93 / 354
9章
93、不穏
しおりを挟む
運送ギルドの倉庫にて不思議な会話があった。
「あれぇ?ギルマスー。ここに貼ってあった任務取り下げたんですかぁ?」
目尻の下がった惚けた顔の男はこれまた惚けたようにギルドマスターに質問する。ギルドマスターは掲示板をチラリと見て男に視線を戻す。
「あ?そりゃお前……ナーヴァスのとこの嬢ちゃんが持ってったぜ」
「えぇっ!?あれを承諾したんですか?!そりゃ不味いんじゃ……」
「おぅ。なんか聞いた話によりゃあトラブル続きで金が今すぐにでもいるんだとよ」
「え……でもあれは……」
男が言葉を紡ぐ前にギルドマスターは続ける。
「しょうがねぇだろ。エクスルトは上客だ。金を落としてくれるなら、ちぃと便宜を図るくれぇはするさ。たとえそれが受けた奴が一方的に割りを食うひでぇ任務でもよ……」
「それにしたってひど過ぎじゃないですかねぇ?絶対間に合わない期日で届けて欲しいって無茶振りもいいとこっすよ」
「おい……そこんとこなんだけどよ……耳かせや」
ギルドマスターは周りに目を配りながらコソコソと話し始める。
「……品物の中身は何かの催事に使う果物とか道具だぜ。んなもん町の周りで調達すりゃ良いってのに、無事に届けることが出来りゃあの凄ぇ額の成功報酬だ。まぁ遅れたら法外な賠償金を取るってんだから両極端っつーか、無茶なことしやがるよなぁ。そこで俺ぁ考えたんだがよ……」
今一度クルリと周囲を見渡し、耳をそばだてる者が居ないことを確認すると更に声量を落とした。
「……ありゃぁ運ぶ奴を『死の谷』に誘おうとする手口じゃねぇのか?ってな……」
「それは……考えすぎじゃないですかぃ?俺が考えるにエクスルトの人たちは多分信心深いんっすよ。どこどこの果物じゃなきゃ神はお許しにならないとか、催事用の道具はここそこじゃなきゃならないとか……」
「迂回したら確実に遅れる期日を指定して『日程内に持って来い。出来なかったら莫大な賠償を払え』は変だろ」
「あぁ良かった。そこはちゃんと変だと認めてくれて……」
「あぁ?……まぁ聞け。今回だけだ。ナーヴァスの嬢ちゃんが帰ってこなかったら、それこそこれ以降はあの仕事を回さねぇだけだ。犠牲者を出すのはどうかと思うが……」
「そんなんなら掲示板に貼らなきゃ良いんじゃ……」
「貼らねぇ選択なんざねぇよ。ん?もしかしてお前気付かなかったのか?エクスルトの住民が居座ってたのを……」
「へ?」
「ナーヴァスの嬢ちゃんが持ってったのを確認して一緒に出てったんだよ。ヤバいんじゃねぇかって今回は俺から冒険者ギルドに掛け合ってはみたが、野郎どもは規則規則って俺の顔を立てやしねぇ。まぁなんかあった時はナーヴァスの親父には俺から言うよ」
ギルドマスターは話を切って自分の仕事に戻る。男は背筋に走る悪寒を振り払うように小走りで自分の仕事に戻った。
*
緊急任務。アラムブラドから遠く離れた街であるエクスルトまでの護衛。
はっきり言ってそこまで難しい任務ではない。荷馬車を魔獣や野盗などから守りつつ街までえっちらおっちら旅をするだけだ。もちろん、実力のないものが護衛をするとなったら、距離にもよるが任務の難度は跳ね上がる。あとは通るべき道だ。安全なルートを外れるようなことになれば死へと直結する。
そして今回の任務はというと、急ぎの上、期日厳守。遅刻厳禁。荷物の破損は全額弁償という無理難題。その分の対価は超高額ではあるものの、誰も受けたがらず、落ち目のステラに話が回ってきた理由は至極簡単。不可能だからである。その理由が、近道となる”死の谷”を行かなければならないということ。
死の谷という物騒な名前が付いたのは通ろうとした者たちが生きて帰った試しがないことから来ている。冒険者が蛮勇を奮って入ってみたり、学術的好奇心から入って行く者もいたが、この世にはもういない。終いには自殺志願者が入って行くこともあったようだ。そういった多くの事例からギルドは死の谷を立入禁止区域としている。ただし入ってしまったものに対する処罰は考えていない。
アラムブラドから離れ、死の谷により近い小さな町に立ち寄ったステラ一行は休憩がてらお食事処に立ち寄り、地図とにらめっこしていた。
「迂回すれば最低でも5日は掛かる。でも死の谷を抜ければ2日。この差は大きい」
「でもさ、死の谷を攻略した例がないのに突っ切るのは危ないんじゃ……」
「大変申し訳ないのですが、私にはもう後がないんです。ここで失敗したら廃業になっちゃうから……」
ステラは自分に言い聞かせるように呟く。
『ふへへっ。あの谷に行くのかえ?よした方がええと思うがのぅ』
「何か知っているのか?フローラ」
(わっ……まただ……)
ステラは地図から視線を逸らさずにライトに聞き耳を立てる。ここまでの道中、3人とも時より宙空に話しかけることがある。傍から見たら気味が悪い。イケメンというフィルターを掛けても虚空に話しかける姿は怖すぎる。
(やっぱり気が触れたって噂は本当なのかも……)
順風満帆だったチームをいきなり解散させ、ロングソードに執着し、山籠りの末イマジナリーフレンドに話しかけるという奇行。解散に関しても、チームの女性たちがライトに付いていけずに全員脱退し、実質解散になったという噂もあった。
最初こそイケメンに対するやっかみだろうと思っていたが、目の前で見せられると納得せざるを得ない。
『教えぬ。女神を倒せる実力があるのならばどうということはない。それに其れらがあれにどう対処するのか。此れは見てみたいからのぅ』
「おい待て、何を勝手な……」
「それで致命傷でも受ければ面倒なことになりかねない。もしもレッドが怪我でもしたらどうする。勿体ぶらずに教えたらどうなの?」
『んぅ?いやいや、其れは大丈夫じゃないか?何にせよ此れは教えん。諦めることじゃな』
プイッとフローラは顔を背け、口を閉ざす。しつこく聞いても無駄だと悟り、オリーもへの字に口を閉ざす。
「ふむ……どの道死の谷を抜けないと期日には間に合わない。何が待ち受けているのかは入って確かめてみるしかないか……」
「ちょっ……ほんとに入るんですか?」
ライトの呟きにレッドは焦りながら質問する。見るからに情けなく、自信なさげな雰囲気にふと気付いた冒険者がじっと目を細めてレッドのことを見ていた。
「あーっ!」
急に声を上げ、ビシッと指をまっすぐ突き立ててレッドを指すこの冒険者はクラウドサインのリーダー、シルニカ。ズカズカとレッドとの距離を詰める。
「レッドじゃないの!こんなとこで会うとは奇遇ね!」
偉そうに腕を組みながらも嬉しそうに話し掛けるシルニカ。チームの男性陣が各々「お嬢!」と声を掛けながら追いついて来た。
「え?あ、シルニカさん。こんにちわ」
「こんにちわ~……じゃないわよ。こんなところで何してんのよ」
「えっとその……警護の仕事をしているというか……」
「警護?ってことはアラムブラドから?奇遇ね!私たちも警護の仕事をしているのよ!」
「あ、そ、そうだったんですね」
「そうよ!……で?この子が警護対象?……ふ~ん。そんなことよりも!」
ズイッとレッドの目と鼻の先まで近寄る。レッドは急な接近にビビり、恥ずかしさも相まって縮こまる。顔を赤くして忙しなく動く目を睨むように見つめるシルニカは、どの目にも合わないようにそっと左に目を逸らし呟いた。
「……あの時はその……助かったわ。あ、あり……ありがとうね」
ぎこちない感謝の言葉。怒られるのではないかと身構えていたレッドは空気が抜けたように「へっ?」と間抜けな声を出す。
「お……お嬢が!」
「感謝を!?」
チームメイトは驚きのあまり目を見開く。
「は?なになに?……はぁっ?!何でそんな驚いてんのよ!私だって普通に感謝してるでしょ!いつもっ!!」
シルニカの主張など誰にも響かない。傍若無人を絵に描いた彼女が自ら感謝を述べるのは珍しいことだ。シルニカが顔を真っ赤にしながら怒っていると、ふと視界に入ったライトとオリーに焦点を当てる。
「ふんっ!一応あんたらにも感謝しとくわ。レッドだけじゃ不公平だからね」
「私には必要ない」
「確かにオリーさんの言う通りだ。困った時はお互い様というか……」
「はっ?!ちょっ……!?好意くらい受け取んなさいよ!!」
ヒステリックに騒ぐシルニカを仲間たちが宥め、両腕を抱え、引き摺られながら回収されていく。
「今回は引き下がってあげるわ!でも次は無いわよ!次は私があんたらに借りを返すんだから!!覚えてなさい!!絶対に……っ!!~……!!」
店にも客にも迷惑を掛けながら、連れ出されてなお叫び続けるシルニカ。仲間の1人がレッドたちに向かって軽くお辞儀をしながら出ていった。
叫んででも伝えたい内容を聞けば、終始命を助けてもらったという大恩からの感謝の言葉。命を助けてもらった時に憑き物が落ちたようだ。レッドを貶していた頃の彼女はもういない。
「あれって……確かクラウドサインの……」
ステラは連れて行かれるシルニカを目で追いながら動揺を隠しきれない。風花の翡翠やクラウドサインが認めるたった3人のチームに興味が尽きない。
「あ、あなたたちはいったい……なんなんですか?」
「へ?……どういう意味です?」
ステラにもどう言ったらいいか言語化出来ず、目を瞬かせながら地図とのにらめっこに戻った。
「あれぇ?ギルマスー。ここに貼ってあった任務取り下げたんですかぁ?」
目尻の下がった惚けた顔の男はこれまた惚けたようにギルドマスターに質問する。ギルドマスターは掲示板をチラリと見て男に視線を戻す。
「あ?そりゃお前……ナーヴァスのとこの嬢ちゃんが持ってったぜ」
「えぇっ!?あれを承諾したんですか?!そりゃ不味いんじゃ……」
「おぅ。なんか聞いた話によりゃあトラブル続きで金が今すぐにでもいるんだとよ」
「え……でもあれは……」
男が言葉を紡ぐ前にギルドマスターは続ける。
「しょうがねぇだろ。エクスルトは上客だ。金を落としてくれるなら、ちぃと便宜を図るくれぇはするさ。たとえそれが受けた奴が一方的に割りを食うひでぇ任務でもよ……」
「それにしたってひど過ぎじゃないですかねぇ?絶対間に合わない期日で届けて欲しいって無茶振りもいいとこっすよ」
「おい……そこんとこなんだけどよ……耳かせや」
ギルドマスターは周りに目を配りながらコソコソと話し始める。
「……品物の中身は何かの催事に使う果物とか道具だぜ。んなもん町の周りで調達すりゃ良いってのに、無事に届けることが出来りゃあの凄ぇ額の成功報酬だ。まぁ遅れたら法外な賠償金を取るってんだから両極端っつーか、無茶なことしやがるよなぁ。そこで俺ぁ考えたんだがよ……」
今一度クルリと周囲を見渡し、耳をそばだてる者が居ないことを確認すると更に声量を落とした。
「……ありゃぁ運ぶ奴を『死の谷』に誘おうとする手口じゃねぇのか?ってな……」
「それは……考えすぎじゃないですかぃ?俺が考えるにエクスルトの人たちは多分信心深いんっすよ。どこどこの果物じゃなきゃ神はお許しにならないとか、催事用の道具はここそこじゃなきゃならないとか……」
「迂回したら確実に遅れる期日を指定して『日程内に持って来い。出来なかったら莫大な賠償を払え』は変だろ」
「あぁ良かった。そこはちゃんと変だと認めてくれて……」
「あぁ?……まぁ聞け。今回だけだ。ナーヴァスの嬢ちゃんが帰ってこなかったら、それこそこれ以降はあの仕事を回さねぇだけだ。犠牲者を出すのはどうかと思うが……」
「そんなんなら掲示板に貼らなきゃ良いんじゃ……」
「貼らねぇ選択なんざねぇよ。ん?もしかしてお前気付かなかったのか?エクスルトの住民が居座ってたのを……」
「へ?」
「ナーヴァスの嬢ちゃんが持ってったのを確認して一緒に出てったんだよ。ヤバいんじゃねぇかって今回は俺から冒険者ギルドに掛け合ってはみたが、野郎どもは規則規則って俺の顔を立てやしねぇ。まぁなんかあった時はナーヴァスの親父には俺から言うよ」
ギルドマスターは話を切って自分の仕事に戻る。男は背筋に走る悪寒を振り払うように小走りで自分の仕事に戻った。
*
緊急任務。アラムブラドから遠く離れた街であるエクスルトまでの護衛。
はっきり言ってそこまで難しい任務ではない。荷馬車を魔獣や野盗などから守りつつ街までえっちらおっちら旅をするだけだ。もちろん、実力のないものが護衛をするとなったら、距離にもよるが任務の難度は跳ね上がる。あとは通るべき道だ。安全なルートを外れるようなことになれば死へと直結する。
そして今回の任務はというと、急ぎの上、期日厳守。遅刻厳禁。荷物の破損は全額弁償という無理難題。その分の対価は超高額ではあるものの、誰も受けたがらず、落ち目のステラに話が回ってきた理由は至極簡単。不可能だからである。その理由が、近道となる”死の谷”を行かなければならないということ。
死の谷という物騒な名前が付いたのは通ろうとした者たちが生きて帰った試しがないことから来ている。冒険者が蛮勇を奮って入ってみたり、学術的好奇心から入って行く者もいたが、この世にはもういない。終いには自殺志願者が入って行くこともあったようだ。そういった多くの事例からギルドは死の谷を立入禁止区域としている。ただし入ってしまったものに対する処罰は考えていない。
アラムブラドから離れ、死の谷により近い小さな町に立ち寄ったステラ一行は休憩がてらお食事処に立ち寄り、地図とにらめっこしていた。
「迂回すれば最低でも5日は掛かる。でも死の谷を抜ければ2日。この差は大きい」
「でもさ、死の谷を攻略した例がないのに突っ切るのは危ないんじゃ……」
「大変申し訳ないのですが、私にはもう後がないんです。ここで失敗したら廃業になっちゃうから……」
ステラは自分に言い聞かせるように呟く。
『ふへへっ。あの谷に行くのかえ?よした方がええと思うがのぅ』
「何か知っているのか?フローラ」
(わっ……まただ……)
ステラは地図から視線を逸らさずにライトに聞き耳を立てる。ここまでの道中、3人とも時より宙空に話しかけることがある。傍から見たら気味が悪い。イケメンというフィルターを掛けても虚空に話しかける姿は怖すぎる。
(やっぱり気が触れたって噂は本当なのかも……)
順風満帆だったチームをいきなり解散させ、ロングソードに執着し、山籠りの末イマジナリーフレンドに話しかけるという奇行。解散に関しても、チームの女性たちがライトに付いていけずに全員脱退し、実質解散になったという噂もあった。
最初こそイケメンに対するやっかみだろうと思っていたが、目の前で見せられると納得せざるを得ない。
『教えぬ。女神を倒せる実力があるのならばどうということはない。それに其れらがあれにどう対処するのか。此れは見てみたいからのぅ』
「おい待て、何を勝手な……」
「それで致命傷でも受ければ面倒なことになりかねない。もしもレッドが怪我でもしたらどうする。勿体ぶらずに教えたらどうなの?」
『んぅ?いやいや、其れは大丈夫じゃないか?何にせよ此れは教えん。諦めることじゃな』
プイッとフローラは顔を背け、口を閉ざす。しつこく聞いても無駄だと悟り、オリーもへの字に口を閉ざす。
「ふむ……どの道死の谷を抜けないと期日には間に合わない。何が待ち受けているのかは入って確かめてみるしかないか……」
「ちょっ……ほんとに入るんですか?」
ライトの呟きにレッドは焦りながら質問する。見るからに情けなく、自信なさげな雰囲気にふと気付いた冒険者がじっと目を細めてレッドのことを見ていた。
「あーっ!」
急に声を上げ、ビシッと指をまっすぐ突き立ててレッドを指すこの冒険者はクラウドサインのリーダー、シルニカ。ズカズカとレッドとの距離を詰める。
「レッドじゃないの!こんなとこで会うとは奇遇ね!」
偉そうに腕を組みながらも嬉しそうに話し掛けるシルニカ。チームの男性陣が各々「お嬢!」と声を掛けながら追いついて来た。
「え?あ、シルニカさん。こんにちわ」
「こんにちわ~……じゃないわよ。こんなところで何してんのよ」
「えっとその……警護の仕事をしているというか……」
「警護?ってことはアラムブラドから?奇遇ね!私たちも警護の仕事をしているのよ!」
「あ、そ、そうだったんですね」
「そうよ!……で?この子が警護対象?……ふ~ん。そんなことよりも!」
ズイッとレッドの目と鼻の先まで近寄る。レッドは急な接近にビビり、恥ずかしさも相まって縮こまる。顔を赤くして忙しなく動く目を睨むように見つめるシルニカは、どの目にも合わないようにそっと左に目を逸らし呟いた。
「……あの時はその……助かったわ。あ、あり……ありがとうね」
ぎこちない感謝の言葉。怒られるのではないかと身構えていたレッドは空気が抜けたように「へっ?」と間抜けな声を出す。
「お……お嬢が!」
「感謝を!?」
チームメイトは驚きのあまり目を見開く。
「は?なになに?……はぁっ?!何でそんな驚いてんのよ!私だって普通に感謝してるでしょ!いつもっ!!」
シルニカの主張など誰にも響かない。傍若無人を絵に描いた彼女が自ら感謝を述べるのは珍しいことだ。シルニカが顔を真っ赤にしながら怒っていると、ふと視界に入ったライトとオリーに焦点を当てる。
「ふんっ!一応あんたらにも感謝しとくわ。レッドだけじゃ不公平だからね」
「私には必要ない」
「確かにオリーさんの言う通りだ。困った時はお互い様というか……」
「はっ?!ちょっ……!?好意くらい受け取んなさいよ!!」
ヒステリックに騒ぐシルニカを仲間たちが宥め、両腕を抱え、引き摺られながら回収されていく。
「今回は引き下がってあげるわ!でも次は無いわよ!次は私があんたらに借りを返すんだから!!覚えてなさい!!絶対に……っ!!~……!!」
店にも客にも迷惑を掛けながら、連れ出されてなお叫び続けるシルニカ。仲間の1人がレッドたちに向かって軽くお辞儀をしながら出ていった。
叫んででも伝えたい内容を聞けば、終始命を助けてもらったという大恩からの感謝の言葉。命を助けてもらった時に憑き物が落ちたようだ。レッドを貶していた頃の彼女はもういない。
「あれって……確かクラウドサインの……」
ステラは連れて行かれるシルニカを目で追いながら動揺を隠しきれない。風花の翡翠やクラウドサインが認めるたった3人のチームに興味が尽きない。
「あ、あなたたちはいったい……なんなんですか?」
「へ?……どういう意味です?」
ステラにもどう言ったらいいか言語化出来ず、目を瞬かせながら地図とのにらめっこに戻った。
10
あなたにおすすめの小説
【もうダメだ!】貧乏大学生、絶望から一気に成り上がる〜もし、無属性でFランクの俺が異文明の魔道兵器を担いでダンジョンに潜ったら〜
KEINO
ファンタジー
貧乏大学生の探索者はダンジョンに潜り、全てを覆す。
~あらすじ~
世界に突如出現した異次元空間「ダンジョン」。
そこから産出される魔石は人類に無限のエネルギーをもたらし、アーティファクトは魔法の力を授けた。
しかし、その恩恵は平等ではなかった。
富と力はダンジョン利権を牛耳る企業と、「属性適性」という特別な才能を持つ「選ばれし者」たちに独占され、世界は新たな格差社会へと変貌していた。
そんな歪んだ現代日本で、及川翔は「無属性」という最底辺の烙印を押された青年だった。
彼には魔法の才能も、富も、未来への希望もない。
あるのは、両親を失った二年前のダンジョン氾濫で、原因不明の昏睡状態に陥った最愛の妹、美咲を救うという、ただ一つの願いだけだった。
妹を治すため、彼は最先端の「魔力生体学」を学ぶが、学費と治療費という冷酷な現実が彼の行く手を阻む。
希望と絶望の狭間で、翔に残された道はただ一つ――危険なダンジョンに潜り、泥臭く魔石を稼ぐこと。
英雄とも呼べるようなSランク探索者が脚光を浴びる華やかな世界とは裏腹に、翔は今日も一人、薄暗いダンジョンの奥へと足を踏み入れる。
これは、神に選ばれなかった「持たざる者」が、絶望的な現実にもがきながら、たった一つの希望を掴むために抗い、やがて世界の真実と向き合う、戦いの物語。
彼の「無属性」の力が、世界を揺るがす光となることを、彼はまだ知らない。
テンプレのダンジョン物を書いてみたくなり、手を出しました。
SF味が増してくるのは結構先の予定です。
スローペースですが、しっかりと世界観を楽しんでもらえる作品になってると思います。
良かったら読んでください!
ブラック企業で心身ボロボロの社畜だった俺が少年の姿で異世界に転生!? ~鑑定スキルと無限収納を駆使して錬金術師として第二の人生を謳歌します~
楠富 つかさ
ファンタジー
ブラック企業で働いていた小坂直人は、ある日、仕事中の過労で意識を失い、気がつくと異世界の森の中で少年の姿になっていた。しかも、【錬金術】という強力なスキルを持っており、物質を分解・合成・強化できる能力を手にしていた。
そんなナオが出会ったのは、森で冒険者として活動する巨乳の美少女・エルフィーナ(エル)。彼女は魔物討伐の依頼をこなしていたが、強敵との戦闘で深手を負ってしまう。
「やばい……これ、動けない……」
怪我人のエルを目の当たりにしたナオは、錬金術で作成していたポーションを与え彼女を助ける。
「す、すごい……ナオのおかげで助かった……!」
異世界で自由気ままに錬金術を駆使するナオと、彼に惚れた美少女冒険者エルとのスローライフ&冒険ファンタジーが今、始まる!
悪役貴族に転生したから破滅しないように努力するけど上手くいかない!~努力が足りない?なら足りるまで努力する~
蜂谷
ファンタジー
社畜の俺は気が付いたら知らない男の子になっていた。
情報をまとめるとどうやら子供の頃に見たアニメ、ロイヤルヒーローの序盤で出てきた悪役、レオス・ヴィダールの幼少期に転生してしまったようだ。
アニメ自体は子供の頃だったのでよく覚えていないが、なぜかこいつのことはよく覚えている。
物語の序盤で悪魔を召喚させ、学園をめちゃくちゃにする。
それを主人公たちが倒し、レオスは学園を追放される。
その後領地で幽閉に近い謹慎を受けていたのだが、悪魔教に目を付けられ攫われる。
そしてその体を魔改造されて終盤のボスとして主人公に立ちふさがる。
それもヒロインの聖魔法によって倒され、彼の人生の幕は閉じる。
これが、悪役転生ってことか。
特に描写はなかったけど、こいつも怠惰で堕落した生活を送っていたに違いない。
あの肥満体だ、運動もろくにしていないだろう。
これは努力すれば眠れる才能が開花し、死亡フラグを回避できるのでは?
そう考えた俺は執事のカモールに頼み込み訓練を開始する。
偏った考えで領地を無駄に統治してる親を説得し、健全で善人な人生を歩もう。
一つ一つ努力していけば、きっと開かれる未来は輝いているに違いない。
そう思っていたんだけど、俺、弱くない?
希少属性である闇魔法に目覚めたのはよかったけど、攻撃力に乏しい。
剣術もそこそこ程度、全然達人のようにうまくならない。
おまけに俺はなにもしてないのに悪魔が召喚がされている!?
俺の前途多難な転生人生が始まったのだった。
※カクヨム、なろうでも掲載しています。
お帰り転生―素質だけは世界最高の素人魔術師、前々世の復讐をする。
永礼 経
ファンタジー
特性「本の虫」を選んで転生し、3度目の人生を歩むことになったキール・ヴァイス。
17歳を迎えた彼は王立大学へ進学。
その書庫「王立大学書庫」で、一冊の不思議な本と出会う。
その本こそ、『真魔術式総覧』。
かつて、大魔導士ロバート・エルダー・ボウンが記した書であった。
伝説の大魔導士の手による書物を手にしたキールは、現在では失われたボウン独自の魔術式を身に付けていくとともに、
自身の生前の記憶や前々世の自分との邂逅を果たしながら、仲間たちと共に、様々な試練を乗り越えてゆく。
彼の周囲に続々と集まってくる様々な人々との関わり合いを経て、ただの素人魔術師は伝説の大魔導士への道を歩む。
魔法戦あり、恋愛要素?ありの冒険譚です。
【本作品はカクヨムさまで掲載しているものの転載です】
リヴァイヴ・ヒーロー ~異世界転生に侵略された世界に、英雄は再び現れる~
灰色キャット
ファンタジー
「君に今の時代に生まれ変わって欲しいんだ」
魔物の王を討伐した古き英雄グレリア・ファルトは死後、突然白い世界に呼び出され、神にそう言われてしまった。
彼は生まれ変わるという言葉に孫の言葉を思い出し、新しい人生を生きることを決意した。
遥か昔に生きていた世界がどう変わっているか、発展しているか期待をしながら700年後の時代に転生した彼を待ち受けていたのは……『英雄召喚』と呼ばれる魔法でやってきた異世界人の手によって破壊され発展した――変貌した世界だった。
歴史すら捻じ曲げられた世界で、グレリアは何を求め、知り……世界を生きるのだろうか?
己の心のままに生き、今を知るために、彼は再び歴史を紡ぐ。
そして……主人公はもう一人――『勇者』、『英雄』の定義すら薄くなった世界でそれらに憧れ、近づきたいと願う少年、セイル・シルドニアは学園での入学試験で一人の男と出会う。
そのことをきっかけにしてセイルは本当の意味で『勇者』というものを考え、『英雄』と呼ばれる存在になるためにもがき、苦しむことになるだろう。
例えどんな困難な道であっても、光が照らす道へと……己の力で進むと誓った、その限りを尽くして。
過去の英雄と現代の英雄(の卵)が交差し、歴史を作る!
異世界転生型アンチ異世界転生ファンタジー、ここに開幕!
――なろう・カクヨムでも連載中――
風魔法を誤解していませんか? 〜混ぜるな危険!見向きもされない風魔法は、無限の可能性を秘めていました〜
大沢ピヨ氏
ファンタジー
地味で不遇な風魔法──でも、使い方しだいで!?
どこにでもいる男子高校生が、意識高い系お嬢様に巻き込まれ、毎日ダンジョン通いで魔法検証&お小遣い稼ぎ! 目指せ収入UP。 検証と実験で、風と火が火花を散らす!? 青春と魔法と通帳残高、ぜんぶ大事。 風魔法、実は“混ぜるな危険…
さんざん馬鹿にされてきた最弱精霊使いですが、剣一本で魔物を倒し続けたらパートナーが最強の『大精霊』に進化したので逆襲を始めます。
ヒツキノドカ
ファンタジー
誰もがパートナーの精霊を持つウィスティリア王国。
そこでは精霊によって人生が決まり、また身分の高いものほど強い精霊を宿すといわれている。
しかし第二王子シグは最弱の精霊を宿して生まれたために王家を追放されてしまう。
身分を剥奪されたシグは冒険者になり、剣一本で魔物を倒して生計を立てるようになる。しかしそこでも精霊の弱さから見下された。ひどい時は他の冒険者に襲われこともあった。
そんな生活がしばらく続いたある日――今までの苦労が報われ精霊が進化。
姿は美しい白髪の少女に。
伝説の大精霊となり、『天候にまつわる全属性使用可』という規格外の能力を得たクゥは、「今まで育ててくれた恩返しがしたい!」と懐きまくってくる。
最強の相棒を手に入れたシグは、今まで自分を見下してきた人間たちを見返すことを決意するのだった。
ーーーーーー
ーーー
閲覧、お気に入り登録、感想等いつもありがとうございます。とても励みになります!
※2020.6.8お陰様でHOTランキングに載ることができました。ご愛読感謝!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる