16 / 40
16話 伯爵家の使用人たち
しおりを挟む
私の植物成長スキルは、成長促進、品質向上の効果があると判明した。
この頃、フレイさんやクレイトンさんは、仕事が多忙になってきた。
忙しい時期に付き合わせるのは悪い。そう思った私は、日中の暇な時間を使って、温室や庭で植物を育てる。
「今日の収穫はトマトにジャガイモにトウモロコシ――か。トマトはともかく、ジャガイモとトウモロコシはアメリカ大陸原産だって習ったけど」
なんだかめちゃくちゃだ。
でもそれは地球の話だし。
この世界がヨーロッパ風に見えても、歴史や文化や常識は地球とは結構異なる。
「それにしても季節感がないなあ。いくら温室とはいえ、こんなに色んな野菜が育つなんて。聖女の力ってすごいな」
これだけの野菜が一気に育って収穫できるのは、この世界の常識でも考えられないとフレイさんは言っていた。
しかも野菜も果物も、栄養価が豊富で味も良い。おかげで最近は、お屋敷の料理に使われる食材は、ほぼ温室産になっている。
「さて、今日の分はこれぐらいでいいかな」
「エリカさまーっ!」
「リリィちゃん。手伝いに来てくれたの?」
「うんっ! じゃなくて、はいっ!」
「私の前では緊張しなくていいんだよ」
「でもでも、エリカ様はリリィの恩人です! それにフレイ様の大切な人だから、節度を持って接しなさいってメイド長に言われました!」
両手を握って力説するのは、メイド見習いのリリィちゃん。まだ13歳の女の子で、ツインテールに結んだ髪が可愛らしい。
私を気に入ってくれているようで、とくにこの数日は、私の姿を見つけると駆け寄ってくる。
それというのも、数日前――。
***
「きゃああああああッ!!」
昼食を食べ終わり、そろそろ着替えて外に出ようとしていた矢先。重い物が崩れるような音と、女の子の悲鳴が聞こえてきた。
声の出どころを探ると、ある一室に使用人が集まっていた。パーシヴァル家の代々当主が収集した美術品や珍品が陳列されている博物室だ。
「何があったんですか?」
「! これはエリカ様! それが……」
使用人の1人が視線で示した先には、大きな甲冑が崩れていた。その下からぐったりと動かない少女が救助される。
「あれはリリィちゃん!?」
「今日はリリィたちが博物室の掃除係でした。一緒に掃除していたメイドの話によると、リリィはあの甲冑を念入りに掃除していたそうです」
「しかし固定している土台が悪くなっていたようで、足の掃除をしている時に甲冑が崩れ、リリィはその下敷きに……」
「あの甲冑は40kgほどあります。軽量化が進んだ現代の甲冑とは異なる年代物です。しかも儀礼用だったらしく、相当な重量があります。しかもリリィは打ちどころが悪かったようで、あのように……」
よく見ると、後頭部から血が出ている。運の悪いことに、たぶん頭に直撃したんだろう。
リリィちゃんはまだ13歳の女の子だ。下手をしたら自分の体重より重い物の下敷きになり、しかも頭を打ったとあれば、命に係わる出来事だ。
私はすぐさまリリィちゃんに駆け寄ると、両手をかざした。
「エリカ様? 何を――」
「静かに……“アース・ヒーリング”!」
訝しがる使用人を嗜めて、回復魔法を発動させる。リリィちゃんの血が止まり、真っ白だった顔色に赤みが戻る。使用人たちが驚きの声をあげる中で、リリィちゃんは目を開いた。
「……エリカ、様……? それに、みなさんも……ええっと、リリィは何を……?」
「リリィ、良かった! あなた覚えていないの? あなたは掃除中に甲冑の下敷きになったのよ!」
「! そうでした、わたし……!」
「でも、もう大丈夫よ。エリカ様が治してくださったからね」
「エリカ様が……?」
「リリィちゃん、痛いところはない?」
「え……? は、はい、大丈夫……みたいです」
「良かった」
安心して思わず笑みを浮かべる。
瞬間、その場にいたリリィちゃんを含む全員の私を見る目が変わった――ような気がした。
「ありがとうございます、エリカ様……それと、申し訳ございません! 大事な甲冑を倒してしまって……もしかすると傷が……!!」
「気にしなくていいよ。土台が悪くなっていたんでしょう? 私からフレイさんに言っておきます。ちゃんと事情を離せば分かってくれる人だから、大丈夫ですよ」
「ああ……ありがとう、ございますっ!」
これまでの私は、使用人たちにとっては突然現れた人だった。
もちろん丁寧にお世話してくれていたけど、どことなく壁というか、距離があったように感じる。
それはきっと、私が外から来た人間だったから。意識的にではなくても、心のどこかで内と外を分けてしまうのが人の性分だ。
いくら婚約者という立場であっても、すぐに内側の人間として意識を切り替えるのは難しかったんだと思う。
でも今、リリィちゃんを助けたことで、使用人たちの私を見る目が変わった。
これまで以上の敬意と親愛が込められた眼差し。
私はこの変化を、つい先日ウェルスの街で体験したばかりだ。だから何が起きたのか、なんとなく分かった。
彼らの仲間を助けたことが、私も仲間であるという意識を、みんなにもたらしたようだ。
ちなみにその晩、フレイさんに事情を話したところ、やっぱり私の予想通りの反応が返ってきた。
「土台が悪くなっていたせいで、メイドが怪我をした……ですか。それはいけませんね。明日にでも博物室を確認して、危険性が高い物の管理方法を改めるようにしましょう」
「すみません、忙しいのに」
「謝る必要はありません。使用人が安全に働けるよう、環境を整えるのも当主の役目です。エリカ殿、我が家の使用人を助けてくださり、ありがとうございました」
「さすがに見過ごせませんからね」
「やはりエリカ殿は、優しいお方だ」
人として当たり前のことをしているだけなのに、フレイさんの好感度がガンガン上がっていく。
もっとも私としても、使用人の労働環境をちゃんと考えているフレイさんへの好感度がさらに上がったんだけどね。
***
そんなことがあって以来、リリィちゃんはすっかり私に懐いてしまった。他の使用人たちもリリィちゃんの一件以来、気軽に声をかけてくれるようになった。
「それじゃあリリィちゃん、そっちのトマトが入ったカゴをお願いするね」
「はーい!」
厨房に野菜を運ぶ。この野菜の品質の良さも、メイドさんたちの好感度アップに繋がっていると思う。
「あらあら、いつもありがとうございます! エリカ様のお野菜は、調理のし甲斐がありますわ!」
「本当に。お屋敷だけで使用するのは、もったいないですね。こんなにおいしいお野菜、市場に卸せばいい値段がつくと思いますのに」
「だからこそ市場には流せないんですよ。これってチート――いわば裏技で作った野菜だから。こんなのが市場に出回れば、普段売られている野菜が売れなくなるでしょう。そうすると、野菜を作っている農家の生活が成り立たなくなってしまいます」
ほぼ確実に不満や争いの火種になる。
下手したら反乱とかに繋がって、フレイさんに迷惑をかけるかもしれない。そんな事態は避けたいところだ。
「今の段階で市場に流通させるのは、控えた方がいいと考えたんです。でもフレイさんのお友達の植物学者さんに頼んで、成分分析や種の採取を頼んでいるから。来年以降は農家でも作れるようになるかも。それなら流通させて問題ないですよ」
「なるほどです……さすがエリカ様です! リリィはそこまで頭が回りませんでした!」
「やはり教育なのでしょうねえ。私たち下々の者とは視点が違いますもの」
「やっぱりエリカ様は貴人さんなんですね! さすがフレイ様が選ばれたお方です!」
「そんな大層なものじゃないんだけどな」
思わず苦笑する。
現代日本で義務教育を修了しているから、その辺りの事情についてある程度分かるというだけだ。
この世界に来てからというもの、義務教育のありがたさを痛感している。現代日本にいた頃は当たり前だと思っていたけど、やっぱり日本の教育水準って高いんだなぁ。
「リリィが知らないお話もいっぱい聞かせてくれますし! エリカ様、また後で昨日のお話の続き、教えてくださいね!」
「まあリリィったら、エリカ様にご迷惑をおかけして!」
厨房を仕切っているメイド長がリリィちゃんを嗜める。
「いいんですよ。私も故郷に伝わる物語を思い出しながら、懐かしく感じているんです」
「エリカ様がそうおっしゃるのであれば……」
私が取りなすと、メイド長は諦めたように溜息をついて譲歩してくれた。
「わーい! 後で『赤ずきん』の続き、聞かせてくださいね!」
「うん、どこまで話したっけ」
「ええっと、えっと、狼さんに赤ずきんのおばあさんが食べられちゃったところです!」
「そうだったね、これからさらに面白くなるんだよ」
「楽しみですー!」
「……楽しいお話なのですか、それは?」
「ええ、そうなんですよ。ここから赤ずきんは――」
「ああっ、ダメです、ダメです! お仕事が終わってからのお楽しみです! 続きが気になるのでしたら、皆さんもエリカ様のお話を聞きに来てください!」
私たちの話は、厨房にいるメイドさんたちの興味を引いたみたいだ。
その後仕事を終えたメイドの皆さん――メイド長を含める――に、私の世界の童話を聞かせることになった。
「えへへへ、最後はみんな助かって良かったですねー」
「知らない人について行ってはいけないという教訓ですね。なるほど……この内容なら、お説教臭くならず子供たちに言い聞かせることができそうです。ありがとうございます」
「こちらこそ、ご清聴ありがとうございました」
少し照れ臭いけど、メイドさんたちの中には子供がいる人も多いから、参考になったのなら良かった。
何はともあれ。使用人たちにも本格的に受け入れられ、伯爵領での日々はますます暮らしやすくなっていった。
この頃、フレイさんやクレイトンさんは、仕事が多忙になってきた。
忙しい時期に付き合わせるのは悪い。そう思った私は、日中の暇な時間を使って、温室や庭で植物を育てる。
「今日の収穫はトマトにジャガイモにトウモロコシ――か。トマトはともかく、ジャガイモとトウモロコシはアメリカ大陸原産だって習ったけど」
なんだかめちゃくちゃだ。
でもそれは地球の話だし。
この世界がヨーロッパ風に見えても、歴史や文化や常識は地球とは結構異なる。
「それにしても季節感がないなあ。いくら温室とはいえ、こんなに色んな野菜が育つなんて。聖女の力ってすごいな」
これだけの野菜が一気に育って収穫できるのは、この世界の常識でも考えられないとフレイさんは言っていた。
しかも野菜も果物も、栄養価が豊富で味も良い。おかげで最近は、お屋敷の料理に使われる食材は、ほぼ温室産になっている。
「さて、今日の分はこれぐらいでいいかな」
「エリカさまーっ!」
「リリィちゃん。手伝いに来てくれたの?」
「うんっ! じゃなくて、はいっ!」
「私の前では緊張しなくていいんだよ」
「でもでも、エリカ様はリリィの恩人です! それにフレイ様の大切な人だから、節度を持って接しなさいってメイド長に言われました!」
両手を握って力説するのは、メイド見習いのリリィちゃん。まだ13歳の女の子で、ツインテールに結んだ髪が可愛らしい。
私を気に入ってくれているようで、とくにこの数日は、私の姿を見つけると駆け寄ってくる。
それというのも、数日前――。
***
「きゃああああああッ!!」
昼食を食べ終わり、そろそろ着替えて外に出ようとしていた矢先。重い物が崩れるような音と、女の子の悲鳴が聞こえてきた。
声の出どころを探ると、ある一室に使用人が集まっていた。パーシヴァル家の代々当主が収集した美術品や珍品が陳列されている博物室だ。
「何があったんですか?」
「! これはエリカ様! それが……」
使用人の1人が視線で示した先には、大きな甲冑が崩れていた。その下からぐったりと動かない少女が救助される。
「あれはリリィちゃん!?」
「今日はリリィたちが博物室の掃除係でした。一緒に掃除していたメイドの話によると、リリィはあの甲冑を念入りに掃除していたそうです」
「しかし固定している土台が悪くなっていたようで、足の掃除をしている時に甲冑が崩れ、リリィはその下敷きに……」
「あの甲冑は40kgほどあります。軽量化が進んだ現代の甲冑とは異なる年代物です。しかも儀礼用だったらしく、相当な重量があります。しかもリリィは打ちどころが悪かったようで、あのように……」
よく見ると、後頭部から血が出ている。運の悪いことに、たぶん頭に直撃したんだろう。
リリィちゃんはまだ13歳の女の子だ。下手をしたら自分の体重より重い物の下敷きになり、しかも頭を打ったとあれば、命に係わる出来事だ。
私はすぐさまリリィちゃんに駆け寄ると、両手をかざした。
「エリカ様? 何を――」
「静かに……“アース・ヒーリング”!」
訝しがる使用人を嗜めて、回復魔法を発動させる。リリィちゃんの血が止まり、真っ白だった顔色に赤みが戻る。使用人たちが驚きの声をあげる中で、リリィちゃんは目を開いた。
「……エリカ、様……? それに、みなさんも……ええっと、リリィは何を……?」
「リリィ、良かった! あなた覚えていないの? あなたは掃除中に甲冑の下敷きになったのよ!」
「! そうでした、わたし……!」
「でも、もう大丈夫よ。エリカ様が治してくださったからね」
「エリカ様が……?」
「リリィちゃん、痛いところはない?」
「え……? は、はい、大丈夫……みたいです」
「良かった」
安心して思わず笑みを浮かべる。
瞬間、その場にいたリリィちゃんを含む全員の私を見る目が変わった――ような気がした。
「ありがとうございます、エリカ様……それと、申し訳ございません! 大事な甲冑を倒してしまって……もしかすると傷が……!!」
「気にしなくていいよ。土台が悪くなっていたんでしょう? 私からフレイさんに言っておきます。ちゃんと事情を離せば分かってくれる人だから、大丈夫ですよ」
「ああ……ありがとう、ございますっ!」
これまでの私は、使用人たちにとっては突然現れた人だった。
もちろん丁寧にお世話してくれていたけど、どことなく壁というか、距離があったように感じる。
それはきっと、私が外から来た人間だったから。意識的にではなくても、心のどこかで内と外を分けてしまうのが人の性分だ。
いくら婚約者という立場であっても、すぐに内側の人間として意識を切り替えるのは難しかったんだと思う。
でも今、リリィちゃんを助けたことで、使用人たちの私を見る目が変わった。
これまで以上の敬意と親愛が込められた眼差し。
私はこの変化を、つい先日ウェルスの街で体験したばかりだ。だから何が起きたのか、なんとなく分かった。
彼らの仲間を助けたことが、私も仲間であるという意識を、みんなにもたらしたようだ。
ちなみにその晩、フレイさんに事情を話したところ、やっぱり私の予想通りの反応が返ってきた。
「土台が悪くなっていたせいで、メイドが怪我をした……ですか。それはいけませんね。明日にでも博物室を確認して、危険性が高い物の管理方法を改めるようにしましょう」
「すみません、忙しいのに」
「謝る必要はありません。使用人が安全に働けるよう、環境を整えるのも当主の役目です。エリカ殿、我が家の使用人を助けてくださり、ありがとうございました」
「さすがに見過ごせませんからね」
「やはりエリカ殿は、優しいお方だ」
人として当たり前のことをしているだけなのに、フレイさんの好感度がガンガン上がっていく。
もっとも私としても、使用人の労働環境をちゃんと考えているフレイさんへの好感度がさらに上がったんだけどね。
***
そんなことがあって以来、リリィちゃんはすっかり私に懐いてしまった。他の使用人たちもリリィちゃんの一件以来、気軽に声をかけてくれるようになった。
「それじゃあリリィちゃん、そっちのトマトが入ったカゴをお願いするね」
「はーい!」
厨房に野菜を運ぶ。この野菜の品質の良さも、メイドさんたちの好感度アップに繋がっていると思う。
「あらあら、いつもありがとうございます! エリカ様のお野菜は、調理のし甲斐がありますわ!」
「本当に。お屋敷だけで使用するのは、もったいないですね。こんなにおいしいお野菜、市場に卸せばいい値段がつくと思いますのに」
「だからこそ市場には流せないんですよ。これってチート――いわば裏技で作った野菜だから。こんなのが市場に出回れば、普段売られている野菜が売れなくなるでしょう。そうすると、野菜を作っている農家の生活が成り立たなくなってしまいます」
ほぼ確実に不満や争いの火種になる。
下手したら反乱とかに繋がって、フレイさんに迷惑をかけるかもしれない。そんな事態は避けたいところだ。
「今の段階で市場に流通させるのは、控えた方がいいと考えたんです。でもフレイさんのお友達の植物学者さんに頼んで、成分分析や種の採取を頼んでいるから。来年以降は農家でも作れるようになるかも。それなら流通させて問題ないですよ」
「なるほどです……さすがエリカ様です! リリィはそこまで頭が回りませんでした!」
「やはり教育なのでしょうねえ。私たち下々の者とは視点が違いますもの」
「やっぱりエリカ様は貴人さんなんですね! さすがフレイ様が選ばれたお方です!」
「そんな大層なものじゃないんだけどな」
思わず苦笑する。
現代日本で義務教育を修了しているから、その辺りの事情についてある程度分かるというだけだ。
この世界に来てからというもの、義務教育のありがたさを痛感している。現代日本にいた頃は当たり前だと思っていたけど、やっぱり日本の教育水準って高いんだなぁ。
「リリィが知らないお話もいっぱい聞かせてくれますし! エリカ様、また後で昨日のお話の続き、教えてくださいね!」
「まあリリィったら、エリカ様にご迷惑をおかけして!」
厨房を仕切っているメイド長がリリィちゃんを嗜める。
「いいんですよ。私も故郷に伝わる物語を思い出しながら、懐かしく感じているんです」
「エリカ様がそうおっしゃるのであれば……」
私が取りなすと、メイド長は諦めたように溜息をついて譲歩してくれた。
「わーい! 後で『赤ずきん』の続き、聞かせてくださいね!」
「うん、どこまで話したっけ」
「ええっと、えっと、狼さんに赤ずきんのおばあさんが食べられちゃったところです!」
「そうだったね、これからさらに面白くなるんだよ」
「楽しみですー!」
「……楽しいお話なのですか、それは?」
「ええ、そうなんですよ。ここから赤ずきんは――」
「ああっ、ダメです、ダメです! お仕事が終わってからのお楽しみです! 続きが気になるのでしたら、皆さんもエリカ様のお話を聞きに来てください!」
私たちの話は、厨房にいるメイドさんたちの興味を引いたみたいだ。
その後仕事を終えたメイドの皆さん――メイド長を含める――に、私の世界の童話を聞かせることになった。
「えへへへ、最後はみんな助かって良かったですねー」
「知らない人について行ってはいけないという教訓ですね。なるほど……この内容なら、お説教臭くならず子供たちに言い聞かせることができそうです。ありがとうございます」
「こちらこそ、ご清聴ありがとうございました」
少し照れ臭いけど、メイドさんたちの中には子供がいる人も多いから、参考になったのなら良かった。
何はともあれ。使用人たちにも本格的に受け入れられ、伯爵領での日々はますます暮らしやすくなっていった。
95
あなたにおすすめの小説
冷酷騎士団長に『出来損ない』と捨てられましたが、どうやら私の力が覚醒したらしく、ヤンデレ化した彼に執着されています
放浪人
恋愛
平凡な毎日を送っていたはずの私、橘 莉奈(たちばな りな)は、突然、眩い光に包まれ異世界『エルドラ』に召喚されてしまう。 伝説の『聖女』として迎えられたのも束の間、魔力測定で「魔力ゼロ」と判定され、『出来損ない』の烙印を押されてしまった。
希望を失った私を引き取ったのは、氷のように冷たい瞳を持つ、この国の騎士団長カイン・アシュフォード。 「お前はここで、俺の命令だけを聞いていればいい」 物置のような部屋に押し込められ、彼から向けられるのは侮蔑の視線と冷たい言葉だけ。
元の世界に帰ることもできず、絶望的な日々が続くと思っていた。
──しかし、ある出来事をきっかけに、私の中に眠っていた〝本当の力〟が目覚め始める。 その瞬間から、私を見るカインの目が変わり始めた。
「リリア、お前は俺だけのものだ」 「どこへも行かせない。永遠に、俺のそばにいろ」
かつての冷酷さはどこへやら、彼は私に異常なまでの執着を見せ、甘く、そして狂気的な愛情で私を束縛しようとしてくる。 これは本当に愛情なの? それともただの執着?
優しい第二王子エリアスは私に手を差し伸べてくれるけれど、カインの嫉妬の炎は燃え盛るばかり。 逃げ場のない城の中、歪んだ愛の檻に、私は囚われていく──。
偽聖女と蔑まれた私、冷酷と噂の氷の公爵様に「見つけ出した、私の運命」と囚われました 〜荒れ果てた領地を力で満たしたら、とろけるほど溺愛されて
放浪人
恋愛
「君は偽物の聖女だ」——その一言で、私、リリアーナの人生は転落した。 持っていたのは「植物を少しだけ元気にする」という地味な力。華やかな治癒魔法を使う本物の聖女イザベラ様の登場で、私は偽物として王都から追放されることになった。
行き場もなく絶望する私の前に現れたのは、「氷の公爵」と人々から恐れられるアレクシス様。 冷たく美しい彼は、なぜか私を自身の領地へ連れて行くと言う。
たどり着いたのは、呪われていると噂されるほど荒れ果てた土地。 でも、私は諦めなかった。私にできる、たった一つの力で、この地を緑で満たしてみせる。
ひたむきに頑張るうち、氷のように冷たかったはずのアレクシス様が、少しずつ私にだけ優しさを見せてくれるように。 「リリアーナ、君は私のものだ」 ——彼の瞳に宿る熱い独占欲に気づいた時、私たちの運命は大きく動き出す。
老聖女の政略結婚
那珂田かな
ファンタジー
エルダリス前国王の長女として生まれ、半世紀ものあいだ「聖女」として太陽神ソレイユに仕えてきたセラ。
六十歳となり、ついに若き姪へと聖女の座を譲り、静かな余生を送るはずだった。
しかし式典後、甥である皇太子から持ち込まれたのは――二十歳の隣国王との政略結婚の話。
相手は内乱終結直後のカルディア王、エドモンド。王家の威信回復と政権安定のため、彼には強力な後ろ盾が必要だという。
子も産めない年齢の自分がなぜ王妃に? 迷いと不安、そして少しの笑いを胸に、セラは決断する。
穏やかな余生か、嵐の老後か――
四十歳差の政略婚から始まる、波乱の日々が幕を開ける。
【完結】偽物聖女は冷血騎士団長様と白い結婚をしたはずでした。
雨宮羽那
恋愛
聖女補佐官であるレティノアは、補佐官であるにも関わらず、祈りをささげる日々を送っていた。
というのも、本来聖女であるはずの妹が、役目を放棄して遊び歩いていたからだ。
そんなある日、妹が「真実の愛に気づいたの」と言って恋人と駆け落ちしてしまう。
残されたのは、聖女の役目と――王命によって決められた聖騎士団長様との婚姻!?
レティノアは、妹の代わりとして聖女の立場と聖騎士団長との結婚を押し付けられることに。
相手のクラウスは、「血も涙もない冷血な悪魔」と噂される聖騎士団長。クラウスから「俺はあなたに触れるつもりはない」と言い放たれたレティノアは、「これは白い結婚なのだ」と理解する。
しかし、クラウスの態度は噂とは異なり、レティノアを愛しているようにしか思えなくて……?
これは、今まで妹の代わりの「偽物」として扱われてきた令嬢が「本物」として幸せをつかむ物語。
◇◇◇◇
お気に入り登録、♡、感想などいただければ、作者が大変喜びます!
モチベになるので良ければ応援していただければ嬉しいです♪
※いつも通りざまぁ要素は中盤以降。
※完結まで執筆済み
※表紙はAIイラストです
※アルファポリス先行投稿(他投稿サイトにも掲載予定です)
罰として醜い辺境伯との婚約を命じられましたが、むしろ望むところです! ~私が聖女と同じ力があるからと復縁を迫っても、もう遅い~
上下左右
恋愛
「貴様のような疫病神との婚約は破棄させてもらう!」
触れた魔道具を壊す体質のせいで、三度の婚約破棄を経験した公爵令嬢エリス。家族からも見限られ、罰として鬼将軍クラウス辺境伯への嫁入りを命じられてしまう。
しかしエリスは周囲の評価など意にも介さない。
「顔なんて目と鼻と口がついていれば十分」だと縁談を受け入れる。
だが実際に嫁いでみると、鬼将軍の顔は認識阻害の魔術によって醜くなっていただけで、魔術無力化の特性を持つエリスは、彼が本当は美しい青年だと見抜いていた。
一方、エリスの特異な体質に、元婚約者の伯爵が気づく。それは伝説の聖女と同じ力で、領地の繁栄を約束するものだった。
伯爵は自分から婚約を破棄したにも関わらず、その決定を覆すために復縁するための画策を始めるのだが・・・後悔してももう遅いと、ざまぁな展開に発展していくのだった
本作は不遇だった令嬢が、最恐将軍に溺愛されて、幸せになるまでのハッピーエンドの物語である
※※小説家になろうでも連載中※※
聖女の力は「美味しいご飯」です!~追放されたお人好し令嬢、辺境でイケメン騎士団長ともふもふ達の胃袋掴み(物理)スローライフ始めます~
夏見ナイ
恋愛
侯爵令嬢リリアーナは、王太子に「地味で役立たず」と婚約破棄され、食糧難と魔物に脅かされる最果ての辺境へ追放される。しかし彼女には秘密があった。それは前世日本の記憶と、食べた者を癒し強化する【奇跡の料理】を作る力!
絶望的な状況でもお人好しなリリアーナは、得意の料理で人々を助け始める。温かいスープは病人を癒し、栄養満点のシチューは騎士を強くする。その噂は「氷の辺境伯」兼騎士団長アレクシスの耳にも届き…。
最初は警戒していた彼も、彼女の料理とひたむきな人柄に胃袋も心も掴まれ、不器用ながらも溺愛するように!? さらに、美味しい匂いに誘われたもふもふ聖獣たちも仲間入り!
追放令嬢が料理で辺境を豊かにし、冷徹騎士団長にもふもふ達にも愛され幸せを掴む、異世界クッキング&溺愛スローライフ! 王都への爽快ざまぁも?
召喚聖女に嫌われた召喚娘
ざっく
恋愛
闇に引きずり込まれてやってきた異世界。しかし、一緒に来た見覚えのない女の子が聖女だと言われ、亜優は放置される。それに文句を言えば、聖女に悲しげにされて、その場の全員に嫌われてしまう。
どうにか、仕事を探し出したものの、聖女に嫌われた娘として、亜優は魔物が闊歩するという森に捨てられてしまった。そこで出会った人に助けられて、亜優は安全な場所に帰る。
【完結】聖女になり損なった刺繍令嬢は逃亡先で幸福を知る。
みやこ嬢
恋愛
「ルーナ嬢、神聖なる聖女選定の場で不正を働くとは何事だ!」
魔法国アルケイミアでは魔力の多い貴族令嬢の中から聖女を選出し、王子の妃とするという古くからの習わしがある。
ところが、最終試験まで残ったクレモント侯爵家令嬢ルーナは不正を疑われて聖女候補から外されてしまう。聖女になり損なった失意のルーナは義兄から襲われたり高齢宰相の後妻に差し出されそうになるが、身を守るために侍女ティカと共に逃げ出した。
あてのない旅に出たルーナは、身を寄せた隣国シュベルトの街で運命的な出会いをする。
【2024年3月16日完結、全58話】
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる