一般トレジャーハンターの俺が最強の魔王を仲間に入れたら世界が敵になったんだけど……どうしよ?

大好き丸

文字の大きさ
110 / 718
第四章 崩壊

第一話 未知

しおりを挟む
(何が起こった?)

突然の暗闇。まるでライトのスイッチを切った様な瞬間的な明るさの消失。すぐ後ろにいたはずのミーシャ、ベルフィア、ブレイド、アルル、ウィーは気配のけの字すら感じられない。

小動物のささやき程度のミーシャの声が炭鉱内に響く。そう離れていないだろうが、一瞬にして距離が離れたことは事実。

初めての事に困惑するラルフ。鞄を漁り、ライトを取り出す。スイッチを入れるとすぐさま明かりが付いた。その明るさに安心したラルフは、先ほど起こったことについてを冷静に考える。

(あれはなんだ?地形が常に変わっていた…まるで生き物の腹の中の様な…)

顎に手を当てて熟考する。経験則にない。様々な書物を読んできたからその中のどれかには引っかかるかもしれないが、転移くらいしかそれっぽいものがない。

(いや違う…ただの転移なんかじゃない。もっと高尚な魔法だ)

周りをライトで照らす。確認するがさっきのように地形が変わっていると言う事は無い。しばらく同じところを見ていても変わらず、入り口付近の劇的な変化はない。

(時間による変化か、はたまた踏み込んだ時に作動する罠か…何にしろ一人で行動するのは不味いな)

前を見ても洞窟、後ろを見ても洞窟。暗闇が続くばかり。ただ一人の孤独な空間。しかし今回は依然と違って多くの仲間たちがいる。こんな状態になっても心細くはない。ただ厄介なのは合流の必要がある事だ。

蛍光塗料を取り出してみる。しかし印をつけた所で岩場毎移動の対象内となるなら全くの無意味である。となればどう探す?探す必要はない。一人だけはぐれたのであればその一人がその場から動かない事が見つけてもらうのに一番だと思う、何が正解かも分からない状況で動くのは得策ではない。が、結局転移させられるのであれば意味がない。

(えぇ…?これもうどうにもできないな…)

ラルフの結論は簡単なものだった。動かない。

それっぽい腰かけられそうな岩を見つけて腰かける。ちょっと湿っているがこれくらいどうと言うとこはない。凹んだ水筒を取り出し水分を摂取する。長期滞在を考えて、缶詰の個数を数える。

「あら?一個足りない…」

最近は狩猟生活で缶詰を開ける事は無かった。ミーシャも満足していたし、ベルフィアは食事の必要が無い。落としたか食べたか。ないものを考えても仕方がない。ひとまず五つの缶詰を並べて、虎の子の魔牛缶があったことにホッとして鞄に入れ直す。

他にも失くしていないか鞄をゴソゴソしていると、「痛っ!!」脛に痛みを覚えて飛び上がる。慌てて裾を捲りあげると虫が足に食いついている。

「うわっ!?」

喰いついた虫を払いのけると、下には大量の虫が群がっていた。

「嘘だろ!?なんだよこれは!!」

そこに住み着いていた虫はサソリとヤゴが合体してハサミと毒針を取り除いたような奇怪な生物だった。ラルフの足にかじりついた事を考えれば多分肉食の部類だろう。さらに羽根が退化したコガネムシや全長30cmの長いだけのムカデ。毛がびっしり生えたアシダカグモ。そんな様々な奇怪な虫たちがそこら中の穴という穴から這い出てラルフに群がろうと頑張っていた。

ラルフは走ってその場を離れる。

「あり得ねぇ!」

中に誘い込む罠に肉食の虫たち。嫌がらせの為だけに作られたと言って過言ではないこの炭鉱跡にぶつくさ文句を言いつつ、走り回る。

殺虫剤に類する虫特効を用意していればなんということもないのだろうが、今は所持していない。それに多分虫だけではない。他にも何らかの動物がこの岩肌に潜んでいるに違いない。さらに転移。ガス溜まりや崩落して自然にできた落とし穴などの自然の罠なんかも必ずあるだろう。

この危険な炭鉱跡を調べる必要があるわけだ。

(安全地帯がそもそもねーな!)

調べる時間も、転移により安全地帯がない現状でどうにもできない事は既にラルフの中で答えが出ていたというのに考えすら堂々めぐりとなっていた。何か走り回ってたら、はぐれた仲間たちと合流しないかなと運にすら頼るようになっていた。

どっちが先かどっちが奥か。とにかく虫から離れる事を選んだ。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

ザコ魔法使いの僕がダンジョンで1人ぼっち!魔獣に襲われても石化した僕は無敵状態!経験値が溜まり続けて気づいた時には最強魔導士に!?

さかいおさむ
ファンタジー
戦士は【スキル】と呼ばれる能力を持っている。 僕はスキルレベル1のザコ魔法使いだ。 そんな僕がある日、ダンジョン攻略に向かう戦士団に入ることに…… パーティに置いていかれ僕は1人ダンジョンに取り残される。 全身ケガだらけでもう助からないだろう…… 諦めたその時、手に入れた宝を装備すると無敵の石化状態に!? 頑張って攻撃してくる魔獣には申し訳ないがダメージは皆無。経験値だけが溜まっていく。 気づけば全魔法がレベル100!? そろそろ反撃開始してもいいですか? 内気な最強魔法使いの僕が美女たちと冒険しながら人助け!

最弱Sランク冒険者は引退したい~仲間が強すぎるせいでなぜか僕が陰の実力者だと勘違いされているんだが?

月ノ@最強付与術師の成長革命/発売中
ファンタジー
冒険者のノエルはSランクパーティーの荷物もちだった。 ノエル自体に戦闘能力はなく、自分のことを足手まといだとすら思っていた。 そして、Sランクになったことで、戦うモンスターはより強力になっていった。 荷物持ちであるノエルは戦闘に参加しないものの、戦場は危険でいっぱいだ。 このままじゃいずれ自分はモンスターに殺されてしまうと考えたノエルは、パーティーから引退したいと思うようになる。 ノエルはパーティーメンバーに引退を切り出すが、パーティーメンバーはみな、ノエルのことが大好きだった。それどころか、ノエルの実力を過大評価していた。 ノエルがいないとパーティーは崩壊してしまうと言われ、ノエルは引退するにできない状況に……。 ノエルは引退するために自分の評判を落とそうとするのだが、周りは勘違いして、ノエルが最強だという噂が広まってしまう。 さらにノエルの評判はうなぎのぼりで、ますます引退できなくなるノエルなのだった。 他サイトにも掲載

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

MP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜

KeyBow
ファンタジー
 間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。  何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。  召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!  しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・  いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。  その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。  上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。  またぺったんこですか?・・・

S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります

内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品] 冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた! 物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。 職人ギルドから追放された美少女ソフィア。 逃亡中の魔法使いノエル。 騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。 彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。 カクヨムにて完結済み。 ( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )

固有スキルガチャで最底辺からの大逆転だモ~モンスターのスキルを使えるようになった俺のお気楽ダンジョンライフ~

うみ
ファンタジー
 恵まれない固有スキルを持って生まれたクラウディオだったが、一人、ダンジョンの一階層で宝箱を漁ることで生計を立てていた。  いつものように一階層を探索していたところ、弱い癖に探索者を続けている彼の態度が気に入らない探索者によって深層に飛ばされてしまう。  モンスターに襲われ絶体絶命のピンチに機転を利かせて切り抜けるも、ただの雑魚モンスター一匹を倒したに過ぎなかった。  そこで、クラウディオは固有スキルを入れ替えるアイテムを手に入れ、大逆転。  モンスターの力を吸収できるようになった彼は深層から無事帰還することができた。  その後、彼と同じように深層に転移した探索者の手助けをしたり、彼を深層に飛ばした探索者にお灸をすえたり、と彼の生活が一変する。  稼いだ金で郊外で隠居生活を送ることを目標に今日もまたダンジョンに挑むクラウディオなのであった。 『箱を開けるモ』 「餌は待てと言ってるだろうに」  とあるイベントでくっついてくることになった生意気なマーモットと共に。

レベルアップに魅せられすぎた男の異世界探求記(旧題カンスト厨の異世界探検記)

荻野
ファンタジー
ハーデス 「ワシとこの遺跡ダンジョンをそなたの魔法で成仏させてくれぬかのぅ?」 俺 「確かに俺の神聖魔法はレベルが高い。神様であるアンタとこのダンジョンを成仏させるというのも出来るかもしれないな」 ハーデス 「では……」 俺 「だが断る!」 ハーデス 「むっ、今何と?」 俺 「断ると言ったんだ」 ハーデス 「なぜだ?」 俺 「……俺のレベルだ」 ハーデス 「……は?」 俺 「あともう数千回くらいアンタを倒せば俺のレベルをカンストさせられそうなんだ。だからそれまでは聞き入れることが出来ない」 ハーデス 「レベルをカンスト? お、お主……正気か? 神であるワシですらレベルは9000なんじゃぞ? それをカンスト? 神をも上回る力をそなたは既に得ておるのじゃぞ?」 俺 「そんなことは知ったことじゃない。俺の目標はレベルをカンストさせること。それだけだ」 ハーデス 「……正気……なのか?」 俺 「もちろん」 異世界に放り込まれた俺は、昔ハマったゲームのように異世界をコンプリートすることにした。 たとえ周りの者たちがなんと言おうとも、俺は異世界を極め尽くしてみせる!

処理中です...