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13章 新たなる大陸へ
182、新たな自分、新たな人生
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──魔導戦艦が帝国の都市領空に入る少し前に遡る。
「──今日からこの国はデザイア様の支配下に入る。拒むことなくすべてを受け入れろ。逆らう者は相手になる。覚えておくことだ。」
ガルムは無表情で淡々と剣聖たちに伝える。当然逆らう気力など生まれる筈もなく、剣聖という実力者たちですら閉口せざるを得ない。
沈黙を肯定だと捉えたガルムは少し考える様に目蓋を閉じる。隙を見せている様な仕草だが、もし本当にこの瞬間だけがこの男を殺せる最後の時だったとしても誰も動くことが出来ない。
何しろ帝国最強の男『剣神』を羽虫でも叩き潰すように軽く殺した男だ。
咳や身動ぎ、指の第一関節をピクッとでも曲げただけで殺されるのではないかと思えば、息を止めてでも自分の存在を消そうとするのは誰もが正しい行動だと称賛することだろう。
「……リック=タルタニアン。ここへ。」
その名が玉座の間に響いた時、ニールが目を見開いて玉座の間の出入り口を凝視する。
──バンッ
半開きになっていた両扉が勢いよく開け放たれる。そこにはビフレストで一緒に冒険していた面影はなかったが、確実にリックだと思える姿があった。
「申し訳ありませんガルム様ぁ!少し遅れてしまいましたぁ!」
「……構わない。」
ガルムの返答にリックはヘラヘラしながら肩で風を切る。
剣聖たちをぐるっと見渡しながら自分よりも強い実力者一人一人に冗談めかしてウィンクを送っていった。
その内にニールが視界に入り、一瞬驚いた様な信じられない様な顔をするも、すぐに笑顔になってニール指をさしながら通り過ぎ、玉座に続く階段を一段ずつ飛ばして軽やかに登りガルムの前に立った。
「お待たせ致しましたガルム様。」
「……ここをお前に任せる。デザイア様の恩義に報いよ。」
「畏まりました。」
「……何かあれば報告しろ。」
言うことは済ませたとばかりに玉座の間を後にするガルム。その後ろ姿を目で追いながらリックは自分の国に思いを馳せる。
冒険者では到達出来なかった頂き、皇帝という権力のトップ。アヴァンティアなど目ではないほどの領土と財宝がリックのものとなった瞬間だ。
「いいかお前らぁっ!!俺に傅けぇっ!!もしもこの俺に逆らえばどうなるか、今後はよく考えてから行動に移すんだなっ!!」
リックは高笑いしながら絶頂する。デザイアの部下となったことで全てを手に入れた。痛みに耐え、種族を変更してでも手に入れたかった力もこの手に備えた。
人生で最も自分を煩わせたニールにもしっかり分からせることが出来て気分は上々。
まさにここがリックの黄金期。
ガルムは一仕事終え、浮遊要塞に戻るために外に出た。何事もなく現れた敵を前にして、兵士たちは自分たちの国が敗北したのだと悟って項垂れる。
その表情にガルムは小さく息を吐いた。絶望に染まる表情を見て何故だか複雑な感情が湧いてくる。
デザイアのために支配し、デザイアのために捧げる国。こうすることが当然で、こうなることが必然な状況だと言うのに、何故こうも悲しいのだろうか。
こうして各世界で指定された国を幾度も支配してきたが同じ感情に見舞われる。その理由がどこかにある筈なのに、ポッカリと穴が空いた様に空白が埋まらない。
自分の起源が思い出せないのだ。
覚えているのは傅くものも、生命すらもない全てが塵と化した灰色の世界の中心で、たった一つだけ形状を保っていた玉座に座っていたこと。
生きていた記憶もそこに至る歴史もなく、身に付けていた武器だけが自分が何者であるかを教えてくれた。
──我は『魔剣帝』、その名をガルム=ヴォルフガング。
ただひたすらに技術を高め、剣の極致に至ることが自己同一性であり存在の証明となる。
しかし、何もなくなった世界には逆らうものも、脅威もなく、強くなることに何の意味があるのか疑問を感じていた。
そこに降り立つ無敵の化け物、デザイア=オルベリウス。
記憶はないが、体に刷り込まれるほどに練り上げられた剣術にて、待ち望んだ最強の敵と会い見えた。
結果は推して知るべしである。
(……何を考えている? 人間を哀れむなど私に許されていない。デザイア様のされることが絶対であり全てだ。私の願いを叶えられるのもまた、あの御方しか存在しえない。そうだ。私は結局、餌を待つだけの雛でしかないのだ……。)
自己憐憫に浸るガルムの空虚な目に一瞬光が灯る。心を揺るがすその気配は西の空にあった。
──ドゥンッ
花火を上げた様な空気を振動させる破裂音。
だが花火の様な可愛いものではない。あまりの衝撃波に雲が吹き飛び、心地良い風となってガルムの髪を揺らす。爽やかな風に肌を撫でられたガルムは目を細め、数世紀ぶりに口元が緩んだ。
「……ああ、もしかしたら……この世界で私は……。」
期待に胸を膨らませると同時に魔神としての責務が首をもたげる。
緩んだ口は引き締まり、鋭い眼光を宿して空に飛ぶ。ドーム状に都市を覆う魔障壁に穴を開け、その穴が閉じるよりも早く外へと潜り抜けたガルムは浮遊要塞へと戻った。
──そして現在。
柱の影に隠れる様に立っていた剣聖たちとニールは1級の剣師が連れてきた不届き者を観察していた。驚愕の事態が次々と起こり、ニールの頭はパンク寸前だった。
(どうなってる? 何なんだよ? あの大陸に置いて来たはずの過去がどうして……?)
ブルックと共に大陸を渡り、強くなって今一度みんなの前に立つ。いずれレッドという化け物を追い越し、惨めでしみったれたビフレスト時代に感じた屈辱を払拭する。
そういった目標、夢や希望を胸にやって来たルオドスタ帝国。新天地での成り上がりを期待していたニールは、到着後間もなく心を折られた。
見ただけで憧れた史上最強にして無双無敵の剣神は、魔神ガルム=ヴォルフガングの前に動くことすら出来ず呆気なく死に、見た目が魔族と大差なくなったリック=タルタニアンに心から見下され、傷心に身を沈める暇もなくライトとディロンが現れた。
目まぐるしく変化する状況に理解が追いつく筈もなく。
「はっはっはぁっ!この俺の華々しい舞台に間に合うとはあんたらは運が良いっ!……いや、逆か? ここに来たせいで逃げ場は無くなったんだからなぁ。新たな皇帝の前に跪け。死にたくないなら俺に傅くしか道はないぜ?」
「何だオメー。何様だこの野郎。」
「皇帝様だよ木偶の坊。人間の時からずっと思ってたんだ。あんた他人の話聞いてないだろ?」
「違ぇよ。オメーの話を聞きたくねぇんだよ。」
リックの目が見開かれ、額に血管が浮く。一触即発の雰囲気を感じ取り、慌てた剣聖が前に出た。
「おいっ!……口を慎め。お前の様な部外者が出てくる領域ではない。」
黒曜の鎧に身を包んだ大男が威厳たっぷりにディロンに釘を刺す。ディロンの目もリックから大男に向かう。
「あぁん?」
「うむ。アシュロフ殿の言う通りだ。今すぐにこの者どもを地下牢に入れろっ!目障りだっ!」
大男アシュロフに同調する様にスキンヘッドの男も同調する。
「黙れぇ剣聖どもぉっ!俺の許可なく喋るんじゃねぇっ!!」
リックは荒々しい口調で剣聖たちを怒鳴り散らす。その声にスキンヘッドもアシュロフも口を閉ざした。
「……よしディロン。さっきなんつった? ん? もう一回言ってみろ。」
「お? 何だ何だ? さっきまでのは鏡にでも吠えてたのか? 大層なことほざいといてオメーも人の話聞いてねぇじゃんか。」
「これは仕切り直しっていうんだよっ!ボケがっ!!はぁーっ!ったく……。さっき俺の話が聞きたくねぇって言ったな? そいつは何でだ?」
「うるせぇ殺すぞ。」
「話にならねぇなぁ……。おい、そこのハゲ。」
リックはスキンヘッドの男に話し掛ける。しかしスキンヘッドの男は誰のことを言っているのかとキョロキョロと周りを見渡している。
「お前だよスキンヘッドっ!!自分を客観的に見られねぇのかっ?!」
「ん? 何だ私か。私の名はデュラン=ウィド=ガドリスだ。今度からは名前を呼んでくれ。」
「知らねぇよハゲっ!今すぐこの男を始末しろっ!!」
「チッ……命令とあらば致し方あるまい。」
デュランは苛立ちながら剣を抜く。だがその様子を見てディロンが鼻で笑う。
「マジかよ。人間やめてまでそんな強そうになったのに戦いは避けるのか? こいつは傑作だっ!」
「……なに?」
「違うのかクソったれ。ま、オメーみたいな雑魚に俺は荷が重いぜ。となりゃ国を治めるなんてオメーにゃ無理だな。さっさとデザイアのとこに帰って泣きつけよ雑魚野郎。」
リックの額どころか顔中に血管が浮き出る。ライトもこの発言には苦言を呈す。
「……煽るなよディロン。やり過ぎだ。」
「そうか? んなことねぇだろ?」
「もういい!私が相手になると言っているであろう!」
「黙れデュランっ!!」
デュランは振り返ってリックを見る。リックは顎をしゃくって退く様に促した。
「……下がれ。お前にもう用はない。」
「……命令とあらば。」
デュランは剣を仕舞ってマントを翻した。リックはディロンを睨み付けながら前に出る。
「良いぜ木偶の坊。俺が相手をしてやるよ。魔族となった俺の力をその身に刻んでやるよっ!!」
「──今日からこの国はデザイア様の支配下に入る。拒むことなくすべてを受け入れろ。逆らう者は相手になる。覚えておくことだ。」
ガルムは無表情で淡々と剣聖たちに伝える。当然逆らう気力など生まれる筈もなく、剣聖という実力者たちですら閉口せざるを得ない。
沈黙を肯定だと捉えたガルムは少し考える様に目蓋を閉じる。隙を見せている様な仕草だが、もし本当にこの瞬間だけがこの男を殺せる最後の時だったとしても誰も動くことが出来ない。
何しろ帝国最強の男『剣神』を羽虫でも叩き潰すように軽く殺した男だ。
咳や身動ぎ、指の第一関節をピクッとでも曲げただけで殺されるのではないかと思えば、息を止めてでも自分の存在を消そうとするのは誰もが正しい行動だと称賛することだろう。
「……リック=タルタニアン。ここへ。」
その名が玉座の間に響いた時、ニールが目を見開いて玉座の間の出入り口を凝視する。
──バンッ
半開きになっていた両扉が勢いよく開け放たれる。そこにはビフレストで一緒に冒険していた面影はなかったが、確実にリックだと思える姿があった。
「申し訳ありませんガルム様ぁ!少し遅れてしまいましたぁ!」
「……構わない。」
ガルムの返答にリックはヘラヘラしながら肩で風を切る。
剣聖たちをぐるっと見渡しながら自分よりも強い実力者一人一人に冗談めかしてウィンクを送っていった。
その内にニールが視界に入り、一瞬驚いた様な信じられない様な顔をするも、すぐに笑顔になってニール指をさしながら通り過ぎ、玉座に続く階段を一段ずつ飛ばして軽やかに登りガルムの前に立った。
「お待たせ致しましたガルム様。」
「……ここをお前に任せる。デザイア様の恩義に報いよ。」
「畏まりました。」
「……何かあれば報告しろ。」
言うことは済ませたとばかりに玉座の間を後にするガルム。その後ろ姿を目で追いながらリックは自分の国に思いを馳せる。
冒険者では到達出来なかった頂き、皇帝という権力のトップ。アヴァンティアなど目ではないほどの領土と財宝がリックのものとなった瞬間だ。
「いいかお前らぁっ!!俺に傅けぇっ!!もしもこの俺に逆らえばどうなるか、今後はよく考えてから行動に移すんだなっ!!」
リックは高笑いしながら絶頂する。デザイアの部下となったことで全てを手に入れた。痛みに耐え、種族を変更してでも手に入れたかった力もこの手に備えた。
人生で最も自分を煩わせたニールにもしっかり分からせることが出来て気分は上々。
まさにここがリックの黄金期。
ガルムは一仕事終え、浮遊要塞に戻るために外に出た。何事もなく現れた敵を前にして、兵士たちは自分たちの国が敗北したのだと悟って項垂れる。
その表情にガルムは小さく息を吐いた。絶望に染まる表情を見て何故だか複雑な感情が湧いてくる。
デザイアのために支配し、デザイアのために捧げる国。こうすることが当然で、こうなることが必然な状況だと言うのに、何故こうも悲しいのだろうか。
こうして各世界で指定された国を幾度も支配してきたが同じ感情に見舞われる。その理由がどこかにある筈なのに、ポッカリと穴が空いた様に空白が埋まらない。
自分の起源が思い出せないのだ。
覚えているのは傅くものも、生命すらもない全てが塵と化した灰色の世界の中心で、たった一つだけ形状を保っていた玉座に座っていたこと。
生きていた記憶もそこに至る歴史もなく、身に付けていた武器だけが自分が何者であるかを教えてくれた。
──我は『魔剣帝』、その名をガルム=ヴォルフガング。
ただひたすらに技術を高め、剣の極致に至ることが自己同一性であり存在の証明となる。
しかし、何もなくなった世界には逆らうものも、脅威もなく、強くなることに何の意味があるのか疑問を感じていた。
そこに降り立つ無敵の化け物、デザイア=オルベリウス。
記憶はないが、体に刷り込まれるほどに練り上げられた剣術にて、待ち望んだ最強の敵と会い見えた。
結果は推して知るべしである。
(……何を考えている? 人間を哀れむなど私に許されていない。デザイア様のされることが絶対であり全てだ。私の願いを叶えられるのもまた、あの御方しか存在しえない。そうだ。私は結局、餌を待つだけの雛でしかないのだ……。)
自己憐憫に浸るガルムの空虚な目に一瞬光が灯る。心を揺るがすその気配は西の空にあった。
──ドゥンッ
花火を上げた様な空気を振動させる破裂音。
だが花火の様な可愛いものではない。あまりの衝撃波に雲が吹き飛び、心地良い風となってガルムの髪を揺らす。爽やかな風に肌を撫でられたガルムは目を細め、数世紀ぶりに口元が緩んだ。
「……ああ、もしかしたら……この世界で私は……。」
期待に胸を膨らませると同時に魔神としての責務が首をもたげる。
緩んだ口は引き締まり、鋭い眼光を宿して空に飛ぶ。ドーム状に都市を覆う魔障壁に穴を開け、その穴が閉じるよりも早く外へと潜り抜けたガルムは浮遊要塞へと戻った。
──そして現在。
柱の影に隠れる様に立っていた剣聖たちとニールは1級の剣師が連れてきた不届き者を観察していた。驚愕の事態が次々と起こり、ニールの頭はパンク寸前だった。
(どうなってる? 何なんだよ? あの大陸に置いて来たはずの過去がどうして……?)
ブルックと共に大陸を渡り、強くなって今一度みんなの前に立つ。いずれレッドという化け物を追い越し、惨めでしみったれたビフレスト時代に感じた屈辱を払拭する。
そういった目標、夢や希望を胸にやって来たルオドスタ帝国。新天地での成り上がりを期待していたニールは、到着後間もなく心を折られた。
見ただけで憧れた史上最強にして無双無敵の剣神は、魔神ガルム=ヴォルフガングの前に動くことすら出来ず呆気なく死に、見た目が魔族と大差なくなったリック=タルタニアンに心から見下され、傷心に身を沈める暇もなくライトとディロンが現れた。
目まぐるしく変化する状況に理解が追いつく筈もなく。
「はっはっはぁっ!この俺の華々しい舞台に間に合うとはあんたらは運が良いっ!……いや、逆か? ここに来たせいで逃げ場は無くなったんだからなぁ。新たな皇帝の前に跪け。死にたくないなら俺に傅くしか道はないぜ?」
「何だオメー。何様だこの野郎。」
「皇帝様だよ木偶の坊。人間の時からずっと思ってたんだ。あんた他人の話聞いてないだろ?」
「違ぇよ。オメーの話を聞きたくねぇんだよ。」
リックの目が見開かれ、額に血管が浮く。一触即発の雰囲気を感じ取り、慌てた剣聖が前に出た。
「おいっ!……口を慎め。お前の様な部外者が出てくる領域ではない。」
黒曜の鎧に身を包んだ大男が威厳たっぷりにディロンに釘を刺す。ディロンの目もリックから大男に向かう。
「あぁん?」
「うむ。アシュロフ殿の言う通りだ。今すぐにこの者どもを地下牢に入れろっ!目障りだっ!」
大男アシュロフに同調する様にスキンヘッドの男も同調する。
「黙れぇ剣聖どもぉっ!俺の許可なく喋るんじゃねぇっ!!」
リックは荒々しい口調で剣聖たちを怒鳴り散らす。その声にスキンヘッドもアシュロフも口を閉ざした。
「……よしディロン。さっきなんつった? ん? もう一回言ってみろ。」
「お? 何だ何だ? さっきまでのは鏡にでも吠えてたのか? 大層なことほざいといてオメーも人の話聞いてねぇじゃんか。」
「これは仕切り直しっていうんだよっ!ボケがっ!!はぁーっ!ったく……。さっき俺の話が聞きたくねぇって言ったな? そいつは何でだ?」
「うるせぇ殺すぞ。」
「話にならねぇなぁ……。おい、そこのハゲ。」
リックはスキンヘッドの男に話し掛ける。しかしスキンヘッドの男は誰のことを言っているのかとキョロキョロと周りを見渡している。
「お前だよスキンヘッドっ!!自分を客観的に見られねぇのかっ?!」
「ん? 何だ私か。私の名はデュラン=ウィド=ガドリスだ。今度からは名前を呼んでくれ。」
「知らねぇよハゲっ!今すぐこの男を始末しろっ!!」
「チッ……命令とあらば致し方あるまい。」
デュランは苛立ちながら剣を抜く。だがその様子を見てディロンが鼻で笑う。
「マジかよ。人間やめてまでそんな強そうになったのに戦いは避けるのか? こいつは傑作だっ!」
「……なに?」
「違うのかクソったれ。ま、オメーみたいな雑魚に俺は荷が重いぜ。となりゃ国を治めるなんてオメーにゃ無理だな。さっさとデザイアのとこに帰って泣きつけよ雑魚野郎。」
リックの額どころか顔中に血管が浮き出る。ライトもこの発言には苦言を呈す。
「……煽るなよディロン。やり過ぎだ。」
「そうか? んなことねぇだろ?」
「もういい!私が相手になると言っているであろう!」
「黙れデュランっ!!」
デュランは振り返ってリックを見る。リックは顎をしゃくって退く様に促した。
「……下がれ。お前にもう用はない。」
「……命令とあらば。」
デュランは剣を仕舞ってマントを翻した。リックはディロンを睨み付けながら前に出る。
「良いぜ木偶の坊。俺が相手をしてやるよ。魔族となった俺の力をその身に刻んでやるよっ!!」
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