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第18話 男って馬鹿だなと思う瞬間ってあると思います
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放課後、グラン先生に言われた通り中庭で待つ事にした。
「召喚って、どういうものなんでしょうか?」
「う~ん、俺もよく分からない」
アルファに聞けば答えてくれそうだが、今回は自分自身で体験して答えを得ようと思う。
『召喚』という言葉には、それぐらい興味を引かれている。
「分からないけど、楽しみだ」
「楽しみ・・・ですか?」
「ああ、上手くいけば頼りになるパートーナーが出来るって事だろ? ワクワクしてこない?」
「・・・ワクワクですか。レインさんは凄いですね。私は、正直少し怖いです」
胸の前でギュッと両手を握るリーゼ。
不安からかリーゼの表情は曇っていた。
「えっと、先生が直接教えてくれるから心配ないよ。きっと、ミリアーデさんの事を守ってくれるパートーナーが召喚出来るよ」
「そうですよね。やる前からこんな気持ちになってちゃダメですよね」
笑顔を見せてくれたが、不安を拭えていない事は分かる。
こういう時、前世で女性と関わっておくべきだったと感じる・・・もちろん、そんな勇気は無かったが。
しかし、メインヒロインにはやっぱり心から笑っていて欲しい。
そこで俺は、何でも答えてくれる奴に話しを聞こうと思う。
『ヘイ、アルファ。女の子を元気付ける方法を教えて』
『私にはよく分かりません』
『早くない? もう少し考えてくれても良いと思うんだが』
『仮に分かったとして、マスターに私の助言を活かせられるとは思えませんが?』
『いや、流石に助言があれば俺だって・・・』
『そもそも、自分の考えた言葉で励ますべきでは? 私の事を頼っている時点で、リーゼを励ます事は出来ないと思いますが』
『ははは、・・・アルファの言葉がいつも以上に刺さるぜ。それでも助言を貰わないとどうしようも無い男なんだけど、どうしたら良い?』
『困ったマスターですね。これから私は、人の心が分かるように勉強した方が良いみたいですね』
アルファに呆れられていたら、グラン先生がやって来た。
右手に四角いカバンを持ち、ゆっくりと歩いてくる。
以前、腰を悪くした事やグラン先生の年齢の事を考えると丁度良い速度だ。
「ごめんなさい、待たせてしまって。少し準備に時間が掛かってしまったわ」
「いえ、私とレインさんも今来たところです」
「先生、そのカバンは?」
「このカバンの中に召喚に必要な物が入っているのよ。実際に見せた方が早いわね」
そう言うと、グラン先生はカバンを地面に降ろした。
カバンを開けて、中から出て来た物は正方形の白い紙だった。
1辺30cmくらいだろうか?
紙の他に水色の液体が入った小瓶がいくつかあった。
「この紙を使って召喚をしていきます」
「召喚していきますって・・・この紙、白紙ですよ?」
「はい。今はただの白紙ですが、この小瓶に入っている魔法液と貴方達の血を掛けると魔法陣が浮かび上がってきます」
「魔法陣?」
「正確には、召喚魔法という魔法の一種なんです」
「その魔法陣を作るのに私達の血が必要なんですか?」
「はい。血を掛ける事で召喚者の情報が追加され、貴方達に合った存在を召喚出来るようになります」
「血は、たくさん必要なんでしょうか?」
「あら、怖がらせてしまってごめんなさいね。心配しなくても、一滴あれば十分よ」
「そうなんですね」
少しほっとした様子のリーゼ。
確かに、召喚魔法という未知の魔法で血がいきなり必要とか言われれば、少し怖い気もする。
しかし、召喚、召喚と言っているが一体どんなモノを召喚するんだろうか。
疑問に思いグラン先生に聞いてみた。
「先生、召喚されるモノって何か決まっているんですか?」
「そうですね、一般的にはモンスターが多いかしら」
「えっ!? モンスターですか?」
「大丈夫よ、ミリアーデさん。召喚されてくるモンスターは基本的に大人しいし、もし自分に合わないと思ったら契約をせずに帰って貰えば良いから」
「そ、そうなんですか?」
「一般的にって、先生言ってましたけど、モンスター以外が召喚された事があるんですか?」
「少なくとも私は観たことは無いわね。ただ~、大昔には精霊や神獣と契約していた人もいたと聞いたことがあるわ」
「精霊や神獣ですか・・・それって、おとぎ話に出て来るような存在なのでは?」
「ふふふ、そうねぇ。でも、貴方達がもしかしたら召喚するかもしれないわよ?」
「そう言われると、期待してしまう自分がいますね」
「ミリアーデさんは、どうかしら?」
「わ、私は・・・」
「不安ですか?」
「・・・はい、失敗してしまうんじゃないかって考えてしまって」
「別に失敗しても良いんですよ? 成功するまで何度やっても良いんです」
リーゼがここまで自信を持てない理由は何なんだろう。
どうにかして不安を取り除いてあげたいが、良い方法が何も浮かばない。
悩んでいると、グラン先生が両手を合わせてリーゼにある提案をした。
「それでは、こうしましよう。まず、シュトラウド君に召喚をやって貰います」
(ふむ)
「シュトラウド君が召喚を成功する事が出来れば、成功の時のイメージが付いてミリアーデさんもやりやすくなるかもしれません」
(なるほど、俺が成功することでイメージを良くするってことね・・・えっ? 俺のハードルが急に上がったんだが?)
「それでは準備をして下さい、シュトラウド君」
「あの、俺まだ心の準備が・・・」
「レインさん、すみません。あの、無理はしないで下さいね」
そういう顔をしないで欲しい。自分に自信が無いけど、誰かに迷惑を掛けてしまった事を後悔する顔。
他の男が見たらイライラするのだろうか?
少なくとも俺は、弱っている女性にも弱いらしい。
「ふふふ、まあ見といてよ。召喚魔法成功させて『何だ、こんなものか』って感じで終わらせるから」
「はい、レインさんの事ちゃんと見てます」
少しだけリーゼの表情が明るくなった。
そんなリーゼを見て、嬉しくなる自分がいる。
『・・・マスター』
『やめて、何も言わないで』
アルファが何か言いたそうだったが、言わせないようにした。
ちょろい事は認めるが、同時に追い込まれてもいる。
何故なら、初めて召喚魔法を行うのに成功しか許されない状況なのだ。
(誰か、助けて~~~~~~~)
この心の声は、アルファにも届いていない。
「召喚って、どういうものなんでしょうか?」
「う~ん、俺もよく分からない」
アルファに聞けば答えてくれそうだが、今回は自分自身で体験して答えを得ようと思う。
『召喚』という言葉には、それぐらい興味を引かれている。
「分からないけど、楽しみだ」
「楽しみ・・・ですか?」
「ああ、上手くいけば頼りになるパートーナーが出来るって事だろ? ワクワクしてこない?」
「・・・ワクワクですか。レインさんは凄いですね。私は、正直少し怖いです」
胸の前でギュッと両手を握るリーゼ。
不安からかリーゼの表情は曇っていた。
「えっと、先生が直接教えてくれるから心配ないよ。きっと、ミリアーデさんの事を守ってくれるパートーナーが召喚出来るよ」
「そうですよね。やる前からこんな気持ちになってちゃダメですよね」
笑顔を見せてくれたが、不安を拭えていない事は分かる。
こういう時、前世で女性と関わっておくべきだったと感じる・・・もちろん、そんな勇気は無かったが。
しかし、メインヒロインにはやっぱり心から笑っていて欲しい。
そこで俺は、何でも答えてくれる奴に話しを聞こうと思う。
『ヘイ、アルファ。女の子を元気付ける方法を教えて』
『私にはよく分かりません』
『早くない? もう少し考えてくれても良いと思うんだが』
『仮に分かったとして、マスターに私の助言を活かせられるとは思えませんが?』
『いや、流石に助言があれば俺だって・・・』
『そもそも、自分の考えた言葉で励ますべきでは? 私の事を頼っている時点で、リーゼを励ます事は出来ないと思いますが』
『ははは、・・・アルファの言葉がいつも以上に刺さるぜ。それでも助言を貰わないとどうしようも無い男なんだけど、どうしたら良い?』
『困ったマスターですね。これから私は、人の心が分かるように勉強した方が良いみたいですね』
アルファに呆れられていたら、グラン先生がやって来た。
右手に四角いカバンを持ち、ゆっくりと歩いてくる。
以前、腰を悪くした事やグラン先生の年齢の事を考えると丁度良い速度だ。
「ごめんなさい、待たせてしまって。少し準備に時間が掛かってしまったわ」
「いえ、私とレインさんも今来たところです」
「先生、そのカバンは?」
「このカバンの中に召喚に必要な物が入っているのよ。実際に見せた方が早いわね」
そう言うと、グラン先生はカバンを地面に降ろした。
カバンを開けて、中から出て来た物は正方形の白い紙だった。
1辺30cmくらいだろうか?
紙の他に水色の液体が入った小瓶がいくつかあった。
「この紙を使って召喚をしていきます」
「召喚していきますって・・・この紙、白紙ですよ?」
「はい。今はただの白紙ですが、この小瓶に入っている魔法液と貴方達の血を掛けると魔法陣が浮かび上がってきます」
「魔法陣?」
「正確には、召喚魔法という魔法の一種なんです」
「その魔法陣を作るのに私達の血が必要なんですか?」
「はい。血を掛ける事で召喚者の情報が追加され、貴方達に合った存在を召喚出来るようになります」
「血は、たくさん必要なんでしょうか?」
「あら、怖がらせてしまってごめんなさいね。心配しなくても、一滴あれば十分よ」
「そうなんですね」
少しほっとした様子のリーゼ。
確かに、召喚魔法という未知の魔法で血がいきなり必要とか言われれば、少し怖い気もする。
しかし、召喚、召喚と言っているが一体どんなモノを召喚するんだろうか。
疑問に思いグラン先生に聞いてみた。
「先生、召喚されるモノって何か決まっているんですか?」
「そうですね、一般的にはモンスターが多いかしら」
「えっ!? モンスターですか?」
「大丈夫よ、ミリアーデさん。召喚されてくるモンスターは基本的に大人しいし、もし自分に合わないと思ったら契約をせずに帰って貰えば良いから」
「そ、そうなんですか?」
「一般的にって、先生言ってましたけど、モンスター以外が召喚された事があるんですか?」
「少なくとも私は観たことは無いわね。ただ~、大昔には精霊や神獣と契約していた人もいたと聞いたことがあるわ」
「精霊や神獣ですか・・・それって、おとぎ話に出て来るような存在なのでは?」
「ふふふ、そうねぇ。でも、貴方達がもしかしたら召喚するかもしれないわよ?」
「そう言われると、期待してしまう自分がいますね」
「ミリアーデさんは、どうかしら?」
「わ、私は・・・」
「不安ですか?」
「・・・はい、失敗してしまうんじゃないかって考えてしまって」
「別に失敗しても良いんですよ? 成功するまで何度やっても良いんです」
リーゼがここまで自信を持てない理由は何なんだろう。
どうにかして不安を取り除いてあげたいが、良い方法が何も浮かばない。
悩んでいると、グラン先生が両手を合わせてリーゼにある提案をした。
「それでは、こうしましよう。まず、シュトラウド君に召喚をやって貰います」
(ふむ)
「シュトラウド君が召喚を成功する事が出来れば、成功の時のイメージが付いてミリアーデさんもやりやすくなるかもしれません」
(なるほど、俺が成功することでイメージを良くするってことね・・・えっ? 俺のハードルが急に上がったんだが?)
「それでは準備をして下さい、シュトラウド君」
「あの、俺まだ心の準備が・・・」
「レインさん、すみません。あの、無理はしないで下さいね」
そういう顔をしないで欲しい。自分に自信が無いけど、誰かに迷惑を掛けてしまった事を後悔する顔。
他の男が見たらイライラするのだろうか?
少なくとも俺は、弱っている女性にも弱いらしい。
「ふふふ、まあ見といてよ。召喚魔法成功させて『何だ、こんなものか』って感じで終わらせるから」
「はい、レインさんの事ちゃんと見てます」
少しだけリーゼの表情が明るくなった。
そんなリーゼを見て、嬉しくなる自分がいる。
『・・・マスター』
『やめて、何も言わないで』
アルファが何か言いたそうだったが、言わせないようにした。
ちょろい事は認めるが、同時に追い込まれてもいる。
何故なら、初めて召喚魔法を行うのに成功しか許されない状況なのだ。
(誰か、助けて~~~~~~~)
この心の声は、アルファにも届いていない。
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