言う君の名前は?」
「……レイラ……レイラ=伯爵=ロータス……」
「アールだと?2番目の名前がハウザーに似ている?」
「……奴と私は階級が一緒だったからな……」
「階級……?」
レイラ=伯爵=ロータス。皇魔貴族で女王を除けばナンバー3に位置する実力者。ここは彼女が支配するダンジョンであり、最奥の25階層で侵入者を待ち構える最強の魔族である。普段絶対に人前に現れることのない彼女が姿を見せたのは、暴れまわるニールたちを止めるためでは断じてない。
「……戦うつもりはない。2、3人貴様らの内の誰かを貸してほしい……悪いようにはしない」
「……一応聞いておくが何のためにだ?」
「……人質だ……念のために……」
「ふっ……豪胆だな。僕を前にそんなことを言うなんて……」
ボッ
ニールはロータスに向けて剣を横薙ぎに払う。ロータスは残像を残しながら2歩下がる。ニールの攻撃がかすりもしない。そのことからリックはようやく気付いた。
「魔族だ……あいつ魔族だ!!」
その瞬間に全員が武器を取り出し、臨戦態勢を取った。
「……戦うつもりはない……っと言ったのだがな……」
ロータスはスッと手を挙げる。それに合わせて背後の暗い穴からデーモンがワッと大挙する。
「……ニール=ロンブルスは私が相手をする。他の連中から良さそうなのを連れて来い。1人か2人で良い」
羽音で掻き消えそうな声だったが、デーモンたちは迷うことなくニールを避けてこのフロアの冒険者を襲い始める。
「卑怯なっ!」
「……ふんっ……なんとでも言うが良い……」
ロータスは諦めたような目でニールを見据える。その目に一瞬悲哀を感じ、何か訳ありなのだろうと受け取ったが、仲間を攫われるわけにはいかない。ニールは心を鎮めてゆっくりとロータスの戦力を見極めようとする。
ハウザーの時にも感じた凄まじい力がニールに推し寄せる。当時は絶望を感じたが、今は違う。ニールが魔剣によって底上げされた力は元の能力の10倍以上。ハウザーと対峙した時とは桁違いの強さを持ったニールは、ロータスを前にして物怖じすることはない。
(……多くの戦績で確認したこの魔剣の威力。この魔族に通用するなら、すべての生物に勝てると言っても過言ではない)
剣をかざしてロータスを牽制する。ロータスは表情1つ変えようとしない。ジリジリとにじり寄るニールにスッと人差し指と中指を立てた。一見すると単なるピースサインだが、その指をゆっくりとロータスの両目に近付けると途端に意味が変わってくる。その様子は『私の目を見ろ』だ。
それに気付いた時、勝負は決まっていた。
ドクンッ
(……しまった)
ニールは膝を折る。剣を握り締めたまま虚空を見つめてニールは気絶してしまった。
邪眼。彼女の操る異能力。その能力は麻痺、昏睡、精神汚染、感情操作、即死など多岐に渡る。
「……ダンベルクが危険視するだけはある……だが貴様と私の実力にはまだまだ開きがあるようだな……正直言って安心したよ……ニール=ロンブルス……」
ロータスはサッと翻って奥に引っ込んでいった。デーモンたちの大攻勢は冒険者に打撃を与えた後、戦いの跡だけを残して引き上げていった。
昏睡状態から目が覚めた時、ボロボロの仲間たちがニールを覗き込んでいた。想定しているレベルを遥かに超えていた仲間たちの顔はお通夜ムード。そしてさらなる追い打ちが待っていた。
「居ないんだよ……お嬢が……」
「な、何だって?!」
連れ去られたのはクラウドサインのシルニカ。
「お嬢様!?お嬢様!お嬢様ぁっ!!」
そして風花の翡翠のルーシー=エイプリル。侍女のジューンの呼びかけだけが虚しく響いていた。
*
「きゃあっ!」
「うっ……!」
デーモンに床に投げられたシルニカとルーシーは、落ちた箇所が悪かったのか悶絶しながら身をよじる。縛り上げられた手足のせいでろくに受け身を取ることが出来なかったためだ。そんな連れてこられた2人にゴミを見るような視線を向けるロータス。
「痛ぁっ……何すんのよっ!?」
痛みから早く回復したシルニカが大声を出したその時、パチパチと拍手が鳴り響いた。
「さっすがロータス様!生きの良い人質を五体無事に連れてくるとは!それも無傷でのご帰還!いやぁ怖れ入りました!」
突然現れた魔族に目を移すシルニカとルーシーは真っ白でツルッとした顔にギョッとした。闇からぬっと現れた姿は無貌の怪物。だがよく見るとそれが仮面であることに気付いた。
「……ベルギルツ」
「私なら人質の腕の1本や2本は千切っているかもしれません。あの獅子頭なら殺していたでしょうねぇ。ガサツそうですし」
「……ふんっ……私はあまり関係ない。人質はデーモンたちに任せたからな……」
「ご謙遜を。あなたの邪眼の力があったればこそ、こうして容易に連れてくることが出来たのでしょう。ニール=ロンブルスはどうでしたか?」
「……我らの敵ではない。子爵ならば返り討ちにあっていたかもしれないが……」
「ほぅ?なるほど。やはり私の目に狂いは無かった!能力に差があれば絶大な効力を発揮する邪眼。はぁ~、私にもそういった格下専用の技があればこうも苦労しないのですが……」
「……おい、聞き捨てならないな……この私を馬鹿にするつもりか?」
「ええ?!どこがです?私は羨んでいるのですよ?格下専用とは侮蔑的な意味ではありません。私の先代……いや先々代のお爺様からあなたの家系にのみ伝わる邪眼に興味を示しておりました。素晴らしい能力であるとねぇ」
ベルギルツの飄々とした言い回しはロータスの癪に障る。苛立ちで右目の下瞼がピクピク動くのを誤魔化すためにそっと目を閉じた。
「……黙れ。そんなことよりも本当にこれで良かったんだろうな?フィニアスに黙ってこんなこと……」
「ええ、当然です。全て私におまかせください。何の心配もいりませんとも」
視界を確保するためのない仮面の顔をシルニカとルーシーに向ける。
「わ……わたくしたちをどうするつもりなの?」
「食べても美味しくないんだから!!」
「おや?我々の会話を聞いていなかったのですか?あなた方は人質。安易に傷をつけては人質の価値が下がりますゆえ、丁重に取り扱うつもりですとも。ただし、あなた方が暴れなければね?」
「人質?なんのための?!」
ベルギルツは首を傾げて顎を撫でた。
「交渉のための人質に決まっているでしょう?まったく、お間抜けと喋ると自分までお間抜けになったかと心配になりますねぇ」
「……わたくしたちであった理由は?」
「ん?基本誰でも良かったのですが、単にあなた方が目立っていただけでしょうね。奇抜な格好は目を引くので今後はやめた方がよろしいのでは?デーモン、早く人質を幽閉してください。目障りです」
デーモンは首を垂れてすぐに2人を担ぎ上げた。
「ちょっ!まっ……!やめてこんな格好!お嫁に行けなくなっちゃうじゃない!!」
「幽閉って……!どうするつもりですか!!まさかわたくしたちにい、いやらしことを……!?」
「お間抜け!そんなことはしないと言っているでしょう?!だいたい人間と魔族でどうこうなどあるわけがないでしょう!まったくど変態が。さっさと連れて行きなさい!!」
シルニカとルーシーは尚もギャーギャー騒ぎながらデーモンに連れて行かれた。ベルギルツは深く息を吐くと精神を正常に保ちながらほくそ笑んだ。
「ふふふっ……すべては私の手のひらの上ですよ」
終始不安を感じるロータスを余所に、ベルギルツは腹の底から笑っていた。
「いいぞ!その調子だ!」
バッと走り出す剣士、槍士、格闘士、そして戦士。大型の肉食魔獣ギガコングを前に一歩も引かない戦いを見せる。3階建ての家屋に匹敵する大きさのギガコングはゴリラの体にチンパンジーの頭を付け、王冠のようにツノを頭頂部にズラッと6本生やした姿をしている。そんな怪物に臆せず戦える冒険者もまた怪物なのだろう。
ホープ・アライアンス。冒険者チームが徒党を組んでダンジョン攻略に力を入れる第2のギルド。初期のチームで既に9組と大所帯だが、まだ足りないとニールは見ている。
(魔族に対してこちらの力が弱すぎる。何とかしないと……)
その原因は単純に実力不足である。使えるチームはビフレスト、シルバーバレットで、大目に見てクラウドサインがギリギリ入るくらいである。
ニールたちリーダーは弱いチームを使えるようにするために能力の高い冒険者を師とし、ローテーションを組んで練度を高めることにした。
しかしこの提案はビフレストのメンバーを筆頭に仲間たちは不満と不安をつのらせた。
12階層の奥。次の階層に降りる手前にある大きな穴と言うべきくぼみ。その崖の上でビフレストの面々はボケーっと観戦していた。
「はぁ……おいおい、こんなこと続けてて何になるんだよ。さっさとダンジョン攻略するのかと思や、トレーニングとはなぁ……ゴールデンビートルや風花の翡翠が羨ましいぜまったくよぉ……」
「うっさいわねぇ。そんなこと言ったってしょうがないでしょ?実力なんててんで無いんだから」
「ジン。いい加減に諦めなさい。何度この話を蒸し返すつもりですか?文句を言う間にニールを手伝ってきてはいかがです?ほら、ニールと共に頑張るワンやリックの姿を御覧なさい。あれこそチームプレイというものです」
「やなこった。俺は支援タイプだぜ?戦士諸君のお仕事とは勝手が違うっつの」
ジンは後頭部に両手を回して自分には関係ないとアピールする。側でこのやり取りを見ていたアルマもダンジョン攻略に関してはジンと同じ意見だったが、共に戦うべき人材が役立たずとあっては命の保証は出来ない。強行した結果、ビフレストだけが生き残っては立つ瀬がなくなってしまう。つまりプリシラとローランドのある程度許容すべきとの考えにも賛成の口だ。アルマはどちらの味方をするでもなくただ黙って成り行きを見守る。
「あらあら?これはこれは、ビフレストの方々ではありませんか?」
背後からの呼び掛けに振り返ると、そこには風花の翡翠が立っていた。
「他の方々を鍛えているのですか?ふふ……今日も精が出ることで」
「噂をすれば影……ってか?チッ、話しかけんじゃねーよエイプリルの嬢ちゃん。こっちゃ忙しいんだ」
「まぁ!そうでしたの?わたくしったらそういうのに疎くて、おヒマそうに見えたからつい……」
「はぁ?そういうあんたらはどうなのよ。ニールの提案を蹴っといて随分な挨拶じゃないの」
「うふふ、わたくしたち今日はこのダンジョンの攻略に着手しようかと思いまして一気にこの階層まで降りてきたのですが、先客がいらっしゃったので先に進めませんの。ふぅ……大猿程度に時間を取られているようでは、あなた方も気が思いやられますわね?」
「違うよ~だ!今あの猿でチーム戦を想定した戦いを練習中だし~!」
「だとするならもっと悪いかと……前回ルーシーお嬢様と共に参加させていただいたヴォーツマス墳墓の特別部隊。全員が同じ水準だったからこそ、息の合ったコンビネーションを繰り出すことが出来ました。2……いや、3段階は下のチームと組んでいては本来のあなた方の強みを発揮することは難しいのではないでしょうか?」
「これはその3段階下のチームが死なないための訓練に近い。外からの口出しは無用」
「そうだそうだ!どっか行けよ!シッシッ!」
「いや、あのさぁ……あんたらが邪魔なんでしょ!各階層で『トレーニングだ邪魔するな』って毎日毎日……!ここはあんたらの私有地か?!あーめんどくさ!もう先に行こうよルーシー!!あんな猿ごとき僕1人で……!」
「おいおーい!横取りは御法度だろうよオカマくぅん!」
ギャーギャーと騒ぎ出すジンたちと風花の翡翠。くぼみの下でギガゴングを倒し、勝利に浸る仲間たちを尻目にニールは上を向いて呆れた。
「……何をやっているんだ?まったく……」
頭を抱えそうになるのを必死で抑えながら、戦った仲間たちに声を掛ける。
「よし、それじゃギガコング討伐の証はツノ、牙、指の3種だ。各自好きな部位を切り取って……」
そこまで口にしたところで次の階層に下りる出入り口に誰か立っているのが目の端に映った。一瞬見間違いかとも思ったが、二度見しても消えないハッキリとした人影は意味深にこちらを見ていた。
(女性?に見えるな……ここで戦っていたし、誰も戦闘の合間を縫うような真似はしていない。風花の翡翠も上にいる。他にあそこに立つ経路は……下の階層から出て来たとしか……)
あり得ないことだ。このダンジョンのクリア階層は14階層。まだまだ下がありそうだが、それより先に行って帰ってきた者はいない。
今はチームの強化のために12階層を使用してはいるが、上澄みのチーム以外はここまでがギリギリのライン。これより先は命の保証は無い。つまり13階層に行ける冒険者なんてほんの一握り。
もし、そんな一握りの1人がそこに立っているのなら、即勧誘からのホープ・アライアンス強化に繋げるのだが、どうも様子がおかしい。何故なら眼の前に居る女性と思しき人物の肌が青色だったから。『人間ではない』と心が警鐘を鳴らす。
「ニール!取らないアルカ?」
「ワン。見ろよあれ」
「ん~?……女じゃないカ?」
リックもワンも気付く。一緒に戦っていた仲間たちもその視線の先を追い、全員が女を視認する。その瞬間にニールの怒号が飛ぶ。
「みんな下がれぇっ!!」
ニールは地面を強く蹴って仲間たちの前に出た。ギガコングの死体を土台がわりに飛び上がり、上段から女を斬りつける。女は少し足を下げて体を横に反らし、最小の動きでニールの剣を避けた。太刀筋を見破られたことに若干驚き、反撃が来る前に飛びのく。ニールは女の姿を間近で見て確信した。
「お前がこのダンジョンの主か?!」
「……いかにも」
女はつやつやの長い黒髪をたなびかせ、青い肌に赤い亀裂の入った腕を伸ばした。
「……あの髪の無い男がこう言ったな?ニールと……貴様がニール=ロンブルスで間違いないか?」
「ああそうだ。僕がニール=ロンブルスだ。そう言う君の名前は?」
「……レイラ……レイラ=伯爵=ロータス……」
「アールだと?2番目の名前がハウザーに似ている?」
「……奴と私は階級が一緒だったからな……」
「階級……?」
レイラ=伯爵=ロータス。皇魔貴族で女王を除けばナンバー3に位置する実力者。ここは彼女が支配するダンジョンであり、最奥の25階層で侵入者を待ち構える最強の魔族である。普段絶対に人前に現れることのない彼女が姿を見せたのは、暴れまわるニールたちを止めるためでは断じてない。
「……戦うつもりはない。2、3人貴様らの内の誰かを貸してほしい……悪いようにはしない」
「……一応聞いておくが何のためにだ?」
「……人質だ……念のために……」
「ふっ……豪胆だな。僕を前にそんなことを言うなんて……」
ボッ
ニールはロータスに向けて剣を横薙ぎに払う。ロータスは残像を残しながら2歩下がる。ニールの攻撃がかすりもしない。そのことからリックはようやく気付いた。
「魔族だ……あいつ魔族だ!!」
その瞬間に全員が武器を取り出し、臨戦態勢を取った。
「……戦うつもりはない……っと言ったのだがな……」
ロータスはスッと手を挙げる。それに合わせて背後の暗い穴からデーモンがワッと大挙する。
「……ニール=ロンブルスは私が相手をする。他の連中から良さそうなのを連れて来い。1人か2人で良い」
羽音で掻き消えそうな声だったが、デーモンたちは迷うことなくニールを避けてこのフロアの冒険者を襲い始める。
「卑怯なっ!」
「……ふんっ……なんとでも言うが良い……」
ロータスは諦めたような目でニールを見据える。その目に一瞬悲哀を感じ、何か訳ありなのだろうと受け取ったが、仲間を攫われるわけにはいかない。ニールは心を鎮めてゆっくりとロータスの戦力を見極めようとする。
ハウザーの時にも感じた凄まじい力がニールに推し寄せる。当時は絶望を感じたが、今は違う。ニールが魔剣によって底上げされた力は元の能力の10倍以上。ハウザーと対峙した時とは桁違いの強さを持ったニールは、ロータスを前にして物怖じすることはない。
(……多くの戦績で確認したこの魔剣の威力。この魔族に通用するなら、すべての生物に勝てると言っても過言ではない)
剣をかざしてロータスを牽制する。ロータスは表情1つ変えようとしない。ジリジリとにじり寄るニールにスッと人差し指と中指を立てた。一見すると単なるピースサインだが、その指をゆっくりとロータスの両目に近付けると途端に意味が変わってくる。その様子は『私の目を見ろ』だ。
それに気付いた時、勝負は決まっていた。
ドクンッ
(……しまった)
ニールは膝を折る。剣を握り締めたまま虚空を見つめてニールは気絶してしまった。
邪眼。彼女の操る異能力。その能力は麻痺、昏睡、精神汚染、感情操作、即死など多岐に渡る。
「……ダンベルクが危険視するだけはある……だが貴様と私の実力にはまだまだ開きがあるようだな……正直言って安心したよ……ニール=ロンブルス……」
ロータスはサッと翻って奥に引っ込んでいった。デーモンたちの大攻勢は冒険者に打撃を与えた後、戦いの跡だけを残して引き上げていった。
昏睡状態から目が覚めた時、ボロボロの仲間たちがニールを覗き込んでいた。想定しているレベルを遥かに超えていた仲間たちの顔はお通夜ムード。そしてさらなる追い打ちが待っていた。
「居ないんだよ……お嬢が……」
「な、何だって?!」
連れ去られたのはクラウドサインのシルニカ。
「お嬢様!?お嬢様!お嬢様ぁっ!!」
そして風花の翡翠のルーシー=エイプリル。侍女のジューンの呼びかけだけが虚しく響いていた。
*
「きゃあっ!」
「うっ……!」
デーモンに床に投げられたシルニカとルーシーは、落ちた箇所が悪かったのか悶絶しながら身をよじる。縛り上げられた手足のせいでろくに受け身を取ることが出来なかったためだ。そんな連れてこられた2人にゴミを見るような視線を向けるロータス。
「痛ぁっ……何すんのよっ!?」
痛みから早く回復したシルニカが大声を出したその時、パチパチと拍手が鳴り響いた。
「さっすがロータス様!生きの良い人質を五体無事に連れてくるとは!それも無傷でのご帰還!いやぁ怖れ入りました!」
突然現れた魔族に目を移すシルニカとルーシーは真っ白でツルッとした顔にギョッとした。闇からぬっと現れた姿は無貌の怪物。だがよく見るとそれが仮面であることに気付いた。
「……ベルギルツ」
「私なら人質の腕の1本や2本は千切っているかもしれません。あの獅子頭なら殺していたでしょうねぇ。ガサツそうですし」
「……ふんっ……私はあまり関係ない。人質はデーモンたちに任せたからな……」
「ご謙遜を。あなたの邪眼の力があったればこそ、こうして容易に連れてくることが出来たのでしょう。ニール=ロンブルスはどうでしたか?」
「……我らの敵ではない。子爵ならば返り討ちにあっていたかもしれないが……」
「ほぅ?なるほど。やはり私の目に狂いは無かった!能力に差があれば絶大な効力を発揮する邪眼。はぁ~、私にもそういった格下専用の技があればこうも苦労しないのですが……」
「……おい、聞き捨てならないな……この私を馬鹿にするつもりか?」
「ええ?!どこがです?私は羨んでいるのですよ?格下専用とは侮蔑的な意味ではありません。私の先代……いや先々代のお爺様からあなたの家系にのみ伝わる邪眼に興味を示しておりました。素晴らしい能力であるとねぇ」
ベルギルツの飄々とした言い回しはロータスの癪に障る。苛立ちで右目の下瞼がピクピク動くのを誤魔化すためにそっと目を閉じた。
「……黙れ。そんなことよりも本当にこれで良かったんだろうな?フィニアスに黙ってこんなこと……」
「ええ、当然です。全て私におまかせください。何の心配もいりませんとも」
視界を確保するためのない仮面の顔をシルニカとルーシーに向ける。
「わ……わたくしたちをどうするつもりなの?」
「食べても美味しくないんだから!!」
「おや?我々の会話を聞いていなかったのですか?あなた方は人質。安易に傷をつけては人質の価値が下がりますゆえ、丁重に取り扱うつもりですとも。ただし、あなた方が暴れなければね?」
「人質?なんのための?!」
ベルギルツは首を傾げて顎を撫でた。
「交渉のための人質に決まっているでしょう?まったく、お間抜けと喋ると自分までお間抜けになったかと心配になりますねぇ」
「……わたくしたちであった理由は?」
「ん?基本誰でも良かったのですが、単にあなた方が目立っていただけでしょうね。奇抜な格好は目を引くので今後はやめた方がよろしいのでは?デーモン、早く人質を幽閉してください。目障りです」
デーモンは首を垂れてすぐに2人を担ぎ上げた。
「ちょっ!まっ……!やめてこんな格好!お嫁に行けなくなっちゃうじゃない!!」
「幽閉って……!どうするつもりですか!!まさかわたくしたちにい、いやらしことを……!?」
「お間抜け!そんなことはしないと言っているでしょう?!だいたい人間と魔族でどうこうなどあるわけがないでしょう!まったくど変態が。さっさと連れて行きなさい!!」
シルニカとルーシーは尚もギャーギャー騒ぎながらデーモンに連れて行かれた。ベルギルツは深く息を吐くと精神を正常に保ちながらほくそ笑んだ。
「ふふふっ……すべては私の手のひらの上ですよ」
終始不安を感じるロータスを余所に、ベルギルツは腹の底から笑っていた。
21
あなたにおすすめの小説
【もうダメだ!】貧乏大学生、絶望から一気に成り上がる〜もし、無属性でFランクの俺が異文明の魔道兵器を担いでダンジョンに潜ったら〜
KEINO
ファンタジー
貧乏大学生の探索者はダンジョンに潜り、全てを覆す。
~あらすじ~
世界に突如出現した異次元空間「ダンジョン」。
そこから産出される魔石は人類に無限のエネルギーをもたらし、アーティファクトは魔法の力を授けた。
しかし、その恩恵は平等ではなかった。
富と力はダンジョン利権を牛耳る企業と、「属性適性」という特別な才能を持つ「選ばれし者」たちに独占され、世界は新たな格差社会へと変貌していた。
そんな歪んだ現代日本で、及川翔は「無属性」という最底辺の烙印を押された青年だった。
彼には魔法の才能も、富も、未来への希望もない。
あるのは、両親を失った二年前のダンジョン氾濫で、原因不明の昏睡状態に陥った最愛の妹、美咲を救うという、ただ一つの願いだけだった。
妹を治すため、彼は最先端の「魔力生体学」を学ぶが、学費と治療費という冷酷な現実が彼の行く手を阻む。
希望と絶望の狭間で、翔に残された道はただ一つ――危険なダンジョンに潜り、泥臭く魔石を稼ぐこと。
英雄とも呼べるようなSランク探索者が脚光を浴びる華やかな世界とは裏腹に、翔は今日も一人、薄暗いダンジョンの奥へと足を踏み入れる。
これは、神に選ばれなかった「持たざる者」が、絶望的な現実にもがきながら、たった一つの希望を掴むために抗い、やがて世界の真実と向き合う、戦いの物語。
彼の「無属性」の力が、世界を揺るがす光となることを、彼はまだ知らない。
テンプレのダンジョン物を書いてみたくなり、手を出しました。
SF味が増してくるのは結構先の予定です。
スローペースですが、しっかりと世界観を楽しんでもらえる作品になってると思います。
良かったら読んでください!
ブラック企業で心身ボロボロの社畜だった俺が少年の姿で異世界に転生!? ~鑑定スキルと無限収納を駆使して錬金術師として第二の人生を謳歌します~
楠富 つかさ
ファンタジー
ブラック企業で働いていた小坂直人は、ある日、仕事中の過労で意識を失い、気がつくと異世界の森の中で少年の姿になっていた。しかも、【錬金術】という強力なスキルを持っており、物質を分解・合成・強化できる能力を手にしていた。
そんなナオが出会ったのは、森で冒険者として活動する巨乳の美少女・エルフィーナ(エル)。彼女は魔物討伐の依頼をこなしていたが、強敵との戦闘で深手を負ってしまう。
「やばい……これ、動けない……」
怪我人のエルを目の当たりにしたナオは、錬金術で作成していたポーションを与え彼女を助ける。
「す、すごい……ナオのおかげで助かった……!」
異世界で自由気ままに錬金術を駆使するナオと、彼に惚れた美少女冒険者エルとのスローライフ&冒険ファンタジーが今、始まる!
悪役貴族に転生したから破滅しないように努力するけど上手くいかない!~努力が足りない?なら足りるまで努力する~
蜂谷
ファンタジー
社畜の俺は気が付いたら知らない男の子になっていた。
情報をまとめるとどうやら子供の頃に見たアニメ、ロイヤルヒーローの序盤で出てきた悪役、レオス・ヴィダールの幼少期に転生してしまったようだ。
アニメ自体は子供の頃だったのでよく覚えていないが、なぜかこいつのことはよく覚えている。
物語の序盤で悪魔を召喚させ、学園をめちゃくちゃにする。
それを主人公たちが倒し、レオスは学園を追放される。
その後領地で幽閉に近い謹慎を受けていたのだが、悪魔教に目を付けられ攫われる。
そしてその体を魔改造されて終盤のボスとして主人公に立ちふさがる。
それもヒロインの聖魔法によって倒され、彼の人生の幕は閉じる。
これが、悪役転生ってことか。
特に描写はなかったけど、こいつも怠惰で堕落した生活を送っていたに違いない。
あの肥満体だ、運動もろくにしていないだろう。
これは努力すれば眠れる才能が開花し、死亡フラグを回避できるのでは?
そう考えた俺は執事のカモールに頼み込み訓練を開始する。
偏った考えで領地を無駄に統治してる親を説得し、健全で善人な人生を歩もう。
一つ一つ努力していけば、きっと開かれる未来は輝いているに違いない。
そう思っていたんだけど、俺、弱くない?
希少属性である闇魔法に目覚めたのはよかったけど、攻撃力に乏しい。
剣術もそこそこ程度、全然達人のようにうまくならない。
おまけに俺はなにもしてないのに悪魔が召喚がされている!?
俺の前途多難な転生人生が始まったのだった。
※カクヨム、なろうでも掲載しています。
お帰り転生―素質だけは世界最高の素人魔術師、前々世の復讐をする。
永礼 経
ファンタジー
特性「本の虫」を選んで転生し、3度目の人生を歩むことになったキール・ヴァイス。
17歳を迎えた彼は王立大学へ進学。
その書庫「王立大学書庫」で、一冊の不思議な本と出会う。
その本こそ、『真魔術式総覧』。
かつて、大魔導士ロバート・エルダー・ボウンが記した書であった。
伝説の大魔導士の手による書物を手にしたキールは、現在では失われたボウン独自の魔術式を身に付けていくとともに、
自身の生前の記憶や前々世の自分との邂逅を果たしながら、仲間たちと共に、様々な試練を乗り越えてゆく。
彼の周囲に続々と集まってくる様々な人々との関わり合いを経て、ただの素人魔術師は伝説の大魔導士への道を歩む。
魔法戦あり、恋愛要素?ありの冒険譚です。
【本作品はカクヨムさまで掲載しているものの転載です】
リヴァイヴ・ヒーロー ~異世界転生に侵略された世界に、英雄は再び現れる~
灰色キャット
ファンタジー
「君に今の時代に生まれ変わって欲しいんだ」
魔物の王を討伐した古き英雄グレリア・ファルトは死後、突然白い世界に呼び出され、神にそう言われてしまった。
彼は生まれ変わるという言葉に孫の言葉を思い出し、新しい人生を生きることを決意した。
遥か昔に生きていた世界がどう変わっているか、発展しているか期待をしながら700年後の時代に転生した彼を待ち受けていたのは……『英雄召喚』と呼ばれる魔法でやってきた異世界人の手によって破壊され発展した――変貌した世界だった。
歴史すら捻じ曲げられた世界で、グレリアは何を求め、知り……世界を生きるのだろうか?
己の心のままに生き、今を知るために、彼は再び歴史を紡ぐ。
そして……主人公はもう一人――『勇者』、『英雄』の定義すら薄くなった世界でそれらに憧れ、近づきたいと願う少年、セイル・シルドニアは学園での入学試験で一人の男と出会う。
そのことをきっかけにしてセイルは本当の意味で『勇者』というものを考え、『英雄』と呼ばれる存在になるためにもがき、苦しむことになるだろう。
例えどんな困難な道であっても、光が照らす道へと……己の力で進むと誓った、その限りを尽くして。
過去の英雄と現代の英雄(の卵)が交差し、歴史を作る!
異世界転生型アンチ異世界転生ファンタジー、ここに開幕!
――なろう・カクヨムでも連載中――
風魔法を誤解していませんか? 〜混ぜるな危険!見向きもされない風魔法は、無限の可能性を秘めていました〜
大沢ピヨ氏
ファンタジー
地味で不遇な風魔法──でも、使い方しだいで!?
どこにでもいる男子高校生が、意識高い系お嬢様に巻き込まれ、毎日ダンジョン通いで魔法検証&お小遣い稼ぎ! 目指せ収入UP。 検証と実験で、風と火が火花を散らす!? 青春と魔法と通帳残高、ぜんぶ大事。 風魔法、実は“混ぜるな危険…
さんざん馬鹿にされてきた最弱精霊使いですが、剣一本で魔物を倒し続けたらパートナーが最強の『大精霊』に進化したので逆襲を始めます。
ヒツキノドカ
ファンタジー
誰もがパートナーの精霊を持つウィスティリア王国。
そこでは精霊によって人生が決まり、また身分の高いものほど強い精霊を宿すといわれている。
しかし第二王子シグは最弱の精霊を宿して生まれたために王家を追放されてしまう。
身分を剥奪されたシグは冒険者になり、剣一本で魔物を倒して生計を立てるようになる。しかしそこでも精霊の弱さから見下された。ひどい時は他の冒険者に襲われこともあった。
そんな生活がしばらく続いたある日――今までの苦労が報われ精霊が進化。
姿は美しい白髪の少女に。
伝説の大精霊となり、『天候にまつわる全属性使用可』という規格外の能力を得たクゥは、「今まで育ててくれた恩返しがしたい!」と懐きまくってくる。
最強の相棒を手に入れたシグは、今まで自分を見下してきた人間たちを見返すことを決意するのだった。
ーーーーーー
ーーー
閲覧、お気に入り登録、感想等いつもありがとうございます。とても励みになります!
※2020.6.8お陰様でHOTランキングに載ることができました。ご愛読感謝!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる