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20話 アンニュイな青年植物学者
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その日の私は、今日収穫分の野菜を持って、屋敷近くにある村に向かう。
農業を営むグリンヒル村。その一角に、目当ての人物は暮らしている。
集落から少し離れたところにある邸宅。周囲の建物とは異なる立派な門柱。パーシヴァル邸ほどではないけど、ひとかどの人物が済んでいるのが一目で分かる。
「ハロルド=カーターさん。今日獲れた植物を持ってきましたよ」
「……ん、ああ、ありがと。その辺に置いといて」
「そうやって前に置いて行った野菜が、他の野菜と混ざってしまったんでしょう。こないだ訪問した時に、メイドさんから愚痴を聞かされましたよ」
「あれ、そうだっけ。じゃあしょうがないな……ちょうだい」
「はい、どうぞ」
立派な邸宅の奥。対外的には書斎と呼ばれているけれど、実際は研究室に近い部屋。
この屋敷の主、ハロルド=カーターさんは、大抵この研究室にいる。顕微鏡を望んでいた彼は、髪をかき上げながら振り向いた。
私より濃い色の茶髪を無造作に伸ばし、適当に後ろで結んでいる。
一応子爵なんだからメイドさんに整えてもらえばいいのに、本人曰く他人に髪を触られるのが大っ嫌いみたいだ。
カーター家はパーシヴァル伯爵家の仕事を補佐する家柄だ。現当主のハロルドさんは25歳。
緑色の瞳を持つ美青年だけど、会う時はいっつも気だるそうにしている。メイドさんたち曰く、これがデフォルトの態度らしい。
これでも王都のアカデミーを出た植物学者らしく、グリンヒル村に居を構えて、日夜研究に没頭している。
聖女の力で育てた植物の成分分析や、種の採取をハロルドさんに頼んでいる。つまりハロルドさんは、私が聖女だと知る数少ない人間の1人だ。
「おおー、これが今日の……また季節感がバラバラだなぁ。ジャガイモにトウモロコシに……あ、トマトだ。嬉しいなあ、トマト大好きなんだよね、僕」
もっとも本人は聖女には興味がなく、聖女の力で育てられた野菜にしか、関心が向いていないようだけど。
今だって手渡したばかりの野菜入りバスケットを覗き込み、子供の用に目を輝かせている。
「……うん、美味しい。瑞々しくて、酸味と甘みのバランスがちょうどいいよ。野菜っていうより、果物を食べてる感じだ」
「私の故郷では、トマトを果物として扱う土地もあったみたいです」
「え、そうなの?」
「なんでも昔、野菜には関税がかかるけど、果物にはかからなかった地域があったみたいで。関税を逃れる為にトマトを果物ということにしたんですって」
「へえ……君の故郷って面白いね。まあ植物学者の僕に言わせてもらえば、トマトは野菜だけどね」
「そのトマト、研究用ですよね? 食べていいんですか?」
「いいよ、沢山あるし……味を確認するのも研究のうちさ」
「そんなものですか」
「そんなものさ」
とか言いつつ、二つ目のトマトを齧っている。味を確かめるだけなら一つでいいと思うんだけど。
……自分が作った野菜を美味しいと言ってもらえて、悪い気はしないけどね。
「そうそう……こないだ持ってきてくれた野菜、種の採取しておいたよ。このまま育てれば味、品質、見た目ともにぐーんと向上した野菜が育つだろうね」
「本当ですか? ありがとうございます!」
「んー、僕の方から、農家の人たちに渡していいんだっけ?」
「はい。正体不明の私より、植物学者で子爵でご近所さんのハロルドさんに頼んだ方が、農家の皆さんも安心できると思うので」
「そんなことないと思うけど……君、この間はウェルスで大活躍したんだって? グリンヒル村にも噂が届くぐらい、人々の話題に上ってるぐらいだよ……ま、僕的にはどうでもいいけど」
「こんな世事に疎い人の耳に入って、あまつさえ意識に残るレベルだなんて……相当な規模の噂じゃないですか!?」
「だからそう言ってるでしょ……あとついでに、今、何気なく僕のことを貶さなかった?」
「気のせいです」
「そうかなあ? ……まあいっか」
適当に見えて意外とデリケート……かと思えば、やっぱり大雑把な人だ。
「なんだか私の評価が独り歩きしてる気がする……」
「……あれ、乗り気じゃないの? 意外だな。君ぐらいの年の女の子なら喜びそうなものだけど」
「あんまり注目されると窮屈じゃないですか」
「まあ確かに、何事もほどほどが一番だよね。苦痛もないけど飛びぬけた喜びもなく、植物のように淡々と平和な日々……うーん、最高だね」
「いや、私はそこまで老成も達観もしてないけど……」
ハロルドさんはまだ若いのに、隠居老人のような生き方を是としているみたいだ。おかげで同年代の女の子が全然寄り付かないらしい。
「私としては、もうちょっと刺激が欲しいかなって思うかなあ」
「恋愛とか? ……まあそうだね、それぐらいはいいかもね。君にはフレイさんがいるし、ちょうどいいんじゃない? 彼はあの通り、美青年で優秀だから、刺激的な恋愛相手としては最高なんじゃないの?」
「なんだか刺がありませんか?」
「そんなことないけど?」
「本当ですか?」
「疑うねぇ……あ、ひょっとしてフレイさんよりも僕がいいとか? ……いやあ、君がフレイさんと婚約してなかったら構わないけど、今の状態ではちょっと困るかなあ。ああそうだ、君がフレイさんと婚約破棄したら、僕の妻になるっていうのはどうだい?」
「えええっ!?」
「……冗談だよ。僕はまだ死にたくないからね」
「もう! この世界の男の人は、軽い感覚で女の人を口説くのをやめてください!!」
まったく。フレイさんと言い、ハロルドさんと言い、心臓に悪い。
「あんまり冗談ばかり言っていると、そのうち信用されなくなりますよ。私の故郷では『狼少年』って寓話があってですね――」
「……興味深い話だけど、僕はともかく、フレイさんは本気でしょ」
「え?」
「あの人は冗談で女性を口説けるタイプじゃないよ。口説いているところも見たことない。僕だけじゃなくて、メイドや村人たちも同じだ。あの通りの人だからモテるにはモテてるんだけど、まったく興味を示さなかったんだよ……君が現れるまではね」
「でもそれは――」
私が聖女だからだ。フレイさんは騎士道の信奉者だ。家族を失い、辛い時期に心を支えてくれたのは騎士道物語だったと聞いている。
騎士であるフレイさんにとって、聖女とは無条件で守らなければならない対象だ。
もう1人の聖女、シオンちゃんは王都で守られている――と思う。あの王子がちゃんとシオンちゃんを守っているのか、少し疑問が残るけど……。
一方で私は、殺される目的で召喚された。この世界のどこにも行き場がない。だから優しくしてくれているんだろう。
私がそう言うと、ハロルドさんは盛大に溜息をついた。
「あのさぁ……それ、本気で言ってる?」
「だって、他に私が好かれる要素なんて――」
「……まあフレイさんも、女性に言い寄られることはあっても、自分から言い寄るなんてなかっただろうからなあ……意外と下手なんだなあ、あれほどの美青年なのに。ご愁傷様だねぇ。だから少しは経験を積んでおくべきだったんだ」
「ハロルドさん?」
「なんでもないよ。ていうか、そろそろ帰ってくれない? 僕は研究を続けたいんだ。他人の恋愛話とか、一昨日食べた夕食のメニューぐらいどうでもいい」
「人に野菜を運ばせておいて、そこまで言いますか!? 少しぐらい雑談に付き合ってくれてもいいんじゃないですか?」
「もう十分付き合ったよ……それじゃ、バイバイ。言っとくけど、話しかけても今日はもう返事しないからね……」
「ハロルドさん」
「……」
「ハロルドさーん」
「……」
「本気みたいですね。分かりました、失礼します」
「バイバイ」
最後だけ答えてるし。本当に変わった人だ。それでも悪い人ではないし、先祖代々続く子爵家だから、民や部下からは慕われているようだけど。
私も何気に好ましく思っている。異性的な好意ではないけど、気負わずに話せる貴重な人だ。男友達の感覚に近い。
それに昔からフレイさんを知る人として、いろんな話を聞かせてくれる。
けれど本人がいないところで根掘り葉掘り話を聞くのは、少し後ろめたい。再び顕微鏡を覗き込んだハロルドさんを残し、私は研究室を後にした。
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カーター家はパーシヴァル伯爵家の仕事を補佐する家柄だ。現当主のハロルドさんは25歳。
緑色の瞳を持つ美青年だけど、会う時はいっつも気だるそうにしている。メイドさんたち曰く、これがデフォルトの態度らしい。
これでも王都のアカデミーを出た植物学者らしく、グリンヒル村に居を構えて、日夜研究に没頭している。
聖女の力で育てた植物の成分分析や、種の採取をハロルドさんに頼んでいる。つまりハロルドさんは、私が聖女だと知る数少ない人間の1人だ。
「おおー、これが今日の……また季節感がバラバラだなぁ。ジャガイモにトウモロコシに……あ、トマトだ。嬉しいなあ、トマト大好きなんだよね、僕」
もっとも本人は聖女には興味がなく、聖女の力で育てられた野菜にしか、関心が向いていないようだけど。
今だって手渡したばかりの野菜入りバスケットを覗き込み、子供の用に目を輝かせている。
「……うん、美味しい。瑞々しくて、酸味と甘みのバランスがちょうどいいよ。野菜っていうより、果物を食べてる感じだ」
「私の故郷では、トマトを果物として扱う土地もあったみたいです」
「え、そうなの?」
「なんでも昔、野菜には関税がかかるけど、果物にはかからなかった地域があったみたいで。関税を逃れる為にトマトを果物ということにしたんですって」
「へえ……君の故郷って面白いね。まあ植物学者の僕に言わせてもらえば、トマトは野菜だけどね」
「そのトマト、研究用ですよね? 食べていいんですか?」
「いいよ、沢山あるし……味を確認するのも研究のうちさ」
「そんなものですか」
「そんなものさ」
とか言いつつ、二つ目のトマトを齧っている。味を確かめるだけなら一つでいいと思うんだけど。
……自分が作った野菜を美味しいと言ってもらえて、悪い気はしないけどね。
「そうそう……こないだ持ってきてくれた野菜、種の採取しておいたよ。このまま育てれば味、品質、見た目ともにぐーんと向上した野菜が育つだろうね」
「本当ですか? ありがとうございます!」
「んー、僕の方から、農家の人たちに渡していいんだっけ?」
「はい。正体不明の私より、植物学者で子爵でご近所さんのハロルドさんに頼んだ方が、農家の皆さんも安心できると思うので」
「そんなことないと思うけど……君、この間はウェルスで大活躍したんだって? グリンヒル村にも噂が届くぐらい、人々の話題に上ってるぐらいだよ……ま、僕的にはどうでもいいけど」
「こんな世事に疎い人の耳に入って、あまつさえ意識に残るレベルだなんて……相当な規模の噂じゃないですか!?」
「だからそう言ってるでしょ……あとついでに、今、何気なく僕のことを貶さなかった?」
「気のせいです」
「そうかなあ? ……まあいっか」
適当に見えて意外とデリケート……かと思えば、やっぱり大雑把な人だ。
「なんだか私の評価が独り歩きしてる気がする……」
「……あれ、乗り気じゃないの? 意外だな。君ぐらいの年の女の子なら喜びそうなものだけど」
「あんまり注目されると窮屈じゃないですか」
「まあ確かに、何事もほどほどが一番だよね。苦痛もないけど飛びぬけた喜びもなく、植物のように淡々と平和な日々……うーん、最高だね」
「いや、私はそこまで老成も達観もしてないけど……」
ハロルドさんはまだ若いのに、隠居老人のような生き方を是としているみたいだ。おかげで同年代の女の子が全然寄り付かないらしい。
「私としては、もうちょっと刺激が欲しいかなって思うかなあ」
「恋愛とか? ……まあそうだね、それぐらいはいいかもね。君にはフレイさんがいるし、ちょうどいいんじゃない? 彼はあの通り、美青年で優秀だから、刺激的な恋愛相手としては最高なんじゃないの?」
「なんだか刺がありませんか?」
「そんなことないけど?」
「本当ですか?」
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「えええっ!?」
「……冗談だよ。僕はまだ死にたくないからね」
「もう! この世界の男の人は、軽い感覚で女の人を口説くのをやめてください!!」
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「え?」
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「……」
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「……」
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