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1章
第14話 土小人のかまど亭
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「ここで……1万レアードになります」
ルーシ―さんはとても申し訳なさそうな顔をしていた。
わたくしはそんな彼女に向けて、大声で叫ぶ。
「買いますわ!」
「え? そんな即決でいいんですか?」
「もちろんです! ここの立地も、そしてこの環境もとってもスローライフ向きですわ!」
わたくしは感動していた。
この山の麓にあり、人通りがないというのも、スローライフにはよりいい。
位置としてはカレドニアの北東にある場所で、人里からそれなりに離れている感じだ。
「そ、そうですか。わかりました。では、手続きをしたいと思いますので、ギルドに戻ってもよろしいでしょうか?」
「もちろんですわ!」
「ありがとうございます。こんな辺鄙な場所を買って下さって。お手伝いできることがあれば、いつでも相談に乗りますので」
「ええ、よろしくお願いしますわ」
いま辺鄙な場所とか聞こえた気がしましたが、気のせいでしょう。
そんなことは置いておいて、わたくしたちは手続きをするためにギルドに戻る。
ギルドでの手続きはかなり大変で、しかもティエラが結構細かく詳細に読んでくれた。
契約書を4周しようとした時はマーレが流石に止めに入ったくらいだ。
そんなことをしていたら、外に出る頃には夜になっていた。
「うわぁ……真っ暗……」
「それでも最後まで付き合ってくれたルーシ―様には感謝ですわね」
「そうだね。クレア、そろそろお腹が減ったんだけど?」
「マーレ……どこかいい匂いの宿はありますか? もちろん、マーレとティエラの泊まれる宿で」
「それこそ、ルーシ―さんに聞いてきたらいいんじゃない?」
「……それもそうですわね」
ということで、ルーシ―さんに聞いてみると、『土小人のかまど亭』という店を紹介された。
わたしたちは早速その店に向かう。
店はわたくしたちの土地と結構近く、美味しいなら通ってもいいくらいの距離だ。
店の中の込み具合は8割といったくらいで、部屋の中は美味しそうな匂いと、酒の匂いが充満していた。
「いらっしゃいませー」
「……いらっしゃいませ」
出迎えてくれたのはドワーフの少女2人だった。
一人は身長130㎝ほどで、活発な笑顔で挨拶をしてくれる。
赤髪を短髪にしていて、両手にはジョッキの載ったお盆を軽々と持っていた。
もう一人は静かな印象のドワーフで、身長はさっきの人よりも少し低い。
肩口で赤髪を切っていて、こちらは両手に食べた後の食器をこれでもかと持っていた。
「3人ですわ。入れますか?」
「もちろんだよ! 適当に座って!」
「ありがとうございますわ」
言われた通りにわたくしたちは適当な席に座る。
マーレは床に座るとちょうどよく、ティエラは机の上に顔だけ出るように床に座った。
「それではメニューは……」
「俺はなんでもいい」
「僕はクラーケンの姿焼きとバッファローのあばら肉ステーキ、それから……」
と、色々なご飯を頼み始める。
「注文いいかしら?」
「はい」
わたくしが注文をお願いすると、静かな方のドワーフが受けてくれた。
「結構量あるけど、大丈夫?」
「大丈夫ですわ。マーレの胃袋は海ですわよ」
「分かった」
「それと、宿ってまだ取れますか? もちろん、3人とも一緒でですが」
「提携してるところなら大丈夫だと思う」
「ではよろしくお願いしますわ」
「はい」
そう言って静かに去って行く。
「それで、お話なのですが、問題は明日からですわ」
「そうなの?」
「はい。端的に言ってお金がありませんわ。なので、明日からすでに宿なし、ホームレスお嬢様になるかもしれません」
「え、今日のご飯も……?」
「それは多分大丈夫ですが、明日以降の住処等もやばいです。なので、とりあえず、明日はあの土地に家を建てたい。そのために住むならどのような家がいいのか、それを話し合いませんか?」
ご飯を食べたいと思うけれど、食べ始めるとマーレがそちらに集中してしまうので、こちらを先にやらなければならない。
「僕は特に要望はないよ。あ、広いと嬉しいかな」
「俺はクレアとともに居られれば文句はない」
「そうなんですのね。なら……基本的な部分だけを作って、一応拡張性だけ残しておく。ということにしたらいいのでしょうか?」
「どうして?」
「シエロだったら結構こだわりそうでしょう? だからその余地は残しておいた方がいいかなと思いまして」
「あー確かに、シエロはこだわりそう」
マーレはそう言ってそわそわとキッチンの方を見ている。
それからすぐに、彼は目をキラキラとさせる。
「来たみたいですわね」
「だね。分かりやすい」
「やっぱりご飯が最高だよね!」
「ではキッチンも大きくした方がいいですわね」
「それもそうだね! でも色んな所のご飯を食べるのもいいよねぇ!」
マーレがそう叫ぶと、淡々と店員さんが料理を持ってくる。
「お待たせしました。こちらが……」
ということで、我関せずと言った感じで静かなドワーフの少女が来た。
それからは、美味しい夕食を堪能した。
ルーシ―さんはとても申し訳なさそうな顔をしていた。
わたくしはそんな彼女に向けて、大声で叫ぶ。
「買いますわ!」
「え? そんな即決でいいんですか?」
「もちろんです! ここの立地も、そしてこの環境もとってもスローライフ向きですわ!」
わたくしは感動していた。
この山の麓にあり、人通りがないというのも、スローライフにはよりいい。
位置としてはカレドニアの北東にある場所で、人里からそれなりに離れている感じだ。
「そ、そうですか。わかりました。では、手続きをしたいと思いますので、ギルドに戻ってもよろしいでしょうか?」
「もちろんですわ!」
「ありがとうございます。こんな辺鄙な場所を買って下さって。お手伝いできることがあれば、いつでも相談に乗りますので」
「ええ、よろしくお願いしますわ」
いま辺鄙な場所とか聞こえた気がしましたが、気のせいでしょう。
そんなことは置いておいて、わたくしたちは手続きをするためにギルドに戻る。
ギルドでの手続きはかなり大変で、しかもティエラが結構細かく詳細に読んでくれた。
契約書を4周しようとした時はマーレが流石に止めに入ったくらいだ。
そんなことをしていたら、外に出る頃には夜になっていた。
「うわぁ……真っ暗……」
「それでも最後まで付き合ってくれたルーシ―様には感謝ですわね」
「そうだね。クレア、そろそろお腹が減ったんだけど?」
「マーレ……どこかいい匂いの宿はありますか? もちろん、マーレとティエラの泊まれる宿で」
「それこそ、ルーシ―さんに聞いてきたらいいんじゃない?」
「……それもそうですわね」
ということで、ルーシ―さんに聞いてみると、『土小人のかまど亭』という店を紹介された。
わたしたちは早速その店に向かう。
店はわたくしたちの土地と結構近く、美味しいなら通ってもいいくらいの距離だ。
店の中の込み具合は8割といったくらいで、部屋の中は美味しそうな匂いと、酒の匂いが充満していた。
「いらっしゃいませー」
「……いらっしゃいませ」
出迎えてくれたのはドワーフの少女2人だった。
一人は身長130㎝ほどで、活発な笑顔で挨拶をしてくれる。
赤髪を短髪にしていて、両手にはジョッキの載ったお盆を軽々と持っていた。
もう一人は静かな印象のドワーフで、身長はさっきの人よりも少し低い。
肩口で赤髪を切っていて、こちらは両手に食べた後の食器をこれでもかと持っていた。
「3人ですわ。入れますか?」
「もちろんだよ! 適当に座って!」
「ありがとうございますわ」
言われた通りにわたくしたちは適当な席に座る。
マーレは床に座るとちょうどよく、ティエラは机の上に顔だけ出るように床に座った。
「それではメニューは……」
「俺はなんでもいい」
「僕はクラーケンの姿焼きとバッファローのあばら肉ステーキ、それから……」
と、色々なご飯を頼み始める。
「注文いいかしら?」
「はい」
わたくしが注文をお願いすると、静かな方のドワーフが受けてくれた。
「結構量あるけど、大丈夫?」
「大丈夫ですわ。マーレの胃袋は海ですわよ」
「分かった」
「それと、宿ってまだ取れますか? もちろん、3人とも一緒でですが」
「提携してるところなら大丈夫だと思う」
「ではよろしくお願いしますわ」
「はい」
そう言って静かに去って行く。
「それで、お話なのですが、問題は明日からですわ」
「そうなの?」
「はい。端的に言ってお金がありませんわ。なので、明日からすでに宿なし、ホームレスお嬢様になるかもしれません」
「え、今日のご飯も……?」
「それは多分大丈夫ですが、明日以降の住処等もやばいです。なので、とりあえず、明日はあの土地に家を建てたい。そのために住むならどのような家がいいのか、それを話し合いませんか?」
ご飯を食べたいと思うけれど、食べ始めるとマーレがそちらに集中してしまうので、こちらを先にやらなければならない。
「僕は特に要望はないよ。あ、広いと嬉しいかな」
「俺はクレアとともに居られれば文句はない」
「そうなんですのね。なら……基本的な部分だけを作って、一応拡張性だけ残しておく。ということにしたらいいのでしょうか?」
「どうして?」
「シエロだったら結構こだわりそうでしょう? だからその余地は残しておいた方がいいかなと思いまして」
「あー確かに、シエロはこだわりそう」
マーレはそう言ってそわそわとキッチンの方を見ている。
それからすぐに、彼は目をキラキラとさせる。
「来たみたいですわね」
「だね。分かりやすい」
「やっぱりご飯が最高だよね!」
「ではキッチンも大きくした方がいいですわね」
「それもそうだね! でも色んな所のご飯を食べるのもいいよねぇ!」
マーレがそう叫ぶと、淡々と店員さんが料理を持ってくる。
「お待たせしました。こちらが……」
ということで、我関せずと言った感じで静かなドワーフの少女が来た。
それからは、美味しい夕食を堪能した。
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