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1章
第60話 わたくしたちの家
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テーブルの上にはいつもの倍以上の料理が置かれている。
皿1枚に限っても、わたくし1人では決して食べられない量が乗っているのだ。
そんな皿が10枚以上、正直これは……。
「大丈夫! 僕が全部食べるからね!」
「いやでもこれは……」
「クレア!」
「ラ、ララ?」
わたくしがマーレに言っていると、ララが隣に来る。
「あのキッチン最高! 本当に最高! すごい! あれ本当に全部わたしが使っていいの!?」
「ええ、いいですわよ。むしろ、何か問題があったら言ってくださいまし」
「ううん! 完璧! 最高!」
「そう言っていただけるととても嬉しいですわ。先にご飯にしますか」
「うん! 後で朝まで良さを語るね!」
「え、ええ……」
また朝まで徹夜かぁ……と思いつつもわたくしたちは一緒にご飯を食べ始める。
料理はとても美味しく、今までよりも様々な味がしていた。
「キッチンが変わっただけなんですよね? こんなにも美味しい物ができるとはララはすごいですわね」
「クレアがすごい。あのキッチン作ろうと思ったらやばいくらいのお金がいると思う。それをたった1日で作っているんだからやばい」
「そうなんですの? 素材はマーレが採ってきてくれたのですわ」
「マーレ、いっぱい美味しい物作るね」
「よふぉふぃふー!」
「マーレ。喋る時は口を閉じて下さいな」
「…………」
「だからって喋るのをやめるのはどうなんですの?」
そんなことを話したりしながらご飯を食べ終えた。
「ララ、とても美味しかったですわ」
「うん。洗い物してくる」
ということをララがしてくれている間に、浴場のイスを作る。
フィーネと色々と話して妥協点を見つけながらだったけれど、ララの洗い物が終わるまでに設計も加工も終えた。
「改めてみたけどすごい早業ね……」
「そうですか? 他の建築関係の方を知らないで」
「いや、普通に早いわよ……」
「そうですの? まぁ、早速行きましょう!」
「それはいいんだけど……ここで普通に服を脱げばいいの?」
「あ……」
そう言えばそのうち脱衣場を作ろうとしている間にキッチンの方に意識が行っていた。
「まぁいいでしょ。どこで脱ぐかだけだし、着替えだけは持ってこないとだけど」
そう言って立ち上がると、わたくしもその通りだと立ち上がる。
「行かないの?」
「て、もう脱いでいるんですの?」
ララはいつの間にか服を脱いで側に立っている。
恥ずかしがっている様子はない。
「早く行こう?」
「すぐに行きますわ。ちょっと待っていてください」
わたくしもすぐに着替えなどを取りに行き、それから戻ってくるとフィーネもタオルを身体に巻きつけて待っていた。
「お待たせしましたわ。それでは行きましょう」
ということで、わたくしは2人を連れて……。
「ティエラ、マーレ。一緒に行きますわよ」
「むぅ、俺は別に汚れていない」
「今キテるから……」
「キテる……?」
「ちょっと意識が飛べそうで飛べなくて楽しいんだよね~」
「そんな風にご飯を食べるのはやめてくださいな。ティエラもいいから行きますわよ」
「仕方ない」
「分かったよ~」
ということで、2人も連れて浴場に入る。
浴槽はちょうどいい塩梅で入っていたのでお湯を止めた。
わたくしは皆にシャワーの使い方を説明した。
「へぇーこれで身体を先に洗ってから入るんだ」
「温かい」
「俺は出来んが」
「僕にはちょっと小さいかな……」
「2人はわたくしが洗いますわ」
フィーネとララは教えた通りに身体を洗い始める。
わたくしはティエラとマーレの身体を洗いながら、2人用のシャワーも作らないとなと自分で思う。
「はふぅ……このお風呂最高……」
「温まる……」
フィーネとララはお湯に浸かってぐたぁとしていた。
フィーネはこちらの方の縁に両手と頭を乗せ、ララは縁に頭を乗せている。
とても気持ちよさそうにしているのがそれはそれで嬉しい。
「途中なんだが……」
「ああ、すみません。すぐにやりますわ」
ということで、ティエラを洗い始めた。
「どうですか……? 気持ちよくないですか?」
「う……むぅ、確かに……な」
「でしょう? マーレは……自分でやれるのですね」
「うん。小さいけど、慣れたらいけるよ」
マーレはそう言って身体を全身隈なく洗ってからお風呂に入る。
「さて、大体こんな感じでいいですわよ。お風呂に入って下さいまし」
「ああ、分かった」
「ちょ! 水を飛ばさないでくださるかしら!?」
ティエラは犬や猫がよくやる全身ブルブル震わせることをして、水分を飛ばす。
これからもっと濡れるのに……。
「ああ、すまん」
ティエラはちょっと元気がなさそうによろよろとお風呂に入っていく。
わたくしはそれを見届けてから、自身の身体や髪を洗う。
「温度もちょうどいいですわね。温度調節の機能もどうにか欲しい所ですが……まあ、今はいいでしょう」
それからわたくしもお風呂に入る。
場所はティエラとフィーネの間だ。
「失礼しますわ」
「うん……これ……いいわね……」
「本当ですか? そう言っていただけるととても嬉しいです」
「いくらでも言うわよ。これ……すごいわ……最高……毎日入っていって本当……?」
「ええ、手入れもあまり必要ないように作ったので、毎日行けると思いますわ」
「もう……最高……普通こんな立派なお風呂なんて高位の貴族しか持ってないはずなんだけどね……」
「わたくしとしても、いいお風呂に入りたいので、妥協はできないのですわ」
日本の温泉を想像すると、もう少しよかったような気もする。
「うむぅ……これは……いいな……」
わたくしが考え事をしていると、ティエラが隣でそう言ってくれる。
「本当ですの? そうだとわたくしも嬉しいですわ」
「ああ……これなら毎日入れる」
「ふふ、ちゃんと毎日洗ってあげますわ」
「楽しみにしている」
「ええ、ずっと……やって差し上げますわ」
わたくしたちはお風呂にゆったりと浸かり、のぼせた。
「入る時間は考えないといけませんわねぇ……」
「うーん」
「キッチン……」
そんなことになりつつも、わたくしたちはのんびりとしていた。
「クレア。ありがとうね。私をこの家に住まわせてくれて」
「突然どうしましたの? フィーネがいてくださってとてもうれしいですわよ」
「うん。あたしもクレアと一緒に居られて最高」
「はい。わたくしもです」
フィーネとそんなやり取りをしていると、ララも口を開く。
「クレア。わたしもここに住めて最高。もう……ずっと住む」
「ええ、わたくしも同じ気持ちです。これからも……ずっと……ずっと一緒に住みたいですわ」
「うん。約束」
「ええ、当然ですわ」
わたくしたちはそんなことを話し、これからも一緒に楽しく過ごす。
FIN
***************************
ここまで読んでくださってありがとうございます。
クレアと愉快な仲間の物語はここで終わりとなります。
ついでにちょっとだけ宣伝を……。
今月中旬に私の作品である、『転生幼女はお願いしたい』の3巻が発売します。
コミカライズもしているので、もし気になった方は読んでみてください。
ここまで付き合っていただいてありがとうございます。
皿1枚に限っても、わたくし1人では決して食べられない量が乗っているのだ。
そんな皿が10枚以上、正直これは……。
「大丈夫! 僕が全部食べるからね!」
「いやでもこれは……」
「クレア!」
「ラ、ララ?」
わたくしがマーレに言っていると、ララが隣に来る。
「あのキッチン最高! 本当に最高! すごい! あれ本当に全部わたしが使っていいの!?」
「ええ、いいですわよ。むしろ、何か問題があったら言ってくださいまし」
「ううん! 完璧! 最高!」
「そう言っていただけるととても嬉しいですわ。先にご飯にしますか」
「うん! 後で朝まで良さを語るね!」
「え、ええ……」
また朝まで徹夜かぁ……と思いつつもわたくしたちは一緒にご飯を食べ始める。
料理はとても美味しく、今までよりも様々な味がしていた。
「キッチンが変わっただけなんですよね? こんなにも美味しい物ができるとはララはすごいですわね」
「クレアがすごい。あのキッチン作ろうと思ったらやばいくらいのお金がいると思う。それをたった1日で作っているんだからやばい」
「そうなんですの? 素材はマーレが採ってきてくれたのですわ」
「マーレ、いっぱい美味しい物作るね」
「よふぉふぃふー!」
「マーレ。喋る時は口を閉じて下さいな」
「…………」
「だからって喋るのをやめるのはどうなんですの?」
そんなことを話したりしながらご飯を食べ終えた。
「ララ、とても美味しかったですわ」
「うん。洗い物してくる」
ということをララがしてくれている間に、浴場のイスを作る。
フィーネと色々と話して妥協点を見つけながらだったけれど、ララの洗い物が終わるまでに設計も加工も終えた。
「改めてみたけどすごい早業ね……」
「そうですか? 他の建築関係の方を知らないで」
「いや、普通に早いわよ……」
「そうですの? まぁ、早速行きましょう!」
「それはいいんだけど……ここで普通に服を脱げばいいの?」
「あ……」
そう言えばそのうち脱衣場を作ろうとしている間にキッチンの方に意識が行っていた。
「まぁいいでしょ。どこで脱ぐかだけだし、着替えだけは持ってこないとだけど」
そう言って立ち上がると、わたくしもその通りだと立ち上がる。
「行かないの?」
「て、もう脱いでいるんですの?」
ララはいつの間にか服を脱いで側に立っている。
恥ずかしがっている様子はない。
「早く行こう?」
「すぐに行きますわ。ちょっと待っていてください」
わたくしもすぐに着替えなどを取りに行き、それから戻ってくるとフィーネもタオルを身体に巻きつけて待っていた。
「お待たせしましたわ。それでは行きましょう」
ということで、わたくしは2人を連れて……。
「ティエラ、マーレ。一緒に行きますわよ」
「むぅ、俺は別に汚れていない」
「今キテるから……」
「キテる……?」
「ちょっと意識が飛べそうで飛べなくて楽しいんだよね~」
「そんな風にご飯を食べるのはやめてくださいな。ティエラもいいから行きますわよ」
「仕方ない」
「分かったよ~」
ということで、2人も連れて浴場に入る。
浴槽はちょうどいい塩梅で入っていたのでお湯を止めた。
わたくしは皆にシャワーの使い方を説明した。
「へぇーこれで身体を先に洗ってから入るんだ」
「温かい」
「俺は出来んが」
「僕にはちょっと小さいかな……」
「2人はわたくしが洗いますわ」
フィーネとララは教えた通りに身体を洗い始める。
わたくしはティエラとマーレの身体を洗いながら、2人用のシャワーも作らないとなと自分で思う。
「はふぅ……このお風呂最高……」
「温まる……」
フィーネとララはお湯に浸かってぐたぁとしていた。
フィーネはこちらの方の縁に両手と頭を乗せ、ララは縁に頭を乗せている。
とても気持ちよさそうにしているのがそれはそれで嬉しい。
「途中なんだが……」
「ああ、すみません。すぐにやりますわ」
ということで、ティエラを洗い始めた。
「どうですか……? 気持ちよくないですか?」
「う……むぅ、確かに……な」
「でしょう? マーレは……自分でやれるのですね」
「うん。小さいけど、慣れたらいけるよ」
マーレはそう言って身体を全身隈なく洗ってからお風呂に入る。
「さて、大体こんな感じでいいですわよ。お風呂に入って下さいまし」
「ああ、分かった」
「ちょ! 水を飛ばさないでくださるかしら!?」
ティエラは犬や猫がよくやる全身ブルブル震わせることをして、水分を飛ばす。
これからもっと濡れるのに……。
「ああ、すまん」
ティエラはちょっと元気がなさそうによろよろとお風呂に入っていく。
わたくしはそれを見届けてから、自身の身体や髪を洗う。
「温度もちょうどいいですわね。温度調節の機能もどうにか欲しい所ですが……まあ、今はいいでしょう」
それからわたくしもお風呂に入る。
場所はティエラとフィーネの間だ。
「失礼しますわ」
「うん……これ……いいわね……」
「本当ですか? そう言っていただけるととても嬉しいです」
「いくらでも言うわよ。これ……すごいわ……最高……毎日入っていって本当……?」
「ええ、手入れもあまり必要ないように作ったので、毎日行けると思いますわ」
「もう……最高……普通こんな立派なお風呂なんて高位の貴族しか持ってないはずなんだけどね……」
「わたくしとしても、いいお風呂に入りたいので、妥協はできないのですわ」
日本の温泉を想像すると、もう少しよかったような気もする。
「うむぅ……これは……いいな……」
わたくしが考え事をしていると、ティエラが隣でそう言ってくれる。
「本当ですの? そうだとわたくしも嬉しいですわ」
「ああ……これなら毎日入れる」
「ふふ、ちゃんと毎日洗ってあげますわ」
「楽しみにしている」
「ええ、ずっと……やって差し上げますわ」
わたくしたちはお風呂にゆったりと浸かり、のぼせた。
「入る時間は考えないといけませんわねぇ……」
「うーん」
「キッチン……」
そんなことになりつつも、わたくしたちはのんびりとしていた。
「クレア。ありがとうね。私をこの家に住まわせてくれて」
「突然どうしましたの? フィーネがいてくださってとてもうれしいですわよ」
「うん。あたしもクレアと一緒に居られて最高」
「はい。わたくしもです」
フィーネとそんなやり取りをしていると、ララも口を開く。
「クレア。わたしもここに住めて最高。もう……ずっと住む」
「ええ、わたくしも同じ気持ちです。これからも……ずっと……ずっと一緒に住みたいですわ」
「うん。約束」
「ええ、当然ですわ」
わたくしたちはそんなことを話し、これからも一緒に楽しく過ごす。
FIN
***************************
ここまで読んでくださってありがとうございます。
クレアと愉快な仲間の物語はここで終わりとなります。
ついでにちょっとだけ宣伝を……。
今月中旬に私の作品である、『転生幼女はお願いしたい』の3巻が発売します。
コミカライズもしているので、もし気になった方は読んでみてください。
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